隅田知一郎

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隅田 知一郎
埼玉西武ライオンズ #16
基本情報
国籍 日本の旗 日本
出身地 長崎県大村市
生年月日 (1999-08-20) 1999年8月20日(24歳)
身長
体重
177 cm
76 kg
選手情報
投球・打席 左投左打
ポジション 投手
プロ入り 2021年 ドラフト1位
初出場 2022年3月26日
年俸 2000万円(2023年)[1]
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)

隅田 知一郎(すみだ ちひろ、1999年8月20日 - )は、長崎県大村市出身のプロ野球選手投手)。左投左打。埼玉西武ライオンズ所属。

経歴

プロ入り前

大村市立西大村小学校2年生のときに軟式野球を始め、大村市立西大村中学校軟式野球部に所属。

長崎県立波佐見高等学校に進学し、1年時からベンチ入り。2年秋にエースとなったが、左肘を疲労骨折し離脱した[2]。復帰後は背番号10でベンチ入りし、3年夏の長崎大会で優勝した[3]第99回全国高等学校野球選手権大会に出場し、開幕戦となった彦根東との1回戦に先発登板。8回まで4失点の粘投を見せたが、1点リードの9回裏に同点に追い付かれ、なおもピンチを招いて降板。救援投手が打たれサヨナラ負けを喫した[4]

西日本工業大学に進学し、1年春からベンチ入り。4年春には全日本大学野球選手権大会に出場し、上武大学との1回戦に先発登板して14奪三振を記録したが、ブライト健太に打たれたソロ本塁打が決勝点となり敗れた[5]。その後、2021年9月1日にプロ志望届を提出[6]。大学最終登板となった10月3日の日本文理大学との対戦では7回無失点、11奪三振の好投で勝利投手となった[7]。リーグ戦通算で14勝を記録した。

「大学No.1投手」として注目を集める中で[8]2021年10月11日に開催されたドラフト会議では、埼玉西武ライオンズ広島東洋カープ読売ジャイアンツ東京ヤクルトスワローズの4球団から1位指名を受け、抽選の結果、西武が交渉権を獲得し[9]、11月2日に契約金1億円+出来高払い5000万円・年俸1600万円で入団に合意した(金額は推定)[10]。背番号は菊池雄星涌井秀章らが背負った16[11]。担当スカウトは岳野竜也[12]

西武時代

2022年、球団の新人では牧田和久(2011年)以来となる開幕ローテーション入りを果たし[13]、3月26日のオリックス・バファローズ戦でプロ初登板初先発。7回1安打3四球5奪三振無失点、二塁すら踏ませない好投でプロ初勝利を挙げた[14]。続く4月2日の千葉ロッテマリーンズ戦では5回7安打3失点(自責点2)でプロ初黒星を喫すると[15]、以降は試合を作りながらも白星が付かずに[16][17]黒星が先行した[18]。交流戦に入ると投球内容が悪化し[19]、6月2日の阪神タイガース戦では5回12安打3失点(自責点1)[20]、続く同9日の読売ジャイアンツ戦では5回途中9安打3失点で自身7連敗となり[21]、翌6月10日に出場選手登録を抹消された[22]。その後は二軍調整が続き、フレッシュオールスターに選出されたものの[23]、7月15日に無症状ながら新型コロナウイルス陽性判定を受け[24]、出場を辞退した[25]。8月3日の二軍戦で実戦復帰すると[26]、チーム事情もあって中継ぎとして[27]8月16日に一軍へ昇格し[28]、翌17日の福岡ソフトバンクホークス戦でプロ初のリリーフ登板となり、3回1/3を無失点と好投した[29]。8月24日のロッテ戦でもロングリリーフを務めたが、3イニング目に決勝の2点適時打を許して敗戦投手[30]。同31日の北海道日本ハムファイターズ戦で約3か月ぶりの一軍先発登板となるも[31]、5回2失点で勝敗は付かず[32]、続く9月7日のロッテ戦では4回7安打4失点で敗戦投手となり[33]、さらに同14日のソフトバンク戦では初回に打者一巡の猛攻を浴び、6安打1四球で5失点[34]。2回以降は立ち直り、7回まで無失点に抑えるも敗戦投手となり、パ・リーグの新人としては史上初の10連敗を喫した[35]。翌9月15日に出場選手登録を抹消され[36]、その後の一軍登板は果たせずにレギュラーシーズンを終え、ルーキーイヤーは一軍で16試合(14先発)に登板し、1勝10敗・防御率3.75という成績であった[37]

投球スタイル

ストレートの最速は150km/h[38][39]。変化球はカーブスライダーカットボールスプリットチェンジアップツーシームと多彩な球種を操る[39][40]。中でも、本人が最も自慢とする球種はチェンジアップであり[41]、大学時代はチェンジアップを武器に高い奪三振率を誇った[42]

人物

西武の若獅子寮に入寮する際、実家のある長崎に財布を忘れたまま羽田空港まで着いてしまい、担当スカウトの岳野から1万円を借りざるを得ない状況となってしまった[43]。監督の辻発彦はこの出来事に対し、「大物というか、ワクワクしていたのかな、やっぱり。いいエピソードですよ」と思わず笑顔で話した[44]

西武入団にあたり、プロ用にオリジナルのグラブを発注。外面が青色で、捕球面が濃紺のツートンカラーだったが、紅白戦での登板後、審判から投手のグラブに関する規定に抵触し、試合で使用できないことを伝えられた[45]

高校時代から寝るときには何かを抱いているため、入寮時には西川抱き枕を購入した[43]

詳細情報

年度別投手成績





















































W
H
I
P
2022 西武 16 14 0 0 0 1 10 0 0 .091 357 81.2 90 4 30 0 1 73 4 0 38 34 3.75 1.47
通算:1年 16 14 0 0 0 1 10 0 0 .091 357 81.2 90 4 30 0 1 73 4 0 38 34 3.75 1.47
  • 2022年度シーズン終了時

年度別守備成績



投手












2022 西武 16 4 9 0 0 1.000
通算 16 4 9 0 0 1.000
  • 2022年度シーズン終了時

記録

初記録
投手記録
打撃記録
その他の記録
  • 10連敗:2022年4月10日 - 継続中 ※球団史上ワースト、新人では史上3人目、パ・リーグ史上初[47]

背番号

  • 16(2022年 - )

脚注

  1. ^ 西武 - 契約更改 - プロ野球”. 日刊スポーツ. 2022年11月29日閲覧。
  2. ^ 地方大で躍進、ドラ1候補 西日本工大・隅田投手…最速150キロ左腕”. 読売新聞オンライン (2021年10月5日). 2021年10月5日閲覧。
  3. ^ 波佐見16年ぶり3度目V 川口決勝2ラン/長崎”. 日刊スポーツ (2017年7月23日). 2021年10月5日閲覧。
  4. ^ 波佐見は逆転サヨナラ負け「頑張ってくれた」”. 日刊スポーツ (2017年8月8日). 2021年10月5日閲覧。
  5. ^ プロ注目の上武大・ブライト健太に被弾した西日本工大・隅田「あの1球だった」【全日本大学野球選手権】”. 中日スポーツ・東京中日スポーツ (2021年6月7日). 2021年10月5日閲覧。
  6. ^ 【大学野球】ドラフト1位候補の西日本工大・隅田知一郎がプロ志望届を提出”. スポーツ報知 (2021年9月1日). 2021年10月5日閲覧。
  7. ^ ドラ1候補の西日本工大・隅田が7回0封11K「12球団OK」9球団視察”. 日刊スポーツ (2021年10月3日). 2021年10月5日閲覧。
  8. ^ 西日本工大・隅田知一郎、大学ナンバー1投手は九州にいた!150キロ&変化球6種…11日ドラフト会議”. スポーツ報知 (2021年10月6日). 2021年10月31日閲覧。
  9. ^ “4球団競合の隅田は西武が交渉権獲得!飯田球団本部長「絶対に当てるという強い気持ち」”. ショウアップナイター. (2021年10月11日). https://baseballking.jp/ns/299842 2021年10月11日閲覧。 
  10. ^ 西武ドラ1隅田 将来は「西武のエースと呼ばれるように」最高条件で仮契約”. 日刊スポーツ (2021年11月2日). 2021年12月13日閲覧。
  11. ^ 本日「2021ドラフト新入団選手記者発表会」が実施!”. 埼玉西武ライオンズ (2021年12月10日). 2021年12月13日閲覧。
  12. ^ 【新入団選手のスカウトに聞いた!第1弾】隅田知一郎投手・菅井信也投手”. 埼玉西武ライオンズ (2021年12月11日). 2021年12月13日閲覧。
  13. ^ 西武・隅田知一郎、5回0封で開幕ローテ当確! 球団の新人では牧田和久以来11年ぶりへ”. サンスポ (2022年3月5日). 2022年3月26日閲覧。
  14. ^ 【西武】隅田知一郎がプロ初勝利ルーキー一番乗り 7回無失点二塁踏ませず”. 日刊スポーツ (2022年3月26日). 2022年3月26日閲覧。
  15. ^ 西武ドラ1隅田 球団初初登板から2戦2勝ならず 痛恨被弾「踏み込まれた」”. 西日本スポーツ (2022年4月2日). 2022年7月24日閲覧。
  16. ^ 西武ドラ1位隅田、2勝目ならずもソフトバンク打線を零封”. 西日本スポーツ (2022年4月10日). 2022年7月24日閲覧。
  17. ^ 【西武】隅田知一郎「厳しく攻めるべきだった」吉田正尚にソロ浴び反省 6回2失点で勝敗付かず”. 日刊スポーツ (2022年4月30日). 2022年7月24日閲覧。
  18. ^ 西武隅田6回2失点も4敗目 大学時代過ごした福岡で悔しい登板”. Sponichi Annex (2022年5月11日). 2022年7月24日閲覧。
  19. ^ 西武が交流戦初黒星 連勝も3でストップ ドラ1隅田が4回3失点で5敗目”. 西日本スポーツ (2022年5月26日). 2022年7月24日閲覧。
  20. ^ 西武隅田「投球を見直さなければいけない」6敗目喫し苦悩のドラ1ルーキー”. 西日本スポーツ (2022年6月3日). 2022年7月24日閲覧。
  21. ^ 西武D1位・隅田知一郎は悪夢の7連敗… 五回途中9安打3失点で降板”. サンスポ (2022年6月9日). 2022年7月24日閲覧。
  22. ^ 【10日の公示】巨人・立岡を抹消、八百板を登録 ロッテはオスナ投手を支配下選手登録”. Sponichi Annex (2022年6月10日). 2022年7月24日閲覧。
  23. ^ フレッシュ球宴に西武ドラ1隅田 ご当地3選手が選出”. 西日本スポーツ (2022年6月27日). 2022年7月24日閲覧。
  24. ^ 【西武】新たにコロナ感染…熊代聖人、隅田知一郎、滝沢夏央が陽性判定 3選手とも無症状”. 日刊スポーツ (2022年7月15日). 2022年7月24日閲覧。
  25. ^ 西武ドラ1隅田知一郎コロナ陽性の影響で地元長崎開催のフレッシュ球宴辞退”. 西日本スポーツ (2022年7月22日). 2022年7月24日閲覧。
  26. ^ 隅田知一郎、復帰登板で5回9奪三振の快投【ウィークリーファーム2022 #21】”. パ・リーグ.com (2022年8月8日). 2022年10月8日閲覧。
  27. ^ 西武上位6連戦への秘策 あのドラ1ルーキー左腕を…”. 西日本スポーツ (2022年8月16日). 2022年10月8日閲覧。
  28. ^ 巨人坂本勇人、菅野智之ら登録、広島菊池涼介ら抹消/16日公示”. 日刊スポーツ (2022年8月16日). 2022年10月8日閲覧。
  29. ^ 西武のドラ1左腕、隅田知一郎 中継ぎで復活「とにかく地道な練習を積んできた」”. 西日本スポーツ (2022年8月17日). 2022年10月8日閲覧。
  30. ^ 西武・隅田“2度目の対戦”で痛打浴び首位陥落…大矢氏「正直にいき過ぎた」”. BASEBALL KING (2022年8月25日). 2022年10月8日閲覧。
  31. ^ 西武ドラ1隅田知一郎「しっかりものにしたい」約3カ月ぶり1軍先発で3月以来の2勝目狙う”. 西日本スポーツ (2022年8月31日). 2022年10月8日閲覧。
  32. ^ 西武・隅田、5回2失点で2勝目ならず「相手のリズムになってしまった」”. サンスポ (2022年8月31日). 2022年10月8日閲覧。
  33. ^ 西武奪首ならず ドラ1隅田知一郎2被弾で球団タイ9連敗”. 西日本スポーツ (2022年9月7日). 2022年10月8日閲覧。
  34. ^ 西武ドラ1隅田、初回いきなり5失点炎上 首位攻防戦で鷹打線の猛攻浴びる”. Full-Count (2022年9月14日). 2022年10月8日閲覧。
  35. ^ 西武・隅田知一郎が“パ新人初”の10連敗 初回5失点が響く”. 中日スポーツ (2022年9月14日). 2022年10月8日閲覧。
  36. ^ ロッテが9勝目挙げた佐々木朗希、西武は10連敗の隅田知一郎を抹消 15日の公示”. Full-Count (2022年9月15日). 2022年10月8日閲覧。
  37. ^ 2022年度 埼玉西武ライオンズ 個人投手成績(パシフィック・リーグ)”. 日本野球機構. 2022年10月8日閲覧。
  38. ^ https://full-count.jp/2022/03/26/post1197918/
  39. ^ a b ヤクルト ドラフト1位候補に西日本工大・隅田知一郎 最速150キロ左腕”. 日刊スポーツ (2021年9月27日). 2021年10月5日閲覧。
  40. ^ 【西武1位】隅田知一郎(西日本工大/投手) 多彩な球種を操る努力家サウスポー”. 週刊ベースボールONLINE (2021年10月15日). 2022年3月26日閲覧。
  41. ^ 西武・隅田知一郎 開幕ローテへ着々。奪三振能力が光る即戦力左腕/注目の新戦力”. 週刊ベースボールONLINE (2022年3月2日). 2022年3月26日閲覧。
  42. ^ 西武ドラ1・隅田「オリジナル変化球」磨く カーブより遅い110キロ台チェンジアップに命名求む”. Sponichi Annex (2022年1月14日). 2022年3月26日閲覧。
  43. ^ a b 小畑大悟 (2022年1月5日). “西武ドラ1隅田、財布忘れて上京 担当スカウトに1万円借りる”. 西日本スポーツ. https://www.nishinippon.co.jp/nsp/item/n/857177/ 2022年2月20日閲覧。 
  44. ^ “財布を忘れた西武1位隅田知一郎に辻監督「大物というか、いいエピソード」”. 日刊スポーツ. (2022年1月8日). https://www.nikkansports.com/baseball/news/202201080000388.html 2022年2月20日閲覧。 
  45. ^ 上田悠太 (2022年2月18日). “西武1位隅田知一郎グラブにまさかのNG、2回0封で降板時に審判から「試合では使えないよ」”. 日刊スポーツ. https://www.nikkansports.com/baseball/news/202202170001053.html 2022年2月20日閲覧。 
  46. ^ 【西武】隅田知一郎がプロ初勝利ルーキー一番乗り 7回無失点二塁踏ませず”. 日刊スポーツ (2022年3月26日). 2022年3月26日閲覧。
  47. ^ “【西武】隅田知一郎がパ新人初の10連敗「止めきれなかった、チームに申し訳ない」初回5失点”. 日刊スポーツ. (2022年9月14日). https://www.nikkansports.com/m/baseball/news/202209140001570_m.html 2022年9月11日閲覧。 

関連項目

外部リンク