どん底 (1957年の映画)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索
どん底
監督 黒澤明
脚本 黒澤明
小国英雄
製作 黒澤明
出演者 三船敏郎
山田五十鈴
香川京子
中村鴈治郎
音楽 佐藤勝
撮影 山崎市雄
編集 黒澤明
配給 日本の旗 東宝
公開 日本の旗 1957年9月17日
上映時間 125分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
テンプレートを表示

どん底』(どんぞこ)は、1957年公開の日本映画黒澤明監督作品。昭和32年度芸術祭参加作品。

概要[編集]

マクシム・ゴーリキーの同名戯曲『どん底』を黒澤明小国英雄と共に翻案・脚色し、舞台を日本江戸時代に置き換えて貧しい長屋に住むさまざまな人間の人生模様を描いた時代劇映画である。三船敏郎が出演しながら志村喬が出演していない、唯一の黒澤映画である。この作品では、本来であれば志村が演じるべきと思われる原作の巡礼者ルカの役を左卜全がその特徴的なキャラクターを以て演じており、はまり役となっている。

黒澤作品にしては珍しい短期間・低予算で作られた作品でもある。オープンセットと室内セットをそれぞれ一つ作り、40日間に及ぶ入念なリハーサルを経て、複数のカメラで一気に撮り上げるマルチ・カム方式で撮影された。

前作『蜘蛛巣城』に続いて山田五十鈴をヒロインに迎えた海外の有名戯曲の映画化であるが、『蜘蛛巣城』が原作の消化不良を感じさせるのに比べて、『どん底』は日本の時代劇として危なげのない仕上がりになっている[1]。1957年度のキネマ旬報ベストテンに第10位でランクインされているが、前作の『蜘蛛巣城』は4位、次作の『隠し砦の三悪人』は2位でランクインされており、黒澤作品の中では比較的話題になることが少ない作品である[2]

キャスト[編集]

※以下はノンクレジット

スタッフ[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 但し、ゴーリキーの『どん底』の眼目と見なされ、必ず取り上げられるサーチンの人間賛歌に相当する箇所が本作品では、長屋住人の演舞による下層大衆のエネルギッシュな生命力の表出に置き換わっている。この点で黒澤版『どん底』は左翼運動の中心に置かれて来た伝統的『どん底』よりも、チェーホフの戯曲や、小説家正宗白鳥の初期作品に通じる世界を形成している。
  2. ^ 映画監督のアンドレイ・タルコフスキーは、『ストーカー』製作当時の文芸作品の逐語的映像化の無意味さを論じる文章で、ドストエフスキーシェイクスピアの作品の最良の映画化として黒澤の『白痴』と『蜘蛛巣城』を挙げている。

外部リンク[編集]