金山神社 (川崎市)
座標: 北緯35度32分04.35秒 東経139度43分28.67秒 / 北緯35.5345417度 東経139.7246306度
金山神社(かなやまじんじゃ)は、神奈川県川崎市川崎区の若宮八幡宮境内にある神社。毎年4月の第1日曜日に催されるかなまら祭で知られている。
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[編集] 概要
金山神社は若宮八幡宮の境内社で、鉱山や鍛冶の神である金山比古神(かなやまひこのかみ)と金山比売神(かなやまひめのかみ)の二柱を祭神として祀っている。「金山(かなやま)」と「金魔羅(かなまら)」(魔羅とは男根のこと)の読みが似ていることや、両神がイザナミが火の神カグツチを産んだ際に女陰に火傷をし病み苦しんでいるときにその嘔吐物(たぐり)から化生したこと、鍛冶に使う鞴のピストン運動が男女の性交を連想させることなどから、性神としても信仰されている。御神体は金属製の男根であることから、「かなまら様」(金魔羅様)とも呼ばれている。
この両神は鉱山や鍛冶の神であると共に性の神でもあるため、鍛冶職人や金属・金物を扱う商人・企業の他、子授け・夫婦和合・性病快癒を願う人々からの信仰を集め、特に子孫繁栄・夫婦和合・性病快癒・安産・下半身の傷病治癒などに霊験があるとされている。エイズ除けを祈願する者も多い。現在ではその他にも、不妊治療に携わる医療関係者、性病快癒を願う性風俗関連産業関係者などの参拝も多い。境内には多数の男根形が奉納されている。
金山神社は、明治中期まで京浜急行電鉄・川崎大師駅前のセブンスターマンション付近にあった。京浜電気鉄道(現:京浜急行電鉄)が当時終着駅だった大師駅に折返し用のループ線施設を建設する際、同位置に金山神社が存在していたため、神社ごと現在の若宮八幡宮境内に遷された[1]。
現在の社殿は、鉄をイメージして外側を黒色の鉄板で覆った一辺約3mの正六角形で、高さ約8mの吹き抜けの建物である。内部は床を土間として仕切り、正面中央部に鞴(ふいご)と炉を設置して金床を埋め込み、鍛冶屋の作業場が再現されている。
[編集] かなまら祭
かなまら祭(かなまら祭り)は、江戸時代に川崎宿の飯盛女達が性病除けや商売繁盛の願掛けを行った「地べた祭」に端を発する。金山神社は明治以降寂れてしまっていたが、昭和40年代くらいから性信仰が残る神社としてにわかに外国の民俗学者たちから注目されるようになる[2]。これを受け1977年に新たに金山神社の信者組織として「かなまら講」が結成された。それまで祭事は氏子たちによって細々と行われ午前中で終わるようなものであったが、この年からかなまら講が参加して「かなまら祭」が催され、その一部として江戸時代の「地べた祭」も再現されるようになった。以降男根神輿や仮装行列、大根削りなどオリジナルアイデアによる新しい祭事を取り入れつつ年々祭は盛大に開催されるようになった。当初は好事家の祭か外国人観光者の穴場観光スポットとして知られる程度であったが、昭和60年代頃からエイズ除けを祭に結びつけたのが話題となり、多数の観光客が訪れるようになった。現在祭は商売繁盛・子孫繁栄(子授け)・安産・縁結び・夫婦和合などを願い、毎年4月第1日曜日に行われている。
神輿の行列は、「金棒 - 若宮祭祀舞 - 道中奉行 - 川崎古式消防記念会 - 大麻 - 塩撒き - 猿田彦(天狗) - 神官 - 御神酒(振る舞い酒) - 総代 - 来賓 - 参加者 - かなまら講 - かなまら舟神輿 - エリザベス神輿 - かなまら大神輿」の順となる。行列中の一般参加者は仮装しており、和服を来て帯刀した観光客も多い。
神輿以外にも、神社境内には多数の男根・女陰を模った物事が見られる。大根を削って作る男根形・女陰形は祭事の一環として神前に供えられる。また、男根や女陰の形をした餅や飴細工などが売られている。
[編集] 神輿
かなまら祭では、「かなまら舟神輿」・「エリザベス神輿」・「かなまら大神輿」の3基の神輿が巡幸する。
- かなまら舟神輿
- 台部が舟型で屋根が付いた神輿。内部に黒光りする鉄製の男根が上向きに納められている。日立造船より寄贈されたものである[3]。
- エリザベス神輿
- 台部に巨大なピンク色の男根の張形が上向きに載せられた神輿。屋根はない。この神輿は浅草橋の女装クラブ「エリザベス会館」から寄贈されたものである。他の2基の神輿は担ぎ手が地元の氏子中心であるのに対し、担ぎ手はエリザベス会館の女装者が中心であり、「かなまら!でっかいまら!」という独特の掛け声とともに巡幸する。
- かなまら大神輿
- 台部が正方形で屋根が付いた神輿。内部に木製の男根が上向きに納められている。3基の神輿の中で最も古い。
[編集] その他
若宮八幡宮社務所二階の郷土資料室の一室が金山神社資料室となっており、性信仰や性玩具の資料が展示されている。
[編集] 脚注
- ^ 京浜急行電鉄発行『京浜急行百年史』より
- ^ 西洋などではキリスト教化によって男根信仰が壊滅状態にあったため、現在でも各地に性信仰が残る日本が注目されるようになった。
- ^ 祭神が鍛冶の神であるため、金属(鉄、非鉄金属)に関わる多くの企業が協賛し、献納している。
[編集] 関連項目
- フェティシズム
- みうらじゅん - 性器を崇拝する祭などの奇祭を中心に取材しているエッセイスト。
- ピエール瀧 - メディア企画で来訪したのを契機に気に入ってしまったらしく、個人的に度々主催者側として司会等の役割で参加している。
- 真剣で私に恋しなさい! - 同名のアダルトゲームを原作としたテレビアニメ。第6話で登場人物達が神輿を作り、かなまら祭に参加する。
- 類似の神事を行っている神社
- どんつく神社 - 静岡県賀茂郡東伊豆町稲取にある神社。木製の巨大な男根を載せた神輿が祀られている。毎年6月第1火~水曜日の2日間にかけて、「どんつく祭」が開催され、前述の神輿が温泉街を練り歩く。
- 田縣神社 - 愛知県小牧市にある神社。男根の形をした石が祀られている。毎年3月15日に行なわれる「豊年祭」では、男根をかたどった神輿などが練り歩く。
- 大縣神社 - 愛知県犬山市にある神社。女陰の形をした石が祀られている。毎年3月15日直前の日曜日に行なわれる「豊年祭」では、女陰をかたどった山車などが練り歩く。
- ほだれ神社 - 新潟県長岡市下来伝地区(旧・栃尾市)で毎年3月第2日曜日に男根神輿が練り歩く「ほだれ祭」が行われる。かなまら祭では、毎年「ほだれ酒」と栃尾名物の油揚げの出店がある。