待機児童
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待機児童(たいきじどう)とは、保育所(認可保育所)に入所することを希望し、入所資格を有するにもかかわらず、当該市区町村域内の保育所の施設定員を超過する等の理由で入所ができない状態にある児童である。 (児童福祉法では、市町村は保育に欠ける児童について保護者から申し出があった場合、その児童を保育所において保育しなければならない(第24条)と定めている。 [1])
厚生労働省の統計では2003年度から他に入所可能な保育所があるにも関わらず第1希望の保育所に入所するために待機している児童や地方単独保育事業を利用しながら待機している児童は待機児童から除かれている。なお、地方自治体による統計では2003年以前から地方単独保育事業を利用する待機児童は待機児童数から除外していた場合もある。
過疎地域等では、人口減少と高齢化の影響によりへき地保育所等で定員に満たない施設が多数存在している。[2]
市町村が財政難を理由に適切に保育所(認可保育所)の増設を行わない状態が目立ち始めている。[要出典]
2008年4月現在で、全国の待機児童は19,550人である。
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[編集] 待機児童の発生原因
昭和60年代からの女性総合職の登用開始を初めとする男女雇用機会均等法の浸透[3]と、育児介護休業法と次世代育成法での一般事業主行動計画により育児休業制度が中小企業にまで急速に普及した為、結婚・妊娠といった機会での離職の減少により働く女性が長期的に増加[4]し、共働き世帯が1997以降専業主婦世帯を上回る[5]状況が背景にある。これには住宅ローン制度での収入合算の制度も影響する。 また、政策的課題として少子化の進行による労働力人口の減少は顕著であり、非労働力人口である専業主婦の労働力人口化は経済発展を支える上で不可欠な事項である。[6]このため、専業主婦が就労する為にも保育サービスの提供が必要な状況におかれている。
待機児童の解消の為に保育所の新設がエンゼルプランを契機に例年実施されているが、待機児童は減る気配を見せない。これは保育所の新設という契機に潜在的保育需要(就労意欲がある専業主婦)[7]を刺激し、従前より保育所入所希望が多くなる為である。その他、保育所入所希望を行わずに事業所内保育施設や院内保育施設等の認可外保育施設を利用している就労者が、延長保育や夜間保育等の条件が改善された新設保育所に入所希望する事も考えられる。
平成21年度の入所希望者は、景気の悪化を原因とする育児世代の女性の就労意欲の増大により急増が見られている。
[編集] 特殊な要因
- 待機児がいるのに廃園に
- 2005年12月 新宿第一保育園の廃園が可決された。待機児があるにもかかわらず、役割を終えたとして廃園された。[8]
- 急激な保育所新設の結果、3歳以上児の欠員多数
- 2009年4月現在、川崎市は2007年に策定した保育緊急5ヶ年計画に基づき認可保育所の設置を進めているが、新設保育所を中心に3歳児以上児の応募が少なく欠員が続出している。これは、申込者のニーズ(産休明けで入所希望・育休明入所希望)と、施設側のシーズ(3歳未満児の入所定員の少なさ、全年齢層の受入)との不一致によるものと思われる。[9]
[編集] 待機児童の解消の施策
1994年に策定されたエンゼルプラン、2001年に策定された待機児童ゼロ作戦を契機に保育所の新設は相当数実施されているが、急増する保育所入所希望の需要を満たすには不足しており、2001年に東京都が地方自治体独自で児童福祉法上の保育所より低い基準の認証制度をつくり、認可外保育施設を認証し公的助成を行う、認証保育所を開始した。これ以降他の自治体でも同様の制度が発足している。(地方自治体により助成を行う施設を地方単独保育事業という。尚、地方単独保育事業そのものは高度経済成長時代から実施されている例もあり、東京都の認証保育所が最初ではない。) 保育の資格を有する者の居宅で児童を預ける保育ママは戦後の復興期・高度経済成長時代に自治体により創設され(京都市(昼間里親 1950年)、川崎市(家庭保育福祉員 1965年)、横浜市(家庭保育福祉員 1966年)、(東京都 家庭福祉員 1969年))、2001年に新エンゼルプランの施策の一つとして国の制度(家庭的保育事業)となり、2008年11月の児童福祉法の改正により法制化された。
待機児童の増加は、産休・育児休業した女性従業員の職場復帰や未就学児を持つ女性の就職を阻む要因となる為、女性従業員を雇用する企業や病院が次世代育成支援対策推進法上の企業・病院の行動計画の一環として、事業所内保育施設や病院内保育施設を設置する場合がある。
2008年2月 厚生労働省は目標を達成できなかった待機児童ゼロ作戦の後継として新待機児童ゼロ作戦を立案し、10年後に3歳未満児の保育サービス提供率を38%(現行20%)、0~5歳児の利用児童数を100万人増加する目標を設定した。[10]
2009年2月 厚生労働省の社会保障審議会は、保育所の整備のため、認可に消極的な自治体の権限なくし、新たにおよそ2.4兆円の財源確保が必要と報告した[11]。
認可保育所の定員は、保育所最低基準に基づき保育室の床面積によって決定される。床面積は敷地・建蔽率・容積率の広さで決まる為、増床するには広い敷地を確保するか、建蔽率・容積率が緩和された地域を選択する必要がある。都市部での敷地の取得(又は借地の権利を得る)には、相当な資金を要する。保育所の建設費等の施設整備には公費助成が実施されるが、敷地には助成制度がないため、設置者が資金を調達する必要があるが、近年は、既設の保育所の運営費の弾力的運営が認められるようになり、剰余積立金を敷地調達の費用の一部にあてる事が可能になったが、その効果は限定的と考えられる。川崎市では新設する認可保育所の設置者に対し市有地の使用貸借(無償貸与)を行い、この問題を解決している。(第2種社会福祉事業である保育所用地の土地収用は土地収用法上可能である。)
[編集] 待機児童に関わる訴訟
[編集] 東大阪保育所入所裁判
- 平成10年10月 東大阪市において父母8組が原告となり、保育所入所保留処分の取消を求める行政訴訟を提起した。
- 東大阪市では、毎年数百名の待機児童があったが、公立保育所は昭和52年、私立保育所は昭和59年を最後に新設がなかった。
- 翌11年の3月までに、原告たちの養育する児童は全員保育所に入所した。
- 平成11年3月 訴えの内容を10年度の保育所入所保留処分の違法による損害賠償を求める国家賠償請求に変更した。原告は3組となった。
- 平成14年6月 東大阪市の行政手続が行政手続法第5条3項(審査基準の公開)、同法第8条1項(処分理由の提示)、行政不服審査法第25条1項ただし書(審査請求人の口述機会)、同法41条1項(裁決理由の通知)に違反したとして、原告らに15万円ずつ(総額90万円)の慰謝料の支払を東大阪市に命じた。[12]
[編集] 脚注
- ^ "児童福祉法" 24条 (1947-12-12). 2009-6-19 閲覧。
- ^ 社会保障審議会少子化対策特別部会 (2009-2-24). "社会保障審議会少子化対策特別部会 第1次報告 -次世代育成支援のための新たな制度体系の設計に向けて- 参考資料集PDF". 人口減少地域に関連する保育制度の概要②(へき地保育所(認可外保育施設)) 76頁. 2009-7-2 閲覧。
- ^ 厚生労働省 (2008年3月28日). "「平成19年版 働く女性の実情」PDF". 図表1-1-9 大学卒業者数、就職者数、就職者数に占める就職者割合の変化 4頁. 2009年2月20日 閲覧。
- ^ 厚生労働省 (2008年3月28日). "「平成19年版 働く女性の実情」PDF". 図表1-1-6 勤続年数階級別一般労働者構成比の推移 4頁. 2009年2月20日 閲覧。
- ^ 社会保障審議会少子化対策特別部会 (2009-2-24). "社会保障審議会少子化対策特別部会 第1次報告 -次世代育成支援のための新たな制度体系の設計に向けて- 参考資料集PDF". 共働き世帯の増加 7頁. 2009-6-30 閲覧。
- ^ 社会保障審議会少子化対策特別部会 (2009-2-24). "社会保障審議会少子化対策特別部会 第1次報告 -次世代育成支援のための新たな制度体系の設計に向けて- 参考資料集PDF". 労働市場参加が進まない場合の労働力の推移 10頁. 2009-6-30 閲覧。
- ^ 社会保障審議会少子化対策特別部会 (2009-2-24). "社会保障審議会少子化対策特別部会 第1次報告 -次世代育成支援のための新たな制度体系の設計に向けて- 参考資料集PDF". 子どものいる女性の就労希望 9頁. 2009-6-30 閲覧。
- ^ 新宿第一保育園廃園 新宿区議団
- ^ 川崎市 (2009-4-1). "平成21年4月保育所別入所待機状況". 2009-7-7 閲覧。
- ^ 厚生労働省雇用均等・児童家庭局保育課 (2008-2-27). "「新待機児童ゼロ作戦」についてPDF". 2009-6-30 閲覧。
- ^ 認可保育所増加、民間参入促す報告書 TBS-newsi (Yahoo!ニュース)
- ^ 大阪地方裁判所 (2002-6-28). "平成10(行ウ)62 損害賠償請求事件PDF". 2009-6-23 閲覧。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- 全国待機児童マップ i-子育てネット
- 待機児童対策に関する調査報告と提言 保育園を考える親の会

