デカメロン

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デカメロン』(Decameron)は、ジョヴァンニ・ボッカッチョによる物語集。ダンテの『神曲』に対して、『十日物語』や『人曲』とも呼ばれる。デカメロンはギリシャ語の「10日」(deka hemerai) に由来にする。1348から53年にかけて製作された[1]

1348年に大流行したペストから逃れるために邸宅に引きこもった男3人、女7人の10人が退屈しのぎの話をするという趣向で、10人が10話ずつ語り、全100話からなる。内容はユーモアと艶笑に満ちた恋愛話や失敗談などで、それぞれ『千一夜物語』や『七賢者の書』から影響を受けている。チョーサーの『カンタベリ物語』やマルグリット・ド・ナヴァルの『エプタメロン』(七日物語)などに影響を与えた。

エーリヒ・アウエルバッハは、『デカメロン』の文体が、イタリア散文芸術の始まりだとする。また、古典古代以来初めて、現在の事件を描いた文体が教養のある階級を楽しませるようになったとも指摘した[2]

登場人物[編集]

  • パンフィロ
  • フィロストラト
  • ディオネオ
  • パンピネア
  • フィアンメッタ
  • フィロメナ
  • エミリア
  • ラウレッタ
  • ネイフィレ
  • エリッサ

10日間の話のテーマ[編集]

日によって話のテーマが決められている。話者はそれに沿った話を披露していく。

  1. 自由テーマ
  2. 多くの苦難をへたのち成功や幸福を得た人の話
  3. 長い間熱望したもの、あるいは失ったものを手に入れた話
  4. 不幸な恋人たちの話
  5. 不幸のあとに幸福に巡り合う恋人たちの話
  6. とっさのうまい返答で危機を回避した人の話
  7. 夫を騙した妻の話
  8. 男が女を、女が男を騙す話
  9. 自由テーマ
  10. 気高く寛大な行為についての話

脚注[編集]

  1. ^ デカメロンとは、コトバンク。2014年5月11日閲覧。
  2. ^ エーリヒ・アウエルバッハ 『ミメーシス』(上) 篠田一士・川村二郎訳、筑摩書房〈ちくま学芸文庫〉、1994年。第9章

関連項目[編集]