パイモン

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コラン・ド・プランシー著『地獄の辞典』の挿絵におけるパイモンの姿

パイモンまたはペイモンPaymon, Paimon)は、悪魔学における悪魔の一柱。

[編集] 概要

さまざまなグリモワールにその名が登場する。パイモニアPaimonia)とも呼ばれる[1]

ゴエティア』によるとソロモン72柱の魔神の1柱で、序列9番の地獄の王。一部は天使からなり一部は能天使からなる200の軍を率いており、ルシファーに対して他の王よりも忠実とされる。彼自身は主天使の地位にあったという[2]

レジナルド・スコットの『妖術の開示』1655年版では、パイモン、バティン、バルマを呼び出し、その恩恵を受ける方法が書かれている[3]。この書によれば、パイモンは空の軍勢[4]に属し、座天使の位階の16位にあるという。Corban およびマルバスの配下にあるという。

ハインリヒ・コルネリウス・アグリッパの『隠秘哲学』によれば、オリエンスエギュンアマイモンと並ぶ四方の王の一人であり、西方を治める[5][6]。『ホノリウスの書』では、西方の王はバイモンBaymon)とされている[7]。パイモンとバイモンの両者の関係は明確にはなっていない[8]。一方、『悪魔の偽王国』では北に住まうとされている[9]

術士アブラメリンの聖なる魔術の書』では8人の下位君主(Eight Sub Princes)と総称される有力な悪魔の一人である。

女性の顔をした男性の姿で王冠を被っており、ひとこぶ駱駝に駕しているとされる。人に人文学、科学、秘密などあらゆる知識を与えるといわれ、大地がどうなっているか、水の中に何が隠されているか、風がどこにいるのかすら知っているという。召喚者に地位を与え、人々を召喚者の意思に従わせる力も持つ。また良い使い魔を用意してくれるともいう。

トランペットやシンバルなどの楽器を携えた精霊たちを先導として現れる。最初に現れた際にパイモンは大音声で怒号のように話すため、服従させない限り召喚者はパイモンの話を理解できないという。生贄により召喚された際には、ベバルBebal)とアバラムAbalam[10](またはラバルLabal)とアバリムAbalim[11])という二人の王を従え、時として25軍団の能天使たちを伴う。

マグレガー・メイザースは『アブラメリンの書』の注釈で、パイモンの名はヘブライ語の"POMN"(=「チリンチリンという音」)に由来すると推測している。また、メイザースは、パイモンはラビ(ユダヤ教神学者)にはアザゼルと呼ばれていたとも述べている[1]

[編集] 脚注

  1. ^ a b The Book of the Sacred Magic of Abramelin the Mage, p.111
  2. ^悪魔の偽王国』によると智天使という説もある。 Pseudomonarchia Daemonum, Paimon の項
  3. ^ この部分はレジナルド・スコットによる元のテキストにはなく、別人によって足されたものと考えられている。参考文献Discoverie of Witchcraftにおけるジョゼフ・H・ピーターソンによる解題を参照。
  4. ^ 空の軍勢の君主(Prince of the Power of the Air)は聖書におけるサタンの別称の一つである。
  5. ^ De occulta philosophia libri tres II, Chapter vii
  6. ^ De occulta philosophia libri tres III, Chapter xxiv
  7. ^ The Book of Ceremonial Magic, p.283-284
  8. ^ 例えば、コラン・ド・プランシーの『地獄の辞典』では、バイェモン(Bayemon)およびペイモン(Paymon)は、それぞれ別項で扱われている。
  9. ^ レギナルド・スコットの英訳では北西に住まうとされている。参考文献Pseudomonarchia Daemonum参照。
  10. ^ Pseudomonarchia Daemonum
  11. ^ The Lesser Key of Solomon, pp.24-25

[編集] 参考文献

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