マッドマックス2

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マッドマックス2
Mad Max2: The Road Warrior
監督 ジョージ・ミラー
脚本 テリー・ヘイズ
ジョージ・ミラー
ブライアン・ハナント
製作 バイロン・ケネディ
出演者 メル・ギブソン
音楽 ブライアン・メイ
撮影 ディーン・セムラー
編集 マイケル・マルソン
デイヴィッド・スティーヴン
ティム・ウェルバーン
配給 ワーナー・ブラザーズ
公開 オーストラリアの旗 1981年12月24日
日本の旗 1981年12月26日
上映時間 91分
製作国 オーストラリアの旗 オーストラリア
言語 英語
製作費 AUD 4,000,000
興行収入 $23,667,907[1]
前作 マッドマックス
次作 マッドマックス/サンダードーム
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マッドマックス2』(Mad Max2:The Road Warrior)は、1981年公開のオーストラリアの映画作品

マッドマックス』の続編。前作のヒットを受け、約10倍の費用をかけて製作されたバイオレンス・アクション映画。

大国同士による戦争後の荒廃した舞台設定、モヒカンヘアーで暴れまわる暴走族などを描いた世界観は、1980年代全般のSF映画をはじめ多くの作品に影響を与えた(日本の漫画、北斗の拳もその一つである)。

あらすじ[編集]

「パニックの時代… 破れた夢… 荒野… だが、特に忘れられないのは― マックスという強い男だ」というモノローグから物語は始まる。

前作の直後に二大国間で勃発した世界大戦により文明は崩壊した。戦争に伴う中東地域の油田破壊によって枯渇した石油を巡り、凶悪な暴走族が日夜争奪戦を繰り広げている。元警官マックスは、改造を施した愛車V8ブラック・インターセプターに乗り、相棒である犬(オーストラリアン・キャトル・ドッグ)と共に、暴走族を倒しては石油を奪い、荒野をあてもなく旅していた。放浪の中で出会ったジャイロ・キャプテンと名乗る男を連れたマックスは、周辺区域を縄張りとするヒューマンガスが率いる暴走族にたびたび襲撃されている石油精製所を発見する。精製所のリーダーであるパッパガーロは、ガソリンと引き換えに、石油を運び出すためのトレーラー探しをマックスに依頼。首尾良くこれに成功し製油所を後にするマックスだが、途中で暴走族に襲われ、重傷を負った上にインターセプターと犬を失う。駆けつけたジャイロ・キャプテンに救出され精製所で手当てを受けたマックスは、彼らが目指す「太陽の楽園」への脱出行の手助けを決意。暴走族との激しいチェイスが始まった。

登場人物・キャスト[編集]

“マックス”マクシミリアン・ロカタンスキー Maximillian "Max" Rockatanskyメル・ギブソン
前作からの主人公。元警官。前作で妻子を失ったショックから心を閉ざしているが、他人への優しさを完全には失っていない。水平二連のソードオフ・ショットガンを愛用。全身を黒いレザースーツで固める。前作での負傷によりやや不自由となった左足に補助器具を装着している。
ジャイロ・キャプテン Gyro Captain(ブルース・スペンス)
小型のオートジャイロに乗り砂漠をさすらう陽気な男。頭にゴーグル、身体にはボロボロのコートをまとう。マックスからガソリンを奪おうとするが返り討ちにあい、許しを請うために石油精製所の場所を教える。マックスを「パートナー」と呼び、サポートする過程で、自身も暴走族との戦いに参加することとなる。
フェラル・キッド Feral Kid(エミル・ミンティ)
鋭く砥がれた鋼鉄製のブーメランを自在に操る野生児。親は分からず、言葉も話せないが、マックスに憧れを抱く。犬の鳴き真似が得意。
実はこの物語の語り手であり、劇中序盤と終盤のモノローグは「成長したキッドが過去を振り返りながらマックスの思い出を語っている」という設定である。
パッパガーロ Pappagallo(マイケル・プレストン)
石油精製所のリーダー。強い意志を持つ理想家であり、策略家でもある。暴走族に屈しそうになるメンバーに、誇りを守ることの大切さを説き、徹底抗戦を主張する。
女戦士 Warrior Woman(バージニア・ヘイ)
クロスボウを携え石油精製所を守る女性戦士。当初は無法者然としたマックスに辛く当たるが、考えを改め、終盤ではマックスと共にトレーラーへ乗り込む。
ジャイロの彼女 The Captain's Girl(アーキー・J・ホワイトリー)
石油精製所の若いティーンエイジャーの娘。単にLusty Girlとも呼ばれている。
ジャイロ・キャプテンが一目ぼれして好意で、一緒にオートジャイロに乗って精製所から出ようと言われるが、離れたくないと拒否していた。
メカニック Mechanic(スティーブ・J・スピアーズ)
石油精製所で車両の整備士をしていた人物。
ビッグ・レベッカ Big Rebecca(モイラ・クロー)
石油精製所を守っていた高齢の女性。ヒューマンガス達に対して弓矢で対抗していた。
マックスが石油精製所から立ち去る時、幸運の贈り物としてにショットガンの弾丸をプレゼントしていた。
カーマジャン Curmudgeon(シド・ヘイレン)
石油精製所で暮らしていた老人。楽観的な性格で、精製所から脱出して「太陽の楽園」を目指す旅に出ることに魅了していた。
ネイサン Nathan(デビッド・タウナー)
マックスが最初に出会った石油精製所の人物。石油精製所からバギーカーで去った時、待ち伏せしていたヒューマンガスの仲間に襲撃され、殺された。
ヒューマンガス The Humungus(ケル・ニルソン)
ロード・ヒューマンガス(Lord Humungus)と呼ばれるが、ヒューマンガスとも呼ばれる。精製所の石油をつけ狙う暴走族の首領。半裸で筋骨隆々、怒り狂うウェズをスリーパーホールドで絞め落とす腕力を持つ。Cooper HM6 ホッケーマスクで顔面を覆い、劇中で素顔が晒されることはない。演説に長け、強力なカリスマを発揮する。手下によると「ロックンローラーのアヤトラ」。スコープ付きSmith & Wesson .44 Model 29と実弾5発入りケースを所持、ケース内には何らかの家族と思しき集合写真も同梱されているが本人との相関関係は劇中では不明。
ウェズ・ジョーンズ Wezヴァーノン・ウェルズ
暴走族のナンバー2的存在。赤く染めたモヒカン刈りの大男で、ヒューマンガスですら手を焼くほど凶暴な性格。初対面からマックスを異常に敵視する。
「革鎧を身につけたモヒカン頭の凶悪なバイク乗り」という造形は、以降のサブカルチャーにおける世紀末的世界観に大きな影響を与えた。イギリスの映画雑誌エンパイアによって、「映画史上最高の、悪の手下(henchman)」に選ばれている[2]
ゴールデン・ユース The Golden Youth(ジェリー・オサリバン)
ウェズのパートナーの男。フェラル・キッドが投げた鋼鉄製のブーメランが頭に当たり死亡した。自分の相棒を殺されたウェズが激昴する。
当初の設定では女性になるはずであったが、男性に変更された。
トーディー The Toadieマックス・フィップス
暴走族のメンバー。フェラル・キッドが投げた鋼鉄製のブーメランを、手でキャッチしようとしたが失敗し、指を何本か失った。
ベアクロウ・モホーク Bearclaw Mohawk(ガイ・ノリス)
暴走族のメンバーの戦士。モヒカンにマスクをし、手に鋭い爪とボウガンを装備してる。

用語[編集]

"Dog"
マックスの相棒の犬。オーストラリアン・キャトル・ドッグと呼ばれる犬種。最後はヒューマンガスの部下にボウガンで殺された。
また4作目『マッドマックス 怒りのデス・ロード』でも人々がマックスを非難するマックスのフラッシュバックのシーンでオーストラリアン・キャトル・ドッグの犬種が撮影で使われた[3]が劇場上映された時、カットされている。
石油精製所Oil Refinery
荒地と化したアウトバックの「ウェストランド」にある石油精製所。パッパガーロ率いる一団が暮らしていた。石油がある為、ヒューマンガス率いる暴走族に狙われていた。パッパガーロ達が精製所から脱出した後、最後は浸入した暴走族もろうとも精製所を爆破させた。
Guzzolene
マッドマックス・シリーズでガソリンを指す名前。映画の中でこの言葉が度々出てくる。
パウダー川Powder River
パッパガーロによると石油精製所の近くにあったとされる川。

日本語吹替版[編集]

役名 俳優 日本語吹替声優
フジテレビ TBS テレビ朝日 スーパーチャージャー版
マックス メル・ギブソン 柴田恭兵 鈴置洋孝 山寺宏一 安原義人
ジャイロ・キャプテン ブルース・スペンス ジョニー大倉 青野武 牛山茂 多田野曜平
パッパガーロ マイク・プレストン 小林清志 若本規夫 堀勝之祐 郷田ほづみ
ヒューマンガス ケル・ニルソン 柴田秀勝 島香裕 麦人 手塚秀彰
ウェズ・ジョーンズ ヴァーノン・ウェルズ 渡部猛 大友龍三郎 若本規夫 黒澤剛史
トーディー マックス・フィップス 牛山茂 小島敏彦 小形満
女戦士 ヴァージニア・ヘイ 小宮和枝 金野恵子 日野由利加
ゼッタ ウィリアム・ゼッパ 千田光男 仲野裕
メカニック スティーブ・J・スピアーズ 天田益男
ジャイロの彼女 アーキー・ホワイトリー 相沢恵子 藤枝成子
カーマジャン シド・ヘイレン 大宮悌二 宮内幸平 藤本譲 麦人
野生児(フェラル・キッド) エミール・ミンティ
役不明またはその他 笹岡繁蔵
火野カチコ
宝亀克寿
峰恵研
中田和宏
大黒和広
小川智子
水越健
入江純
佐竹海莉
山岸治雄
中村和正
小林達也
浅科准平
合田絵利
中村章吾
まつだ志緒理
演出:春日正伸、翻訳:宇津木道子、製作:東北新社、プロデューサー:山形淳二、解説:高島忠夫
演出:福永莞爾、翻訳:宇津木道子、制作:東北新社、プロデューサー:上田正人
演出:松川睦、翻訳:久保喜昭、効果:リレーション、調整:長井利親、制作:ムービーテレビジョン、プロデューサー:圓井一夫/山川秀樹、解説:淀川長治
  • スーパーチャージャー版 - 2015年6月17日発売『マッドマックス トリロジー スーパーチャージャー・エディション ブルーレイ版 スチールブック仕様』
演出:羽田野千賀子、翻訳:久保喜昭、調整:オムニバス・ジャパン、製作:東北新社

※2015年6月17日発売のBlu-rayにはTBS版、テレビ朝日版の吹替に併せ新規製作した吹替版が収録された。

作品解説[編集]

舞台は前作のオーストラリアの片田舎から荒野に変わり、マックス以外の登場人物も全て一新されている。また、前作では当時のオーストラリアで社会問題となっていた暴走族の根絶というテーマを含有していたが、本作はより激しいカーチェイスを前面に押し出したアクション映画としての側面が強い。製作費は前作の約10倍だが、その大部分はマシーンの改造費に当てられていた。

アメリカ公開時のタイトルは、『Mad Max 2』ではなく副題の『The Road Warrior』だった。当時のアメリカでは前作の知名度が低く、『マッドマックス』の続編という認識が成り立ちにくかったためである(オーストラリアでは初公開時から『Mad Max 2』)。LD・DVD版は、ジャケットでは「MAD MAX 2」、本編フィルムでは「The Road Warrior」と表記されている。ブルーレイ版はこの逆である。作中の老いたフェラル・キッドのマックスに関する回想場面にて、老フェラル・キッドのセリフは「マックス=ロード・ウォリアー」と併用した呼称となっている。

主に登場する乗り物[編集]

M.F.P班により整備、改造を施された特殊車両”迎撃機”、600馬力、燃料盗難者爆殺装置付き。マックスが乗るフォード・ファルコンをベースにした黒色の車体と、V8エンジンを搭載したFRカスタム車。ウェズの一撃でフロントガラスを粉砕されて横転、車体下に設置されていた発火装置が作動し爆発、炎上。。
  • マックR-600 クールパワー
石油精製所で暮らす人達が「太陽の楽園」を目指す為、使用したタンカートレーラー。ハイウェイの道路上で放置されていたトラックで、マックスが精製所から脱出しようとしているパッパガーロ達の為に頼まれて精製所まで運転して持って来た。
マックRシリーズのトラックを改造して使っている。
  • ザ・ローン・ウルフ
石油精製所に暴走族が浸入した際、パッパガーロ達が手に入れた暴走族の改造車両。精製所から脱出した時はパッパガーロが運転して乗っていた。
  • ヒューマンガス・トラック
ヒューマンガスが乗る六輪駆動の改造トラック。スピードを上げるための亜酸化窒素ボンベを搭載している。
ウェズとゴールデン・ユースのコンビが乗っていたオートバイ
  • フォード・ランダウ 1973
冒頭でマックスを襲った暴走族の車の1台。
  • フォード・ファルコンXAクーペ 1972(レッドXAバット)
  • ホールデン・モナーロHQ 1971(レッドモナーロ)
  • フォード・フェアレーンZG 1974(コップカー)
パトカーの姿をした暴走族の車の1台。

カットされていたシーン[編集]

ブルーレイ版では、ウェズが腕に刺さった矢を引き抜くシーンが復活している。

影響[編集]

本作の大ヒットは、漫画『北斗の拳』以外にも多方面に影響を与えた。例えば、アメリカプロレスタッグチームロード・ウォリアーズ」は、本作の副題と世界観を踏襲して作られたユニットで、アメリカのみならず世界中で大人気となった。

映画『ウォーターワールド』は主要なインスピレーションとしてマッドマックス2を引用した映画で、脚本を書いたデヴィッド・トゥーヒーもマッドマックス2のファンだったのでそのことを認めている。

ノベライズ[編集]

1982年に映画の脚本を担当したテリー・ヘイズによって書かれたノベライズ小説版が出版された。

ゲーム[編集]

エピソード[編集]

  • しばしば本作の設定を「核戦争後の世界」とすることがあるが、実際には劇中で核戦争があったという言及はない。
  • 現場は物語の時系列に沿った進行で撮影が行われる。この撮影方法は非効率的でコストも悪い手段だったがミラーも解っていた上で作品に取り掛かった。
  • 本作はメル・ギブソンをスターに押し上げた作品だが、彼のセリフは劇中を通して17回しかない。
  • ヒューマンガスを演じたケル・ニルソンはスウェーデンの重量挙げ選手出身で、オーストラリア人の妻の仕事が女優業で夫婦共に役者としてオーストラリアにて仕事を始めた頃、本作のヒューマンガス役に抜擢された。頭髪がほとんど残っていない脈打つ頭皮は被り物の装身具である。
  • 日本公開時、メル・ギブソンが来日して宣伝用で作られたインターセプターを登場させるデモンストレーションが行なわれた。
  • 日本テレビは本編撮影中にオンエア用のメイキング特番向けオーストラリア入りして現場での模様を撮影している。バイクのスタントで大腿骨骨折のアクシデントが発生したシーンも生々しくオンエアしている。

脚注[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]