待機児童

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待機児童(たいきじどう)とは、保育に欠けるため、保育所入所申請をしているにもかかわらず、希望する保育所が満員である等の理由で保育所に入所できない状態にある児童をいう。

全国の待機児童は、2011年4月現在で25,576人であり、半数が都市部(埼玉・千葉・東京・神奈川・京都・大阪・兵庫)に集中している。

厚生労働省の統計では2003年度から他に入所可能な保育所があるにも関わらず第1希望の保育所に入所するために待機している児童や地方単独保育事業を利用しながら待機している児童は待機児童から除かれている。なお、地方自治体による統計では2003年以前から地方単独保育事業を利用する待機児童は待機児童数から除外していた場合もある。

都市部を中心に待機児童が問題になっているが、他方、過疎地域等では、子どもの減少により定員に満たない保育所も多数存在している[1]

目次

[編集] 待機児童の発生原因

男女雇用機会均等法の浸透、育児休業取得などによる結婚・出産時の離職の減少などにより、出産後も働く女性が長期的に増加[2]し、共働き世帯が1997年以降専業主婦世帯を上回る[3]状況が背景にある。共働き世帯の増加には、不安定雇用の増大、賃金水準の低下、教育費の高騰、住宅ローンなども影響していると思われる。

また、少子化によって労働力人口は長期的に減少するため、その対策として「就業」か「結婚・出産・子育て」かという二者択一構造を解消し、育児世代の女性を労働力化することは、経済発展にとって不可欠とされている。[4]このため、保育所、とりわけ0-2歳児保育、長時間・夜間保育の拡充が必要とされている。

しかし、従来の保育所は3歳児以後の入所が中心となっており、出産休暇後の0歳児保育や育児休業後の1歳児保育に対応する事は難しかった。そして、第2次ベビーブーム児の卒園とその後の少子化により保育所定員は1981年をピークに減少、保育所数も1985年をピークに減少しており、男女共同参画社会の実現や、育児世代の女性を労働人口化するという政策とのミスマッチが生じていた。

このため、「エンゼルプラン」などが策定、実施された。2003年より待機児童数はいったん減少に転じ、2007年に過去最低となった。しかし2008年には再び上昇に転じ2009年には2002年のレベルまで悪化した。これは保育所の新設をきっかけに潜在的保育需要(就労意欲がある専業主婦)[5]を刺激し、従前より保育所入所希望が多くなる為である[要出典]。その他、保育所入所希望を行わずに事業所内保育施設や院内保育施設等の認可外保育施設を利用している就労者が、延長保育や夜間保育等の条件が改善された新設保育所に入所希望する事も考えられる。

なお、待機児童を3歳未満児と3歳以上児で区分した場合、3歳以上児の待機児童数は1999年以降は右肩下がりの傾向を続けており、2009年には4588名(1998年の約1/3)となった。 それに対し、3歳未満児は2007年を底とするV字型の傾向を示し、2009年には2001年の水準まで悪化している。つまり、待機児童は1歳児を中心とした低年齢児が多い。

2009年(平成21年)度は、世界同時不況を原因とする夫の失業、収入の減少などにより育児世代の女性の再就労意欲が急増したため、保育所の入所希望者も急増した。

[編集] 具体的なケース

  • 新宿第一保育園の廃園と政党の賛否
2005年12月 東京都新宿区立新宿第一保育園の廃園が、公明党・自民党・民主党などの賛成で区議会で可決された。共産党は新宿区内には0歳児94人、1歳児31人の待機児童がいるので存続すべきとして廃園に反対した。[6]
  • 急激な保育所新設の結果、3歳以上児の欠員多数
2009年4月現在、川崎市は2007年に策定した保育緊急5ヶ年計画に基づき認可保育所の設置を進めているが、新設保育所を中心に3歳児以上児の応募が少なく欠員が続出している。これは、申込者のニーズ(産休明けで入所希望・育休明入所希望)と、施設側のシーズ(3歳未満児の入所定員の少なさ、全年齢層の受入)との不一致によるものと思われる。[7]
川崎市では、新設の保育所を中心に年少・年中・年長の入所児そのものが少なく、施設によっては定員充足率が60%程度にまで低下し、年長の入所児0名という施設(乳児保育園を除く)も存在する。

[編集] 保育士の配置基準

一般的に1人の保育士がみることができる子どもの数は、子どもの年齢が上がるに従って増加する。国が定めている保育士の配置基準(保育施設等最低基準)では、1人の保育士が担当する0歳児は3人以下とし、5歳児では30人以下としている。欠員の状況によって、計算上の配置基準に合わせて異年齢の混合クラスを構成することは可能となっている。

[編集] 待機児童の状況

保育所数・定員数の推移 (1985年~2001年)
1980 1981 1985 1990 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001
保育所数 22,899 22,703 22,526 22,488 22,438 22,387 22,332 22,270 22,195 22,218
定員数 2,168,811 2,078,765 1,979,459 1,934,670 1,922,835 1,917,206 1,915,599 1,913,951 1,917,536 1,923,157 1,937,132
保育所利用数 1,996,082 1,843,550 1,723,775 1,675,877 1,678,866 1,701,655 1,738,802 1,695,908 1,740,607 1,788,302 1,828,312
(内、3歳未満児) 480,520 503,163 526,730
(内、0歳児) 59,062 62,882 65,798
(内、1・2歳児) 421,458 440,281 460,932
(内、3歳以上児) 1,210,750 1,233,118 1,261,572
定員充足率 88.7% 87.1% 86.6% 87.3% 88.8% 90.8% 88.6% 90.8% 93.0% 94.4%
待機児童数 28,481 32,855 40,523 39,545 32,225 32,933 21,201
(内、3歳未満児) 25,601 21,111 21,999
(内、0歳児) 6,479 4,447 4,415
(内、1・2歳児) 19,122 16,664 17,584
(内、3歳以上児) 13,944 11,114 10,934
保育所数・定員数の推移 (2002年~2011年)
2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011[8]
保育所数 22,272 22,355 22,490 22,570 22,699 22,848 22,909 22,925 23,068 23,385
定員数 1,957,626 1,990,295 2,028,045 2,052,729 2,079,406 2,105,453 2,120,889 2,132,081 2,157,890 2,204,393
保育所利用数 1,879,349 1,920,591 1,966,929 1,933,684 2,003,610 2,015,382 2,022,173 2,040,974 2,080,114 2,122,951
(内、3歳未満児) 572,863 594,759 618,175 632,011 640,293 654,754 676,590 709,399 742,085 773,311
(内、0歳児) 71,146 73,085 76,436 78,658 78,420 84,297 88,189 92,606 99,223 105,366
(内、1・2歳児) 501,717 521,674 541,739 553,353 561,873 570,457 588,401 616,793 642,862 667,945
(内、3歳以上児) 1,306,486 1,325,832 1,348,754 1,361,673 1,363,317 1,360,628 1,345,583 1,331,575 1,338,029 1,349,640
定員充足率 96.0% 96.5% 97.0% 97.1% 96.4% 95.7% 95.3% 95.7% 96.4% 96.3%
待機児童数 25,447 26,383 24,245 23,338 19,794 17,926 19,550 25,384 26,275 25,556
(内、3歳未満児) 16,792 17,893 16,446 15,831 13,650 12,942 14,864 20,796 21,537 21,109
(内、0歳児) 2,915 2,932 2,417 2,417 1,981 2,069 2,404 3,304 3,708 3,560
(内、1・2歳児) 13,877 14,961 14,029 13,414 11,669 10,873 12,460 17,492 17,829 17,549
(内、3歳以上児) 8,655 8,490 7,799 7,507 6,144 4,984 4,686 4,588 4,738 4,447
保育計画策定都市数 119 95 94 81 74 84 101 101 94
保育計画策定都市(上位10都市)の変遷
2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011
1位 大阪府
大阪市
1,364人 大阪府
大阪市
1,337人 大阪府
大阪市
1,355人 神奈川県
横浜市
1,190人 大阪府
大阪市
904人 大阪府
大阪市
846人 大阪府
大阪市
744人 宮城県
仙台市
740人 神奈川県
横浜市
1,290人 神奈川県
横浜市
1,552人 愛知県
名古屋市
1,275人
2位 大阪府
東大阪市
1,076人 神奈川県
横浜市
1,140人 神奈川県
横浜市
1,123人 大阪府
大阪市
919人 大阪府
堺市
752人 兵庫県
神戸市
560人 神奈川県
横浜市
576人 神奈川県
横浜市
707人 神奈川県
川崎市
713人 神奈川県
川崎市
1,076人 神奈川県
横浜市
971人
3位 神奈川県
横浜市
1,040人 兵庫県
神戸市
1,076人 兵庫県
神戸市
934人 大阪府
堺市
868人 兵庫県
神戸市
652人 神奈川県
川崎市
480人 兵庫県
神戸市
489人 大阪府
大阪市
696人 宮城県
仙台市
620人 北海道
札幌市
840人 北海道
札幌市
865人
4位 兵庫県
神戸市
778人 神奈川県
川崎市
705人 大阪府
堺市
832人 神奈川県
川崎市
755人 神奈川県
横浜市
643人 大阪府
堺市
463人 神奈川県
川崎市
465人 神奈川県
川崎市
583人 東京都
世田谷区
613人 東京都
世田谷区
725人 神奈川県
川崎市
851人
5位 神奈川県
川崎市
655人 大阪府
東大阪市
631人 神奈川県
川崎市
699人 兵庫県
神戸市
623人 神奈川県
川崎市
597人 福岡県
福岡市
403人 宮城県
仙台市
390人 兵庫県
神戸市
487人 大阪府
大阪市
608人 愛知県
名古屋市
598人 福岡県
福岡市
727人
6位 大阪府
堺市
626人 愛知県
名古屋市
618人 宮城県
仙台市
637人 大阪府
東大阪市
489人 福岡県
福岡市
432人 愛知県
名古屋市
362人 沖縄県
那覇市
379人 愛知県
名古屋市
428人 愛知県
名古屋市
595人 宮城県
仙台市
594人 東京都
世田谷区
688人
7位 宮城県
仙台市
488人 宮城県
仙台市
604人 愛知県
名古屋市
499人 宮城県
仙台市
462人 東京都
足立区
427人 神奈川県
横浜市
353人 東京都
江東区
千葉県
千葉市
352人 東京都
世田谷区
335人 兵庫県
神戸市
483人 東京都
練馬区
552人 東京都
練馬区
564人
8位 東京都
足立区
380人 大阪府
堺市
536人 大阪府
東大阪市
485人 愛知県
名古屋市
461人 愛知県
名古屋市
423人 鹿児島県
鹿児島市
350人 大阪府
堺市
349人 東京都
板橋区
481人 神奈川県
相模原市
514人 宮城県
仙台市
498人
9位 東京都
世田谷区
360人 神奈川県
相模原市
452人 福岡県
福岡市
435人 福岡県
福岡市
447人 神奈川県
相模原市
383人 東京都
足立区
348人 愛知県
名古屋市
342人 東京都
八王子市
336人 福岡県
福岡市
473人 東京都
八王子市
496人 沖縄県
那覇市
493人
10位 東京都
江東区
318人 福岡県
福岡市
433人 神奈川県
相模原市
402人 神奈川県
相模原市
410人 奈良県
奈良市
352人 愛知県
名古屋市
320人 東京都
八王子市
336人 大阪府
堺市
349人 東京都
八王子市
453人 福岡県
福岡市
489人 東京都
足立区
485人

[編集] 待機児童の解消の施策

少子化の進行に伴い、利用数は1980年に、定員数は1981年に、保育所数は1985年に、其々ピークをむかえ、その後は減少方向となっていたが、少子化対策として1994年に策定されたエンゼルプランを手始めに、以後1999年の新エンゼルプラン、2001年の待機児童ゼロ作戦、2004年の子ども・子育て応援プラン、2008年の新待機児童ゼロ作戦の連続した施策が展開され、保育所数は2001年以降増加方向となり2008年に1985年の保育所数を上回った。また、定員数は1999年以降は増加方向となり、2011年には1981年の定員数を上回った。 利用数は1995年以降増加傾向となり、2004年に1980年の利用数を上回り、過去記録の更新を続けている。

2001年に東京都が地方自治体独自で児童福祉法上の保育所より低い基準の認証制度をつくり、認可外保育施設に対し公的助成を行う、認証保育所を開始した。これ以降他の自治体でも同様の制度が発足している。(地方自治体により助成を行う施設を地方単独保育事業という。尚、地方単独保育事業そのものは高度経済成長時代から実施されている例もあり、東京都の認証保育所が最初ではない。) 保育の資格を有する者の居宅で児童を預ける保育ママは戦後の復興期・高度経済成長時代に自治体により創設され(京都市(昼間里親 1950年)、川崎市(家庭保育福祉員 1965年)、横浜市(家庭保育福祉員 1966年)、(東京都 家庭福祉員 1969年))、2001年に新エンゼルプランの施策の一つとして国の制度(家庭的保育事業)となり、2008年11月の児童福祉法の改正により法制化された。

待機児童の増加は、産休・育児休業した女性従業員の職場復帰や未就学児を持つ女性の就職を阻む要因となる為、女性従業員を雇用する企業や病院が次世代育成支援対策推進法上の企業・病院の行動計画の一環として、事業所内保育施設や病院内保育施設を設置する場合がある。

認可保育所の定員は、保育所最低基準に基づき保育室の床面積によって決定される。床面積は敷地・建蔽率・容積率の広さで決まる為、増床するには広い敷地を確保するか、建蔽率・容積率が緩和された地域を選択する必要がある。都市部での敷地の取得(又は借地の権利を得る)には、相当な資金を要する。保育所の建設費等の施設整備には公費助成が実施されるが、敷地には助成制度がないため、設置者が資金を調達する必要があるが、近年は、既設の保育所の運営費の弾力的運営が認められるようになり、剰余積立金を敷地調達の費用の一部にあてる事が可能になったが、その効果は限定的と考えられる。川崎市では新設する認可保育所の設置者に対し市有地の使用貸借(無償貸与)を行っている。(第2種社会福祉事業である保育所用地の土地収用は土地収用法上可能である。)

[編集] エンゼルプラン

少子化対策として1994年12月に制定された。[施策 1][施策 2]

  1. 低年齢児(0〜2歳児)保育、延長保育、一時的保育の拡充等ニーズの高い保育サ-ビスの整備を図るとともに、保育所制度の改善・見直しを含めた保育システムの多様化・弾力化を進める。
  2. 保育所が乳児保育、相談指導等多様なニーズに対応できるよう施設・設備の改善・整備を図る。
  3. 低年齢児の受入の促進及び開所時間延長の促進のため保育所の人的な充実を図るとともに乳児や第3子以上の多子世帯等の保育料の軽減を図る。

[編集] 1999年度末の目標

  1. 3歳未満児の保育所収容 600千人
  2. 延長保育実施 7,000ヶ所
  3. 一時保育実施 3,000ヶ所
  4. 多機能保育所 1,500ヶ所

[編集] 新エンゼルプラン

エンゼルプランを承継する計画として1999年12月に制定。[施策 3]

  1. 低年齢児(0〜2歳)の保育所受入れの拡大
  2. 多様な需要に応える保育サービスの推進
延長保育、休日保育の推進等

[編集] 2004年度末の目標

  1. 3歳未満児の保育所収容 680千人
  2. 延長保育実施 10,000ヶ所
  3. 一時保育実施 3,000ヶ所
  4. 多機能保育所 2,000ヶ所
  5. 休日保育 300ヶ所
  6. 病後児保育 500ヶ所

[編集] 待機児童ゼロ作戦

仕事と子育ての両立支援の一環として2001年7月に制定。[施策 4]

  1. 待機児童の解消をめざし、潜在的な需要を含め、達成数値目標及び期限を定めて実現を図る。特に、待機児童の多い都市の保育施設を重点整備する。
  2. 保育の拡充は公立及び社会福祉法人立を基盤としつつ、さらに、民間活力を導入し公設民営型など多様化を図る。また、自治体等の適正な基準を満たした施設の設置は迅速に行う。
  3. 学校の空き教室など利用可能な公共施設は保育のために弾力的に活用する。また、駅など便利な拠点施設を保育に活用するための支援や助成を行う。

[編集] 2004年度末の目標

  • 待機児童ゼロ作戦
保育所、保育ママ、自治体におけるさまざまな単独施策、幼稚園における預かり保育等を活用し、潜在を含めた待機児童を解消するため、待機児童の多い都市を中心に、2002年度中に50千人、さらに2004年度までに100千人、計150千人の受け入れ児童数の増大を図る。施設の運営は民間を極力活用し、最小コストでの実現を図る。
  • 新設保育所については、学校の空き教室等の既存の公的施設や民間施設を活用して社会福祉法人、企業、NPO等をはじめ民営で行うことを基本とする。
  • 上記民営保育所の整備を促進するため、引き続き会計処理の柔軟化を進めるとともに、公有財産の利用等の環境整備を行う。また、待機児童のいる市町村は公設民営保育所整備計画の策定に努める。
  • 保育所の定員の弾力化や設置基準の緩和、保育所・保育施設を併設した各種施設を増やすための支援を行うとともに、地方公共団体は基準を満たした保育所の設置認可を迅速に行なう。

[編集] 少子化対策プラスワン

夫婦出生力の低下という新たな現象を踏まえ、少子化の流れを変えるため、もう一段の少子化対策を推進するために2002年9月に立案。[施策 5]

  1. 特に大都市周辺部で公設民営化、分園の設置、株式会社等の参入規制の緩和等による保育所の整備等で保育所等の受入児童数の増加を図る。
  2. パートタイム労働者等のための特定保育事業(週2~3日程度、あるいは午前か午後のみ保育サービスの利用)の創設
  3. 保育ママ(保育者の自宅で少人数の保育を行う家庭的保育事業)について、利用者の必要に応じた、利用日数・時間の弾力化
  4. 複数企業間の共同設置を含め、事業所内託児施設の設置の推進
  5. 幼稚園における「預かり保育」の推進

[編集] 次世代育成支援に関する当面の取組方針

夫婦の出生力の低下という新たな現象と急速な少子化の進行に対応するため、従来の取り組みに加えた、もう一段の取り組みとして2003年3月に立案。[施策 6]

  1. 一定の待機児童を有する市町村及び都道府県に保育計画の策定を義務付け(法制化)。
  2. 公設民営化、分園の設置、株式会社等の参入規制の緩和等による保育所の整備等で都市部における保育所等の受入児童数の増加を図る。
  3. 延長保育・休日保育・夜間保育の推進を継続する。

[編集] 子ども・子育て応援プラン

新エンゼルプランを承継・発展し、少子化の流れを変えるための重点施策の具体的実施計画として2004年12月に制定された。[施策 7]

[編集] 2009年度末の目標

  1. 一時保育実施 9,500ヶ所
  2. 延長保育実施 16,200ヶ所
  3. 休日保育 2,200ヶ所
  4. 夜間保育 140ヶ所
  5. 保育所の受入れ児童数の拡大 2,150千人

[編集] 新待機児童ゼロ作戦

希望するすべての人が子どもを預けて働くことができるためのサービスの受け皿を確保し、待機児童をゼロにする。特に、今後3年間を集中重点期間とし、取組を進める事を目標に2008年2月に制定された。[施策 8]

  1. 量的に拡充するとともに、家庭的保育など保護者や地域の事情に応じた保育の提供手段の多様化を図る。
  2. 女性の就業率の高まりに応じて必要となるサービスの中長期的な需要を勘案し、その絶対量を計画的に拡大する。
  3. 子どもの健やかな育成と預ける保護者の安心の確保の観点から、一定の質が確保されたサービスの提供を保障する。

[編集] 2018年年度末の目標

  • 保育サービス (3歳未満児) の提供割合 38% (現行20%)
  • 利用児童数 (0〜5歳児) 100万人増

[編集] 次世代育成支援のための新たな制度体系の設計に向けて

次なる少子化対策の為に厚生労働省社会保障審議会少子化対策特別部会が第1次報告としてを2009年2月24日に取りまとめた。[施策 9]

  1. 市町村が、保育の必要性・量、優先的利用確保(母子家庭、虐待等)の要否を認定
  2. 例外ない保育保障
  3. 市町村の実施責務の明示
  4. 利用者が保育所と直接保育契約を締結(応諾と優先受入を保育所に義務化)
  5. 認可保育所の設置は最低基準により客観的に判断
  6. 所得に関らず一定の質の保育を保障するため公定価格
  7. 認可保育所の質の向上
  8. 認可外保育施設の質の引上げ

[編集] 子ども・子育てビジョン

平成22年度からの「子ども手当」の導入や高校教育の実質無償化等の施策の実施に向けて、保育サービス等を含めた総合的な「子ども・子育てビジョン」(新たな少子化社会対策大綱)を2010年2月に制定。[施策 10]

  1. 潜在的な保育ニーズの充足も視野に入れた保育所待機児童の解消(余裕教室の活用等)
  2. 新たな次世代育成支援のための包括的・一元的な制度の構築に向けた検討
  3. 幼児教育と保育の総合的な提供(幼保一体化)

[編集] 2014年年度末の目標

  1. 平日昼間の保育サービス(認可保育所等) 241万人
  2. 3歳未満児の保育サービス利用 102万人
  3. 延長等の保育サービス 96万人
  4. 病児・病後児保育 200万人日(のべ日数)
  5. 認定こども園 2000ヶ所以上(2012年度末)

[編集] 待機児童に関わる訴訟

[編集] 東大阪保育所入所裁判

  • 平成10年10月 東大阪市において父母8組が原告となり、保育所入所保留処分の取消を求める行政訴訟を起こした。
東大阪市では、毎年数百名の待機児童があったが、公立保育所は昭和52年、私立保育所は昭和59年を最後に新設がなかった。
翌11年の3月までに、原告たちの養育する児童は全員保育所に入所した。
  • 平成11年3月 訴えの内容を10年度の保育所入所保留処分の違法による損害賠償を求める国家賠償請求に変更した。原告は3組となった。
  • 平成14年6月、大阪地裁は、東大阪市の行政手続が行政手続法第5条3項(審査基準の公開)、同法第8条1項(処分理由の提示)、行政不服審査法第25条1項ただし書(審査請求人の口述機会)、同法41条1項(裁決理由の通知)に違反したとして、原告らに15万円ずつ(総額90万円)の慰謝料の支払を東大阪市に命じた。[9]


[編集] 脚注

  1. ^ 社会保障審議会少子化対策特別部会 (2009年2月24日). “社会保障審議会少子化対策特別部会 第1次報告 -次世代育成支援のための新たな制度体系の設計に向けて- 参考資料集 (PDF)”. 人口減少地域に関連する保育制度の概要②(へき地保育所(認可外保育施設)). pp. 76頁. 2009年7月2日閲覧。
  2. ^ 厚生労働省 (2008年3月28日). “「平成19年版 働く女性の実情」 (PDF)”. 図表1-1-6 勤続年数階級別一般労働者構成比の推移. pp. 4頁. 2009年2月20日閲覧。
  3. ^ 社会保障審議会少子化対策特別部会 (2009年2月24日). “社会保障審議会少子化対策特別部会 第1次報告 -次世代育成支援のための新たな制度体系の設計に向けて- 参考資料集 (PDF)”. 共働き世帯の増加. pp. 7頁. 2009年6月30日閲覧。
  4. ^ 社会保障審議会少子化対策特別部会 (2009年2月24日). “社会保障審議会少子化対策特別部会 第1次報告 -次世代育成支援のための新たな制度体系の設計に向けて- 参考資料集 (PDF)”. 労働市場参加が進まない場合の労働力の推移. pp. 10頁. 2009年6月30日閲覧。
  5. ^ 社会保障審議会少子化対策特別部会 (2009年2月24日). “社会保障審議会少子化対策特別部会 第1次報告 -次世代育成支援のための新たな制度体系の設計に向けて- 参考資料集 (PDF)”. 子どものいる女性の就労希望. pp. 9頁. 2009年6月30日閲覧。
  6. ^ 日本共産党新宿区議団 (2005年12月6日). “区議会第4回定例会”. 区立新宿第一保育園廃園条例に日本共産党は反対。公明、自民、新宿無所属ク、民主などが賛成して可決. 2009年8月1日閲覧。
  7. ^ 川崎市 (2009年4月1日). “平成21年4月保育所別入所待機状況”. 2009年7月7日閲覧。
  8. ^ 東日本大震災の影響により、岩手県陸前高田市・大槌町、宮城県山元町・女川町・南三陸町、福島県浪江町、広野町、富岡町については未集計
  9. ^ 大阪地方裁判所 (2002年6月28日). “平成10(行ウ)62 損害賠償請求事件 (PDF)”. 2009年6月23日閲覧。

[編集] 待機児童解消施策

  1. ^ 文部省・厚生省・労働省・建設省 (1994年12月16日). “今後の子育て支援のための施策の基本的方向について”. 2009年7月21日閲覧。
  2. ^ 大蔵・厚生・自治3大臣合意 (1994年12月18日). “当面の緊急保育対策等を推進するための基本的考え方”. 2009年7月21日閲覧。
  3. ^ 大蔵・文部・厚生・労働・建設・自治6大臣合意 (1999年12月19日). “重点的に推進すべき少子化対策の具体的実施計画について”. 2009年7月21日閲覧。
  4. ^ 閣議決定 (2001年7月6日). “仕事と子育ての両立支援策の方針について”. 待機児童ゼロ作戦 -最小コストで最良・最大のサービスを-. 2009年7月21日閲覧。
  5. ^ 厚生労働省 (2002年9月20日). “少子化対策プラスワン ―少子化対策の一層の充実に関する提案―”. 2009年8月29日閲覧。
  6. ^ 少子化対策推進関係閣僚会議 (2003年3月14日). “次世代育成支援に関する当面の取組方針”. 2009年8月29日閲覧。
  7. ^ 少子化社会対策会議決定 (2004年12月24日). “少子化社会対策大綱に基づく重点施策の具体的実施計画について”. 2009年7月21日閲覧。
  8. ^ 厚生労働省 (2008年2月27日). “「新待機児童ゼロ作戦」について (PDF)”. 2009年7月21日閲覧。
  9. ^ 厚生労働省社会保障審議会少子化対策特別部会 (2009年2月21日). “社会保障審議会少子化対策特別部会 第1次報告 -次世代育成支援のための新たな制度体系の設計に向けて-”. 2009年8月29日閲覧。
  10. ^ 子ども・子育てビジョン~子どもの笑顔があふれる社会のために~ (PDF)”. 内閣府政策統括官(共生社会政策担当) (2010年1月29日). 2010年4月1日閲覧。

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク

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