ICE L

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ICE L
基本情報
運用者 ドイツ鉄道
製造所 タルゴ(客車、電気機関車)
シーメンス(バイモード機関車)
製造年 2021年 - (予定)
製造数 23編成(予定)
運用開始 2023年(予定)
主要諸元
編成 17両編成
軌間 1,435 mm
設計最高速度 230 km/h
編成定員 562人(一等85人、二等477人)
編成重量 425 t
編成長 255 m(機関車含)
床面高さ 760 mm
備考 主要数値は特筆のない限り客車の諸元に基づく[1][2][3][4][5][6][7]
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ICE Lは、スペインの鉄道車両メーカーのタルゴによって建造されるドイツ鉄道の列車の名称。機関車によって牽引される設計最高速度230 km/hの客車列車であり、2023年の営業運転開始を予定している。開発時は「ECx」という仮称が付けられていた[1][3][4][7][8]

概要

ドイツ鉄道脱炭素社会への転換の一環として、旧型車両の置き換えを含め車両の増備を進めている。その中で、2017年に新型客車列車の導入に関する国際入札が行われ、2019年スペインタルゴ社との間で最大100編成・約23億ユーロ分の契約を結んだ他、第一次発注分として23編成・5億5,000万ユーロ分の発注が実施された。これに基づき、タルゴ社が製造を実施を予定する客車を用いる列車が「ICE L」である[1][3][4][5]

ICE Lで用いられる客車はタルゴ社が開発した連接式客車列車「タルゴ230(Talgo 230)[注釈 1]で、タルゴ230の最後尾には運転台付き客車が存在する(ペンデルツーク)ため機回しが不要となっている。機関車についてはタルゴ社が開発した交直流電気機関車の「トラヴカドイツ語版(Travca)」とシーメンスが展開するバイモード機関車の「ベクトロンDM(Vectron DM, Vectron Dual Mode)」が用いられ、後者は走行路線に非電化区間が含まれる系統に使用される[注釈 2]。編成両数は機関車を含め17両編成を予定しており、設計最高速度はトラヴカを用いる列車は230 km/h、ベクトロンDMが使用される列車は160km/hである[1][3][2][9][10][11]

編成内には85人分の一等座席、485人分の二等座席に加えてビストロカーが存在する他、自転車スキー板スノーボードが設置可能なフリースペースや荷物棚も設置されている。また、車内ではwi-fi通信の使用が可能である。車内の床上高さは760 mmに統一されており、駅のプラットホームから段差なしに乗降可能な設計となっている[1][2][3][4]

運用

ICE Lは主にICE 3ICE 42階建て列車インターシティ2(IC2)が運行していない系統への導入を想定しており、2021年の時点では以下の区間への導入が予定されている。そのうち2024年夏季以降使用される路線の一部には非電化区間が存在しており、前述のようにそれらの区間を走行する列車はバイモード機関車が用いられる[1][3][4][5][6][9]

脚注

注釈

  1. ^ ドイツ鉄道では1994年から2009年までタルゴ製客車ドイツ語版の運行を行っていた経歴があり、このICE Lはそれ以来の導入となる[3]
  2. ^ ベクトロンDMについては非常用の救援車両として用いる計画も存在する。

出典

  1. ^ a b c d e f ECx”. Talgo. 2021年8月20日閲覧。
  2. ^ a b c Deutsche Bahn chooses Talgo to design the German train of the future”. Talgo (2022年9月14日). 2022年9月14日閲覧。
  3. ^ a b c d e f g Questions Over Various Talgo Projects (3)”. Raivolution (2020年7月21日). 2021年8月20日閲覧。
  4. ^ a b c d e Bahn stellt neuen Fernzug vor”. SPIEGEL Reise (2019年3月13日). 2021年8月20日閲覧。
  5. ^ a b c Knorr-Bremse equips ECx trains for DB”. RAILWAY PRO (2021年1月20日). 2021年8月20日閲覧。
  6. ^ a b Geplanter Einsatz des neuen Fernverkehrszuges „ECx“”. Deusche Bahn AG (2019年5月). 2021年8月20日閲覧。
  7. ^ a b Der Exot des Fernverkehrs geht in Rente”. Deusche Bahn AG. 2021年8月20日閲覧。
  8. ^ A New ECx Design And Name”. Railvolution (2011年11月9日). 2021年11月12日閲覧。
  9. ^ a b InnoTrans 2022 (14)”. Railvolution (2022年10月11日). 2021年10月13日閲覧。
  10. ^ Travca”. Talgo. 2021年8月20日閲覧。
  11. ^ Talgo 230”. Talgo. 2021年8月20日閲覧。

外部リンク