マッドマックス

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マッドマックス
Mad Max
監督 ジョージ・ミラー
脚本 ジェームズ・マッカウスランド
ジョージ・ミラー
製作 バイロン・ケネディ
出演者 メル・ギブソン
音楽 ブライアン・メイ
撮影 デヴィッド・エグビー
編集 クリフ・ヘイズ
トニー・パターソン
配給 ワーナー・ブラザーズ
公開 オーストラリアの旗 1979年4月12日
日本の旗 1979年12月15日
上映時間 93分
製作国 オーストラリアの旗 オーストラリア
言語 英語
製作費 $350,000
興行収入 $8,750,000[1]
次作 マッドマックス2
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マッドマックス』(Mad Max)は、1979年公開のオーストラリアアクション映画作品である。

監督のジョージ・ミラーと主演を務めたメル・ギブソンの出世作品であり、後にシリーズ化された。

舞台設定など、国内外の多くの作品に影響を与えた。

あらすじ[編集]

時は荒廃した近未来。巷では暴走族による凶悪事件が多発していた。

暴走族で警官殺しの凶悪犯ナイトライダーは、暴走族専門の特殊警察「M.F.P.(Main Force Patrol)」から、追跡用に改造されたパトカー「インターセプター」を奪って逃走。「M.F.P.」に所属する警官マックス・ロカタンスキーはこれを発見し追いつめるが、恐怖を感じたナイトライダーは運転操作を誤って死亡する。

これによりマックスは、ナイトライダーの復讐を企むトーカッター率いる暴走族から命を狙われる身となる。僚友のジム・グースが彼らに焼き殺されたことにショックを受けたマックスは辞表を提出するが、上司の提案で休暇をとり家族と共に旅行へ出発。しかし途上でトーカッター一味と遭遇、逃走の果てに妻子は殺害された。

全てを失ったマックスは、スーパーチャージャーを搭載し600馬力にまでチューンナップされた漆黒の特殊追跡車「V8インターセプター(ブラック・パーシュート・スペシャル)」をMFP本部から無断で持ち出す。マックスとトーカッター一味との、互いの復讐をかけたチェイスの火蓋が切られた。

登場人物・キャスト[編集]

“マックス”マクシミリアン・ロカタンスキー Max "Maximillian" Rockatanskyメル・ギブソン
“ジェシー”ジェス・ロカタンスキー Jessie "Jesse" Rockatansky(ジョアン・サミュエル)
ジム・グース Jim Gooseスティーヴ・ビズレー
トーカッター Toecutterヒュー・キース・バーン
ババ・ザネッティ Bubba Zanetti(ジョフ・パリー)
ジョニー・ザ・ボーイ Johnny the Boy(ティム・バーンズ)
フィフィ・マカフィー Fifi Macaffee(ロジャー・ワード)
ナイトライダー The Nightriderヴィンス・ギル
ナイトライダーの彼女 Nightrider's Girl(ルル・ピンカス)
スターバック Starbuck(ニック・ガッザーナ)
クランク Clunk(バートランド・カダート)
クンダリーニ Cundalini(ポール・ジョンストン)
マッドガッツ Mudguts(デヴィッド・ブラックス)
サース Sarseスティーヴン・クラーク
チャーリー Charlie(ジョン・リー)
ループ Roop (スティーヴ・ミリチャンプ)
スカットル Scuttle(ジョージ・ノヴァク)
マイ・スワイセイ May Swaisey (シェイラ・フローランス)
べンノ Benno(マックス・フェアチャイルド)
スプローグ・ロカタンスキー Sprog Rockatansky(ブレンダン・ヒース)
ラバトゥチェ Labatouche(ジョナサン・ハーディ)

用語[編集]

サンシティ Sun City
近未来のオーストラリアにある架空の都市。都市はメインフォース・パトロール(M.F.P.)による管理下の「セクター(部門)」であった。
司法省 Halls of Justice
アウトバックにあるオーストラリア連邦警察の特殊警察メインフォース・パトロール(M.F.P.)の本部の建物。
メインフォース・パトロール(M.F.P.) Main Force Patrol
オーストラリア連邦警察の特殊警察。対犯罪組織の政策としてオーストラリア政府により設立された。国の不安定なエネルギー不足による混乱が起きた時、暴走族らがアウトバックの町々で略奪などしながら暴れまくり、無法状態となった為、その安全対策として結成される。黄色いフォード・ファルコンのパトロールカーに乗っている。
9番高速、セクター26 HIGHWAY 9, SECTOR 26
メインフォース・パトロール(M.F.P.)がパトロールする道路。道路沿いにカフェがあるガソリンスタントがある。年間57人の死亡者を出す為、「高死亡率」道路とされている。
アナーキーロード ANARCHIE ROAD
アウトバックにある道路。
農場
マイ・スワイセイが所有する広大な農場。森林に囲まれ、海岸がある。農場主のマイ・スワイセイとべンノが暮らす。 
ウィーエルサレム Wee Jerusalem
トーカッターの暴走族に脅かされていた集落。鉄道の駅がある。

日本語吹替版[編集]

役名 俳優 日本語吹替声優
日本テレビ
マックス・ロカタンスキー メル・ギブソン 安原義人
ジェシー・ロカタンスキー ジョアン・サミュエル 宗形智子
ジム・グース スティーヴ・ビズレー 富山敬
トーカッター ヒュー・キース・バーン[2] 坂口芳貞
ババ・ザネッティ ジョフ・パリー 村山明
ジョニー・ザ・ボーイ ティム・バーンズ 石丸博也
フィフィ・マカフィー ロジャー・ワード 大宮悌二
ナイトライダー ヴィンス・ギル 亀井三郎
サース スティーヴン・クラーク 小島敏彦
チャーリー ジョン・リー 千田光男
演出 佐藤敏夫
翻訳 平田勝茂
選曲 赤塚不二夫
効果 PAG
調整 前田仁信
制作 東北新社
初回放送 1982年4月14日
21:02-22:54
水曜ロードショー
  • テレビ放映時のタイトルは『激突また激突!カーバイオレンス限界描写 マッドマックス』
  • 日本語吹替音声はソフト化されていなかったが2013年8月7日発売のシリーズ三作が収録されるBlu-ray BOXにて初収録された。
  • 2015年6月17日発売の『マッドマックス トリロジー スーパーチャージャー・エディション ブルーレイ版 スチールブック仕様』において、上記吹替版に加え、マックス役の安原義人ととり・みきが出演するオーディオ・コメンタリーが新規収録された。

スタッフ[編集]

  • 監督:ジョージ・ミラー
  • 製作:バイロン・ケネディ
  • 脚本:ジェームズ・マッカウスランド/ジョージ・ミラー
  • 撮影:デヴィッド・エグビー
  • 音楽:ブライアン・メイ

主に登場する乗り物[編集]

映画のファンによりV8インターセプター風に改造されたファルコンXB
映画のファンによりMFPパトカー風に改造されたフォード・ファルコン
マックスが乗るフォード・ファルコンをベースに黒色の車体と600馬力のV8エンジンを搭載した改造車。
オーストラリア連邦警察のメインフォース・パトロール(MFP)が乗る黄色の車体のパトロールカー。作品自体が古いので、警光灯も、反射鏡はなく、グローブ内でライト4つがモーターにより回転する形式(1970年代はこの形が普通だった)。
グースが乗るパトロールオートバイ。
  • トーカッターの暴走族のオートバイ
カワサキ・Z1000、Z900やホンダ・CB750、ノートンコマンドーなど。
  • MAZDAボンゴ
監督の車、劇中で大破。

作品解説[編集]

監督のジョージ・ミラーは医学生時代にケガ人を乗せた救急車に同乗したことがあり、この経験がバイオレンスシーンの参考になったという。もっとも、劇中での直接的なバイオレンス描写は少なく、代わりにそれを暗示させる映像効果を挿入することで表現している(例:マックスが焼死したグースを見た瞬間、画面が不気味に揺らめく)。

低予算映画であり、その大半をフォード・オーストラリア製のファルコンXBを改造したインターセプターを始めとする車輌の改造に費やしたため、金銭的な余裕は無かった。撮影の多くで既存の建物を利用しており、MFPが入っていた司法省のビルは昔の水道局のものを、地下駐車場はメルボルン大学のものを使っていたという。『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』に抜かれるまでは「制作費と興行収入の差が最も大きい映画」としてギネスブックに掲載されていた。

スタントマンによるアクション・シーンでは、無謀な撮影により2名の死者が出たと噂された。DVDのコメンタリーでも「死者が出た」となっているが、グース役のスティーヴ・ビズレーや元撮影スタッフなどのインタビューなどでは否定されている[3]

クライマックスのトーカッターとトラックの激突シーンの撮影は、車両が破損する事にトラックの持ち主が難色した為、車体前面に鉄製の頑丈なガードを取り付けて行われた。ガードに貼り付けた板にはトラックのライトやラジエーターのイラストが描かれ、ライトが点灯したときの黄色い色までつけてある。激突シーンはロングショットでの撮影であったため、そのままでは呆気無い最期となるため製作陣は剥き出た両眼のアップを挿入する事でショッキングさを強め、よりインパクトのある場面となるよう演出した。この手法は後のシリーズにも活かされる事になる。

オーストラリアの俳優はオーストラリア特有の訛りがあるため、劇場公開時にはアメリカ人による吹き替えの英語版に差し替えられた。

配役[編集]

主演のオーディションに現れたメル・ギブソンはボロボロの服装だった。前夜に喧嘩をして、そのまま来たという。これをミラーが気に入って主演が決まった。メルは当時演劇学校に通う学生だった。

暴走族のリーダーであるトーカッターを演じたヒュー・キース・バーンは、キャスト決定時点ではバイクの免許を持っておらず、撮影時は免許を取得したての初心者状態だったという。映像に登場する暴走族は、セリフのある者やスタントマンを除けばほとんどが本物だったため、現場には不穏な空気が流れていたとのこと。当時オーストラリアで社会問題となっていた暴走族を登用することで映画に真実味を持たせ、さらに、彼ら素人を使うことで予算を安く上げるという思惑もあった。トーカッターの片腕でもある副リーダー”ババ”役のジョフ・バリーは、セリフが少ない上に演技も上手とは言えず、その容姿も「悪のオーラが全身から漲っている」ことなどから、本物だとの噂が絶えなかった。登用した暴走族グループの親分がこのバリーだとされたこともあるが、その後、日本のファン達の調査により、俳優であったことが判明している。

影響[編集]

“ロックさせた前輪を軸に後輪をパワースライドさせ、路上に円を描くようにタイヤ痕を付ける”という技の呼び名「マックスターン」は、この作品に由来する。和製英語であり、海外では単に「ドーナッツ」と呼ばれている。

エピソード[編集]

  • 低予算映画の為にセット設営を極力排した”近未来”という舞台設定で、撮影場所は水道局など既存の施設を利用し、往来の少ない地区や路上でロケ撮影を行った。
  • 映画4作目『マッドマックス 怒りのデス・ロード』の前日譚コミック『Mad Max Fury Road Nux and Immortan Joe #1』の設定においてチャーリー、ループ、サースの三人は本作後の世界でも路上のならず者らを処刑、排除を行っており。警官としての職務を行使している。
  • この作品には、名車とされる「カワサキZシリーズ」「カワサキ・KH」や「ホンダ・CB」などの人気バイクが多数登場する。グースの乗る白バイと暴走族のバイクはそのほとんどが「カワサキ・Z1000」である。
  • 公開から年月を経た現在でも、劇中で使われたバイクのカウルなどのパーツが国内外サイトのネット通販にて見かけられ、主役カーであるV8インターセプターのレプリカが製造されている。
  • 本作の関連グッズは近年その価値を上げている。2種類ある劇場公開当時の宣伝用チラシは共に美品状態であれば1枚数千円、また無版権モノだがインターセプターを模った「消しゴム」2種もまた美品状態であれば1台数千円で取引されている。
  • 本作には「モーゼルC96」や「ソードオフ・ショットガン」など比較的マイナーな銃が登場する。
  • オーストラリア公開後、本作が日本に上陸、上映。日本で好評だった事で全世界に売り込む足がかりとなった[4]
  • 日本上映時「過激な暴走撮影であるため制作中に事故死者が出た作品(場面がある)」という噂が広まったが、スタントライダー役のデイル・ベンチが日本での上映イベントなどに参加するために来日したことがある。
  • マッドマックスの大ファンでもあるポール・C・ミラー(Paul C. Miller)が2011年に制作した映画非公認の短編映画『Mad Max: Renegade』がある。映画の1と2の間の出来事を描いており、リアム・ファウンテン(Liam Fountain)がマックスを演じた。

ノベライズ[編集]

1979年3月にCircus Booksから出版された映画版の内容に基づいたテリー・ケイ(Terry Kaye)により書かれたノベライズ小説がある。現在は絶版。

続編[編集]

脚注[編集]

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  1. ^ Mad Max (1979)” (英語). Box Office Mojo. 2010年1月31日閲覧。
  2. ^ 後に4作目においてイモータン・ジョー役で出演している。
  3. ^ この映画が作られた当時は話題作りの為の誇大広告や宣伝が当たり前であった。
  4. ^ ジョージ・ミラー監督&「マッドマックス」旧キャスト、30年越しの“マッド”な同窓会! 映画COM

外部リンク[編集]