フードバンク

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フードバンク: Food bank)とは、包装の傷みなどで、品質に問題がないにもかかわらず市場で流通出来なくなった食品を、企業から寄附を受け生活困窮者などに配給する活動およびその活動を行う団体。

概要[編集]

食品メーカー外食産業などでは、品質には問題がないものの、包装不備などで市場での流通が困難になり、商品価値を失った食品が発生する。従来は廃棄されていたこうした食品の提供を原則として無償で受け、生活困窮者を支援しているNGONPO等の市民団体を通じて野外生活者や児童施設入居者などの生活困窮者に供給する。賞味期限切れなど品質に問題のある食品は対象としない。提供を行う企業にとっては、廃棄に掛かる金銭的な費用を抑制できるだけでなく、食品廃棄物の発生を抑え、福祉活動に貢献しているという面でCSRの取り組みともなり、企業価値の向上にもつながってくる。

歴史[編集]

1960年代、アメリカアリゾナ州フェニックススープキッチンでボランティア活動をしていたジョン・ヴァンヘンゲル (John van Hengelは、ボランティア先のシングルマザーから、まだ食べられる食品がスーパーで大量に廃棄されていることを聞いた。ヴァンヘンゲルはスーパーにこうした食品を寄附してもらうよう交渉するとともに、地元の教会に食品を備蓄する倉庫を貸してくれるよう頼んだ。こうして1967年、倉庫を提供した教会の名を採り、「セントメアリーズフードバンク」が誕生した。その後、農家から収穫し残した農作物の寄附を受け、1976年に「セカンドハーベスト」を設立。セカンドハーベストは後にフィーディングアメリカ (Feeding Americaに名を変え、全米の約200のフードバンク団体を統轄する組織となっている。

アメリカでの活動[編集]

イリノイ州シカゴ郊外には広大な物流センター「グレーターシカゴ・フードデポジトリー」があり、2007年実績で1万8千トン、1日あたり8万4千食分の食糧が供給された。冷蔵車を使い、レストランやホテルなどから日持ちしにくい食材の提供も受けている。連邦法であるビル・エマーソン食糧寄附法(Bill Emerson Good Samaritan Act)により、善意で寄附した食品が元で万一トラブルが発生した場合でも、故意や重過失がない限り寄附した側は法的責任が問われない旨定められている。税法上でも、現物寄附の場合には原価の二倍までの控除が受けられる優遇策が設けられている。しかし近年では、以前まで寄附の対象となっていた食品が「わけあり商品」として寄附にまわらずに通販などで流通したり、食料価格の変動で政府からの寄附が減るなどの問題に直面している。

日本でのフードバンク活動[編集]

元アメリカ海軍の軍人で、上智大学の留学生のチャールズ・E・マクジルトンが2002年3月に日本初のフードバンク団体を設立、同年7月に東京都から特定非営利活動法人の認証を受けた。2004年からは、団体名をセカンドハーベストジャパンと改めた。 これとは別に、2003年4月にはアメリカ人のブライアン・ローレンスにより関西地方を地盤とするフードバンク関西が発足。翌年1月には兵庫県より特定非営利活動法人の認証を、2007年には国税庁より認定NPO法人の認証を受けている。いずれも当初はハインツ日本コストコなど外資系企業からの寄附が中心だったが、ニチレイなど日本の企業からの寄附も始まり、「もったいない」の観点からも注目されつつある。2007年以降は沖縄県広島県愛知県北海道でも動きが始まっている。

参考資料[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]