アイ・ミー・マイン

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  1. 1970年に発表されたビートルズの楽曲。
  2. または、1980年に2,000冊が限定で刊行された、ジョージ・ハリスン[1]の本。83曲の作詞原稿(再現)が載っている。イギリスのジェネシス・パブリケーションズから出版された。

以下、前者について解説する。


アイ・ミー・マイン
ビートルズ楽曲
収録アルバム レット・イット・ビー
リリース 1970年5月8日
録音 アビー・ロード・スタジオ
1970年1月3日4月1日
ジャンル ロック
時間 2分25秒
レーベル アップル
EMI
作詞者 ジョージ・ハリスン
プロデュース フィル・スペクター
その他収録アルバム

ザ・ビートルズ・アンソロジー3
レット・イット・ビー...ネイキッド

レット・イット・ビー 収録曲
A面
  1. トゥ・オブ・アス
  2. ディグ・ア・ポニー
  3. アクロス・ザ・ユニヴァース
  4. アイ・ミー・マイン
  5. ディグ・イット
  6. レット・イット・ビー
  7. マギー・メイ
B面
  1. アイヴ・ガッタ・フィーリング
  2. ワン・アフター・909
  3. ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード
  4. フォー・ユー・ブルー
  5. ゲット・バック
ザ・ビートルズ・アンソロジー3 収録曲
レット・イット・ビー
(21)
アイ・ミー・マイン
(22)
ジ・エンド
(23)
レット・イット・ビー...ネイキッド 収録曲
ドント・レット・ミー・ダウン
(8)
アイ・ミー・マイン
(9)
アクロス・ザ・ユニバース
(10)

アイ・ミー・マインI Me Mine)は、1970年に発表されたビートルズのラスト・アルバム『レット・イット・ビー』に収録された楽曲である。

概要[編集]

ジョージ・ハリスン作の楽曲で、1970年4月に解散する前にバンドによって録音された最後の楽曲。

もともとこの曲は、リリースされずに終わったアルバム『ゲット・バック』(後に『レット・イット・ビー』としてリメイクされた)の収録曲候補ではなかった。トゥイッケナム映画撮影所でのリハーサル・セッションで本作を演奏し、曲に合わせてジョンヨーコとワルツを踊っているシーンが映画『レット・イット・ビー』に含まれていた[2]。正式なレコーディングは行われていなかったが、「映画の内容と合うLPになるように」という要請がなされたため、それに従って「ゲット・バック・セッション」が終わって1年近く経った1970年1月3日アビー・ロード第2スタジオで追加レコーディングされた[3][注釈 1]。録音には、ジョンはデンマークで休暇中だった為に参加していない[4]

レコーディング当時の演奏時間は1分34秒[5]と短い曲だったが、のちにフィル・スペクターがアルバム『レット・イット・ビー』のために後半をリピートして演奏時間を1分近くも延ばす編集を行い、1970年4月1日にはオーケストラ・パートの追加録音を行った[6]

なお、2009年以前に市販されていた旧音質版CDの、更に初期プレスに入っていた版の古いライナー・ノーツでは「ポールはその時期(1970年1月)、スコットランドに籠っていて、対立していたジョージの曲にわざわざ参加するとは考えにくい」、「仮に、ジョンが不参加なことを根拠にするならば」と書いた上で、「このセッションが行われたのは、ジョンが交通事故で入院していた1969年6月8月下旬までの期間である可能性も考えられるのではないか」と書かれていたが事実ではない。

歌詞[編集]

この楽曲の歌詞では、『いつもいつも僕が、僕が、僕が』と頑なに自分の事のみを主張し、またそれを曲げようとしない人」の姿と、「それに振り回されて大変な目に遭う『みんな』の様子が描かれている。

ジョージは、自分の曲が(レノン=マッカートニーという強力なソングライティングチームのために)レコードに採用されることが少ないことに不満をもっていた。そのため、その当時険悪の仲にいたポール・マッカートニーに対する揶揄として作られた、とも言われている。もっともジョージ自身は「僕自身にもある、人間の身勝手なエゴイズムを皮肉って書いてみた」「『バガヴァッド・ギーター』の一節を基にした」と語っていた。

しかしながら、ポールだけがジョージを特別軽視していたわけではなく、ジョンも潜在意識の奥底ではジョージとリンゴを軽んじていた部分があった。ポールは、1988年前後のマーク・ルーイスンとの対談で、「酷な言い方かもしれないが、当時は『僕らが唄うのが当然』だと思っていた。ジョージやリンゴのための曲を、僕らが唄うための曲と同様に重視し始めたのは活動の後のほうになってからだった」と語り、ジョージ自身も、1979年になってから「ジョージの本を読んだが、僕について全く何も書かれてなかった。あいつの人生にとって、僕の存在はその程度ってことか」と毒づいたジョンに反論し「彼らは良くも悪くも『“ジョンとポール”で居ること』に夢中だったから、他にいる人間(ジョージとリンゴ)のことが見えていなかった」と評している。

アレンジ[編集]

レット・イット・ビー』収録テイク
前述のとおり、フィル・スペクターによって曲の後半部分の歌詞を繰り返す編集が行われた上に、オーケストラがオーバー・ダビングされている。同時に演奏時間も2分25秒と長くなっている[6]
ビートルズ・アンソロジー3』収録テイク
1970年1月3日に録音された16テイクが収録された。冒頭のコメントが追加されているが、演奏時間そのものは録音当時のままで、オーケストラも入っていない。
レット・イット・ビー...ネイキッド』収録テイク
曲の長さは『レット・イット・ビー』収録テイクと同じだが、オーケストラがカットされていて、歌詞も一部異なる[7]

演奏[編集]

クレジットはイアン・マクドナルド[8]マーク・ルーイソン[9]によるもの。

ビートルズ
追加ミュージシャン

脚注[編集]

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注釈[編集]

  1. ^ 「ゲット・バック・セッション」はアップル・スタジオで行われた。

出典[編集]

  1. ^ ジョージ・ハリスン『ジョージ・ハリスン自伝 I ME MINE』山川真理訳、河出書房新社、2002年、570ページ
  2. ^ Everett, Walter (1999). The Beatles as Musicians: Revolver Through the Anthology. New York, NY: Oxford University Press. p. 233. ISBN 0-19-512941-5. 
  3. ^ MacDonald, Ian (2005). Revolution in the Head: The Beatles' Records and the Sixties (2nd revised ed.). London: Pimlico (Rand). p. 367. ISBN 1-84413-828-3. 
  4. ^ Doggett, Peter (2011). You Never Give Me Your Money: The Beatles After the Breakup. New York, NY: It Books. ISBN 978-0-06-177418-8. 
  5. ^ Lewisohn, Mark (2005) [1988]. The Complete Beatles Recording Sessions: The Official Story of the Abbey Road Years 1962–1970. London: Bounty Books. ISBN 978-0-7537-2545-0. 
  6. ^ a b Fontenot, Robert (2015年). “The Beatles Songs: 'I Me Mine' – The history of this classic Beatles song”. oldies.about.com. 2015年9月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年11月18日閲覧。
  7. ^ The Naked Truth About The Beatles' Let It Be Naked”. Mixonline (2004年1月1日). 2016年9月20日閲覧。
  8. ^ MacDonald, Ian (2005). Revolution in the Head: The Beatles' Records and the Sixties (2nd revised ed.). London: Pimlico (Rand). p. 367. ISBN 1-84413-828-3. 
  9. ^ Lewisohn, Mark (2005) [1988]. The Complete Beatles Recording Sessions: The Official Story of the Abbey Road Years 1962–1970. London: Bounty Books. p. 195,199. ISBN 978-0-7537-2545-0.