国章
国の象徴 |
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国章(こくしょう)は、国家を象徴する紋章や徽章のこと。一般に国旗よりもデザインが複雑なため、その国の風土、歴史、文化などが象徴的に表現され、その国を理解する上で国旗よりも多くの情報を読み取ることができる。
なお、日本語では、広義には国旗を含めたものを国章と呼称することもある。例えば、刑法(明治40年法律第45号)第92条の「外国に対して侮辱を加える目的で、その国の国旗その他の国章を損壊し、除去し、又は汚損した者は、二年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。」などである。本記事では、国旗を含めない狭義のそれについて記述する。
日本の国章
日本では法令上明確な国章は定められていないが、伝統的に天皇が紋章として使用し、今日でも皇室が事実上の家紋として使用している十六八重表菊が、慣例的に国章に準じた扱いを受けている。
また、歴史上皇室や政権担当者が紋章として使用し、今日では内閣総理大臣・政府・内閣府が事実上の紋章として使用している五七桐花紋も、慣例的に国章に準じた扱いを受けている。
なお日本の旅券(パスポート)の表紙に表示されているのは十六一重表菊で、同じ菊花紋章でも十六八重表菊とは意匠が異なる。
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日本の旅券
世界の国章
イギリスのライオンとユニコーン、ドイツやオーストリアのワシなど、その国にゆかりがある動植物が国章として使用されていることが多い。架空の動物としてはイギリスのユニコーンやロシアなどの双頭の鷲など、絶滅動物としてはモーリシャスのドードーが採用されている。社会主義国は旧ソ連の例に倣い、穀物の穂や鎌と槌など「労働者と農民の団結」を示すものを国章とすることが多い。また、イスラム諸国ではアルジェリアやシンガポールのように三日月と星を国章に使用している国もある(イタリア、メキシコ、中華人民共和国など、イスラム諸国以外にも星を国章のデザインに取り入れている国も多い)。ちなみに、エチオピアの国章に見られるソロモンの封印(五芒星型、呪術による符号)やイスラエルの国旗に見られるダビデの星(六芒星型、ユダヤのシンボル)は厳密に言うと「星」ではない。 国章がない(公式に国章を定めていない)国としては日本以外にフランス(ユリ、ニワトリ、マリアンヌなどが国章の代わりに使用されている)、アメリカ合衆国(国璽のカラー版が国章の代わりに使用されている)、トルコ(国旗と同じ三日月と星が国章の代わりに使用されている)などがある。イギリスも王家の紋章が国章となったもので、日本でいうと「皇室の菊花紋が正式に国章となった」のに等しい状態である。
また、海外の各州には、簡単に言えば、州でいう国章ともいえる州章などが存在する(日本でも県章など自治体の紋章が制定されている場合はある)。