ゲームコントローラ

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ファミリーコンピュータパッド
MSXジョイスティックの例

ゲームコントローラは、コンピュータゲーム用のコンピュータ入力装置で、人間の操作する意志をハードウェア(ゲーム機パソコンなど)本体に伝える役割を持つ。単にコントローラとも。コントローラーと語尾を伸ばすこともある。

両手で持つタイプの物は特に「ゲームパッド」と呼ばれる。

概要

単純なスイッチであったり、または圧力アナログ的に感じ取ってその強さを検出するものなど、さまざまなものが利用されている。

かつての業務用ゲームでは筐体に付いたマイクロスイッチ(メカニカルスイッチ)を利用したジョイスティックを使うことが多かったが、家庭用ゲーム機器ではゲーム機本体に接続されたコントローラを使って操作する物がほとんどである。かつてはケーブルで繋ぐものが主流であったが、2006年以降に出た据え置き型ゲーム機はどれも電波接続によるワイヤレスコントローラが標準で用意されている。

1990年代半ばからアナログスティックが搭載されている標準コントローラも現れた。スティックを倒す方向や角度により、キャラクターをプレイヤーの思うとおりに操作することができる。これは近年の家庭用ゲーム機でも同様で、標準型の他にも業務用のようなジョイスティックやボタンを備えたもの等、1つのゲーム機に様々なコントローラが対応している。使用するゲームソフトによっては専用コントローラ(後述)が求められるほか、利用者の好みでコントローラを選ぶこともできる。

主な種類

汎用

特定ジャンル

構成要素

入力

ほとんどのゲームコントローラは、方向入力装置(または位置入力装置など)と、いくつかのボタンを持つ。

方向
方向入力は、8方向(または4方向)のON/OFFのみのデジタルと、連続値を入力できるアナログがある。パッドでは十字ボタンによるデジタルだが、それに加えアナログスティックを持つものもある。ジョイスティックにはデジタルとアナログがある。加速度センサでコントローラの移動を検知するものもある。
位置
方向でなく純粋に位置を入力するコントローラは、あるていど特殊なものになる。画面そばに固定したセンサ(Wiiのセンサーバーなど)でコントローラ本体の動きを感知するのが代表的である。そのほか、ガンコントローラなどで使われるブラウン管表示を読み取る機構や、タッチパネルがある。
角度
ステアリングコントローラやパドルコントローラなどは、角度によって1次元の方向や位置を入力する。
ボタン
1~12個程度のボタンがついている。現代では、連射できるものも多い。
マイク
マイクなどを持つものもある。

出力

コントローラは基本的に入力装置であるが、出力装置としての機能を持つものもある。

近年のコントローラは、フォースフィードバック(画面上のシーンに応じてコントローラを振動させる、あるいは乗り物の操作に対する応力を再現する機構)があるものが多い。スピーカを持つものもある。

インタフェース

ケーブルコネクタ赤外線通信装置など。

基本的にコントローラは個々のゲーム機規格専用で、互換性がない[1]が、ゲームパッドコンバータで融通できることもある。

PC用のコントローラは、2010年現在はほぼ全てUSB接続で、互換性がある。Xbox 360のコントローラも、コネクタの形状が違うだけでUSB接続なので、多少の問題はあるがPCと互換性がある。

拡張機能

連射機能

ボタンを押したままにすることで、そのボタンを複数回押していると認識させる機能を連射という。

まだゲームに連射という考え方がなかったころ、HAL研究所よりファミコン用の増設コントローラとして発売されたジョイボールが世界初の連射機能を装備したコントローラであった。その後高橋名人のブレイクにあわせ連射機能を目的としてハドソンジョイカードが発売され、ゲームには欠かせない機能となった。

PCエンジンでは標準付属のコントローラにも装備されたが、次第にシューティングゲームなどのゲームソフト側で制御される機能となり、必ずしもハード側(コントローラ)で必要不可欠な機能ではなくなってきた。ただソフト側で制御されない、プレイヤーがボタンを押さなくても連射する機能(通称「押しっぱなし」)を利用して、ロールプレイングゲームのレベル上げに利用したり、ポーズボタンに連射し事実上のスローモードでプレイできたりと様々な用途もあり、現在でも連射機能付のコントローラは製造販売されている。

振動機能

NINTENDO64のコントローラには拡張機器が接続可能で、そのひとつ振動パックによる振動は、プレイステーションのDUALSHOCKのように後の多くのゲーム機で標準搭載されることとなった。

しかし振動機能(フォースフィードバック)の特許をめぐる訴訟が大きな問題に発展した。 振動機能には大きく、任天堂の採用したフォースリアクタ技術(アルプス電気:日本)と、ソニーマイクロソフトが採用したタッチフィードバック技術(イマージョン社:アメリカ)があるが、タッチフィードバック技術の特許を持つイマージョン社は、Xbox、プレイステーション、プレイステーション2の振動コントローラーが同社の特許を侵害しているとして、2002年2月にマイクロソフト、SCE、米SCEの3社を相手取って訴訟を起こした。

マイクロソフトは2003年7月に2600万ドルを支払うことで、ソニーも2007年3月に約9100万ドル(非公開)を支払うことで、和解しライセンス契約を結んだが、当初プレイステーション3の標準付属のコントローラには振動機能は採用されなかった。

コントローラの発展形

Wiiリモコン(ヌンチャクスタイル)

ゲームの臨場感を高めるため、ゲーム内のキャラクターになりきったプレイが可能になる「専用コントローラ」が存在する。ガンシューティングゲームでは、ガンコントローラと呼ばれる銃型(光線銃)コントローラがファミリーコンピュータの時代から利用されていた。他にはアーケードゲームの専用筐体を再現したものが多い。代表例は『電車でGO!』専用の運転席を再現したもの、ダンスダンスレボリューション専用のマットなどであるが、古く体感ゲームが流行した時代には、家庭用ゲーム機に接続、またがって操作する大型コントローラ(セガハングオン』を意識したと思われるバリエの『トップライダー』)も登場している。

任天堂から2006年に発売されたWiiのコントローラ「Wiiリモコン」は、テレビのリモコン状の細長い棒状のコントローラを片手に持つスタイルで、コントローラ自体の向きを変えたり動かしたりすることでゲームを操作する斬新なものとなっている。

携帯型ゲーム機では、タッチパネルなどの表示機能と操作機能を合体させた操作部分を搭載する機種(ニンテンドーDSなど)もある。またニンテンドーゲームキューブゲームボーイアドバンス、WiiとニンテンドーDSのように、据置機に接続した携帯機をコントローラとして使用することも可能である。テレビ画面とは別にプレイヤー個別の画面を表示したり、据置機と携帯機のソフトのデータを連動させるような機能も見られる。

コントローラ当然ながら入力装置として使用されていたが、現在では前述の振動機能やWiiのようにスピーカーを内蔵したもの、Xbox 360のようにヘッドセットを装備し音声の入出力に対応したコントローラもあり、ゲームにおけるいくつかの要素を出力するデバイスとしても用いられてきている。

脚注

  1. ^ 8bitから16bitまでのゲーム機の場合は、Atari 2600コントローラの通称「ATARI規格」互換のものが多かった