マリリオン

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マリリオン(Marillion)は、イギリスプログレッシブ・ロック・バンド。

1986年のライブにおけるマリリオン。シンガーはフィッシュ。
2007年のライブにおけるマリリオン。シンガーはスティーヴ・ホガース。

歴史[編集]

デビューからフィッシュの脱退まで[編集]

1979年、前身のバンド「シルマリリオン」から名称を変更。その時点のメンバーはフィッシュ(ヴォーカル)、スティーヴ・ロザリー(ギター)、ディズ・ミニット(ベース)、ミック・ポインター(ドラム)、ブライアン・ジェリマン(キーボード)。デビュー前にディズ・ミニットとブライアン・ジェリマンは脱退。ピート・トレワヴァス(ベース)、マーク・ケリー(キーボード)が加入。

1982年にデビュー・シングル「マーケット・スクエア・ヒーローズ」を発表し[1]1983年にファースト・アルバム『独り芝居の道化師』を発表。その後、ミック・ポインターが脱退し、イアン・モズレイが正式に加入するまでの間、頻繁にドラマーが交代している。

1970年代中盤からプログレッシブ・ロック・ムーブメントは徐々に衰退していき、多くのバンドが解散(キング・クリムゾンEL&P等)やポップ化といった路線変更(ジェネシス等)を余儀なくされていた。そういった状況下で登場したマリリオンは、音楽の構築美の追求、演劇性の導入といった、いわゆる本格的プログレ・サウンドを引っさげて登場し、とりわけ初期の4作品でその展開と発展を追求したものになっていた。

これらの作品においてマリリオンは、いかにもという神秘的なサウンド、雰囲気漂うアルバム・ジャケット、ストーリー性を重視したコンセプト・アルバム等で、当時では異彩を放つ存在感を見せた。その音楽性は「ネオ・プログレッシブ」またはポンプ・ロックと呼ばれ、本国イギリスヨーロッパでは高い評価と人気を得た。とりわけ、1985年のアルバム『過ち色の記憶』は全英アルバムチャートで1位を獲得し[2]、同アルバムからは「追憶のケイリー」(全英2位[3])、「ラヴェンダー」(全英5位[3])といったシングル・ヒットも生まれた。だが、その一方で、「1970年代のジェネシスに似た要素が多すぎて独自性が薄い」という非難を浴びせる者も一部には存在した。

1987年のアルバム『旅路の果て』も全英アルバムチャートで初登場2位のヒットとなるが[4]1988年にフィッシュがバンドを脱退する。

スティーヴ・ホガース加入から現在まで[編集]

1989年、フィッシュの後任ヴォーカリストとしてスティーヴ・ホガースが加入。制作されたアルバム『美しき季節の終焉』は、商業的にもまずまずの成功を収めた。特に2曲目の「Easter」は、コンサートでもハイライトで演奏される他、1995年にはロンドンのクラブにおいてドリーム・シアター+スティーヴ・ホガース、スティーヴ・ロザリーというラインナップで演奏されたこともある。

またスティーヴ・ホガースの加入は思わぬ副産物ももたらした。すなわち「ジェネシスのコピー」という批判からの決定的な決別である。この新しい音楽性は、アルバム『楽園への憧憬』を挟んで制作されたコンセプト・アルバム『ブレイヴ』において一つの頂点を迎えた。このアルバムはスティーヴ・ホガースが実際にイングランドで発生したある事件(高速道路脇で、全ての記憶を失った女性が発見されたという事件)に着想を得て基本的なコンセプトを提出したものであった。

その後、ロック音楽の流行がマリリオンに対しては完全な逆風に変化したことでバンドは商業的には苦戦するようになり、メジャー・レーベルとの契約を失った1990年代後半には自主レーベルを設立してのアルバムやインディーズ(サンクチュアリ・レーベル)からのアルバムも発表している。一方、ベースのピート・トレワヴァスは1999年よりトランスアトランティックでの活動を行っている。

2000年、バンドは再びメジャー・レーベルであるEMIと契約。以降はインターネットを活用した資金作りやプロモーションに取り組みつつ、活動を続けている。2004年にはシングル「You're Gone」が全英チャートで7位に達し、マリリオンにとって17年振りのトップ10シングルとなっている[3]

2007年8月26日、元メンバーのフィッシュが19年振りにマリリオンのステージに立ち、デビュー曲「マーケット・スクエア・ヒーローズ」を共演した[1]

歴代のメンバー[編集]

オリジナル・メンバー[編集]

  • フィッシュ Fish - Vocals (1988年脱退、ソロ・シンガーとして独立)
  • スティーヴ・ロザリー Steve Rothery - Guitars
  • ピート・トレワヴァス Pete Trewavas - Bass
  • マーク・ケリー Mark Kelly - Keyboards
  • ミック・ポインター Mick Pointer - Drums (1983年脱退)

途中加入のメンバー[編集]

  • イアン・モズレイ Ian Mosley - Drums (1984年- )
  • スティーヴ・ホガース Steve Hogarth - Vocals (1989年- )
  • ジョナサン・ムーヴァー Jonathan Mover - Drums (1983年) 後にGTR_(バンド)に参加

作品[編集]

アルバム[編集]

  • 独り芝居の道化師 - Script For A Jester's Tear (1983年)
  • 破滅の形容詞 - Fugazi (1984年)
  • リアル・トゥ・リール - Real To Reel (1984年) - ライブ盤
  • 過ち色の記憶 - Misplaced Childhood (1985年)
  • Brief Encounter (1986年) - EP
  • 旅路の果て - Clutching At Straws (1987年)
  • B'sides Themselves (1988年)
  • 伝説への序章 - The Thieving Magpie〜La Gazza Ladra (1988年) - ライブ盤
  • 美しき季節の終焉 - Seasons End (1989年)
  • 楽園への憧憬 - Holidays In Eden (1991年)
  • A Singles Collection (1992年)
  • ブレイヴ - Brave (1994年)
  • アフレイド・オブ・サンライト - Afraid Of Sunlight (1995年)
  • Made Again (1996年) - ライブ盤
  • The Best of Both Worlds (1997年)
  • ディス・ストレンジ・エンジン〜遠い記憶に - This Strange Engine (1997年)
  • レイディエーション - Radiation (1998年)
  • Marillion.com (1999年)
  • Anoraknophobia (2001年)
  • Anorak in the UK (2002年) - ライブ盤
  • The Best of Marillion (2003年)
  • Marbles (2004年)
  • Marbles Live (2005年) - ライブ盤
  • Somewhere Else (2007年)
  • Happiness is the Road (2008年)
  • Early Stages:The Official Bootlegs 1982-1987 (2008年) - ライブ盤
  • Less Is More (2009年)
  • Live From Cadogan Hall (2011年) - ライヴ盤
  • Sounds That Can't Be Made (2012年)

脚注[編集]