二項検定

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索

二項検定(にこうけんてい)は、2つのカテゴリに分類されたデータの比率が、理論的に期待される分布から有意に偏っているかどうかを、二項分布を利用して調べる統計学的検定であり、確率を直接求める方法(正確確率検定)の一つである。

[編集]

さいころを振って6の目が出るかどうかというのを考えよう。235回振ったところ、6の目は51回出たとする。さいころが公平ならば、6の目は235/6 = 39.17回出ると期待できるから、これを帰無仮説とする。6の目の出た割合はこれより有意に高いだろうか?

二項分布B(235,1/6)を使って、各回で6の目の出る本当の確率(確率母数)が1/6であるときに、235回のうち6の目が51回出る確率を求める。さらに6の目が52回、53回、・・・、235回と出る確率をそれぞれ求め、これらをすべて合計する。結果は0.02654425となる。有意水準を5%としておけば、この値はそれより小さいから、「帰無仮説は棄却される」、つまり「さいころは公平でない」という結論になる。この例では、6の目の割合が「有意に高いかどうか」を問題にしているので、片側二項検定という。それに対して「有意に低いかどうか」も含めた両側二項検定も可能である。

この場合のように標本数が大きい場合には、二項分布を連続分布で近似することができる。そこで計算の便利な方法としてピアソンのカイ二乗検定G検定が用いられる。しかし標本数が小さいとこの近似は使えないので二項検定が必要になる。

二項検定は特に、2カテゴリが同じ確率で起こる(確率母数=0.5)ことを帰無仮説とする場合、例えばコイントスなどでよく使われる。この場合を特に符号検定という。カテゴリが3つ以上で正確確率検定が必要な場合には、二項分布でなく多項分布を基本にした検定法(多項検定)が必要である。