シャマルダル
シャマルダル | ||||||||||||||||||
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欧字表記 | Shamardal[1] | |||||||||||||||||
品種 | サラブレッド[1] | |||||||||||||||||
性別 | 牡[1] | |||||||||||||||||
毛色 | 鹿毛[1] | |||||||||||||||||
生誕 | 2002年3月27日[2] | |||||||||||||||||
死没 | 2020年4月16日[3] | |||||||||||||||||
父 | Giant's Causeway[1] | |||||||||||||||||
母 | Helsinki[1] | |||||||||||||||||
母の父 | Machiavellian[1] | |||||||||||||||||
生国 | アメリカ合衆国[1] | |||||||||||||||||
生産者 | Brilliant Stable | |||||||||||||||||
馬主 |
Abdulla Buhaleeba →Gainsborough Stud →Godolphin[2] | |||||||||||||||||
調教師 |
Mark Johnston →Saeed bin Suroor[2] | |||||||||||||||||
競走成績 | ||||||||||||||||||
タイトル | カルティエ賞最優秀2歳牡馬(2004年)[4] | |||||||||||||||||
生涯成績 | 7戦6勝[2][1] | |||||||||||||||||
獲得賞金 | 1,099,290ポンド[2] | |||||||||||||||||
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シャマルダル (Shamardal[1]) とはイギリスの競走馬、種牡馬。主な勝ち鞍に2005年のプール・デッセ・デ・プーラン、ジョッケクルブ賞、セントジェームズパレスステークス、2004年のデューハーストステークス。2004年のカルティエ賞最優秀2歳牡馬に選出された。名前の由来はアラビアンナイトに登場する魔神シャマルダルから。
戦績
[編集]- 特記事項なき場合、本節の出典はRacing Post[2]
2歳時
[編集]最初の馬主はアーメッド・ブハルーダだったが、2004年10月上旬にブハルーダがイギリス・ロンドンのカジノで大負けしたのが原因との見方で、同月下旬にゴドルフィンに権利が譲渡されている。管理調教師もブハルーダが馬主だったときはイギリスのマーク・ジョンストン、ゴドルフィンに移ってからはゴドルフィン専属調教師のサイード・ビン・スルールに代わっている。
2004年7月12日、イギリス・エア競馬場で行われた7頭立てのメイドン(未勝利戦、直線芝6ハロン)で1番人気に推され、8馬身差の圧勝でデビュー戦を飾る[7]。この勝利から2005年の2000ギニーの前売り1番人気に一時的に支持されている。続く2戦目は7月28日にイギリス・グッドウッド競馬場で行われたヴィンテージステークス(芝7ハロン・グループ2)に出走、10頭立てで1番人気だったが、のちのブリーダーズカップ・ジュヴェナイルの優勝馬ウィルコに2馬身半の差で優勝、デビュー2戦目で重賞初制覇となった[7]。3戦目として同年10月16日、イギリス・ニューマーケット競馬場で行われたデューハーストステークスに駒を進め、レースでは他馬を寄せ付けずに2着のオラトリオに2馬身半の差で逃げ切り、G1初勝利を成し遂げた[8]。その活躍から2004年のカルティエ賞最優秀2歳牡馬に選出された[4]。
3歳時
[編集]2005年に入り、イギリスの2000ギニーを目指すものと思われたシャマルダルは、馬主であるゴドルフィンが大目標としているケンタッキーダービー制覇のために[9]、同年3月26日、ドバイナド・アルシバ競馬場のドバイミーティングのひとつであるUAEダービー(ダート1800メートル、グループ2)へ出走したが、レースでは一旦は先頭に取りつくも後退して12頭立ての9着に終わり、生涯唯一の大敗となった[10]。このレース結果を重く見たゴドルフィンはケンタッキーダービー出走を断念して再度芝路線に戻し、同年5月15日、フランス・ロンシャン競馬場のプール・デッセ・デ・プーラン(芝1600メートル・グループ1)に矛先を変え、インデサシェルをアタマ差で退け優勝[6][11]。G1・2勝目を挙げるとともに、先のイギリスの2000ギニーを制したフットステップスインザサンドに続き、父・ジャイアンツコーズウェイにヨーロッパクラシック競走2勝目をプレゼントした[11]。続いて6月5日、フランス・シャンティイ競馬場のジョッケクルブ賞(芝2100メートル・グループ1)に出走し、ハリケーンランとの接戦を演じたが最終的にクビ差退け、1961年のライトロイヤル以来44年ぶりとなるフランス二冠を達成した[12]。ジョッケクルブ賞から9日後の同年6月14日にはイギリス・ヨーク競馬場のロイヤルアスコット開催に向かってセントジェームズパレスステークス(直線芝8ハロン・グループ1)に出走し、アドヴァロレムに3馬身の差をつけてG1・3連勝、父子制覇を成し遂げた[13]。続くレースとして同年7月2日にサンダウン競馬場で行われるエクリプスステークス(芝10ハロン7ヤード・グループ1)に出走予定でダービーステークス優勝のモティヴェーターとの対戦が予定されていたが[14]、7月1日の調教中に右前球節部の軟骨を骨折したためエクリプスステークスの出走を取り消しし、引退した[15]。
競走成績
[編集]以下の内容は、Racing Post[2]の情報および記載法に基づく。
出走日 | 競馬場 | 競走名 | 格 | 距離 | 着順 | 騎手 | 着差 | 1着(2着)馬 |
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2004.07.12 | エア | 未勝利S | 芝6f | 1着 | J.ファニング | 8馬身 | (No Commission) | |
2004.07.28 | グッドウッド | ヴィンテージS | G2 | 芝7f | 1着 | J.ファニング | 2 1/2馬身 | (Wilko) |
2004.10.16 | ニューマーケット | デューハーストS | G1 | 芝7f | 1着 | K.ダーレイ | 2 1/2馬身 | (Oratorio) |
2005.03.26 | ナドアルシバ | UAEダービー | G2 | D1800m | 9着 | L.デットーリ | 11.52秒 | Blues and Royals |
2005.05.15 | ロンシャン | プール・デッセ・デ・プーラン | G1 | 芝1600m | 1着 | L.デットーリ | アタマ | (Indesatchel) |
2005.06.05 | シャンティイ | ジョッケクルブ賞 | G1 | 芝2100m | 1着 | L.デットーリ | クビ | (Hurricane Run) |
2005.06.14 | ヨーク | セントジェームスパレスS | G1 | 芝8f | 1着 | K.マカヴォイ | 3馬身 | (Ad Valorem) |
引退後
[編集]引退後はアイルランドのキルダンガンスタッドで種牡馬となり、20頭を超えるGI馬を送り出した[5]。2020年4月16日に死亡したことがダーレーグループから発表された[3]。
主な産駒
[編集]- 2006年産
- Captain Sonador / キャプテンソナドール - 2010年エプソムハンデキャップ
- Faint Perfume / フェイントパフューム - 2009年クラウンオークス、2010年ヴィネリースタッドステークス
- 2007年産
- Lope De Vega / ロペデヴェガ - 2010年プール・デッセ・デ・プーラン、2010年ジョッケクルブ賞
- Zazou / ザズー - 2011年ローマ賞
- 2008年産
- Casamento / カサメント - 2010年レーシングポストトロフィー
- Crackerjack King / クラッカージャックキング - 2012年イタリア共和国大統領賞
- Dan Excel / ダンエクセル - 2013年チャンピオンズマイル、2014年-2015年シンガポール航空インターナショナルカップ
- 2009年産
- Able Friend / エイブルフレンド - 2014年香港クラシックマイル、2014年香港マイル、2015年ステュワーズカップ、2015年クイーンズシルバージュビリーカップ、2015年チャンピオンズマイル
- Amaron / アマロン - 2012年ヴィットーリオ・ディ・カープア賞
- Maybe Discreet / メイビーディスクリート - 2013年オーストララシアンオークス
- Mukhadram / ムカドラム - 2014年エクリプスステークス
- Sagawara / サガワラ - 2012年サンタラリ賞
- 2010年産
- 2011年産
- Tryster / トリスター - 2016年ジェベルハッタ
- 2012年産
- Dariyan ダリヤン - 2016年ガネー賞
- 2013年産
- Lumiere / ルミエール - 2015年チェヴァリーパークステークス
- Pakistan Star / パキスタンスター - 2018年クイーンエリザベス2世カップ、香港チャンピオンズ&チャターカップ
- 2014年産
- Blue Point / ブルーポイント - 2018年・2019年キングズスタンドステークス、2019年アルクォズスプリント、ダイヤモンドジュビリーステークス
- 2015年産
- ライトオンキュー - 2019年京阪杯
- ソーラーフレア - 2024年金沢スプリングカップ
- 2016年産
- Tarnawa / タルナワ - 2020年ヴェルメイユ賞、オペラ賞、ブリーダーズカップ・ターフ
- Castle Lady / キャッスルレディ - 2020年プール・デッセ・デ・プーリッシュ
- Emaraaty Ana / エマラーティアナ - 2021年スプリントカップ
- 2017年産
- Pinatubo / ピナトゥボ - 2019年ヴィンセントオブライエンステークス、デューハーストステークス、2020年ジャンプラ賞
- Earthlight / アースライト - 2019年モルニ賞、ミドルパークステークス
- Victor Ludorum / ヴィクタールドラム - 2019年ジャンリュックラガルデール賞、プール・デッセ・デ・プーラン
- 2021年産
- Inisherin / イニシェリン - 2024年コモンウェルスカップ
- Cinderella's Dream / シンデレラズドリーム - 2024年ベルモントオークスインビテーショナルステークス
母の父としての主な産駒
[編集]- 2013年産
- Awtaad / オータード - 2016年アイリッシュ2000ギニー
- 2015年産
- Latrobe / ラトローブ - 2018年アイリッシュダービー
- 2016年
- Pretty Pollyanna / プリティポリーアンナ - 2018年モルニ賞
- 2017年産
- Althiqa / アルシクァ - 2021年ダイアナステークス、ジャストアゲームステークス
- ウーマンズハート - 2019年新潟2歳ステークス
- 2018年産
- Converge / コンヴァージ - 2022年ランドウィックギニーズ
- Imperatriz / インペラトリス - 2022年レヴィンクラシック、NZサラブレッドブリーダーズステークス、2023年レイルウェイステークス、BCDグループスプリント、ウィリアム・レイドステークス、モイアステークス、マニカトステークス、チャンピオンズスプリント、2024年ブラックキャビアライトニング、ウィリアム・レイドステークス
- 2019年産
- Facteur Cheval / ファクトゥールシュヴァル - 2024年ドバイターフ
- 2020年産
- Mysterious Night / ミステリアスナイト - 2022年サマーステークス
- Goliath / ゴリアット - 2024年キングジョージ6世&クイーンエリザベスステークス
- Ceolwulf / チェオウルフ - 2024年エプソムハンデキャップ、キングチャールズ3世ステークス
- ゴールデンハインド - 2023年フローラステークス[16]
- 2021年産
血統表
[編集]シャマルダルの血統 | (血統表の出典)[§ 1] | |||
父系 | ストームバード系/ストームキャット系 |
[§ 2] | ||
父 Giant's Causeway 1997 栗毛 |
父の父 Storm Cat1983 黒鹿毛 |
Storm Bird | Northern Dancer | |
South Ocean | ||||
Terlingua | Secretariat | |||
Crimson Saint | ||||
父の母 Mariah's Storm1991 鹿毛 |
Rahy | Blushing Groom | ||
Glorious Song | ||||
Immense | Roberto | |||
Imsodear | ||||
母 Helsinki 1993 鹿毛 |
Machiavellian 1987 鹿毛 |
Mr. Prospector | Raise a Native | |
Gold Digger | ||||
Coup de Folie | Halo | |||
Raise the Standard | ||||
母の母 Helen Street1982 鹿毛 |
Troy | Petingo | ||
La Milo | ||||
Waterway | Riverman | |||
Boulevard | ||||
母系(F-No.) | (FN:1-l) | [§ 3] | ||
5代内の近親交配 | Halo5×4=9.38% Natalma5×5=6.25% Hail to Reason5×5=6.25% | [§ 4] | ||
出典 |
叔父(母の弟)にドバイワールドカップを制したストリートクライがいる。
脚注
[編集]- ^ a b c d e f g h i j “Shamardal(USA)”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2020年4月18日閲覧。
- ^ a b c d e f g “Shamardal”. Racing Post. 2020年4月17日閲覧。
- ^ a b “International Sire Shamardal Dies at 18”. Blood-Horse (2020年4月16日). 2020年4月17日閲覧。
- ^ a b “ウィジャボード、欧州年度代表馬に輝く”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd. (2004年11月18日). 2020年4月18日閲覧。
- ^ a b “【海外競馬】名種牡馬シャマーダルが死亡 産駒にピナトゥボ、ロペデヴェガなどG1馬25頭”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd. (2020年4月17日). 2020年4月18日閲覧。
- ^ a b “【2000ギニー(フランス)】シャマーダルが接戦制す [News]”. 中央競馬実況中継 競馬実況web. 日経ラジオ社 (2005年5月16日). 2020年4月18日閲覧。
- ^ a b “ジャイアンツコーズウェイ産駒、無敗で初重賞”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd. (2004年7月29日). 2020年4月18日閲覧。
- ^ “デューハーストS、シャマーダル無敗で制覇”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd. (2004年10月17日). 2020年4月18日閲覧。
- ^ “シャマーダル、米3冠路線を視野に”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd. (2005年1月21日). 2020年4月18日閲覧。
- ^ “UAEダービー、シャマーダル敗れる”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd. (2005年3月26日). 2020年4月18日閲覧。
- ^ a b “仏2000ギニー、シャマーダル復活”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd. (2005年5月16日). 2020年4月18日閲覧。
- ^ “仏ダービー、シャマーダル2冠達成”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd. (2005年6月6日). 2020年4月18日閲覧。
- ^ “セントジェイムスパレスS、シャマーダルG1・3連勝”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd. (2005年6月15日). 2020年4月18日閲覧。
- ^ “エクリプスS、英・仏ダービー馬が激突”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd. (2005年7月1日). 2020年4月18日閲覧。
- ^ “シャマーダル、骨折で電撃引退”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd. (2005年7月1日). 2020年4月18日閲覧。
- ^ “ゴールデンハインド”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2023年4月23日閲覧。
- ^ a b c “血統情報:5代血統表|Shamardal(USA)”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2020年4月17日閲覧。
- ^ a b c “Shamardalの血統表”. netkeiba.com. 株式会社ネットドリーマーズ. 2020年4月17日閲覧。
外部リンク
[編集]- Shamardal - ダーレーグループ
- 競走馬成績と情報 netkeiba、JBISサーチ、Racing Post