ミーツ・ザ・マザーズ・オブ・プリヴェンション

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ミーツ・ザ・マザーズ・オブ・プリヴェンション
フランク・ザッパスタジオ・アルバム
リリース
ジャンル ロック、実験音楽
レーベル バーキング・パンプキン・レコード
プロデュース フランク・ザッパ
専門評論家によるレビュー
チャート最高順位
  • 53位(オランダ[1]
  • 153位(アメリカ[2]
フランク・ザッパ 年表
The Old Masters Box I
(1985年)
ミーツ・ザ・マザーズ・オブ・プリヴェンション
(1985年)
ダズ・ヒューモア・ビロング・イン・ミュージック?
(1986年)
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ミーツ・ザ・マザーズ・オブ・プリヴェンション[3]』(原題:Frank Zappa Meets the Mothers of Prevention)は、フランク・ザッパ1985年に発表したスタジオ・アルバム

背景[編集]

1985年9月19日、ザッパはPMRCの主張により開催された上院委員会の公聴会に出席し、PMRCの推進する音楽検閲に反対した[4]。「ポルノ・ウォーズ」は、この公聴会の録音を編集して作られた曲で、ザッパ・バンドのメンバーであるアイク・ウィリスのモノローグが追加され、また、PMRC側の発言の中から、敢えて「セックス」等の卑猥な言葉をリピートする編集も行われた[5]。なお、ザッパの妻ゲイルはザッパの没後、PMRCの中心人物であるティッパー・ゴアと親しくなるが[6]、ゲイルはその一方で、2010年には1985年9月の公聴会の模様を収録したアルバム『Congress Shall Make No Law…』を発売しており[7]、同作に関して「彼女(ティッパー)の悲しくて複雑な記憶を掘り起こしているのかもしれないけど、それでも私は彼女を本当に尊敬している。彼女自身がアーティストなのよ」とコメントしている[6]

本作はザッパがシンクラヴィアに傾倒した時期の作品で、「エアロビクス・イン・ボンディッジ」や「チビ・ベージュ・サンボ」は全編シンクラヴィアによって作られ、「ヨー・キャッツ」や「ホワッツ・ニュー・イン・ボルティモア?」はコンピューターの演奏と人間の生演奏の両方が取り入れられた[8]

リリース[編集]

アメリカ盤LPは7曲入りで発売されたが[9]、ヨーロッパ盤では「アメリカ国外のリスナーにとっては面白くない政治的な曲」という理由で「ポルノ・ウォーズ」が外され、代わりに3曲の新曲が追加された[10]。ヨーロッパ盤LPに収録された「H.R.2911」のタイトルは、当時RIAAが導入を推進していたブランク・テープ税の正式名称に由来しており、ザッパはRIAAとPMRCが結託していると主張して両者を批判した[11]

後のリマスターCDは、アメリカ盤とヨーロッパ盤の内容を統合した10曲入りとなり、曲順も変更されている。

反響・評価[編集]

アメリカのBillboard 200では153位に達し、結果的には生前最後の全米トップ200入りとなった[2]。オランダでは1986年3月29日付のアルバム・チャートで初登場60位となり、その後53位に達した[1]

François Coutureはオールミュージックにおいて5点満点中3点を付け「すぐに古臭くなってしまった政治的な作品"Porn Wars"を別とすれば、印象的な瞬間に欠ける」と評している[8]。また、John Semleyは The A.V. Clubにおいて「フラストレーションを取り込もうとしたのだろうが、当てつけめいた自虐になってしまった、無味乾燥な論文のレコード」と評している[12]

収録曲[編集]

特記なき楽曲はフランク・ザッパ作。

アメリカ盤LP[編集]

サイド1[編集]

  1. "We're Turning Again" - 4:55
  2. "Alien Orifice" - 4:03
  3. "Yo Cats" (Frank Zappa, Tommy Mars) - 3:31
  4. "What's New in Baltimore?" - 5:21

サイド2[編集]

  1. "Little Beige Sambo" - 3:02
  2. "Porn Wars" - 12:04
  3. "Aerobics in Bondage" - 3:16

ヨーロッパ盤LP[編集]

サイド1[編集]

  1. "We're Turning Again" - 4:55
  2. "Alien Orifice" - 4:03
  3. "Yo Cats" (F. Zappa, T. Mars) - 3:31
  4. "What's New in Baltimore?" - 5:21

サイド2[編集]

  1. "I Don't Even Care" (F. Zappa, Johnny "Guitar" Watson) - 4:43
  2. "One Man - One Vote" - 2:36
  3. "H.R. 2911" - 3:35
  4. "Little Beige Sambo" - 3:02
  5. "Aerobics in Bondage" - 3:16

リマスターCD[編集]

  1. アイ・ドント・イーヴン・ケア ("I Don't Even Care") (F. Zappa, J. Watson) - 4:44
  2. 一人一票 ("One Man, One Vote") - 2:35
  3. チビ・ベージュ・サンボ ("Little Beige Sambo") - 3:02
  4. エアロビクス・イン・ボンディッジ ("Aerobics in Bondage") - 3:17
  5. ウィー・アー・ターニング・アゲイン ("We're Turning Again") - 4:54
  6. エイリアン・オリファイス ("Alien Orifice") - 4:12
  7. ヨー・キャッツ ("Yo Cats") (F. Zappa, T. Mars) - 3:34
  8. ホワッツ・ニュー・イン・ボルティモア? ("What's New in Baltimore?") - 5:25
  9. ポルノ・ウォーズ ("Porn Wars") - 12:02
  10. H.R.2911 ("H.R. 2911") - 3:36

参加ミュージシャン[編集]

脚注[編集]

  1. ^ a b Frank Zappa - Meets The Mothers Of Prevention - dutchcharts.nl
  2. ^ a b Frank Zappa | Awards | AllMusic
  3. ^ 2002年再発CD(VACK-1257)の日本語タイトルに準拠。日本初回盤(MSI / RCD 10023)は『ザッパ検閲の母と出会う』、1995年再発CD(VACK 5049)は『ザッパ・ミーツ・ザ・マザーズ・オブ・プリヴェンション』となっている
  4. ^ Beaujon, Andrew (2015年2月2日). “5 Excellent Moments From The Senare's 1985 Rock-Lyrics Hearings”. Washingtonian. 2015年6月6日閲覧。
  5. ^ Porn Wars - The Mothers of Invention, Frank Zappa | AllMusic - Song Review by François Couture
  6. ^ a b Reesman, Bryan (2010年9月20日). “25 Years After Tipper Gore's PMRC Hearings, the Opposing Sides Aren't So Far Apart”. Vulture.com. New York Media, LLC. 2015年6月6日閲覧。
  7. ^ "Congress Shall Make No Law…" - globalia.net
  8. ^ a b Frank Zappa Meets the Mothers of Prevention - Frank Zappa | AllMusic - Review by François Couture
  9. ^ Frank Zappa - Frank Zappa Meets The Mother Of Prevention (Vinyl, LP, Album) at Discogs - アメリカ盤LPの情報
  10. ^ Frank Zappa Meets The Mother Of Prevention (European Version) (Vinyl, LP, Album) at Discogs
  11. ^ H.R.2911 - Frank Zappa | AllMusic - Song Review by François Couture
  12. ^ Semley, John (2012年8月9日). “Where to dive into Frank Zappa's weird, unwieldy discography”. The A.V. Club. 2015年6月6日閲覧。