佐々木かをり
佐々木かをり(ささき- 1959年5月12日 - )は、日本の実業家、評論家、コメンテーター、文筆家。
プロフィール
神奈川県横浜市出身。神奈川県立外語短期大学付属高等学校、上智大学外国語学部比較文化学科[1]卒業。在学中の1983年に交換留学生として米国ニューヨーク州エルマイラ大学に9ヶ月間留学[2]。この頃にダーシー・ニールというセミナー・トレーナーの通訳を行ったことが人生の転機となった[2]。なお、エルマイラ大学からは2008年に名誉文学博士号を授与されている。
フリーランスの通訳を経て、1987年に通訳・翻訳・コミュニケーショントレーニング等を主業務とした株式会社ユニカルインターナショナル、2000年3月には株式会社イー・ウーマンを設立し、同年9月にはホームページを開設した。イー・ウーマンの設立にあたっては、8億7千万円の資本金を集めたが事業としては立ち行かず、大幅な減資を行って再出発した[2]。直近の資本金は約4千3百万円となっている[3][4]。
1988年に世界若手起業家組織YEO(Young Entrepreneurs' Organization)日本支部第2期会長を務めたことを契機に、1996年より毎夏「国際女性ビジネス会議」を開催している。また、イー・ウーマンの公開セミナー講座「イー・ウーマンユニバーシティ」を2009年6月に「表参道カレッジ」と名称変更し、茂木健一郎を学長とした[5]。
2001年1月森内閣の堺屋太一経済企画庁長官主導のIT戦略本部有識者本部員、2001年4月第1次小泉内閣の総合規制改革会議(議長:宮内義彦)委員を皮切りに、内閣府国民生活審議会・物価安定政策会議委員、同男女共同参画会議「仕事と子育ての両立支援に関する専門調査委員会」委員、公正取引委員会の独占禁止懇話会員、法務省法制審議会委員、総務省情報通信行政・郵政行政審議会委員などを歴任。堺屋太一や吉川元偉からは高い評価を得ている[2]。
民業ではメリルリンチ証券ダイバーシティアドバイザリーボード、松下電器アドバイザリーボード、東芝アドバイザリーボード、ニッセンホールディングス社外取締役、神戸大学経営学部非常勤講師、多摩大学客員教授などを歴任している。現在は、ソニー教育財団理事、KDDI財団理事、独立行政法人国立科学博物館経営諮問委員、一般財団法人インターネット協会評議員、日本科学未来館総合監修委員、東京大学非常勤講師を務めるかたわら[6]、株式会社東京海上日動火災社外監査役、日本電気株式会社社外取締役に就任している。NEC社長の遠藤信博からは高い評価を得ている[2]。
公職としては、2007年から文部科学省中央教育審議会初等中等教育分科会臨時委員[7]を長らく務め、現在は同省の実践的な職業教育を行う新たな高等教育機関の制度化に関する特別部会委員[8]も務める。他に経済産業省産業構造審議会委員[9]にも就任し、第2次安倍内閣では内閣府規制改革会議委員に任命され[10][11]、同『雇用ワーキング・グループ』座長代理[12]を務めている。夫と2児あり。
受賞歴
- 1988年 ニュービジネス協議会の「アントレプレナー特別賞」受賞。
- 「1996年4月 日本で活躍する女性13人に選ばれ、訪日中のヒラリー・クリントンとのプライベート昼食会に招かれた[13]。
- 2009年5月 「ベストマザー賞」を受賞。
- 2014年6月 ワシントンD.C.で開催された The White House Summit on Working Families に日本で5人の招待者の1人に選ばれ[14]、旅費滞在費自己負担で出席した。
人物
- 「WIN-WINの関係」、「ギブ&テイクではなくギブ&ギブンで」[15]を仕事のモットーとしており、自らのホームページのタイトルや著作にも反映している。
- 選択的夫婦別姓制度導入に賛同する。「夫婦別姓は多様性、ダイバーシティ社会の実現に必要」と述べる[16]。
- 鳩山由紀夫内閣のとき、鳩山が主催する「リアル鳩カフェ」で、平田オリザとともにファシリテーターを任された[17]。第2回リアル鳩カフェでは官邸の庭でバーベキューが催され、その様子を報道するマスコミもあった。佐々木は鳩山について、「これまで6人の首相を、委員という立場を通してなど間近で見て、お話ししたりしてきていますが、鳩山総理は、一番生活者に近い感じがします」とコメントしている[18]。
著書
- 『シゴトのバイブル 入門編』、PHP研究所、2006年。
- 『自分が輝く7つの発想―ギブ&テイクからギブ&ギブンへ』、光文社、2001年。
- 『佐々木かをりの手帳術』、日本能率協会マネジメントセンター、2005年。
- 『計画力おもしろ練習帳』、日本能率協会マネジメントセンター、2010年。
- 『ギブ&ギブンの発想―自分が動く、世界が変わる』、ジャストシステム、1997年。
- 『ミリオネーゼの手帳術―8ケタ稼ぐ女性に学ぶサクサク時間活用法』、 ディスカヴァー・トゥエンティワン、2003年。
テレビ出演
- テレビ朝日「ニュースステーション」などでニュースリポーター
- 1996年7月よりTBS「CBSドキュメント」キャスター(~2000年)
- TBS系「ブロードキャスター」コメンテーター
- フジテレビ「とくダネ!」コメンテーター(2006年4月~2009年11月金曜日、2009年11月~2010年3月木曜日レギュラー)
- フジテレビ直撃LIVE グッディ!コメンテーター(2015年~)
脚注
- ^ 1977年に日本語・日本文化学科を名称変更した学科; 上智大学年表。
- ^ a b c d e 週刊AERA 2015年7月27日号 56~60頁。
- ^ 株式会社ファンケル(化粧品・健康食品の製造販売会社)も出資している。従業者数等は公表していない。 - イー・ウーマン会社概要
- ^ 2003年からは抗酸化サプリメント「メロンリペア」を販売し、手帳とのツートップの商品構成をとっている。 - ewoman のeshop トップページ
- ^ 表参道カレッジ よくあるご質問, 学長からのメッセージ - 表参道カレッジホームページ
- ^ 佐々木かをりプロフィール
- ^ 中央教育審議会初等中等教育分科会委員名簿 - 文部科学省
- ^ 実践的な職業教育を行う新たな高等教育機関の制度化に関する特別部会委員 - 文部科学省
- ^ 産業構造審議会委員等名簿 - 経済産業省
- ^ 規制改革会議委員名簿 - 内閣府
- ^ 『2020年までに女性管理職30%』は砂上の楼閣か アベノミクス女性活躍推進の“本気度”は?――イー・ウーマン 佐々木かをりさんに聞く - Diamond Online 2014年12月10日
- ^ 内閣府規制改革会議・各ワーキング・グループの構成員 (PDF) - 内閣府
- ^ 第16回 国際女性ビジネス会議 講演者略歴 - 主催:同実行委員会(株式会社イーウーマン)ホームページ。
- ^ ワシントンDCに出発! 佐々木かをりの「今日の想い」 ブログ(2014年06月22日)。
- ^ いずれも、島津幸一がアメリカから移入した自己啓発セミナーが日本で提唱したフレーズである。自身も自己啓発セミナーのトレーナーのような仕事をしていたことがあると、TBS「CBSドキュメント」のキャスター時代に語っている[要出典]。
- ^ イー・ウーマン、2012.11.30
- ^ 鳩山総理と 佐々木かをりの「今日の想い」 ブログ(2010年02月14日)
- ^ 第2回 リアル鳩カフェ 佐々木かをりの「今日の想い」 ブログ(2010年04月04日)
外部リンク
- ユニカルインターナショナル
- イー・ウーマン(ewoman)
- 佐々木かをりウェブサイト
- 佐々木かをり (@kaorisasaki) - X(旧Twitter)