すべての若き野郎ども

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すべての若き野郎ども
モット・ザ・フープルシングル
収録アルバム すべての若き野郎ども
B面 新しき若者たち
リリース
規格 7インチ・シングル
録音 1972年
ジャンル ロックグラムロック
時間
レーベル CBSレコード
作詞・作曲 デヴィッド・ボウイ
プロデュース デヴィッド・ボウイ
チャート最高順位
  • 3位(イギリス[3]
  • 37位(アメリカ)[4]
モット・ザ・フープル シングル 年表
ダウンタウン
(1971年)
すべての若き野郎ども
(1972年)
新しき若者たち
(1972年)
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すべての若き野郎ども」(原題: All the Young Dudes)は、デヴィッド・ボウイモット・ザ・フープルに提供した楽曲。1972年にシングル・ヒットした。ロック界のスタンダード・ナンバーの1つとして知られ、ロックの殿堂のスタッフや音楽評論家たちが選出した「ロックンロールを形作った楽曲」の500曲の中にも含まれている[5]

解説[編集]

モット・ザ・フープルにとって、CBSレコード移籍第1弾リリースとなったシングルである。イアン・ハンターがリード・ボーカルを担当。バンドは1969年にデビューして以来、シングル・ヒットに恵まれていなかったが、本作で初の全英シングルチャート入りを果たし、最高3位に達した[3]

本作は、グラムロックの讃歌と考えられている[6][7]。このグラムロック・バンドは異性愛者の集まりであるが、ゲイ(同性愛者)の讃歌とも考えられている[7][8]ヴェルヴェット・アンダーグラウンドルー・リードもそのように言っている[9]

この時期の欧州は、冷戦下にありながらも欧州の一体化が進む中、1971年に欧州評議会ベートーヴェン歓喜の歌」を欧州の讃歌にするというリヒャルト・N. 栄次郎 "青山" クーデンホーフ=カレルギー伯爵欧州連合の父)による提案の採択を決定し、1972年1月より欧州の讃歌が実施された。このような時代背景のもと、1972年3月、モット・ザ・フープルは解散の危機にあった。その危機に「すべての若き野郎ども」を提供したのがデヴィッド・ボウイである。その頃のデヴィッド・ボウイは各地の公演でベートーヴェン「歓喜の歌」(Ode to joy)をオープニングに使用した[10][11]

「すべての若き野郎ども」は、1992年4月20日に行われたフレディ・マーキュリー追悼コンサートにおいて、クイーンのメンバー3人、デヴィッド・ボウイ、イアン・ハンター、ミック・ロンソンデフ・レパードジョー・エリオットとフィル・コリンのコラボレーションとして演奏された。その模様は、映像作品『フレディ・マーキュリー追悼コンサート』で確認できる。また、ミック・ロンソンの遺作となったアルバム『ヘヴン・アンド・ハル』(1994年)にもジョー・エリオットのリミックスで同音源が収録された。

イアン・ハンターは、2001年にリンゴ・スター&ヒズ・オール・スター・バンドのツアーに参加した際にも「すべての若き野郎ども」を歌っており、その模様はライヴ・アルバム『King Biscuit Flower Hour Presents Ringo & His New All-Starr Band』(2002年発表)にも収録された。

モット・ザ・フープルの演奏による「すべての若き野郎ども」は、映画『JUNO/ジュノ』(2007年公開)で使用され、オリジナル・サウンドトラック・アルバムにも収録された[12]

ザ・クラッシュのアルバム『動乱(獣を野に放て)』には、アンサーソング「全ての若きパンクスども」が収録されている。

デヴィッド・ボウイ・ヴァージョン[編集]

1973年のアルバム『アラジン・セイン』でのレコーディング・セッションでセルフ・カヴァーしたが、当時は発表されなかった。後に、1997年のベスト・アルバム『ザ・ベスト・オブ・デヴィッド・ボウイ 1969-1974』や、2003年の『アラジン・セイン』の30thアニバーサリー・エディションで聴けるようになった。

1973年のツアーではすでに披露しており、7月3日のロンドン公演での模様は、1983年のライヴ・アルバム『ジギー・スターダスト・ザ・モーション・ピクチャー』に収録されている。

1974年のツアーのライブ音源が、同年10月発売の『デヴィッド・ライヴ』に収録されている。

カバー[編集]

モーガン・フィッシャーのプロデュース[編集]

モット・ザ・フープルのキーボーディストモーガン・フィッシャーは、1996年に世界初のモット・ザ・フープルのトリビュート・アルバムコンピレーション)『MOTH POET HOTELA TRIBUTE TO MOTT THE HOOPLE』をプロデュースした。このアルバムの第1曲目が「すべての若き野郎ども」であり、モス・ポエト・オールスターズ(Moth Poet All Stars)がメドレー形式により歌う。モス・ポエト・オールスターズとはモーガン・フィッシャー、吉井和哉甲本ヒロト小暮 "SHÄKE" 武彦レベッカ)、宮沢和史THE BOOM)他によるボーカルメドレー参加者をいう。このトリビュート・アルバムにはザ・イエロー・モンキーザ・ハイロウズザ・イージー・ウォーカーズザ・プライベーツヒートウェイヴ他多数の日本のロックミュージシャン他、クイーンブライアン・メイが参加した(デビッド・ボウイと親交のある布袋寅泰の名は、このアルバムのどこにもない)。

ブルース・ディッキンソン[編集]

すべての若き野郎ども
ブルース・ディッキンソンシングル
収録アルバム タトゥード・ミリオネア
B面 ダークネス・ビー・マイ・フレンド
シン・シティ(12インチ・シングル、12cmCDシングルのみ)
リリース
規格 7インチ・シングル
12インチ・シングル
12cmCDシングル
ジャンル ロックヘヴィメタル
時間
レーベル EMI[13]
作詞・作曲 デヴィッド・ボウイ
プロデュース クリス・タンガリーディス
チャート最高順位
  • 23位(イギリス)[14]
ブルース・ディッキンソン シングル 年表
タトゥード・ミリオネア
(1990年)
すべての若き野郎ども
(1990年)
ダイヴ!ダイヴ!ダイヴ!
(1990年)
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ブルース・ディッキンソンは、アイアン・メイデン在籍時に発表された初のソロ・アルバム『タトゥード・ミリオネア』(1990年)で、この曲をカヴァーした。同アルバムからの第2弾シングルとしてもリリースされて、全英シングルチャートで5週に渡ってチャート・インを果たす[14]

12インチ・シングルや12cmCDシングルには、AC/DCのカヴァー「シン・シティ」が追加収録された。

その他[編集]


脚注[編集]

  1. ^ 『デヴィッド・ボウイ・ファイル』(シンコーミュージック・エンタテイメント、2006年、ISBN 4-401-61976-5)p.63
  2. ^ CBS S 8271 - 45Cat (原盤の画像)
  3. ^ a b ChartArchive - Mott the Hoople
  4. ^ All the Young Dudes - Mott the Hoople: Awards: AllMusic
  5. ^ Experience The Music: One Hit Wonders and The Songs That Shaped Rock and Roll | The Rock and Roll Hall of Fame - 2012年5月31日閲覧
  6. ^ Betts, Stephen. “Mott the Hoople, 'All the Young Dudes' - 500 Greatest Songs of All Time”. ローリング・ストーン誌. 2016年1月20日閲覧。
  7. ^ a b Stephen Thomas Erlewine. “About Mott The Hoople”. MTV. 2016年1月28日閲覧。
  8. ^ Happy 70th Birthday, Ian Hunter! - Speakeasy - WSJ By JIM FUSILLI, Jun 3, 2009. Wall Street Journal. 2016年1月28日閲覧。
  9. ^ Simon Goddard 2013, p. 226: "It's a Gay Anthem! A rallying call to the young dudes to come out in the streets and show that they were beautiful and gay and proud of it."
  10. ^ http://www.bowie.sakura.ne.jp/features/bootleg/72-73.html
  11. ^ Wim Hendrikse 2013: "Near the end of the Ziggy tour he had had enough of the opening music and replaced it with Beethoven's 'Freude Schöner Götterfunken' ('Ode to Joy')." (on google books)
  12. ^ Juno - Original Soundtrack: Songs, Reviews, Credits, Awards: AllMusic
  13. ^ Bruce Dickinson - All The Young Dudes at Discogs
  14. ^ a b ChartArchive - Bruce Dickinson - All the Young Dudes

参考文献[編集]

外部リンク[編集]