高知県交通

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
とさでん交通 > 高知県交通
高知県交通株式会社
KOCHIKENKOTSU CO.,LTD
種類 株式会社
市場情報 非上場
略称 県交、県交通
本社所在地 日本の旗 日本
781-8135
高知県高知市一宮南町一丁目15番18号
設立 1944年(昭和19年)6月1日(設立登記は同年7月27日)
業種 陸運業
法人番号 5490001000697 ウィキデータを編集
事業内容 旅客自動車運送事業、旅行業等
代表者 代表清算人 鈴木 憲二
資本金 2億4,200万円
発行済株式総数 48万4,000株
売上高 23億700万円(2008年3月期)
従業員数 284名
主要株主 高知日野自動車(11万2000株)
UDトラックスジャパン(11万2000株)
溝淵石油店(6万7000株)
主要子会社 高知西南交通
高知東部交通
高知高陵交通
県交北部交通
県交ハイヤー
高知県交通トラベル
県交商事
関係する人物 野村茂久馬
外部リンク http://www.kenkoutsu.net/(※現在はとさでん交通へのリダイレクト)
テンプレートを表示

高知県交通株式会社(こうちけんこうつう)は、高知県高知市にあった、路線バス高速バス貸切バスを運行していた会社である。2014年10月1日より土佐電気鉄道・土佐電ドリームサービスとともにとさでん交通株式会社へ事業統合した。

概要[編集]

かつては牟岐徳島県)から足摺岬宿毛・大月町柏島まで、東西300km近くに及ぶ広大な路線網を擁する、四国地方最大のバス会社であった。1990年代から進められた地域別分社化によって営業エリアは縮小されたが、とさでん交通へ統合されるまで高知市と檮原町を直結する長大路線を持っていた。

1987年、四国の事業者としては初めて高速バス部門に進出した。当初は県庁前と田井を短絡する県内路線のみであったが、1990年8月に阪急バス土佐電気鉄道と共同で開設した大阪線に進出して以来、都市間連絡路線を次々に開拓し、現在では東京から福岡に至る大規模なネットワークを持つに至っている。

貸切バス分野の事業でも古くから高い県内シェアを持っている。

2009年1月25日には、土佐電気鉄道との共同(両社の分離子会社の一部を含む)で、電車・バス共通の『ICカード ですか』を導入した。 これに伴い、車内放送で運賃区界停留所の場合「運賃区界です」と運賃区界停留所を過ぎた場合「運賃表が変わりました」の放送を追加した。

朝倉電停付近を続行運転するバス
かつて運行されていた夜行バス「とさじ号」に使用されていた日野RS120型

沿革[編集]

  • 1944年(昭和19年)6月1日 高知県の指令により野村産業株式会社のバス部門が独立し、これに同調する数社が統合し「高知県交通株式会社」を高知市堺町36番地に設立。
  • 1947年(昭和22年)4月8日 本店を高知市種崎町35番地に移転。
  • 1957年(昭和32年)9月20日 桂浜有料道路開通。
  • 1960年(昭和35年)7月30日 本店を高知市堺町33番地に移転。
  • 1962年(昭和37年)11月29日 土佐市波介川橋でバスが川に転落。乗客ら死者4人、重軽傷者34人の事故[1]
  • 1969年(昭和44年)9月6日 経営不振により自社ビルを売却。本店を高知市一宮70番地の高知営業所内に移転。
  • 1970年(昭和45年)12月25日 桂浜有料道路を高知県に300万円で譲渡。
  • 1971年(昭和46年)3月23日 高知地方裁判所バス会社として初めて会社更生法の適用を申請。経営破たんとなる。このニュースは当時業界や行政に衝撃を与えた。
  • 1974年(昭和49年)9月3日 会社更生法の適用を廃止。自主再建に乗り出す。
  • 1979年(昭和54年)8月1日 中村営業所を中村市大橋通から同市右山の旧高知県立西南病院跡地に移転[2]
  • 1980年(昭和55年)4月7日 トーメン団地線開業[3]
  • 1987年(昭和62年)10月8日 田井線に高速道路経由の系統を新設[4]。同時に高知自動車道開通記念乗車券を発売。
  • 2014年(平成26年)
  • 2015年(平成27年)3月11日 高知地方裁判所の命令により、特別清算開始。
  • 2017年(平成29年)2月3日 本社・高知営業所跡地をマルナカに売却。
  • 2018年(平成30年)6月13日 高知地方裁判所民事部による特別清算終結の決定が確定し会社は消滅。

バス事業の概要[編集]

以下に記すバス事業についての内容はとさでん交通への移管直前の2014年9月30日時点のものである。

営業所など[編集]

所在地の「高知県」は省略した。

  • 本社 高知市一宮南町1-15-18
  • 営業所
    • 高知営業所 本社所在地と同じ
    • 高岡営業所 土佐市高岡町乙739-1
  • 出張所
    • 長浜出張所 高知市長浜783-2
    • 桂浜出張所 高知市浦戸5
    • 宇佐出張所 須崎市浦ノ内灰方4-14
    • 須崎出張所 須崎市新町2-4-10
    • 東京出張所 東京都中央区京橋二丁目5-21
  • サービスセンター・案内所
    • はりまや橋サービスセンター 高知市はりまや町1-5-1デンテツターミナルビル2階(本町営業所が移転・改称)
    • 高知駅バスターミナル 高知市北本町1丁目162-2

車両[編集]

車両の仕様として過去には万々循環線専用に整理券器、運賃表示器を装備しない単区間仕様があったが、万々循環線がみづき循環線として経路変更となった際に全車が整理券器、運賃表示器を装備することになった。経由幕表示窓も基本は中扉の後ろ側だが、車両により前扉の後ろや中扉の前側・上側にあるものも存在した。扉仕様も現在は前・中扉仕様だが、過去には前のみや前・後扉仕様もあった。路線車は現在では系統別で使い分けている。

  • 車体側面に配された土佐犬のエンブレムは県外でも広く知られている。この「闘犬」のエンブレムは1983年(昭和58年)に採用された。1977年(昭和52年)には日本で初めての国産スケルトン観光バス(日野・RS120P型)を導入し、業界内外の注目を集めた。2005年(平成17年)には日野自動車の新型セレガスーパーハイデッカー夜行高速仕様の市販第1号が納車されている。
  • 2007年(平成19年)、国内最古参級の日産ディーゼル製の路線車である744号車(型式K-U31K・富士重工3Eボデー架装)について、機関の調子や冷房の効き具合が良く、今後も十分使用できることから、定期路線での使用を前提に動態保存することを決定したが、2009年(平成21年)に廃車となり解体された。この車両は1981年(昭和56年)式で、お化け方向幕と呼ばれるかまぼこ型の方向幕が飛び出した作りになっていた。

移管時点で運行していた高速バス路線[編集]

新宿駅で出発を待つ夜行用車両(ブルーメッツ号)

しまんとライナーを除く全便土佐電気鉄道との共同運行、その他の路線毎の共同運行会社は(括弧内)に記す。停留所や運行に関する詳細は各記事を参照すること。

予約・発券業務のみ[編集]

高知県交通時代に廃止された都市間バス路線[編集]

運賃[編集]

土佐市ドラゴンバスは全線300円(小児100円)で、その他の一般路線は高知市内均一区間を除いて初乗り最低運賃は140円(小児70円)の対キロ制で高知市内均一区間内は200円(小児100円)である。

高知市内均一区間[編集]

はりまや橋を中心に旭駅、旭駅前通、奥福井、みづき坂中央、石立十字路、南河の瀬、杉井流東、比島橋、金田橋、桟橋通五丁目、高知港、西孕住宅前、北六泉寺、潮江南小通の各相互間。ただし、万々公民館通 - みづき坂中央間のみは140円(小児70円)である。

グループ会社[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 日外アソシエーツ編集部 編『日本災害史事典 1868-2009』日外アソシエーツ、2010年9月27日、165頁。ISBN 9784816922749 
  2. ^ きょうから新事務所で営業 県交通中村営業所 1979年8月1日付け高知新聞
  3. ^ トーメン団地(高知市一宮)にバス路線 悲願3年 住民大喜び 船岡団地間に1日7往復 1980年4月7日付け高知新聞6面
  4. ^ 四国初 高速道バス 県交通、記念乗車券も発売 高知-田井 1往復 16分短縮 1987年10月7日付け高知新聞16面

関連項目[編集]

外部リンク[編集]