タリス

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赤い車両のタリス

タリス(Thalys)とは、フランスベルギーオランダドイツの4カ国を結ぶ高速列車ユーロスターと同様、フランスのTGVを基本にしており、電化方式の異なる区間を走行するため、様々な工夫が施されている。 最高速度は300km/h

1996年1月より運転を開始し、同年6月アムステルダムまで延長、また1997年12月10日ケルンまでの系統が運行を開始した。 運営会社は「タリス・インターナショナル」(Thalys International)社で、本社はベルギーのブリュッセルに置かれている。株式保有比率は、フランス国鉄62%・ベルギー国鉄28%・ドイツ鉄道10%である。

目次

運行概況 [編集]

タリス運行系統
凡例 : 時間はパリからの最短所要時間
Thalys route.svg マルセイユ(サン・シャルル駅)(夏期)
  ブール・サン・モーリス(スキー)
  (途中駅省略)
 
  マルヌ・ラ・ヴァレ-シェシー
  シャルル・ド・ゴール空港第2TGV
0:00 パリ(北駅)
 
  フランス/ベルギー国境
 
1:22 ブリュッセル (南駅)
 
 
  ヘント
  ブルッヘ
2:45 オーステンデ
  モンス
  シャルルロワ(南駅)
  ナミュール
 
2:10 リエージュ=ギユマン
 
  アントウェルペン=ベルヘム
2:04 アントウェルペン(中央駅)
 
  ベルギー/ドイツ国境
  アーヘン(中央駅)
3:14 ケルン(中央駅)
  デュッセルドルフ(中央駅)
  ベルギー/オランダ国境
2:36 ロッテルダム(中央駅)
  デン・ハーグ(HS駅)
  スキポール
3:19 アムステルダム(中央駅)
スキーシーズンにアルプス方面のボール・サン・モーリスまで乗り入れるタリス

系統 [編集]

フランスのパリからベルギーのブリュッセルを経由し、オランダのアムステルダムおよびドイツのケルンに至る系統が基本である。このほかパリからベルギー国内主要都市に向かう系統が存在する。

2010年6月ダイヤ改正時点での系統別の1日当たりの運行本数は以下の通り。なおダイヤは曜日によって異なるため、以下では平日の本数(月曜または金曜のみ運転のものを除く)を掲げる。

上記のほか、スキーシーズンにはアルプス方面へ、夏のリゾートシーズンにはマルセイユまで、アムステルダムまたはブリュッセルから週末に運転されることもある。フランス国内の停車駅は以下の通り。

最も本数の多いパリ-ブリュッセル間では、6時台から21時台まで30分間隔(一部60分または90分間隔)のパターンダイヤが組まれ、パリ発は毎時01分・25分発、ブリュッセル発は毎時13分・37分発を基本とする。この区間では、行先の異なる編成を2本併結することもある。

パリ - ブリュッセル間ではLGV北線およびベルギー高速鉄道1号線を、ブリュッセル - アムステルダム間ではベルギー高速鉄道4号線およびオランダ南高速線を、ブリュッセル - リエージュ間ではベルギー高速鉄道2号線を、アーヘン - ケルン間ではケルン-アーヘン高速線をそれぞれ走行する。

主な停車駅 [編集]

主な都市での停車駅は以下の通り

アントウェルペンでは、当初アントウェルペン中央駅が頭端式の構造だったため、アントウェルペン始発・終着の列車以外は中央駅に乗り入れず、アントウェルペン=ベルヘム駅に停車していた。2007年に中央駅の地下を経由してアントウェルペン市内を縦断する新線が開通したため、同年12月9日からアムステルダム方面行の全列車が中央駅経由になり、ベルヘム駅は通過となった。アントウェルペン中央駅周辺の改良も参照。

過去の系統 [編集]

ケルン方面行の列車の一部は1998年から2002年までデュッセルドルフまで延長運転されていた。

2007年3月31日まで、一部の列車はパリ北駅ではなくパリ郊外のLGV東連絡線にあるシャルル・ド・ゴール空港第2TGV駅を経由しマルヌ・ラ・ヴァレ-シェシー駅ディズニーランド・パリの最寄り駅)を発着駅としていた。

シャルル・ド・ゴール空港第2TGV駅はシャルル・ド・ゴール空港と直結しており、エールフランスが就航していたパリ-ブリュッセル間の路線をタリスが置き換えた。その代わり、タリスの座席の一部はエールフランスの利用枠として確保されていた。その後ノースウエスト航空アメリカン航空も、鉄道サービスをコードシェアとして利用することに同意し、シャルル・ド・ゴール空港とブリュッセル南駅でサービスが行われていた。このため、タリスはIATAから2桁コードが指定されており、ブリュッセル南駅にもIATAコードが付けられている。KLMなどが加盟する航空アライアンスであるスカイチームはタリスの鉄道サービスを利用しスキポール空港とアントウェルペン=ベルヘム駅、ブリュッセル南駅間でコードシェアすることに同意していた。

2007年4月1日以降タリスと航空機のコードシェアは廃止され、代わってTGVがシャルル・ド・ゴール空港-ブリュッセル間のコードシェア運行を行なっている。

車両 [編集]

下記の通り走行区間毎に異なる電源方式に対応するため、タリス-PBA型とタリス-PBKA型が存在する。

  • LGV、フランスのパリ以北・マルセイユ以東およびアルプス地域の在来線 - 交流25kV50Hz
  • フランスのパリ以南及びオランダの在来線 - 直流1.5kV
  • ベルギーの在来線 - 直流3kV
  • ドイツ - 交流15kV16 2/3Hz

国によって複線区間の通行方向が異なる(フランス・ベルギーは左側通行、オランダ・ドイツは右側通行)ため、運転台は中央に配置している。

各国の信号システムに対応するため、複数の信号システムを搭載する。

  • フランス:TVM・KVB
  • ベルギー:TBL・TBL2
  • オランダ:ATB
  • ドイツ:INDUSI(PZB)・LZB

また、欧州汎用信号システムであるERTMSのレベル2(ERTMS2)対応が進められている。

PBA型、PBKA型とも10両編成で、8両の連接式客車の両端を、2両の動力車(機関車)で挟んでいる。 客車部分は順に一等車3両、ビュッフェ二等合造車1両、二等車4両の構成である。一編成あたりの定員は377名。

PBA型 [編集]

PBA型

フランス・ベルギー・オランダ乗入れ用車両。発着ターミナル駅であるパリ・ブリュッセル・アムステルダムの頭文字から命名された。 3電源(直流1.5kV・直流3kV・交流25kV50Hz)に対応する。 信号システムはTVM・KVB・TBL・ATB・ERTMS2に対応する。 汎用型TGV車両である、TGV-R型がベースである。

フランス国鉄のみが、4531型として10編成を保有する。

PBKA型 [編集]

PBKA型

フランス・ベルギー・ドイツ・オランダ乗入れ用車両。パリ・ブリュッセル・ケルン・アムステルダムの頭文字から命名された。 4電源(直流1.5kV・直流3kV・交流25kV50Hz・交流15kV16 2/3Hz)に対応する[1]。 信号システムはTVM・KVB・TBL・TBL2・ATB・INDUSI・LZB・ERTMS2に対応する。 両端の動力車(機関車)は、2階建てTGV車両であるTGV Duplex型が、客車はTGV-R型がベースである。

4カ国の鉄道事業者が保有し、フランス国鉄は4341型、ベルギー国鉄は4300型、オランダ鉄道は4300型、ドイツ鉄道は409型として、それぞれ保有する。計17編成が存在する。

パリ - ブリュッセル間やパリ - アムステルダム間など、ドイツに乗入れない運用にもつく。 ICEのエシェデ事故後に、車両不足を補うため周辺各国から車両が貸し出され、代走列車に使用されたが、タリスも貸し出されてドイツ国内を走行した[2]

将来 [編集]

建設中のベルギー高速鉄道3号線(リエージュ - ベルギー・ドイツ国境)、ベルギー高速鉄道4号線(アントウェルペン - ベルギー・オランダ国境)、オランダ南高速線(オランダ・ベルギー国境 - スキポール)が完成すると、タリスは高速新線経由となり、例えばパリ - アムステルダム間は現在よりも1時間短い約3時間で結ばれる予定である。これらの区間は、欧州統一信号システムであるERTMSレベル2が導入されるため、タリス型車両の対応が進められている。

2009年から2010年にかけて車内や外装のリニューアルが行われる。最初に施工されたのはPBA型の4537編成で、2009年1月8日に竣工セレモニーが実施された[3]

脚注 [編集]

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  1. ^ 世界の高速列車(hochgeschwindigkeitszüge.com)[1]によると、当初Thalys International社は、ケルン-ライン=マイン高速線が開業した暁にはこの路線経由でPBKAをフランクフルトへ延長することを希望したが、タリスが交流15kV下で低出力であるため走行条件を満たさないことは既定事項であり、この計画が具体化することはなかった(Der Plan musste aber ad acta gelegt werden.)。こちら[2]にも同様の記載あり。
  2. ^ Erik's Rail News [3]
  3. ^ Olivier Constant「タリス リニューアル車デビュー」、『鉄道ファン』2009年4月号(通巻576号)、交友社、2009年2月、 pp. 132-133。

関連項目 [編集]

外部リンク [編集]