沸石

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沸石

沸石[1](ふっせき、ゼオライトzeolite)とは、天然に産する鉱物グループ。

アルミノケイ酸塩のなかで結晶構造中に比較的大きな空隙を持つものの総称でもあり、分子ふるいイオン交換材料触媒吸着材料として利用される。現在では、さまざまな性質を持つ沸石が人工的に合成されており、工業的にも重要な物質となっている

目次

[編集] 成分・種類

1997年国際鉱物学連合IMA)の小委員会により、以下のように整理された。

[編集] 産出地

微細なものも含めると、沸石は火成岩堆積岩変成岩のすべてにおいて非常に多様な岩石に含まれている。

沸石水として結晶の中に水がたくさん含まれていることからわかるように、産出する環境は水に富んでいることが多い。また、概して沸石は - 100℃程度の比較的低温の熱水から晶出する。

そのような地質環境が実現する主な場所としては、溶岩と水が相互作用する場所(温泉地帯、枕状溶岩など)や、ペグマタイト鉱床での末期の生成物、さらには岩石の隙間に地下水が浸入する場所、などが挙げられる。

特に溶岩と水が相互作用する場所では、大きな晶洞が生じやすく、良質で美しい鉱物標本を多産することがある(インドデカン高原など)。

[編集] 性質・特徴

[編集] イオン交換能

沸石は二酸化ケイ素からなる骨格を基本とし、一部のケイ素アルミニウムに置き換わることによって結晶格子全体が負に帯電している。そのため、微細孔内にナトリウムなどのカチオンを含み、電荷のバランスを取っている。粉末状にした沸石を別の種類のカチオンを含んだ水溶液中に入れると、細孔内と水溶液中でイオン交換・吸着が起こる。この交換反応は可逆的であり、時間がたつと飽和して平衡状態となる。カリウムやセシウムもカチオンなので、沸石によってイオン交換・吸着される。

沸石の陽イオン交換優先順位は下記の通り[要出典]。セシウム (Cs) やストロンチウム (Sr) など有害物質の交換順位が高い。

Cs > Rb > K > NH4 > Ba > Sr > Na > Ca > Fe > Al > Mg > Li

[編集] 吸着作用

沸石は、液体の中において、微細孔内の水分子を放出し、かわりに毒素アンモニア等を吸着することができる。そのため、有機溶媒の脱水や湿度調節に用いられる。

[編集] 用途・加工法

最近では、福島第一原子力発電所事故放射能汚染水処理に使用されている。また、ヒトがゼオライトを含有する液体飲料を飲むと放射性物質を吸着し体外に排出すると謳い販売した業者が薬事法違反および無許可商品を輸入販売したとして逮捕された。ゼオライトに日本においては、薬事法上、放射性物質を体外除去する薬理効果は認められておらず、薬事法違反に抵触し検挙された者も存在する。

ゼオライトそのものやそれを含有する液体飲料を使い、チェルノブイリ後の東ヨーロッパで放射性物質を吸着し体外に排出する動物実験が数多く行われ有効な成果を挙げているという査読学術誌学術論文は存在せず、恣意的に肯定的な結果のみが選別、発表されている事が煽られ謳われており、エビデンス医学的科学的論拠に乏しい。そもそも、水溶しない物質が細胞内に取り込まれている物質を吸着することは不可能である。

[編集] イオン交換材料

ゼオライトは上述のイオン交換能をもつため水質改良剤として用いられる。例えば、水中のカルシウムイオンマグネシウムイオンをゼオライト中のナトリウムイオンと置きかえることで水の硬度を下げることができるので、衣類用の洗剤などに含まれている(「水軟化剤」等と記載されている)。また微細孔内に植物の生育に必要なカチオンを保持するため、陽イオン交換容量を増す土壌改良剤としても用いられる。

[編集] 触媒

ゼオライトはその細孔内に選択的に分子を取り込み、反応させることができるため、触媒として多方面に利用されている。例えばZSM-5という合成ゼオライトを用いることでメタノールからガソリンを合成することに成功している。また、ディーゼル排気中に含まれるNOxを分解・除去するための触媒としても期待されている。

[編集] 吸着材料

ゼオライトは微細孔内に水分子を吸着し、また放出することができるため、有機溶媒脱水湿度調節に用いられる。また水分子のほかにホルムアルデヒドなどの気体分子を吸着するとされるため、消臭や、シックハウス症候群を防止する目的にも期待されているが現時点では臨床例のみで科学的に有効なデータを示す学術論文は存在しない。

[編集] サイド・ストーリー

ゼオライトという名称は、成分に含まれているとアルミノケイ酸骨格との結びつきが弱いため、加熱すると容易に水を分離して沸騰しているように見え、このことからギリシャ語zeo(沸騰する)と lithos)を合わせて名付けられた。

[編集] 脚注

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  1. ^ 文部省編 『学術用語集 地学編』 日本学術振興会、1984年、394頁。ISBN 4-8181-8401-2

[編集] 参考文献

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク

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