買物ブギー
本作の詞・曲は著作権の保護期間中のため、日本国著作権法第32条および米国著作権法第107条によりフェアユースと認められる形式の引用を除き、ウィキペディアへの掲載は著作権侵害となります。また、演奏などの著作隣接権についても注意ください。 歌詞全文はTemplate:歌ネットやTemplate:Genius songを使用した外部リンクにより合法的な参照が可能です。 |
「買物ブギー」 | |
---|---|
笠置シヅ子 の シングル | |
リリース | |
規格 | シングル |
録音 |
1950年2月11日 日本 |
ジャンル | ブギ |
レーベル | 日本コロムビア |
作詞・作曲 | 服部良一(作詞は村雨まさを名義) |
「買物ブギー」(かいものブギー)は、1950年(昭和25年)発売の笠置シヅ子の歌。作詞・作曲は服部良一(作詞は村雨まさを名義)。吹き込みは1950年(昭和25年)2月11日、発売は1950年(昭和25年)6月15日発売。レコード番号A822B。
概説
[編集]1949年(昭和24年)の日劇ショー(サンデー毎日主催)のために作られた。当時、ちょうど入院していた服部を笠置が見舞い、新曲を頼まれた服部が頭に浮かんだのが上方落語の「無い物買い」であり[1]、これをもとに詩を付け、5分以上の大作となった。評判となりレコーディングされたが、当時のSPレコードでは収録出来ないので短縮バージョンで行われた。立て続けに歌う複雑な歌詞に、さすがの笠置も「ややこし、ややこし」とボヤいたのを、服部が面白がって急遽、曲に取り入れたという。笠置は下駄履きに買い物かごの扮装で歌い踊り、あまりの激しさにいつも下駄が真二つに割れてしまった。
レコード売上は45万枚[2]に達した。この曲は「ブギ」ブームの最後の頂点であり、以後、「ブギ」ものは下火となった[3]。
発売直後、笠置は服部とともに渡米しハワイのステージで「買い物ブギ」を歌い、大評判となった。服部は「オッサン」、笠置は「わてほんまによういわんわ」と島民から絶えず声かけられ、果ては笠置は「オッサンガール」と呼ばれるようになった。
笠置は本楽曲を1952年の「第2回NHK紅白歌合戦」で歌唱した。
松竹映画『ペ子ちゃんとデン助』劇中に、今でいうプロモーションビデオのような映像(映像上でのタイトルは「買物ヴギ」)が存在し、その中には若き日の黒柳徹子も出演している。東宝映画「トットチャンネル」ではこのエピソードを元にしNHKの歌番組に設定を変えている。
映画『ちびまる子ちゃん わたしの好きな歌』では、湯浅政明演出によるアニメーションで使われている。
子供向けの音楽教養番組の『クインテット』では、クインテット雑唱団のコーナーにて宮川彬良がアレンジしたものが使用された。
斬新な歌
[編集]歌詞が全て大阪弁であり、軽快なテンポで40品目の品物を歌い並べ「オッサン、オッサン」と連呼するなど斬新な内容で、いわゆる「立て板に水」の能弁を主題とするやり方は、洋の東西を問わず、特に日本では歌舞伎、落語、講談などの古典芸能から屋台の口上にまで多く見られる。服部はそれをブギにアレンジ、笠置が表現した。
オリジナルの歌詞には「つんぼで聞こえまへん」[4][5]という下りがあるが、1980年代以降に発売された復刻盤では「つんぼ」の部分がカットされている[6]。近年の歌詞閲覧サービスなどに掲載されている歌詞でも「つんぼ」の部分が伏せ字となっていたり[7]、あるいは「つんぼ」の語が削除されて単に「聞こえまへん」[8][9]となっていたりする。また映画『ペ子ちゃんとデン助』の劇中で歌われたロングバージョン(レコードには収録されていない部分)には「これまためくらで読めません」という歌詞も存在した[5]。こちらも歌詞閲覧サービスでは一部伏せ字となっている[7]。
また、歌詞に「仁丹」という特定の商品名があるので、NHKでは歌われないことが多いが、2010年(平成22年)7月26日放送のNHKラジオ深夜便「にっぽんの歌こころの歌」での「懐かしの歌謡スター 笠置シヅ子集」では、「仁丹」の歌詞の部分もそのまま放送された。
歌唱したアーティスト達
[編集]- あらんどろん - 1981年7月25日発売のシングル「ばんぐみブギ」にて歌詞を変えてカヴァー(補作詞:はかま満緒)。
- ケラ - 1988年発売のケラ&ジ・インディーズ(オリジナルLPでは「Mr.ナゴム&ジ・インディーズ」)名義のアルバム『シャイコナ・ボックス』にてカヴァー。ケラ以外のメンバーは三柴理、友森昭一、中村哲夫、美濃介。第14期筋肉少女帯に、内田の替わりに第13期ギタリストの中村が参加した形。
- 酒井俊 - 1996年12月7日発売のアルバム『KAIMONO Boogie』にてカヴァー
- KinKi Kids - 1997年夏ツアー、1997年末~1998年始にかけての東京宝塚劇場 他のコンサートにて披露、コンサートで披露。VHS/DVD『us』収録[10]。2019-2020年のコンサートでも披露している。「買い物ブギ」表記
- Umekichi(うめ吉) - 2004年6月23日発売のシングル「買物ブギー」にてカヴァー。
- 関ジャニ∞[11] - 2007年10月17日発売のアルバム『服部良一 〜生誕100周年記念トリビュート・アルバム〜』にてカヴァー。「買い物ブギ」表記。
- UA - 2010年6月23日発売のアルバム『KABA』にてカヴァー。
- 久和田佳代 - 2014年4月25日発売のシングル「買物ブギ」にてカヴァー
- 小林幸子 - 『タモリの音楽は世界だ』にてカヴァー。
- 桑田佳祐 - 『桑田佳祐の音楽寅さん』にて歌唱。
- 佐良直美・ダークダックス - 『ビッグショー』にて歌唱[12]。
- 中村美律子 - 『BS日本のうた』にて歌唱[13]。
- 松浦亜弥 - 『夢・音楽館』にて歌唱[14]。
- なにわ男子 - 『第18回わが心の大阪メロディー』(2018年12月11日放送)にて歌唱。
- 田村芽実 - 2019年8月21日発売のシングル『舞台』初回限定盤B特典CDにてカヴァー。「買い物ブギ」表記。
- 西田あい - 2019年12月4日発売のアルバム『アイランド・ソングス ~私の好きな愛の唄~』にてカヴァー。
- マーティ・フリードマン と ローリー寺西 - 2021年2月19日、YouTubeチャンネルROCK FUJIYAMAチャンネルにて演奏。Ado の 『うっせぇわ』のカバーであったが、本曲とチェッカーズの『ギザギザハートの子守唄』をマッシュアップしてアレンジした[15]。
- バックドロップシンデレラ - 2022年3月23日発売のアルバム『よりいろんな曲でウンザウンザを踊ってみた』にてカヴァー。
- NMB48 - 『わが心の大阪メロディー』にて歌唱。
- 澤井梨丘・又野暁仁 - 2023年度の『わが心の大阪メロディー』にて、連続テレビ小説『ブギウギ』とのコラボコーナーとして歌唱
- 趣里 - 上記『ブギウギ』での劇中歌として歌唱。
アンサーソング
[編集]- ダウン・タウン・ブギウギ・バンド - 賣物ブギ(1975年8月5日)
- 嘉門達夫 - ときめきのワイドショー(1995年1月1日)※賣物ブギの替え歌
脚注
[編集]- ^ 東京新聞 2015年8月7日夕刊「戦前・戦中・戦後70年 歌で読むニッポン」(佐藤利明 連載)
- ^ 『朝日新聞』1985年4月1日付朝刊、23頁。
- ^ 世相風俗観察会『増補新版 現代世相風俗史年表 昭和20年(1945)-平成20年(2008)』河出書房新社、2003年11月7日、39頁。ISBN 9784309225043。
- ^ 服部良一「買物ブギ」『服部良一作品全集』全音楽譜出版社、1960年、88-89頁。NDLJP:2496931/48。
- ^ a b “笠置シヅ子の「買物ブギー」から消えた2つの不適切ワード…昭和25年の原曲に障害者差別の意図はなかった”. プレジデントオンライン. p. 3 (2024年3月2日). 2024年3月4日閲覧。
- ^ “笠置シヅ子の「買物ブギー」から消えた2つの不適切ワード…昭和25年の原曲に障害者差別の意図はなかった”. プレジデントオンライン. p. 4 (2024年3月2日). 2024年3月4日閲覧。
- ^ a b “笠置シヅ子 買い物ブギ 歌詞”. J-Lyric.net. 2024年3月1日閲覧。
- ^ “買物ブギー 歌詞 笠置シヅ子 ふりがな付”. うたてん. 2024年3月1日閲覧。
- ^ “笠置シヅ子 買い物ブギー 歌詞”. 歌ネット. 2024年3月1日閲覧。
- ^ Discography(KinKi Kids) | Johnny's net - 2021年6月5日閲覧。
- ^ アルバム発売当時の名義。現:SUPER EIGHT
- ^ [1]
- ^ [2]
- ^ [3]
- ^ 【クセ強すぎ】うっせぇわ × 昭和の名曲 神アレンジ!【ROCK FUJIYAMAが弾いてみた】 - YouTube