まぼろしパンティ
『まぼろしパンティ』は、原作:高円寺博、作画:永井豪で「月刊少年ジャンプ」1981年1月号から1982年5月号まで全17話が連載されていた少年漫画。また、同作品に登場するヒロインの名前。
概要[編集]
「けっこう仮面」の姉妹編であり、オッパイもろ出しの覆面ヒロインが、毎回登場する他作品パロディの敵キャラと戦う、という形式のお色気漫画である。「けっこう仮面」とは作中世界自体もつながっている。
作劇上の「けっこう仮面」との明確な相違点は、まぼろしパンティの正体は作中人物たちには不明であるが読者には知らされていることと、その姿は全裸ではないことがあげられる。
「まぼろしパンティ」はもともと、けっこう仮面に登場した敵の名前(桑田次郎の「まぼろし探偵」のパロディ。男性キャラ)だったが、この名前を気に入った永井豪が、本作ヒロインの名前として採用した。
あらすじ[編集]
N県山中にある中学と高校からなる全寮制の進学校クライム学園。東大進学率No.1のこの学園にはもう一つのNo.1があった。それは学園での犯罪発生率が全国No.1であることだ。寿々美は学園警察の責任者である父を助けるため、まぼろしパンティと名のり、探偵活動を開始する。
終盤(13話以降)は、まぼろしパンティの活躍で犯罪発生率が全国平均以下になったため、学園警察は封鎖され、学力向上重視の新学園長(サタンの足の爪)が派遣されてくる。生徒達の人権を無視したスパルタ教育に憤りを感じた寿々美は、再びまぼろしパンティとなり、学園の仲間達のために戦う。
- 第1話 美女探偵登場の巻 (元ネタ ドカベン/水島新司)
- 第2話 パンティースリ あらわるの巻 (元ネタ 釣りキチ三平/矢口高雄)
- 第3話 奇怪!連続美女ハリツケ事件の巻 (元ネタ 嗚呼!!花の応援団/どおくまん)
- 第4話 リンチにかけろの巻 (元ネタ リングにかけろ/車田正美)
- 第5話 誘かい受験の巻 (元ネタ 東大一直線/小林よしのり)
- 第6話 ブサイクジャック登場の巻 (元ネタ ブラック・ジャック/手塚治虫)
- 第7話 ワキ刑事のうらみの巻 (元ネタ がきデカ/山上たつひこ)
- 第8話 いやらしいすもう部の巻 (元ネタ のたり松太郎/ちばてつや)
- 第9話 とんだカッパライの巻 (元ネタ 翔んだカップル/柳沢きみお)
- 第10話 パクリロ!の巻 (元ネタ パタリロ!/魔夜峰央)
- 第11話 バスケの星 覚醒の巻 (元ネタ ダッシュ勝平/六田登)
- 第12話 パンツ対パンティの巻
- 第13話 怪物がきたの巻
- 第14話 謎のランジェリーマスクの巻
- 第15話 第三の性をもつ怪物!!の巻 (元ネタ 激!!極虎一家/宮下あきら)
- 第16話 怪探偵珍太一登場!!の巻 (元ネタ 金田一耕助シリーズ/横溝正史)
- 第17話 名探偵危機一髪の巻
登場人物[編集]
- 藤寿々美(ふじ すすみ)
- クライム学園の女子生徒。学園警察を設置するも一向に犯罪発生率が下がらない父親を助けるべく少女探偵まぼろしパンティとして学園の犯罪者に立ち向かう。
- 彼女だけは学園寮ではなく、学園から歩いて5分程度の場所にある藤警部(父親)の家から通学している。しおき教師から狙われたことがないところを見ると成績も優秀なようである。
- 正義感も強いが1話の変身シーンで鏡に映った自分の姿をみてあわてて顔を隠す、変身していても1話、2話のパンティをとられ顔を赤らめてあわてて隠す、7話、17話で正体を暴かれたときは涙を流すなど本来は羞恥心も強い少女である。
- 藤寿々美のネーミングの由来はまぼろし探偵の変身前の名前「富士進(ふじ すすむ)」から。
- まぼろしパンティ
- 寿々美は裸で戦うことを決意するが恥ずかしさからとっさに自分のパンティを被る。顔をマスクで隠せば恥ずかしく無い事に気づいた寿々美は目の部分を切って開けたマスクパンティを頭に被り、パンティ(回によって違う)、マフラーとグローブ、ブーツというコスチュームを身につけ、まぼろしパンティと名のる。体が柔らかく運動神経はいいが、けっこう仮面と違って武術の心得はないため初期は相手の自滅を誘うパターンが多かった。しかし新学園長としてサタンの足の爪が赴任してからは特訓を重ね、新必殺技(オッパイベアハッグ、太ももシザース等)を編み出している。なお、第1話のみ、サイハイブーツの大腿部にホルスターを装着し、武器として二丁拳銃を収めていた。
- 藤 警部
- 寿々美の父で、クライム学園に設置された学園警察の責任者。妻(寿々美の母)とは死別している。第5話でまぼろしパンティの正体が寿々美であることに気づき、誘拐された寿々美を救うため、自らまぼろしパンティに変身した。学園警察封鎖後は本庁(警視庁)に復帰。
- サタンの足の爪
- 犯罪発生率が普通の学園以下になったため本来の進学率アップのためクライム学園の学園長に赴任する。劣等生いびりを生きがいにしている。正体はサタンの足の爪のアカ。
- けっこう仮面
- 寿々美が裸で戦うことを決意するきっかけになったヒロイン。文部省(現:文部科学省)の調査官としてクライム学園を捜査していた。最終回で罠にかかり絶体絶命のピンチに陥ったまぼろしパンティの前にさっそうと現れる。
その他登場人物[編集]
- 柳生つとむ(やぎゅう つとむ)
- 寿々美の同級生で正義感の強い少年。
- ランジェリーマスク
- 愛の騎士(ラブリーナイト)と名のる痴女。その正体は寿々美の第二の変装で新必殺技を編み出すためのものだった。コスチュームはキャミソールを被ってパンティ、ブーツというスタイルである。マスクが変わると性格も変わるのか、本物の痴女のようだった。
単行本[編集]
- 高円寺博(原作)・永井豪(作画) 『まぼろしパンティ』 集英社〈ジャンプコミックス〉、全3巻
- 1982年3月15日発行、ISBN 4088511115
- 1982年7月15日発行、ISBN 4088511123
- 1982年10月15日発行、ISBN 4088511131
- 高円寺博(原作)・永井豪(作画) 『まぼろしパンティ』 笠倉出版社〈カルトコミックス〉、全1巻
- 2002年1月15日発行(2001年12月発売)、ISBN 4773006447
ジャンプコミックス第3巻、及び、カルトコミックスの巻末には、「スーパーにゃん」(講談社の『コミックボンボン』に掲載された作品。全3話)を収録。
- 2003年に出たリイド社の永井豪選集に一部が収録されている。
- 「永井豪エッチまんがセレクション」 - 3話と4話。
- 「永井豪エッチまんがセレクション ゼット」 - 14話と17話。
派生作品[編集]
オリジナルビデオ(実写)[編集]
- 美少女探偵 まぼろしパンティ (1991年)
- 原作とはコスチューム、設定、ストーリーともに異なっており、完全な別物である。
- まぼろしパンティVSへんちんポコイダー (2004年)
- 美少女探偵 まぼろしパンティとは異なり、設定やコスチュームは原作に忠実なデザインになっている。ストーリーは原作の各エピソードを再編した構成になっており、ゲストとして別作品のキャラクター・へんちんポコイダーが登場する。
CD[編集]
- まぼろしパンティVSへんちんポコイダー ソングトラックス (2004年)
- 同名のオリジナルビデオ作品のテーマソングを収録。
- *発売:ビー!スマイル BSCH-30022
- *歌:なべやかん、GO
- 「まぼろしパンティの歌」の歌詞は、原作漫画の劇中で流れるものに準拠している。