熱帯気候
熱帯気候 (ねったいきこう、英語: Tropical climate) は熱帯の気候である。ケッペンの気候区分では12ヶ月の月間平均気温が18℃以上であり、かつ砂漠気候でない地域が該当する。日の長さや気温が季節により大きく異なる熱帯でない地域と違い、熱帯の気温は1年を通して比較的安定しており、季節は降水量により規定される。
気候区
熱帯気候には3つの気候区が含まれており、気候区の違いは降水量により規定される。
- 熱帯雨林気候 (Af):[1] 12ヶ月の平均降水量が60mm以上の地域。この気候は通常赤道から緯度5-10°内に含まれているが、複数の東海岸地域では、赤道から25°離れた地域に分布している。この気候地域には1年を通して低気圧が停滞しているため、自然の四季は存在しない。
- 熱帯モンスーン気候 (Am):[1] この気候は南アメリカと中央アメリカで一般的であり、季節区分はモンスーンの影響を大きく受けている。この気候は月間最小降水量 (赤道付近の地域では冬至付近にこの時期が訪れる) が60mm以下であるが、年間平均降水量が100mmの地域である。
- サバナ気候 (Aw):[1] この気候は通常極めて乾燥した地域であり、12ヶ月の月間最小降水量が60mm以下かつ年間平均降水量が100mm以下の地域である。
気をつけたいのは、緯度による区分で定義された熱帯に属する多くの場所が熱帯気候では無いということである。例として、サハラ砂漠がある。ケニア山は熱帯にあるがその山頂は気温が低い。しかし、熱帯に属する低地では、熱帯の高山地帯に見られるような気温における季節変化はほとんどない。
熱帯収束帯
太陽高度の気候に対する影響のため、熱帯に属するほとんどの地域は1年を通して気温が高く、季節による温度変化よりも1日の気温の変化のほうが大きい。熱帯気候地域における季節の変化は降水量の変化により影響を受けており、特に熱帯雨林気候帯や熱帯収束帯 (ITCZ)では大きな影響を受ける。7月平均のITCZは右図のとおりである。上昇気流が発生する地域は降水量が多く、下降気流が発生する地域は乾燥している。ITCZは1年を通して赤道付近に存在するが、インドのいくつかの地域では地域的に発生する大規模モンスーンに大きな影響を受けている。
関連項目
脚注
- ^ a b c McKnight, Tom L; Hess, Darrel (2000). “Climate Zones and Types: The Köppen System”. Physical Geography: A Landscape Appreciation. Upper Saddle River, NJ: Prentice Hall. pp. 205–211. ISBN 0-13-020263-0
- ^ “CHAPTER 7: Introduction to the Atmosphere”. physicalgeography.net. 2013年4月17日閲覧。