アポロケンタッキー

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アポロケンタッキー
2016年みやこS
欧字表記 Apollo Kentucky[1]
品種 サラブレッド[1]
性別 [1]
毛色 鹿毛[1]
生誕 2012年2月2日[1]
死没 2022年6月20日(10歳没)
登録日 2014年9月4日[2]
抹消日 2019年9月27日[3]
Langfuhr[1]
Dixiana Delight[1]
母の父 Gone West[1]
生国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国[1]
生産者 Doug Branham[1]
馬主 アポロサラブレッドクラブ[1]
調教師 山内研二[1]栗東
調教助手 富岡潤[4]
競走成績
生涯成績 37戦9勝[1]
中央:20戦7勝
地方:16戦2勝
海外:1戦0勝
獲得賞金 3億5733万7000円[1]
中央:1億5823万7000円
地方:1億9910万0000円
勝ち鞍
GI 東京大賞典 2016年
GIII みやこステークス 2016年
JpnII 日本テレビ盃 2017年
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アポロケンタッキー(欧字名:Apollo Kentucky2012年2月2日 - 2022年6月20日)は、日本競走馬種牡馬[1]。主な勝ち鞍は、2016年東京大賞典GI)、みやこステークスGIII)、2017年日本テレビ盃JpnII)。

経歴[編集]

2歳 - 3歳(2014 - 15年)[編集]

2014年10月11日、京都競馬場新馬戦(芝1400メートル)に和田竜二が騎乗してデビューし2着[5]。以降、2戦芝の競走に出走するも勝ち上がることはできなかった。初のダートとなる未勝利戦ではクルーガーから0.2差の2着となり[5]、ダート2戦目で後方2馬身離して初勝利を挙げた。昇級2戦目の500万円以下で勝ち上がると、オープン競走の青竜ステークスに出走した。夏休みを挟んで10月の鳴滝特別で復帰し、再度芝に挑戦するものの10着に敗退。ダートに戻り、1000万円以下を勝利し、昇級初戦となる晩秋ステークス(1600万円以下)ではモズライジンにハナ差及ばず2着となった。

4歳(2016年)[編集]

古馬となり初戦の2月の金蹄ステークスで1番人気に推され、センチュリオンに4馬身離して勝利し、オープン昇格を果たした[6]。その後、1番人気に推されて、仁川ステークスとブリリアントステークスを連勝。重賞初挑戦となるシリウスステークスGIII)では、4番人気に支持されて優勝したマスクゾロとタイム差なしの3着に敗れた[7]。1番人気に推されたブラジルカップでは8着に敗れるも、みやこステークスでは中団でレースを進め、直線で一気に先頭に立つと外から脚を伸ばしてきた1番人気グレンツェントの追撃を振り切り重賞初制覇[8]。続くチャンピオンズカップで5着と力を示し、返す刀で年末(12月29日)の東京大賞典においてアウォーディー以下G1馬6頭を一蹴しGI初制覇を果たした[9]

5歳(2017年)[編集]

3月25日、初の海外遠征となったドバイワールドカップは9着に敗れた。帰国後の帝王賞でも5着に敗れたものの、続く日本テレビ盃ではサウンドトゥルーケイティブレイブモーニンとの叩き合いを制して重賞3勝目を飾る。しかしその後はJBCクラシック8着、チャンピオンズカップは当日に右前肢跛行で出走取消、連覇を目指した暮れの東京大賞典でも4着に敗れた。

6歳-7歳(2018年-2019年)[編集]

2018年の初戦となった川崎記念ではケイティブレイブの2着に入り、続くダイオライト記念ではケイティブレイブと共に1倍台の支持を集めての2着と復調気配を見せたが、次走の帝王賞で7着に敗退。その後は船橋競馬場でのレースでは3着以内に入るものの他では惨敗という競馬が続いた。

2019年9月23日の日本テレビ盃では実況が「歩くようにゴール」とアナウンスするほどの大差の最下位に敗れ、船橋競馬場で初めて馬券圏内を外してしまった。このレースを最後に9月27日付で競走馬登録を抹消し現役を引退した[10]

引退後[編集]

引退後はレックススタッド種牡馬となった[3]

2022年6月20日盲腸破裂のため死亡[11]。10歳の若さであった。

エピソード[編集]

2017年1月13日、東京大賞典での検体検査によって、規制薬物である消炎鎮痛剤(デキサメタゾン)が検出され、裁定委員会が設けられたが、 競馬法に定められた「禁止薬物」とは異なり、競走能力への影響はないため、事後失格の対象とはならない[12]

馬体重570kg台での出走もある程の巨漢馬であり、特に2016年の東京大賞典優勝時の馬体重565kgはヒシアケボノが保持するJRA・GI優勝馬史上最高馬体重の記録560kgを上回る数字となっている[13]

競走成績[編集]

以下の内容は、netkeiba.comの情報に基づく[14]

競走日 競馬場 競走名 距離(馬場)


オッズ
(人気)
着順 タイム
(上り3F)
着差 騎手 斤量
[kg]
1着馬(2着馬) 馬体重
[kg]
2014.10.11 京都 2歳新馬 芝1400m(良) 15 4 6 004.4(02人) 02着 R1:21.4(34.8) -0.2 和田竜二 55 ペルフィカ 532
0000.10.19 京都 2歳未勝利 芝1600m(良) 12 7 10 003.0(02人) 03着 R1:35.0(34.0) -0.4 和田竜二 55 アドマイヤゴッド 524
0000.11.09 京都 2歳未勝利 芝1400m(良) 17 7 13 003.3(02人) 05着 R1:22.6(35.1) -0.2 松山弘平 55 ヤマニンナジャーハ 524
0000.11.22 京都 2歳未勝利 ダ1800m(良) 14 7 12 005.5(03人) 02着 R1:55.0(38.0) -0.2 和田竜二 55 クルーガー 524
0000.12.21 阪神 2歳未勝利 ダ1800m(不) 16 4 8 004.0(03人) 01着 R1:52.3(37.0) -0.3 和田竜二 55 (デブリン) 526
2015.04.05 阪神 3歳500万下 ダ1800m(不) 13 2 2 005.4(02人) 04着 R1:51.5(35.6) -0.1 和田竜二 56 ニホンピロサンダー 528
0000.04.19 中山 3歳500万下 ダ1800m(良) 16 2 4 003.7(01人) 01着 R1:53.7(38.9) -0.0 和田竜二 56 (パワーポケット) 530
0000.05.17 東京 青竜S OP ダ1600m(良) 12 8 11 018.2(07人) 09着 R1:37.9(36.5) -1.3 和田竜二 56 ノンコノユメ 538
0000.10.18 京都 鳴滝特別 10下 芝2200m(良) 11 7 9 025.1(08人) 10着 R2:13.1(35.4) -2.2 和田竜二 54 グリュイエール 550
0000.11.07 東京 3歳上1000万下 ダ2100m(良) 12 5 6 004.3(02人) 01着 R2:12.1(37.2) -0.4 戸崎圭太 55 (ステージジャンプ) 552
0000.11.28 東京 晩秋S 16下 ダ2100m(稍) 16 6 12 006.1(03人) 02着 R2:10.2(36.8) -0.0 浜中俊 54 モズライジン 554
2016.02.20 東京 金蹄S 16下 ダ2100m(稍) 14 5 8 002.3(01人) 01着 R2:10.4(36.7) -0.7 田辺裕信 56 センチュリオン 558
0000.03.12 阪神 仁川S OP ダ2000m(良) 12 5 5 002.2(01人) 01着 R2:04.3(36.2) -0.4 小牧太 56 (ドコフクカゼ) 564
0000.05.08 東京 ブリリアントS OP ダ2100m(良) 15 5 8 001.9(01人) 01着 R2:10.4(38.3) -0.2 戸崎圭太 57 (キープインタッチ) 560
0000.10.01 阪神 シリウスS GIII ダ2000m(稍) 11 7 9 005.1(04人) 03着 R2:01.7(36.1) -0.0 和田竜二 57.5 マスクゾロ 562
0000.10.23 東京 ブラジルC OP ダ2100m(良) 16 4 8 001.7(01人) 08着 R2:10.3(37.9) -1.4 戸崎圭太 57.5 ミツバ 560
0000.11.06 京都 みやこS GIII ダ1800m(良) 16 5 9 007.6(04人) 01着 R1:50.1(36.2) -0.0 松若風馬 56 グレンツェント 562
0000.12.03 中京 チャンピオンズC GI ダ1800m(良) 15 8 14 021.0(07人) 05着 R1:50.5(36.9) -0.4 松若風馬 57 サウンドトゥルー 566
0000.12.29 大井 東京大賞典 GI ダ2000m(重) 14 7 11 016.3(05人) 01着 R2:05.8(36.1) -0.3 内田博幸 57 アウォーディー 565
2017.03.25 メイダン ドバイWC G1 ダ2000m(重) 14 1 09着 C.ルメール 57 Arrogate 計不
0000.06.28 大井 帝王賞 JpnI ダ2000m(重) 16 3 6 004.7(02人) 05着 R2:05.8(38.8) -1.4 内田博幸 57 ケイティブレイブ 567
0000.09.27 船橋 日本テレビ盃 JpnII ダ1800m(稍) 11 8 11 004.4(04人) 01着 R1:52.9(37.1) -0.0 内田博幸 58 (サウンドトゥルー) 563
0000.11.03 大井 JBCクラシック JpnI ダ2000m(重) 13 7 10 003.6(02人) 08着 R2:06.7(39.4) -2.2 内田博幸 57 サウンドトゥルー 563
0000.12.03 中京 チャンピオンズC GI ダ1800m(良) 15 8 15 取消 内田博幸 57 ゴールドドリーム 計不
0000.12.29 大井 東京大賞典 GI ダ2000m(良) 16 3 5 012.6(06人) 04着 R2:05.5(37.0) -1.3 内田博幸 57 コパノリッキー 572
2018.01.31 川崎 川崎記念 JpnI ダ2100m(稍) 10 7 7 006.1(04人) 02着 R2:15.1(37.1) -0.2 内田博幸 57 ケイティブレイブ 575
0000.03.14 船橋 ダイオライト記念 JpnII ダ2400m(稍) 9 2 2 001.9(02人) 02着 R2:35.1(40.6) -0.3 内田博幸 56 ケイティブレイブ 566
0000.06.27 大井 帝王賞 JpnI ダ2000m(良) 15 5 9 008.9(05人) 07着 R2:06.5(39.1) -2.3 内田博幸 57 ゴールドドリーム 554
0000.10.03 船橋 日本テレビ盃 JpnII ダ1800m(稍) 12 4 4 004.0(02人) 02着 R1:52.9(36.6) -0.4 J.モレイラ 57 ケイティブレイブ 558
0000.11.04 京都 JBCクラシック JpnI ダ1900m(良) 16 6 12 007.7(04人) 13着 R1:58.5(38.1) -1.8 M.デムーロ 57 ケイティブレイブ 574
0000.11.23 浦和 浦和記念 JpnII ダ2000m(良) 11 2 2 003.8(02人) 04着 R2:07.1(38.6) -1.7 J.モレイラ 58 オールブラッシュ 569
0000.12.02 中京 チャンピオンズC GI ダ1800m(良) 15 3 4 204.6(13人) 14着 R1:51.8(36.7) -1.7 小牧太 57 ルヴァンスレーヴ 574
0000.12.29 大井 東京大賞典 GI ダ2000m(良) 16 8 16 059.0(08人) 10着 R2:08.4(42.0) -2.5 O.マーフィー 57 オメガパフューム 574
2019.01.30 川崎 川崎記念 JpnI ダ2100m(良) 11 5 5 018.0(04人) 04着 R2:15.8(39.9) -0.8 戸崎圭太 57 ミツバ 572
0000.03.13 船橋 ダイオライト記念 JpnII ダ2400m(重) 13 6 9 010.8(05人) 02着 R2:38.1(38.5) -0.8 戸崎圭太 56 チュウワウィザード 564
0000.05.06 船橋 かしわ記念 JpnI ダ1600m(稍) 11 6 7 054.7(07人) 03着 R1:40.8(38.2) -0.6 戸崎圭太 57 ゴールドドリーム 563
0000.06.26 大井 帝王賞 JpnI ダ2000m(重) 14 2 2 048.2(07人) 13着 R2:08.5(40.8) -4.1 戸崎圭太 57 オメガパフューム 578
0000.09.23 船橋 日本テレビ盃 JpnII ダ1800m(稍) 8 7 9 009.5(03人) 08着 R2:05.9(50.0) 13.8 戸崎圭太 57 クリソベリル 560

種牡馬成績[編集]

レックススタッドで種牡馬入りし、初年度の種付け料は10万円(種付時まで支払)、20万円(受胎条件)、30万円(出生条件) の3パターンが用意された[15]

2023年8月4日の笠松3Rをアースリリイが勝利し、中央競馬、地方競馬含めて産駒の初勝利を挙げた。

主な産駒[編集]

地方重賞優勝馬[編集]

血統表[編集]

アポロケンタッキー血統 (血統表の出典)[§ 1]
父系 ダンジグ系
[§ 2]

Langfuhr
1992 鹿毛
父の父
Danzig
1977 鹿毛
Northern Dancer Nearctic
Natalma
Pas de Nom Admiral's Voyage
Petitioner
父の母
Sweet Briar Too
1986 鹿毛
Briartic Nearctic
Sweet Lady Briar
Prima Babu Gum Gummo
Princess Babu

Dixiana Delight
2005 鹿毛
Gone West
1984 鹿毛
Mr. Prospector Raise a Native
Gold Digger
Secrettame Secretariat
Tamerett
母の母
Lake Lady
1999 栗毛
Salt Lake Deputy Minister
Take Lady Anne
Slinkylady What a Hoist
Don't Call Debi
母系(F-No.) (FN:1-l) [§ 3]
5代内の近親交配 Nearctic 4x4=12.50% , Native Dancer 5x5=6.25% [§ 4]
出典
  1. ^ [17]
  2. ^ [17]
  3. ^ [17]
  4. ^ [17]


脚注[編集]

出典[編集]

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o アポロケンタッキー(USA)”. JBISサーチ. 2021年5月4日閲覧。
  2. ^ @keiba/競走馬情報: アポロケンタッキー2017年6月12日閲覧。
  3. ^ a b アポロケンタッキー号が競走馬登録抹消”. 日本中央競馬会 (2019年9月27日). 2019年9月27日閲覧。
  4. ^ アポロケンタッキー2つ目のビッグタイトルから再びドバイへ!”. 競馬ラボ. 2024年1月27日閲覧。
  5. ^ a b 競走成績:全競走成績|アポロケンタッキー(USA)”. JBISサーチ. 2021年5月4日閲覧。
  6. ^ “【金蹄S】(東京)~アポロケンタッキーが直線突き抜ける”. 競馬実況web (ラジオNIKKEI). http://www.radionikkei.jp/keiba/post_8116.html 2021年5月4日閲覧。 
  7. ^ “【シリウスS】マスクゾロ行ったもん勝ち!3連勝で重賞初制覇”. スポーツニッポン. https://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2016/10/02/kiji/K20161002013459400.html 2021年5月4日閲覧。 
  8. ^ アポロケンタッキーが接戦を制し重賞初制覇/みやこSnetkeiba.com、2016年12月29日閲覧
  9. ^ アポロケンタッキーが人気2頭を下しGI初制覇!/東京大賞典・大井netkeiba.com、2016年12月29日閲覧
  10. ^ アポロケンタッキー引退、種牡馬に”. ラジオNIKKEI. 2024年1月27日閲覧。
  11. ^ 競馬ブック 馬産地通信、2022年6月28日閲覧。
  12. ^ 東京大賞典優勝のアポロケンタッキーに規制薬物検出 競走能力への影響なく事後失格の対象外
  13. ^ “アポロケンタッキーがスタッドイン”. 競走馬のふるさと案内所. https://uma-furusato.com/news/99686.html 2021年5月4日閲覧。 
  14. ^ アポロケンタッキーの競走成績 | 競走馬データ”. netkeiba.com. 2021年5月4日閲覧。
  15. ^ 【2021年度の種付頭数】~レックススタッド編 - 【サラブレッドセール(せり市場)=馬市】&【種牡馬】の最新情報 by馬市.com”. goo blog. 2023年11月22日閲覧。
  16. ^ リメンバーアポロ”. JBISサーチ. 公益財団法人日本軽種馬協会. 2023年11月22日閲覧。
  17. ^ a b c d アポロケンタッキーの血統表、netkeiba.com、2017年6月3日閲覧。

外部リンク[編集]