タイド型給油艦 (初代)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
タイド型給油艦
後期型の「A76 タイドプール」
後期型の「A76 タイドプール」
基本情報
種別 大型艦隊給油艦 (AO)
運用者  イギリス海軍補助艦隊 (RFA)
 オーストラリア海軍
 チリ海軍
就役期間 イギリスの旗1955年 - 1991年
オーストラリアの旗1962年 - 1985年
チリの旗1982年 - 1997年
前級 オルナ英語版
次級 イギリスの旗オル型
オーストラリアの旗サクセス
要目
満載排水量 26,417 t
※後期型は27,840 t[1]
全長 583フィート (178 m)[1]
最大幅 71フィート (22 m)[1]
吃水 32フィート (9.8 m)[1]
ボイラー バブコック・アンド・ウィルコックス製水管ボイラー×3基
※後期型はフォスター・ホイーラー製ボイラー×2基[1]
主機 Pametrada製蒸気タービン×2基[1]
推進器 スクリュープロペラ×1軸
出力 16,000 shp
速力 17ノット (31 km/h)[1]
乗員 ・前期型:RFA要員90名
・後期型:RFA要員110名
搭載機 ウェセックスヘリコプター×3機
※後期型のみ
テンプレートを表示

タイド型給油艦英語: Tide-class replenishment oiler)とは、1950年代にイギリス海軍補助艦隊(RFA)が導入した給油艦である。 後にはオーストラリア海軍チリ海軍でも運用された。

概要[編集]

前期型の「AO195 サプライ」

タイド型給油艦は、1953年にRFA向けに3隻が起工されたほか、一足早い1952年にはオーストラリア海軍向けにも1隻が起工された[2]。 しかし、オーストラリア海軍向けの1隻は1955年の完成直後にオーストラリア海軍の人員不足や経済危機を理由に引き取りを延期したため、1962年までRFAに貸与されて運用された。同艦は1962年にようやくオーストラリア海軍に就役し、1985年まで運用された。

1961年には、艦尾部分にヘリコプター甲板や格納庫を追加するなどの改設計が行われた改良型である「タイドスプリング」「タイドプール」の2隻が発注され、1963年に就役した[3]。後には、この後期型タイド型をベースに更なる改良を加えたオル型が3隻建造された。

前期型は1970年代後半に退役したが、後期型は1982年のフォークランド紛争にも参加した。その後期型も1982年に1隻がチリ海軍に譲渡され、もう1隻も1991年12月に退役した。

同型艦[編集]

# 艦名 起工 進水 就役 退役 その後 リンク
前期型 A96 タイドリーチ
RFA Tidereach
1953年
6月2日
1954年
6月2日
1955年
8月30日
1978年
3月
スクラップとして売却 [1]
A97 タイドフロー
RFA Tideflow
1953年
8月30日
1954年
8月30日
1956年
1月25日
1975年
11月
[2]
A98 タイドサージ
RFA Tidesurge
1953年
7月1日
1954年
7月1日
1955年
8月30日
1976年
5月
[3]
A99 タイド・オーストラル
RFA Tide Austral
1952年
8月5日
1954年
9月1日
1955年
5月28日
1962年
8月15日
オーストラリア海軍に引き渡され、「サプライ (AO-195)」として再就役。
1985年12月16日退役。
[4]
後期型 A75 タイドスプリング
RFA Tidespring
1961年
7月24日
1962年
5月3日
1963年
1月18日
1991年
12月13日
スクラップとして売却 [5]
A76 タイドプール
RFA Tidepool
1961年
12月14日
1962年
12月11日
1963年
6月28日
1982年
8月13日
チリ海軍に売却。「アルミランテ・ホルヘ・モント (Almirante Jorge Montt, AO-52)」として再就役。
1997年12月15日退役[4]
[6]

「タイドフロー」と「タイドサージ」は、就役当初の艦名は「タイドレース」 (RFA Tiderace)、「タイドレンジ」 (RFA Tiderange)であったが、両艦ともに1958年6月28日に改名された。

参考サイト[編集]

関連項目[編集]

同時期に建造された、諸外国海軍の補給艦