ラクテンチ

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ラクテンチ
ラクテンチ入口(2010年5月撮影)
施設情報
愛称 ラクテンチ
前身 別府ワンダーラクテンチ
キャッチコピー 思い出、天然色。
管理運営 岡本製作所
開園 1929(昭和4)年
所在地 874-0820
大分県別府市流川通り18丁目
位置 北緯33度16分30.6秒 東経131度28分52.8秒 / 北緯33.275167度 東経131.481333度 / 33.275167; 131.481333座標: 北緯33度16分30.6秒 東経131度28分52.8秒 / 北緯33.275167度 東経131.481333度 / 33.275167; 131.481333
公式サイト http://www.rakutenchi.jp/
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ラクテンチは、大分県別府市の立石山中腹にある遊園地。別府市内を一望できる山上にあり、平野部からケーブルカー別府ラクテンチケーブル線)で移動して入園する。

概要

25年以上続いているイベント「あひるの競争(レース)」が名物となっている。1日数回催され、1着の的中者には景品が贈られる。また、当園のジェットコースターは小さな子どもでもあまり怖がらずに乗ることができて、その割には迫力のある写真が写せる撮影ポイントがあって人気である。

ラクテンチのある乙原は、別府温泉の中心流川からまっすぐに伸びる流川通りの終点に位置し、古くは大友能直が鎌倉の鶴岡八幡宮を勧請した八幡朝見神社の社地があった所で、別府八景や、大分百景にも選ばれるほど景色が良く、春はツツジの名所としても知られている。園内には、小規模な動物園別府湾を展望できる温泉施設[1]も設けられている。名称の「ラクテンチ」は「楽天地」の意味である。

沿革

ケーブルカー
「ラクテンチ」へのリニューアルに合わせて、イヌ・ネコ型に模様替えされた。

明治36年から大正にかけて、ラクテンチの敷地内は高品位な金・銀鉱石を産出する鉱山が存在していた。操業当初から温泉が湧き出しており、坑内の熱気に耐えながら操業を続けていた。しかし、今までよりも高温な温泉が湧きだし坑内環境が悪化した事と、温泉の枯渇を恐れた地域住民の反対、折からの大正末期の不況により採算割れを理由により閉山。そこで、残った敷地と温泉を有効活用する目的で、遊園地の設立が企図され開園したのである。

  • 1929年(昭和4年) - 「別府遊園」として開業。
  • 1935年(昭和10年)頃 - 「別府ケーブル遊園地」という名称で、運営会社は株式会社別府ケーブル遊園であった[2]
  • 1950年(昭和25年) - 「別府ケーブルラクテンチ」として営業再開。
  • 1954年(昭和29年) - 別府国際観光に譲渡される。
  • 1962年(昭和37年)3月1日 - ラクテンチ・立石山間のリフトが開通。
  • 1982年(昭和57年)11月17日 - 船岡山・志高ユートピア間のリフトが開通。
  • 1984年(昭和59年)8月12日 - 立石山・船原山間のロープウェイが開通。
  • 1998年(平成10年) - リフト及びロープウェイ廃止。
  • 2003年(平成15年)11月 - 経営不振から遊具メーカーの岡本製作所に譲渡される。ゾウ、キリン、ホッキョクグマ、カバなどの大型動物やペンギンなどは各地の動物園へ譲渡された[3]
  • 2004年(平成16年)3月 - 「別府ワンダーラクテンチ」としてリニューアルオープン。
  • 2008年(平成20年)11月 - 休園。
  • 2009年(平成21年)7月18日 - 開園80周年を機に名前を「ラクテンチ」に戻して営業再開

休園とリニューアルオープン

別府ワンダーラクテンチ時代の入口(2007年7月撮影)
別府ワンダーラクテンチ時代のケーブルカー
奥にフラワー観覧車が見える

2008年(平成20年)にはいると、岡本製作所は再度の経営不振を理由に8月末での撤退を表明した。しかし、2008年8月18日までに大分県大分市に本社を置く九州観光ホームグループへの事業譲渡が合意され、2008年9月以降も営業は継続されることになった。この際、園名は、別府国際観光時代の名称「別府ケーブルラクテンチ」に戻すと報じられた[4][5][6]

その後、譲渡先の新会社が国土交通省からケーブルカーの営業認可を受ける必要があるとの理由で、岡本製作所は11月末までの運営継続を表明したが[7][8]、11月になって、九州観光ホームへの譲渡話は頓挫したことが判明。遊園地は11月末で休園した[9][10]

岡本製作所は他社への売却交渉を続けるほか、スポンサーを募って自社で営業を再開することも検討しており、閉園することはないとしていたが[11][12]、2009年1月31日に、ゴールデンウィーク前に自社運営で営業を再開することを発表した[13]

再開にあたっては、園内南側の遊具を撤去して芝やハーブなどを植えた広場を設けるとともに、足湯、イチゴ狩りなどの体験施設を整備する計画であるとされた。また、2009年3月12日には、改修工事の遅れや、各エリアの改修を段階的に行うのではなく一括してオープンする計画としたことから、営業再開が2009年7月20日頃になると発表されていたが[14]。6月23日に別府市役所で行われた記者会見においてオープンは7月18日と発表され、今年の開園80周年を機に原点に立ち返る意味から、名称を「ワンダーラクテンチ」から「ラクテンチ」に戻すことも発表された[15]。また、2004年に大幅削減されていた動物の飼育展示のうちマゼランペンギンが復活し、7月1日には神戸市立須磨海浜水族園から到着した[16]

リフトとロープウェイ

1962年3月1日には、ラクテンチから立石山山頂に通じる延長654mのリフトが完成。さらに1982年11月17日には、志高ユートピアから船原山に至るリフトが開通。そして、1984年8月12日に立石山と船原山を結ぶロープウェイが開通したことにより、ラクテンチと約4km離れた志高湖畔の志高ユートピアとがリフト及びロープウェイの空中交通で結ばれることになった。しかし、これらの路線は、台風による被害などのため1998年に廃止されている[17]

所在地

営業

  • 営業時間:午前9:00 - 午後5:00
  • 定休日:毎週火曜日(ゴールデンウィーク、夏休み、祝日は営業)
    • 冬季(1月、2月)は、園内整備及び点検作業のため、土日祝日のみの営業

交通

脚注

  1. ^ 別府八湯温泉道にも参画している。
  2. ^ 日本鉄道切符公園/別府ラクテンチケーブル
  3. ^ ホッキョクグマの2頭のメスはホッキョクグマの繁殖で実績のある札幌の円山動物園へ移籍。
  4. ^ 創業80年 別府の遊園地「ラクテンチ」が閉園の危機 MSN産経ニュース 2008年7月7日
  5. ^ 「別府ラクテンチ」九州観光ホームに経営譲渡、存続が決まる 読売新聞 2008年8月18日
  6. ^ ラクテンチ存続決定 社長「新発想施設へ再生」 地元観光関係者ら歓迎 読売新聞 2008年8月18日
  7. ^ 11月末までの営業を正式表明 ラクテンチ 読売新聞 2008年8月30日
  8. ^ 別府ワンダーラクテンチ:当面営業を継続 運営会社、譲渡先と引き続き交渉/大分 毎日新聞 2008年8月28日
  9. ^ ラクテンチ・九州観光ホームとの交渉は白紙 大分放送 2008年11月5日
  10. ^ 別府のラクテンチ月末閉園、経営譲渡交渉が白紙に戻る 読売新聞 2008年11月6日
  11. ^ 別府ワンダーラクテンチ:岡本製作所、来春以降も継続に意欲/大分 毎日新聞 2008年11月29日
  12. ^ 別府ラクテンチきょうから休園、社長「閉園はない」 読売新聞 2008年12月1日
  13. ^ “GW前に再開” ラクテンチ 大分合同新聞 2009年1月31日
  14. ^ 別府ラクテンチ 再開は7月20日 GW前から大幅遅れ 西日本新聞 2009年3月13日
  15. ^ ラクテンチ 来月18日オープン 大分合同新聞 2009年6月24日
  16. ^ マゼランペンギン到着! ラクテンチ 大分合同新聞 2009年07月02日
  17. ^ ラクテンチの80年を振り返る - 大分合同新聞

外部リンク