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東京2020大会で建物は選手村施設に活用され、高層階は選手が宿泊施設、低層階は各国の[[国内オリンピック委員会|NOC]]/NPCがオフィスとして利用を計画<ref name="s" />。大会後に内装工事を施し、[[2023年]](令和5年)3月から入居が始まる予定だった<ref name="yomiuri20200623">「選手村マンション 入居遅れ 1年程度、契約者へ連絡」『読売新聞』27頁 2020年6月23日</ref>。しかし、[[新型コロナウイルス感染症の世界的流行 (2019年-)|新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的流行]]によって、開催は[[2021年]](令和3年)7月 - 9月に延期。これに伴って入居等のスケジュールも1年間の順延が生じた。
東京2020大会で建物は選手村施設に活用され、高層階は選手が宿泊施設、低層階は各国の[[国内オリンピック委員会|NOC]]/NPCがオフィスとして利用を計画<ref name="s" />。大会後に内装工事を施し、[[2023年]](令和5年)3月から入居が始まる予定だった<ref name="yomiuri20200623">「選手村マンション 入居遅れ 1年程度、契約者へ連絡」『読売新聞』27頁 2020年6月23日</ref>。しかし、[[新型コロナウイルス感染症の世界的流行 (2019年-)|新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的流行]]によって、開催は[[2021年]](令和3年)7月 - 9月に延期。これに伴って入居等のスケジュールも1年間の順延が生じた。


全棟が完成すると総戸数5,632戸(うち分譲4,145戸)、約1万2000人の暮らす街となり<ref>[https://www.mitsuifudosan.co.jp/press/download/harumi_factbook.pdf HARUMI FLAGファクトブック]</ref>、分譲マンションとしては[[大規模マンション|国内最大の住戸数]]になる。すでに940戸は販売を終え、開催延期で休止となった販売は、2021年11月に再開された<ref name="y" /><ref>{{cite news |title=不動産ニュース 「HARUMI FLAG」、11月販売の全631戸に申し込み|author= |agency=|newspaper=不動産流通研究所|date=2021-12-02|url=https://www.re-port.net/article/news/0000067585/|accessdate=2021-12-28}}</ref>。入居は[[2024年]](令和6年)3月下旬以降となる見込みである<ref name="y">「選手村マンション販売再開へ ハルミフラッグ 11月中旬から再開」『読売新聞』9頁 2021年6月26日</ref>。
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総工費は約540億円(特定建築者の整備費を除く)<ref>[https://www.toshiseibi.metro.tokyo.lg.jp/daiichiseibi/chiku/harumigo/index.html 晴海五丁目西地区(選手村の整備)]</ref>。
総工費は約540億円(特定建築者の整備費を除く)<ref>[https://www.toshiseibi.metro.tokyo.lg.jp/daiichiseibi/chiku/harumigo/index.html 晴海五丁目西地区(選手村の整備)]</ref>。

2021年12月28日 (火) 11:59時点における版

座標: 北緯35度39分01秒 東経139度46分28秒 / 北緯35.650361度 東経139.774519度 / 35.650361; 139.774519

晴海五丁目西地区第一種市街地再開発事業
建設中の住棟
施設情報
所在地 東京都中央区晴海5
状態 整備中
着工 2017年
戸数 5,632戸[1]
関連企業
設計 光井純アンドアソシエーツ建築設計事務所(マスターアーキテクト)、鳳コンサルタントランドスケープ・マスターアーキテクト)、内原智史デザイン事務所(ライティングデザイン・マスターアーキテクト)、日建設計(再開発コンサルタント)[1]
デベロッパー 東京都(施行者)
三井不動産レジデンシャル三菱地所レジデンス野村不動産住友不動産住友商事東急不動産東京建物NTT都市開発日鉄興和不動産大和ハウス工業三井不動産(特定建築者)[1]
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HARUMI FLAG(はるみフラッグ、晴海フラッグ)は、東京都中央区晴海で行われている2020年東京オリンピックパラリンピック選手村跡地における大規模まちづくり事業のタウンネームである。約18haの土地に、5,632戸の分譲住宅賃貸住宅商業施設を含めた24棟の建設が進められている。

概要

2007年(平成19年)9月に閣議で了承された2016年東京オリンピック招致では、当地(東京国際見本市会場跡地)には、オリンピックメインスタジアムの整備が計画された。しかし、落選し再度2020年のオリンピック招致を目指すことになり、計画は練り直され、当地は選手村の整備予定地に変更。2013年(平成25年)9月、2020年東京オリンピックパラリンピックの開催が決定した。

これを受け、都は東京2020大会の選手村整備と、大会後のレガシーとなるまちづくりを進めるべく[2]2015年(平成27年)3月、晴海五丁目西地区第一種市街地再開発事業に着手[2]道路等基盤整備を東京都都市基盤局が行い、住宅商業施設整備は、施行者の都に代わって民間資金で建物を建設する特定建築者制度が適用され、三井不動産レジデンシャルをはじめとした11社の民間事業者が行うことになり[2]2017年(平成29年)に着工し、2019年令和元年)12月に選手村として完成した。

東京2020大会で建物は選手村施設に活用され、高層階は選手が宿泊施設、低層階は各国のNOC/NPCがオフィスとして利用を計画[2]。大会後に内装工事を施し、2023年(令和5年)3月から入居が始まる予定だった[3]。しかし、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的流行によって、開催は2021年(令和3年)7月 - 9月に延期。これに伴って入居等のスケジュールも1年間の順延が生じた。

全棟が完成すると総戸数5,632戸(うち分譲4,145戸)、約1万2000人の暮らす街となり[4]、分譲マンションとしては国内最大の住戸数になる。すでに940戸は販売を終え、開催延期で休止となった販売は、2021年11月に再開された[5][6]。入居は2024年(令和6年)3月下旬以降となる見込みである[5]

総工費は約540億円(特定建築者の整備費を除く)[7]

なお、都はインフラ整備が完了する2025年(令和7年)度を目処に三井不動産などに約130億円で土地を売却する予定であるが[8]、この土地を不当に安く売却する契約を結んだのは違法だとして、都民32人が小池百合子都知事らに適正価格との差額を請求するよう都に求め住民訴訟を起こしていたが、東京地裁(清水知恵子裁判長)は2021年12月23日、「売却価格が適正を欠くものとは言えない」として住民側の訴えを退けた。住民側は控訴する方針[9]。このほか入居時期が約1年遅れることについて、購入者29人が12月24日、売り主の不動産会社など10社に契約通り2023年3月に引き渡すよう求め東京地裁に提訴している[10]

街区概要

街区全体は、光井純アンドアソシエーツ建築設計事務所がマスターアーキテクトとして統括した[1]。特定建築者は不動産大手11社(三井不動産レジデンシャル三井不動産三菱地所レジデンス野村不動産住友不動産住友商事東急不動産東京建物NTT都市開発新日鉄興和不動産大和ハウス工業)にのぼり[1]、一つのマンション開発では国内最多の事業者数となった。

特定建築者と参加デザイナー全員で参加するブロック毎のデザインビューを、2年半にわたって合計40回近く行い、最後はすべてのブロックについて外観のモックアップを作成して検討[2]。開発エリアの中央を走る「シンボルロード」を軸にダイナミックシンメトリー(非対称性シンメトリー)をベースにした躍動感のあるボリューム構成を図り、外観のデザインと外部空間デザインはこのダイナミックシンメトリーをさらに強化しながら計画された[2]。またランドスケープデザインも建築デザインと一体的にデザインされている[2]

街区内には約3,900本を植樹。駐車場はすべて地下に整備され、空地率50%を実現した。次世代エネルギー活用を目的に水素ステーションの整備なども行われた。

PORT VILLAGE(3街区)

PORT VILLAGE
施設情報
所在地 東京都中央区晴海5
状態 整備中
用途 共同住宅(賃貸)(シニア住宅、シェアハウス含む)、介護住宅、保育施設[1]
各種諸元
階数 A・B棟:地上17階 地下1階
C・D棟:地上15階 地下1階
敷地面積 26,300.14 [1]
戸数 4棟1,487戸[1]
駐車台数 312台[1]
関連企業
設計 日建ハウジングシステム東急建設[1]
施工 東急建設[1]
デベロッパー 三井不動産レジデンシャル、三菱地所レジデンス、野村不動産、住友不動産、住友商事、東急不動産、東京建物、NTT都市開発、日鉄興和不動産、大和ハウス工業[1]
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中央東側の賃貸住宅の区画。 4棟、1,487戸。15階建て2棟、17階建て2棟。

SEA VILLAGE(4街区)

SEA VILLAGE
施設情報
所在地 東京都中央区晴海5
状態 整備中
用途 共同住宅(分譲)[1]
各種諸元
階数 A棟:地上18階 地下1階
B・C棟:地上14階 地下1階
D・E棟:地上18階 地下1階[1]
敷地面積 23,623.20 [1]
建築面積 7,891.20 [1]
延床面積 104,497.91 [1]
構造形式 A棟:鉄筋コンクリート造
B・C・D・E棟:鉄筋コンクリート造一部鉄骨造[1]
戸数 5棟686戸[1]
駐車台数 313台[1]
関連企業
設計 日本設計長谷工コーポレーション、光井純アンドアソシエーツ建築設計事務所(A・B・C棟デザインアーキテクト)、ケミカルデザイン一級建築士事務所(D・E棟デザインアーキテクト)日本設計(D・E棟デザインアーキテクト)[1]
施工 長谷工コーポレーション[1]
デベロッパー 三井不動産レジデンシャル、三菱地所レジデンス、野村不動産、住友不動産、住友商事、東急不動産、東京建物、NTT都市開発、日鉄興和不動産、大和ハウス工業[1]
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晴海運河に面する一番南側の街区。5棟、686戸。18階建て3棟、14階建て2棟。

SUN VILLAGE(5街区)

SUN VILLAGE
施設情報
所在地 東京都中央区晴海5
状態 整備中
用途 共同住宅(分譲)、店舗[1]
各種諸元
階数 A・B棟:地上14階 地下1階
C棟:地上16階 地下1階
D棟:地上14階 地下1階
E・F棟:地上18階 地下1階
T棟:地上50階 地下1階[1]
敷地面積 37,441.27 [1]
建築面積 10,627.53 [1]
※T棟除く
延床面積 223,604.77 [1]
構造形式 A・D棟:鉄筋コンクリート造
B・C・E・F棟:鉄筋コンクリート造一部鉄骨造[1]
戸数 7棟1,822戸[1]
駐車台数 831台[1]
関連企業
設計 三菱地所設計前田建設工業、光井純アンドアソシエーツ建築設計事務所(A・E・F・タワー棟デザインアーキテクト)、SUPPOSE DESIGN OFFICE(B・C棟デザインアーキテクト)、三菱地所設計(B・C棟デザインアーキテクト)、NAP建築設計事務所(D棟デザインアーキテクト)[1]
施工 前田建設工業[1]
デベロッパー 三井不動産レジデンシャル、三菱地所レジデンス、野村不動産、住友不動産、住友商事、東急不動産、東京建物、NTT都市開発、日鉄興和不動産、大和ハウス工業[1]
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北側の街区。タワー棟含め7棟、1,822戸。50階建て1棟、18階建て2棟、16階建て1棟、14階建て3棟。

PARK VILLAGE(6街区)

PARK VILLAGE
施設情報
所在地 東京都中央区晴海5
状態 整備中
用途 共同住宅(分譲)、店舗[1]
各種諸元
階数 A棟:地上14階 地下1階
B・C棟:地上18階 地下1階
D棟:地上14階 地下1階
E棟:地上16階 地下1階
F棟:地上14階 地下1階
T棟:地上50階 地下1階[1]
敷地面積 35,175.79 [1]
建築面積 8,554.44 [1]
※T棟除く
延床面積 209,389.26 [1]
構造形式 A・D棟:鉄筋コンクリート造
B・C・E・F棟:鉄筋コンクリート造一部鉄骨造[1]
戸数 7棟1,637戸[1]
駐車台数 758台[1]
関連企業
設計 日建ハウジングシステム三井住友建設、光井純アンドアソシエーツ建築設計事務所(A・B・C・タワー棟デザインアーキテクト)、NAP建築事務所(D棟デザインアーキテクト)、安田アトリエ(E・F棟デザインアーキテクト)[1]
施工 三井住友建設[1]
デベロッパー 三井不動産レジデンシャル、三菱地所レジデンス、野村不動産、住友不動産、住友商事、東急不動産、東京建物、NTT都市開発、日鉄興和不動産、大和ハウス工業[1]
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中央西側の街区。タワー棟含め7棟、1,637戸。50階建て1棟、18階建て2棟、16階建て1棟、14階建て3棟。

7街区

商業施設
店舗概要
所在地 東京都中央区晴海5
施設所有者 三井不動産
施設管理者 三井不動産
設計者 三井住友建設、建築設計事務所ランドアートラボ[1]
施工者 三井住友建設[1]
敷地面積 11,355.89 m²[1]
駐車台数 104台[1]
前身 選手村トレーニングセンター
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地上3階地下1階建ての選手村トレーニングセンターだった建物は[8]、三井不動産の商業施設に転用される。

学校用地

PORT VILLAGEの西側の選手食堂跡地には[8]、中央区が小中学校を建設し、2024年春の開校を予定する[3]

広場空間

同時に整備された晴海緑道公園と選手村の整備のため、2017年(平成29年)10月から休園していた晴海ふ頭公園は、2022年(令和4年)10月から開放される。

交通

JR私鉄の沿線から外れ、最寄りの地下鉄大江戸線勝どき駅まで徒歩で20分以上かかることから、当初それがネックだと見られていた[8]。そこで都は都営バスに加えてBRT(バス高速輸送システム・東京BRTが運行)を導入[8]2020年(令和2年)10月から虎ノ門 - 晴海間で運行を開始し、22年以降にルート豊洲市場有明東京国際展示場まで拡大させる[8]。また晴海フラッグでは都バスやBRTの複合ターミナルを設け、コミュニティサイクルカーシェアとの接続も視野に入れる[8]

脚注

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab ac ad ae af ag ah ai aj ak al am an ao ap aq ar as at au av aw 「HARUMI FLAG」『新建築』2019年9月号 p.199 - 200
  2. ^ a b c d e f g 「HARUMI FLAG」『新建築』2019年9月号 p.78 - 81
  3. ^ a b 「選手村マンション 入居遅れ 1年程度、契約者へ連絡」『読売新聞』27頁 2020年6月23日
  4. ^ HARUMI FLAGファクトブック
  5. ^ a b 「選手村マンション販売へ ハルミフラッグ 11月中旬から再開」『読売新聞』9頁 2021年6月26日
  6. ^ “不動産ニュース 「HARUMI FLAG」、11月販売の全631戸に申し込み”. 不動産流通研究所. (2021年12月2日). https://www.re-port.net/article/news/0000067585/ 2021年12月28日閲覧。 
  7. ^ 晴海五丁目西地区(選手村の整備)
  8. ^ a b c d e f g 「五輪選手村 晴海フラッグ 改修始動、水素・新交通、次世代の街 占う」『日経産業新聞』 2頁 2021年9月9日
  9. ^ “選手村用地「価格は適正」 東京五輪巡り住民敗訴”. 日本経済新聞. (2021年12月23日). https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUE237GX0T21C21A2000000/ 2021年12月28日閲覧。 
  10. ^ “選手村マンションの購入者、売り主を提訴 入居1年遅れ「説明ない」”. 朝日新聞デジタル. (2021年12月24日). https://www.asahi.com/articles/ASPDS53D1PDRUTIL04W.html?iref=pc_ss_date_article 2021年12月28日閲覧。 

参考文献

  • 『新建築』2019年9月号

関連項目

外部リンク