「日本における売買春」の版間の差分

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== 歴史 ==
== 歴史 ==
15世紀から、[[中国人]]、[[朝鮮人]]、その他の[[東アジア]]人の滞在客が日本の[[売春宿]]にしばしば訪れていた<ref>{{citation|title=Interracial Intimacy in Japan|first=Gary P.|last=Leupp|publisher=[[:en:Continuum International Publishing Group]] |year=2003|isbn=0-8264-6074-7|page=48}}</ref>。
15世紀から、[[中国人]]、[[朝鮮人]]、その他の[[東アジア]]人の滞在客が日本の[[売春宿]]にしばしば訪れていた<ref>{{citation|title=Interracial Intimacy in Japan|first=Gary P.|last=Leupp|publisher=[[:en:Continuum International Publishing Group|Continuum International Publishing Group]] |year=2003|isbn=0-8264-6074-7|page=48}}</ref>。


この慣習は後に、「[[西洋]]」からの訪問者(主に[[南アジア]]人「[[インド人水兵|ラスカー]]」と共に来る[[ヨーロッパ]]の商人)の間でも続いた<ref name=Leupp-49>{{citation|title=Interracial Intimacy in Japan|first=Gary P.|last=Leupp|publisher=[[:en:Continuum International Publishing Group]]|year=2003|isbn=0-8264-6074-7|page=49}}</ref>。これは、16世紀に[[ポルトガル]]の船が日本に到着した時から始まった。この時、地方の日本人は、[[ポルトガル人]]が[[天竺]]から来た人々であり、[[キリスト教]]は新たな「[[インドの宗教|インドの教義]]」であると推測した。これらの誤った思い込みは、[[ポルトガル東インド会社]]の拠点がインドの[[ゴア州]]にあり、ポルトガル船の乗組員の大部分が[[インドのキリスト教|インド人キリスト教徒]]であったためである<ref>{{citation|title=Interracial Intimacy in Japan|first=Gary P.|last=Leupp|publisher=[[:en:Continuum International Publishing Group]] |year=2003|isbn=0-8264-6074-7|page=35}}</ref>。ポルトガル人の訪問者および[[南アジア]]人、アフリカ人乗組員は、しばしば日本の奴隷制度に従事していた{{要出典|date=2020年2月}}。日本で、彼らは若い日本の女性や少女を買ったり攫ったり([[略取]]・[[誘拐]])したりして、ポルトガル船における[[性奴隷]]として使用したり、[[マカオ]]やその他の[[東南アジア]]や[[ポルトガルによるアメリカ大陸の植民地化|アメリカ大陸]]、[[ポルトガル領インド|インド]]の[[ポルトガル海上帝国|ポルトガル植民地]]に連れていったりした。これらの地域では、日本人奴隷とゴア州の商人のコミュニティーが17世紀初頭まで存在した<ref name=Leupp-52>{{citation|title=Interracial Intimacy in Japan|first=Gary P.|last=Leupp|publisher=[[:en:Continuum International Publishing Group]]|year=2003|isbn=0-8264-6074-7|page=52}}</ref>。後に[[オランダ東インド会社|オランダ]]や[[イギリス東インド会社|イギリス]]を含むヨーロッパの[[東インド会社]]が日本に訪問あるいは滞在する間に売買春に関与した<ref>{{citation|title=Interracial Intimacy in Japan|first=Gary P.|last=Leupp|publisher=[[:en:Continuum International Publishing Group]] |year=2003|isbn=0-8264-6074-7|page=50}}</ref>。
この慣習は後に、「[[西洋]]」からの訪問者(主に[[南アジア]]人「[[インド人水兵|ラスカー]]」と共に来る[[ヨーロッパ]]の商人)の間でも続いた<ref name="Leupp-49">{{citation|title=Interracial Intimacy in Japan|first=Gary P.|last=Leupp|publisher=[[:en:Continuum International Publishing Group|Continuum International Publishing Group]]|year=2003|isbn=0-8264-6074-7|page=49}}</ref>。これは、16世紀に[[ポルトガル]]の船が日本に到着した時から始まった。この時、地方の日本人は、[[ポルトガル人]]が[[天竺]]から来た人々であり、[[キリスト教]]は新たな「[[インドの宗教|インドの教義]]」であると推測した。これらの誤った思い込みは、[[ポルトガル東インド会社]]の拠点がインドの[[ゴア州]]にあり、ポルトガル船の乗組員の大部分が[[インドのキリスト教|インド人キリスト教徒]]であったためである<ref>{{citation|title=Interracial Intimacy in Japan|first=Gary P.|last=Leupp|publisher=[[:en:Continuum International Publishing Group|Continuum International Publishing Group]] |year=2003|isbn=0-8264-6074-7|page=35}}</ref>。ポルトガル人の訪問者および[[南アジア]]人、アフリカ人乗組員は、しばしば日本の奴隷制度に従事していた{{要出典|date=2020年2月}}。日本で、彼らは若い日本の女性や少女を買ったり攫ったり([[略取]]・[[誘拐]])したりして、ポルトガル船における[[性奴隷]]として使用したり、[[マカオ]]やその他の[[東南アジア]]や[[ポルトガルによるアメリカ大陸の植民地化|アメリカ大陸]]、[[ポルトガル領インド|インド]]の[[ポルトガル海上帝国|ポルトガル植民地]]に連れていったりした。これらの地域では、日本人奴隷とゴア州の商人のコミュニティーが17世紀初頭まで存在した<ref name="Leupp-52">{{citation|title=Interracial Intimacy in Japan|first=Gary P.|last=Leupp|publisher=[[:en:Continuum International Publishing Group|Continuum International Publishing Group]]|year=2003|isbn=0-8264-6074-7|page=52}}</ref>。後に[[オランダ東インド会社|オランダ]]や[[イギリス東インド会社|イギリス]]を含むヨーロッパの[[東インド会社]]が日本に訪問あるいは滞在する間に売買春に関与した<ref>{{citation|title=Interracial Intimacy in Japan|first=Gary P.|last=Leupp|publisher=[[:en:Continuum International Publishing Group|Continuum International Publishing Group]] |year=2003|isbn=0-8264-6074-7|page=50}}</ref>。


===江戸時代===
=== 江戸時代 ===
{{Unreferenced section|date=March 2012}}
{{Unreferenced section|date=March 2012}}
[[ファイル:1846 Yoshiwara map.jpg|thumb|right|300px|1846年の吉原の地図]]
[[ファイル:1846 Yoshiwara map.jpg|thumb|right|300px|1846年の吉原の地図]]
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[[売春婦]]や高級売春婦は[[遊女]]として許可され、[[花魁]]、[[太夫 (遊女)|太夫]]を頂点とする複雑な[[ヒエラルキー]]に基づいて順位付けされた。この地区は囲いに覆われ、[[課税]]および出入管理のために保護された。[[浪人]]は死に瀕した親類のもとを訪れる時と、年に一度の[[花見]]以外は、遊廓に立ち入ることも遊女を連れ出すことも許されなかった。
[[売春婦]]や高級売春婦は[[遊女]]として許可され、[[花魁]]、[[太夫 (遊女)|太夫]]を頂点とする複雑な[[ヒエラルキー]]に基づいて順位付けされた。この地区は囲いに覆われ、[[課税]]および出入管理のために保護された。[[浪人]]は死に瀕した親類のもとを訪れる時と、年に一度の[[花見]]以外は、遊廓に立ち入ることも遊女を連れ出すことも許されなかった。


===戦前===
=== 戦前 ===
[[幕末|開国]]および続く[[西洋化]]の波は日本の[[明治期]]に一連の変化をもたらした。日本の[[小説家]]、[[樋口一葉]]は、[[赤線]]地区における下層階級の売春婦の[[監禁]]や惨めな生活に注目し始めた。1872年(明治5年)、[[マリア・ルス号事件]]の結果として、[[明治政府]]は[[部落問題|部落民]]、[[売春婦]]、その他の[[役身折酬|奴隷労働]]の形を解放する新たな法律を作ることとなった<ref>Downer, Leslie, ''Women of the Pleasure Quarters: The Secret History of the Geisha'', Broadway,ISBN 0-7679-0490-7, page 97</ref>。この法律は[[芸娼妓解放令]]と名付けられた。1900年(明治33年)、[[内務省 (日本)|日本政府(内務省)]]は明治33年内務省令第44号として、売春婦の[[労働条件]]を規制する[[娼妓取締規則]]を発布した。
[[幕末|開国]]および続く[[西洋化]]の波は日本の[[明治期]]に一連の変化をもたらした。日本の[[小説家]]、[[樋口一葉]]は、[[赤線]]地区における下層階級の売春婦の[[監禁]]や惨めな生活に注目し始めた。1872年(明治5年)、[[マリア・ルス号事件]]の結果として、[[明治政府]]は[[部落問題|部落民]]、[[売春婦]]、その他の[[役身折酬|奴隷労働]]の形を解放する新たな法律を作ることとなった<ref>Downer, Leslie, ''Women of the Pleasure Quarters: The Secret History of the Geisha'', Broadway,ISBN 0-7679-0490-7, page 97</ref>。この法律は[[芸娼妓解放令]]と名付けられた。1900年(明治33年)、[[内務省 (日本)|日本政府(内務省)]]は明治33年内務省令第44号として、売春婦の[[労働条件]]を規制する[[娼妓取締規則]]を発布した。


1908年(明治41年)、[[内務省 (日本)|内務省]]は[[警察犯処罰令]](明治41年内務省令第16号)の下で、[[私娼]]による密売淫は[[罰則]]をもって禁止とした。
1908年(明治41年)、[[内務省 (日本)|内務省]]は[[警察犯処罰令]](明治41年内務省令第16号)の下で、[[私娼]]による密売淫は[[罰則]]をもって禁止とした。


====からゆきさん====
==== からゆきさん ====
{{Main|からゆきさん}}
{{Main|からゆきさん}}
「[[からゆきさん]]」(唐行きさん)は、19世紀後半に[[東アジア]]・[[東南アジア]]に渡って、[[娼婦]]として働いた日本人女性である。これらの女性の多くは[[熊本県]]の[[天草諸島]]の出身であると言われている<ref>Yamazaki, Tomoko, ''Sandakan Bordell Nr. 8,'' München 2005, ISBN 3-89129-406-9</ref>。天草諸島には長い間白い目で見られていた大きなキリスト教コミュニティーがあった。
「[[からゆきさん]]」(唐行きさん)は、19世紀後半に[[東アジア]]・[[東南アジア]]に渡って、[[娼婦]]として働いた日本人女性である。これらの女性の多くは[[熊本県]]の[[天草諸島]]の出身であると言われている<ref>Yamazaki, Tomoko, ''Sandakan Bordell Nr. 8,'' München 2005, ISBN 3-89129-406-9</ref>。天草諸島には長い間白い目で見られていた大きなキリスト教コミュニティーがあった。
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=== 戦後 ===
=== 戦後 ===
{{Main|特殊慰安施設協会|連合国軍占領下の日本における強姦}}
{{Main|特殊慰安施設協会|連合国軍占領下の日本における強姦}}
[[ファイル:Yasuura House.jpg|thumb|[[連合国軍占領下の日本]]における[[特殊慰安施設協会]]での[[GI (軍隊)|GI]]。]]
[[ファイル:Yasuura House.jpg|thumb|[[連合国軍占領下の日本]]における[[特殊慰安施設協会]]での[[GI (軍隊)|GI]]。]]


[[第二次世界大戦]]の敗戦直後、日本を占領する連合国軍([[連合国軍最高司令官総司令部|GHQ]])のための売春宿を組織するため、[[東久邇宮内閣]]によって[[特殊慰安施設協会]] (RAA) が設立された。1945年(昭和20年)8月19日、[[内務省 (日本)|内務省]]は「[[日本民族]]」の「純潔」を守るために連合国軍兵士のための売春業を設置するよう地方の役所に命じた。公式の募集では「『昭和のお吉』幾千人かの人柱の上に 狂瀾を阻む防波堤を築き、民族の純血を 百年の彼方に護持培養するとともに 戦後社会秩序の根本に 見えざる地下の柱たらんとす。」と述べられている<ref>Herbert Bix, ''Hirohito and the making of modern Japan'', 2001, p. 538, citing Kinkabara Samon and Takemae Eiji, ''Showashi: kokumin non naka no haran to gekido no hanseiki-zohoban'', 1989, p. 244.</ref>。こういったクラブは内閣審議官の[[児玉誉士夫]]と[[笹川良一]]によってすぐに設置された。
[[第二次世界大戦]]の敗戦直後、日本を占領する連合国軍([[連合国軍最高司令官総司令部|GHQ]])のための売春宿を組織するため、[[東久邇宮内閣]]によって[[特殊慰安施設協会]] (RAA) が設立された。1945年(昭和20年)8月19日、[[内務省 (日本)|内務省]]は「[[日本民族]]」の「純潔」を守るために連合国軍兵士のための売春業を設置するよう地方の役所に命じた。公式の募集では「『昭和のお吉』幾千人かの人柱の上に 狂瀾を阻む防波堤を築き、民族の純血を 百年の彼方に護持培養するとともに 戦後社会秩序の根本に 見えざる地下の柱たらんとす。」と述べられている<ref>Herbert Bix, ''Hirohito and the making of modern Japan'', 2001, p. 538, citing Kinkabara Samon and Takemae Eiji, ''Showashi: kokumin non naka no haran to gekido no hanseiki-zohoban'', 1989, p. 244.</ref>。こういったクラブは内閣審議官の[[児玉誉士夫]]と[[笹川良一]]によってすぐに設置された。
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1956年(昭和31年)5月24日、議会は[[売春防止法]](昭和31年法律第118号)を可決し、1958年(昭和33年)4月から施行された。売春防止法は、「対償を受け、又は受ける約束で、不特定の相手方と性交すること」を禁じた。これにより「赤線」および「青線」システムは消え、多くの有料性的サービスは警察組織が所管する「性的娯楽」法規([[風俗営業法]]等)の下での存続が許された(例: [[ソープランド]]、[[ファッションヘルス]])。
1956年(昭和31年)5月24日、議会は[[売春防止法]](昭和31年法律第118号)を可決し、1958年(昭和33年)4月から施行された。売春防止法は、「対償を受け、又は受ける約束で、不特定の相手方と性交すること」を禁じた。これにより「赤線」および「青線」システムは消え、多くの有料性的サービスは警察組織が所管する「性的娯楽」法規([[風俗営業法]]等)の下での存続が許された(例: [[ソープランド]]、[[ファッションヘルス]])。


==宗教==
== 宗教 ==
===神道===
=== 神道 ===
[[神道]]は[[性交]]を[[タブー]]とは見なさない。
[[神道]]は[[性交]]を[[タブー]]とは見なさない。


===仏教===
=== 仏教 ===
性交に関する[[仏教]]の教えは極めて保守的である。「中庸の教義を遵守している仏教は極端な禁欲あるいは極端な寛容さのどちらも主張しない」<ref name="accesstoinsight1">{{cite web|url=http://www.accesstoinsight.org/lib/authors/walshe/wheel225.html |title=Buddhism and Sex |publisher=Accesstoinsight.org |date=2011-06-16 |accessdate=2012-08-03}}</ref>。
性交に関する[[仏教]]の教えは極めて保守的である。「中庸の教義を遵守している仏教は極端な禁欲あるいは極端な寛容さのどちらも主張しない」<ref name="accesstoinsight1">{{cite web|url=http://www.accesstoinsight.org/lib/authors/walshe/wheel225.html |title=Buddhism and Sex |publisher=Accesstoinsight.org |date=2011-06-16 |accessdate=2012-08-03}}</ref>。


世俗的仏教徒に関しては、性交に関する特別なルールはない。しかし、いかなる[[オナニー|自慰]]行為も「不品行」であると見なされる<ref>{{cite web|url=http://buddhism.about.com/od/basicbuddhistteachings/a/sexbuddhism.htm |title=Sex and Buddhism - What Buddhism Teaches About Sex |publisher=Buddhism.about.com |date= |accessdate=2012-08-03}}</ref>。
世俗的仏教徒に関しては、性交に関する特別なルールはない。しかし、いかなる[[オナニー|自慰]]行為も「不品行」であると見なされる<ref>{{cite web|url=http://buddhism.about.com/od/basicbuddhistteachings/a/sexbuddhism.htm |title=Sex and Buddhism - What Buddhism Teaches About Sex |publisher=Buddhism.about.com |date= |accessdate=2012-08-03}}</ref>。


==売春防止法後の売買春==
== 売春防止法後の売買春 ==
===法律===
=== 法律 ===
1956年(昭和31年)制定の売春防止法の第三条では「何人も、売春をし、又はその相手方となつてはならない。」と記されているが、この行為については、罰則は定められていない。代わりに、人を売春の相手方となるように(公衆に知りえる様な形で)勧誘すること(法5条、法6条)、人に虚偽や困惑させる事態の提示をしたり、親族等の関係性による影響力を利用したり、[[脅迫]]又は[[暴行]]による強要によって売春をさせること(法7条(脅迫又は暴行による強要に該当する行為は他に[[刑法]][[b:刑法第223条|223条]][[強要罪]]にも該当))、他者に売春を行わせた者がその対償の全部又は一部を収受、又は要求し、若しくはそれらの約束をすること(法8条1項)、売春をした者に親族関係による影響力を利用して売春の対償の全部又は一部を要求すること(法8条2項)、売春をさせる目的で財産上の利益を供与すること(法9条)、人に売春をさせることを内容とする契約をすること(法10条)、売春を行う場所を提供すること(法11条)、売春をさせることを業とすること(法12条)、業に要する資金、土地又は建物を提供すること(法13条)、に罰則を定め禁じている[16]<ref>{{cite web|url=https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=331AC0000000118|title=売春防止法(昭和三十一年五月二十四日法律第百十八号)|work=e-Gov法令検索|publisher=法務省行政監理局|accessdate=2014-01-29}}</ref>。
1956年(昭和31年)制定の売春防止法の第三条では「何人も、売春をし、又はその相手方となつてはならない。」と記されているが、この行為については、罰則は定められていない。代わりに、人を売春の相手方となるように(公衆に知りえる様な形で)勧誘すること(法5条、法6条)、人に虚偽や困惑させる事態の提示をしたり、親族等の関係性による影響力を利用したり、[[脅迫]]又は[[暴行]]による強要によって売春をさせること(法7条(脅迫又は暴行による強要に該当する行為は他に[[刑法]][[b:刑法第223条|223条]][[強要罪]]にも該当))、他者に売春を行わせた者がその対償の全部又は一部を収受、又は要求し、若しくはそれらの約束をすること(法8条1項)、売春をした者に親族関係による影響力を利用して売春の対償の全部又は一部を要求すること(法8条2項)、売春をさせる目的で財産上の利益を供与すること(法9条)、人に売春をさせることを内容とする契約をすること(法10条)、売春を行う場所を提供すること(法11条)、売春をさせることを業とすること(法12条)、業に要する資金、土地又は建物を提供すること(法13条)、に罰則を定め禁じている[16]<ref>{{cite web|url=https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=331AC0000000118|title=売春防止法(昭和三十一年五月二十四日法律第百十八号)|work=e-Gov法令検索|publisher=法務省行政監理局|accessdate=2014-01-29}}</ref>。


売春防止法上の売春の定義では、「対償を受け、又は受ける約束で、不特定の相手方と'''性交'''すること」とされているため、[[オーラルセックス]]、[[パイズリ|乳房による刺激]]などの行為や、厳密には「性交」([[交尾]])とは分類されない[[アナルセックス]](その様な行為は性交類似行為と呼称される)などの多くの性行為を売る営業が合法的であるという解釈が可能となり、文言上・形式上では売春防止法での処罰対象には含まれないものとなっている<ref name=”naka”>{{Harvnb|中里見|2011}}</ref>。この点に関しては、第1条で示されている立法目的に鑑み、性交類似行為も売春防止法に実質的には反するものではないかという意見もある<ref name=”naka”/>。また、制定当時の立法の成立過程において、「性交類似行為」は第一義的に「[[男娼]]行為」(男性の売春者が男性の買春者と肛門性交を行なう売買春)が念頭におかれ、それが除外対象となり、「そもそも客に女性と性交類似行為しかさせない営業が当時存在しなかった」ために、「売春防止法の禁止対象に男女の性交類似行為が含まれなかった」経緯があるとされ、「規制対象から男女の性交類似行為を除外する何らかの根拠があって性交に限定されたのではない」という見解もある<ref name=”naka”/>。
売春防止法上の売春の定義では、「対償を受け、又は受ける約束で、不特定の相手方と'''性交'''すること」とされているため、[[オーラルセックス]]、[[パイズリ|乳房による刺激]]などの行為や、厳密には「性交」([[交尾]])とは分類されない[[アナルセックス]](その様な行為は性交類似行為と呼称される)などの多くの性行為を売る営業が合法的であるという解釈が可能となり、文言上・形式上では売春防止法での処罰対象には含まれないものとなっている<ref name="naka">{{Harvnb|中里見|2011}}</ref>。この点に関しては、第1条で示されている立法目的に鑑み、性交類似行為も売春防止法に実質的には反するものではないかという意見もある<ref name="naka"/>。また、制定当時の立法の成立過程において、「性交類似行為」は第一義的に「[[男娼]]行為」(男性の売春者が男性の買春者と肛門性交を行なう売買春)が念頭におかれ、それが除外対象となり、「そもそも客に女性と性交類似行為しかさせない営業が当時存在しなかった」ために、「売春防止法の禁止対象に男女の性交類似行為が含まれなかった」経緯があるとされ、「規制対象から男女の性交類似行為を除外する何らかの根拠があって性交に限定されたのではない」という見解もある<ref name="naka"/>。


そして、そうした売春防止法では形式上、処罰対象とはならない男女の性交類似行為の営業がその後に氾濫するようになってきたために、1948年(昭和23年)に[[風俗営業取締法]]が制定され、1985年(昭和60年)と1999年(平成11年)に改正された同法が、これらの性行為を売る商売を規制する方向となった<ref name=”naka”/>。
そして、そうした売春防止法では形式上、処罰対象とはならない男女の性交類似行為の営業がその後に氾濫するようになってきたために、1948年(昭和23年)に[[風俗営業取締法]]が制定され、1985年(昭和60年)と1999年(平成11年)に改正された同法が、これらの性行為を売る商売を規制する方向となった<ref name="naka"/>。


=== 種類 ===
=== 種類 ===
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[[東京都]][[新宿区]]の娯楽・赤線地帯である[[歌舞伎町]]の広さはわずか0.34&nbsp;km<sup>2</sup>であるが、およそ3千5百の性風俗店、ストリップ劇場、のぞき部屋、ソープランド、ポルノショップ、[[テレフォンクラブ]]、カラオケバーおよびクラブ等が存在する{{Citation needed|date=January 2011}}。[[警察庁]]の記録によれば、2012年(平成22年)に売春防止法違反で検挙された68人の外国人の内、56.4%が[[中国人]]、22.8%が[[韓国人]]、9.9%が[[タイ人]]、7.9%が[[台湾人]]であった<ref>{{cite web|url=http://www.npa.go.jp/sosikihanzai/kokusaisousa/kokusai/H24_rainichi.pdf |title=来日外国人犯罪の検挙状況 (平成24年)|author=警察庁刑事局組織犯罪対策部 国際捜査管理官|date=2013-03|accessdate=2014-01-29}}</ref>。中には同時に'''[[不法滞在|オーバーステイ]]'''が発覚することもある。
[[東京都]][[新宿区]]の娯楽・赤線地帯である[[歌舞伎町]]の広さはわずか0.34&nbsp;km<sup>2</sup>であるが、およそ3千5百の性風俗店、ストリップ劇場、のぞき部屋、ソープランド、ポルノショップ、[[テレフォンクラブ]]、カラオケバーおよびクラブ等が存在する{{Citation needed|date=January 2011}}。[[警察庁]]の記録によれば、2012年(平成22年)に売春防止法違反で検挙された68人の外国人の内、56.4%が[[中国人]]、22.8%が[[韓国人]]、9.9%が[[タイ人]]、7.9%が[[台湾人]]であった<ref>{{cite web|url=http://www.npa.go.jp/sosikihanzai/kokusaisousa/kokusai/H24_rainichi.pdf |title=来日外国人犯罪の検挙状況 (平成24年)|author=警察庁刑事局組織犯罪対策部 国際捜査管理官|date=2013-03|accessdate=2014-01-29}}</ref>。中には同時に'''[[不法滞在|オーバーステイ]]'''が発覚することもある。


==用語==
== 用語 ==
日本では性産業の[[婉曲法|婉曲]]表現としていくつかの用語が使用されている。
日本では性産業の[[婉曲法|婉曲]]表現としていくつかの用語が使用されている。
;[[売春]]
; [[売春]]
:文字通り「春を売る」あるいは「若さを売る」ことを意味するが、売春防止法といった法律の名称に含まれているように、現在は隠語としての機能はなく、対償を受け性交を行う行為を明確に指す。
: 文字通り「春を売る」あるいは「若さを売る」ことを意味するが、売春防止法といった法律の名称に含まれているように、現在は隠語としての機能はなく、対償を受け性交を行う行為を明確に指す。
;[[水商売]]
; [[水商売]]
:合法、違法、それらの境界を含む全ての娯楽産業を指す幅広い用語である。
: 合法、違法、それらの境界を含む全ての娯楽産業を指す幅広い用語である。
;[[風俗]]
; [[風俗]]
:意味は「一般市民の日常生活の特色や世相」であるが、性産業を具体的に指すために一般的に使われる。しかし、法的には[[ダンスホール]]や[[賭博]]なども示すため、性産業をより明確に表わすために「性風俗」という用語が代わりに使われる。
: 意味は「一般市民の日常生活の特色や世相」であるが、性産業を具体的に指すために一般的に使われる。しかし、法的には[[ダンスホール]]や[[賭博]]なども示すため、性産業をより明確に表わすために「性風俗」という用語が代わりに使われる。


== 人身売買 ==
== 人身売買 ==
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[[国連薬物犯罪事務所]](UNODC)の報告書によれば、日本は[[人身売買|人身取引]]の被害者の主要な目的地の一つである<ref>{{cite news|url=http://news.bbc.co.uk/2/hi/6497799.stm|publisher= BBC|title=UN highlights human trafficking |date=2007-03-26|accessdate=2014-01-29}}</ref>。
[[国連薬物犯罪事務所]](UNODC)の報告書によれば、日本は[[人身売買|人身取引]]の被害者の主要な目的地の一つである<ref>{{cite news|url=http://news.bbc.co.uk/2/hi/6497799.stm|publisher= BBC|title=UN highlights human trafficking |date=2007-03-26|accessdate=2014-01-29}}</ref>。


主に[[東アジア]]、[[東南アジア]]、[[東ヨーロッパ|東欧]]、[[ロシア]]、[[ラテンアメリカ]]からの女性、男性、子供が営利目的の性的搾取のために日本へ売買されている<ref>United States Department of State, Trafficking in Persons Report 2009 - Japan, 16 June 2009, available at: http://www.refworld.org/docid/4a4214b0c.html [accessed 29 January 2014] </ref>。
主に[[東アジア]]、[[東南アジア]]、[[東ヨーロッパ|東欧]]、[[ロシア]]、[[ラテンアメリカ]]からの女性、男性、子供が営利目的の性的搾取のために日本へ売買されている<ref>United States Department of State, Trafficking in Persons Report 2009 - Japan, 16 June 2009, available at: http://www.refworld.org/docid/4a4214b0c.html [accessed 29 January 2014]</ref>。


== 脚注 ==
== 脚注 ==
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== 推薦文献==
== 推薦文献 ==
{{refbegin|33em}}
{{refbegin|33em}}
* [[荒木経惟]]. ''Tokyo Lucky Hole''. Köln; New York: Taschen, 1997. ISBN 3-8228-8189-9. 768 pages. Black and white photographs of [[新宿区|Shinjuku]] sex workers, clients, and businesses taken 1983–5.
* [[荒木経惟]]. ''Tokyo Lucky Hole''. Köln; New York: Taschen, 1997. ISBN 3-8228-8189-9. 768 pages. Black and white photographs of [[新宿区|Shinjuku]] sex workers, clients, and businesses taken 1983–5.
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== 参考文献 ==
== 参考文献 ==
*{{Citation|和書|author=[[中里見博]]|date=2011|title=性風俗営業の人権侵害性:「性交類似行為」をさせる営業等の違法性に関する諸判決 |journal=行政社会論集 |issue=3|volume=23|pages=87-103|publisher=[[福島大学]]行政社会学会 |naid=40018945820 |ref={{Harvid|中里見|2011}}}}
* {{Citation|和書|author=[[中里見博]]|date=2011|title=性風俗営業の人権侵害性:「性交類似行為」をさせる営業等の違法性に関する諸判決 |journal=行政社会論集 |issue=3|volume=23|pages=87-103|publisher=[[福島大学]]行政社会学会 |naid=40018945820 |ref={{Harvid|中里見|2011}}}}


== 関連項目 ==
== 関連項目 ==
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* [[婦人補導院]]
* [[婦人補導院]]


==外部リンク==
== 外部リンク ==
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2020年9月19日 (土) 03:01時点における版

東京の吉原遊廓を描いたアンティーク葉書
1890年(明治23年)頃の日本における売春、日下部金兵衛撮影

日本における売買春(にほんにおけるばいばいしゅん)では、日本の歴史を通して存在している日本売買春について述べる。1956年昭和31年)に制定された売春防止法は「何人も、売春をし、又はその相手方となつてはならない」と定めているが、この法律の抜け道と厳格でない解釈、(主に警察による)ゆるい施行によって、国のGDPの0.4から0.5%に相当する年間推定2兆3千億にも上る性風俗関連特殊営業名目での性産業が許されている[要出典]

日本では、「性風俗関連特殊営業(=表向きの「性産業」)」は売買春と同義ではない。日本の法律が売買春を「対償を受け、又は受ける約束で、不特定の相手方と性交すること」(※注:ここで性交は性交類似行為を含まない。)と定義しているため(売春防止法2条)、ほとんどの性風俗店が(表向きには)性交を伴わないサービス(要するに性交類似行為等)のみを営業で提供している[1]

『Pink Box: Inside Japan's Sex Clubs』の著者であるジョアン・シンクレア(Joan Sinclair)は、日本の性産業は皮肉にも「セックス以外の想像できる限りの全てを提供している」と述べている[2]

歴史

15世紀から、中国人朝鮮人、その他の東アジア人の滞在客が日本の売春宿にしばしば訪れていた[3]

この慣習は後に、「西洋」からの訪問者(主に南アジア人「ラスカー」と共に来るヨーロッパの商人)の間でも続いた[4]。これは、16世紀にポルトガルの船が日本に到着した時から始まった。この時、地方の日本人は、ポルトガル人天竺から来た人々であり、キリスト教は新たな「インドの教義」であると推測した。これらの誤った思い込みは、ポルトガル東インド会社の拠点がインドのゴア州にあり、ポルトガル船の乗組員の大部分がインド人キリスト教徒であったためである[5]。ポルトガル人の訪問者および南アジア人、アフリカ人乗組員は、しばしば日本の奴隷制度に従事していた[要出典]。日本で、彼らは若い日本の女性や少女を買ったり攫ったり(略取誘拐)したりして、ポルトガル船における性奴隷として使用したり、マカオやその他の東南アジアアメリカ大陸インドポルトガル植民地に連れていったりした。これらの地域では、日本人奴隷とゴア州の商人のコミュニティーが17世紀初頭まで存在した[6]。後にオランダイギリスを含むヨーロッパの東インド会社が日本に訪問あるいは滞在する間に売買春に関与した[7]

江戸時代

1846年の吉原の地図

1617年江戸幕府は売買春を遊廓として知られる都市のはずれの特定の地域に制限する命令を出した。最も有名な遊廓は江戸(現在の東京)の吉原大坂新町京都嶋原である。

売春婦や高級売春婦は遊女として許可され、花魁太夫を頂点とする複雑なヒエラルキーに基づいて順位付けされた。この地区は囲いに覆われ、課税および出入管理のために保護された。浪人は死に瀕した親類のもとを訪れる時と、年に一度の花見以外は、遊廓に立ち入ることも遊女を連れ出すことも許されなかった。

戦前

開国および続く西洋化の波は日本の明治期に一連の変化をもたらした。日本の小説家樋口一葉は、赤線地区における下層階級の売春婦の監禁や惨めな生活に注目し始めた。1872年(明治5年)、マリア・ルス号事件の結果として、明治政府部落民売春婦、その他の奴隷労働の形を解放する新たな法律を作ることとなった[8]。この法律は芸娼妓解放令と名付けられた。1900年(明治33年)、日本政府(内務省)は明治33年内務省令第44号として、売春婦の労働条件を規制する娼妓取締規則を発布した。

1908年(明治41年)、内務省警察犯処罰令(明治41年内務省令第16号)の下で、私娼による密売淫は罰則をもって禁止とした。

からゆきさん

からゆきさん」(唐行きさん)は、19世紀後半に東アジア東南アジアに渡って、娼婦として働いた日本人女性である。これらの女性の多くは熊本県天草諸島の出身であると言われている[9]。天草諸島には長い間白い目で見られていた大きなキリスト教コミュニティーがあった。

「からゆきさん」として働くため海外へ渡った女性の多くは、貧困に喘ぐ農家漁師の家の娘であった。女性達を海外へ送った仲介者は貧しい農村地域の適当な年齢の娘を探し、「公的な職務のために海外へ連れていく」と伝え、親に対価を支払った。その後、仲介者は売春産業の人々に少女を売り渡した。そうした仲介者の中には得られた金銭で、海外で自身の売春宿を構えた者もいた[要出典]

明治の終わりは「からゆきさん」の黄金期であり、海外への航海にいった少女達は「女子軍」と愛情を込めて呼ばれた[要出典]。しかしながら、日本の国際化によって物事は変化し始め、程なくして「からゆきさん」は恥ずべきことと見なされた。1910年代および1920年代の間(明治43年~昭和4年)、海外の日本当局者は日本人売春宿を廃止し、日本の名声を保とうと熱心に取り組んだ[10][11]。日本人売春婦の多くは日本に戻ったが、一部は現地に残った。

太平洋戦争大東亜戦争)の後、「からゆきさん」は日本の戦前の恥部としてほとんど知られていなかった。しかし、1972年(昭和47年)に山崎朋子が『サンダカン八番娼館-底辺女性史序章』を出版したことで、「からゆきさん」への関心が高まり、さらなる研究および報告の後押しをした[要出典]

からゆきさんの主な目的地は中国香港フィリピンボルネオタイインドネシアなどである。彼女達はしばしば西洋の軍人および中国人の強い要求があったアジアの西洋諸国植民地に送られた[12]シベリア満州(現在の中国東北部)、ハワイ北米米国カリフォルニア)、アフリカザンビア)にまで送られた女性の例も存在する。

20世紀後半に日本で踊り子や歌手、ホステス、ストリッパーとして働いていたアジア人女性は「ジャパゆきさん」と呼ばれることがあり、議論の中心となってきている[要出典]

戦後

連合国軍占領下の日本における特殊慰安施設協会でのGI

第二次世界大戦の敗戦直後、日本を占領する連合国軍(GHQ)のための売春宿を組織するため、東久邇宮内閣によって特殊慰安施設協会 (RAA) が設立された。1945年(昭和20年)8月19日、内務省は「日本民族」の「純潔」を守るために連合国軍兵士のための売春業を設置するよう地方の役所に命じた。公式の募集では「『昭和のお吉』幾千人かの人柱の上に 狂瀾を阻む防波堤を築き、民族の純血を 百年の彼方に護持培養するとともに 戦後社会秩序の根本に 見えざる地下の柱たらんとす。」と述べられている[13]。こういったクラブは内閣審議官の児玉誉士夫笹川良一によってすぐに設置された。

連合国軍最高司令官 (SCAP) は1946年(昭和21年)に(RAAを含む)許可売春制度を廃止した。これによりいわゆる赤線が生まれ、このシステムの下で許可された夜の娯楽施設は、普通のディスコあるいはカフェのふりをして性的サービスを提供した。警察は伝統的に地図に赤い線を引くことでこういった施設の位置を管理していた。その他の地域では、いわゆる「青線」施設が、レストランバー、その他の管理がきつくない業種のふりをして性的サービスを提供した。東京で最も有名な赤線地区は台東区吉原および新宿区新宿二丁目であり、最も有名な青線地区は新宿区歌舞伎町であった。

1947年、婦女に売淫をさせた者等の処罰に関する勅令(昭和22年勅令第9号)が出され、売春婦として働くために女性を誘ったものが罰せられるようになったが、依然として売春そのものは合法であった。客引き売春婦に対してさらに法的な罰則を課すために、いくつかの法案が議会へ提出されたが、適切な刑罰の程度に関する論争によって可決されなかった。

1956年(昭和31年)5月24日、議会は売春防止法(昭和31年法律第118号)を可決し、1958年(昭和33年)4月から施行された。売春防止法は、「対償を受け、又は受ける約束で、不特定の相手方と性交すること」を禁じた。これにより「赤線」および「青線」システムは消え、多くの有料性的サービスは警察組織が所管する「性的娯楽」法規(風俗営業法等)の下での存続が許された(例: ソープランドファッションヘルス)。

宗教

神道

神道性交タブーとは見なさない。

仏教

性交に関する仏教の教えは極めて保守的である。「中庸の教義を遵守している仏教は極端な禁欲あるいは極端な寛容さのどちらも主張しない」[14]

世俗的仏教徒に関しては、性交に関する特別なルールはない。しかし、いかなる自慰行為も「不品行」であると見なされる[15]

売春防止法後の売買春

法律

1956年(昭和31年)制定の売春防止法の第三条では「何人も、売春をし、又はその相手方となつてはならない。」と記されているが、この行為については、罰則は定められていない。代わりに、人を売春の相手方となるように(公衆に知りえる様な形で)勧誘すること(法5条、法6条)、人に虚偽や困惑させる事態の提示をしたり、親族等の関係性による影響力を利用したり、脅迫又は暴行による強要によって売春をさせること(法7条(脅迫又は暴行による強要に該当する行為は他に刑法223条強要罪にも該当))、他者に売春を行わせた者がその対償の全部又は一部を収受、又は要求し、若しくはそれらの約束をすること(法8条1項)、売春をした者に親族関係による影響力を利用して売春の対償の全部又は一部を要求すること(法8条2項)、売春をさせる目的で財産上の利益を供与すること(法9条)、人に売春をさせることを内容とする契約をすること(法10条)、売春を行う場所を提供すること(法11条)、売春をさせることを業とすること(法12条)、業に要する資金、土地又は建物を提供すること(法13条)、に罰則を定め禁じている[16][16]

売春防止法上の売春の定義では、「対償を受け、又は受ける約束で、不特定の相手方と性交すること」とされているため、オーラルセックス乳房による刺激などの行為や、厳密には「性交」(交尾)とは分類されないアナルセックス(その様な行為は性交類似行為と呼称される)などの多くの性行為を売る営業が合法的であるという解釈が可能となり、文言上・形式上では売春防止法での処罰対象には含まれないものとなっている[17]。この点に関しては、第1条で示されている立法目的に鑑み、性交類似行為も売春防止法に実質的には反するものではないかという意見もある[17]。また、制定当時の立法の成立過程において、「性交類似行為」は第一義的に「男娼行為」(男性の売春者が男性の買春者と肛門性交を行なう売買春)が念頭におかれ、それが除外対象となり、「そもそも客に女性と性交類似行為しかさせない営業が当時存在しなかった」ために、「売春防止法の禁止対象に男女の性交類似行為が含まれなかった」経緯があるとされ、「規制対象から男女の性交類似行為を除外する何らかの根拠があって性交に限定されたのではない」という見解もある[17]

そして、そうした売春防止法では形式上、処罰対象とはならない男女の性交類似行為の営業がその後に氾濫するようになってきたために、1948年(昭和23年)に風俗営業取締法が制定され、1985年(昭和60年)と1999年(平成11年)に改正された同法が、これらの性行為を売る商売を規制する方向となった[17]

種類

吉原のソープランド街(2008年)

日本の性産業は様々な名称を用いる。ソープランドは、顧客が個人事業主の女性によって、石鹸で洗われサービスを受ける浴場である。ファッションヘルスおよびピンクサロンは名目上マッサージあるいは審美処理店(エステ)である。イメージクラブはテーマのある同様のマッサージあるいは審美処理店である。コールガールデリバリーヘルスシステムによって運営されている。フリーで売春を行う者は出会い系サイトによって潜在的な顧客と接触することができ、実際の売春行為は、法律上の問題を避けるための思惑により、「援助交際」等のようにある種の隠語をもって呼ばれるのが一般的である[18]

東京都新宿区の娯楽・赤線地帯である歌舞伎町の広さはわずか0.34 km2であるが、およそ3千5百の性風俗店、ストリップ劇場、のぞき部屋、ソープランド、ポルノショップ、テレフォンクラブ、カラオケバーおよびクラブ等が存在する[要出典]警察庁の記録によれば、2012年(平成22年)に売春防止法違反で検挙された68人の外国人の内、56.4%が中国人、22.8%が韓国人、9.9%がタイ人、7.9%が台湾人であった[19]。中には同時にオーバーステイが発覚することもある。

用語

日本では性産業の婉曲表現としていくつかの用語が使用されている。

売春
文字通り「春を売る」あるいは「若さを売る」ことを意味するが、売春防止法といった法律の名称に含まれているように、現在は隠語としての機能はなく、対償を受け性交を行う行為を明確に指す。
水商売
合法、違法、それらの境界を含む全ての娯楽産業を指す幅広い用語である。
風俗
意味は「一般市民の日常生活の特色や世相」であるが、性産業を具体的に指すために一般的に使われる。しかし、法的にはダンスホール賭博なども示すため、性産業をより明確に表わすために「性風俗」という用語が代わりに使われる。

人身売買

国連薬物犯罪事務所(UNODC)の報告書によれば、日本は人身取引の被害者の主要な目的地の一つである[20]

主に東アジア東南アジア東欧ロシアラテンアメリカからの女性、男性、子供が営利目的の性的搾取のために日本へ売買されている[21]

脚注

  1. ^ Hongo, Jun (2008年5月27日). “Law bends over backward to allow 'fuzoku'”. Japan Times. http://search.japantimes.co.jp/cgi-bin/nn20080527i1.html 2013年6月10日閲覧。 
  2. ^ Kelts, Roland. “Interview with photographer Joan Sinclair”. 2013年6月10日閲覧。
  3. ^ Leupp, Gary P. (2003), Interracial Intimacy in Japan, Continuum International Publishing Group, p. 48, ISBN 0-8264-6074-7 
  4. ^ Leupp, Gary P. (2003), Interracial Intimacy in Japan, Continuum International Publishing Group, p. 49, ISBN 0-8264-6074-7 
  5. ^ Leupp, Gary P. (2003), Interracial Intimacy in Japan, Continuum International Publishing Group, p. 35, ISBN 0-8264-6074-7 
  6. ^ Leupp, Gary P. (2003), Interracial Intimacy in Japan, Continuum International Publishing Group, p. 52, ISBN 0-8264-6074-7 
  7. ^ Leupp, Gary P. (2003), Interracial Intimacy in Japan, Continuum International Publishing Group, p. 50, ISBN 0-8264-6074-7 
  8. ^ Downer, Leslie, Women of the Pleasure Quarters: The Secret History of the Geisha, Broadway,ISBN 0-7679-0490-7, page 97
  9. ^ Yamazaki, Tomoko, Sandakan Bordell Nr. 8, München 2005, ISBN 3-89129-406-9
  10. ^ Mayumi Yamamoto, "Spell of the Rebel, Monumental Apprehensions: Japanese Discourses in Pieter Erberveld," Indonesia 77 (April 2004): 124–127
  11. ^ William Bradley Horton, "Comfort Women in Indonesia: A Consideration of the Prewar Socio-Legal Context in Indonesia and Japan." Ajiataiheiyotokyu 10 (2008): 144–146.
  12. ^ Books, UK: Google, (2003-08), ISBN 978-9971-69-267-4, http://books.google.com/?id=Eo_Hav3qHYEC&pg=PA87&dq=karayuki+chinese+european#v=onepage&q=karayuki%20chinese%20european&f=false 
  13. ^ Herbert Bix, Hirohito and the making of modern Japan, 2001, p. 538, citing Kinkabara Samon and Takemae Eiji, Showashi: kokumin non naka no haran to gekido no hanseiki-zohoban, 1989, p. 244.
  14. ^ Buddhism and Sex”. Accesstoinsight.org (2011年6月16日). 2012年8月3日閲覧。
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  17. ^ a b c d 中里見 2011
  18. ^ 1990年代前半からの宮台真司等による研究・発言により日本社会一般でこの言葉が広く周知されるに至った。(宮台真司#セクシュアリティ・結婚の項を参照のこと。)
  19. ^ 警察庁刑事局組織犯罪対策部 国際捜査管理官 (2013年3月). “来日外国人犯罪の検挙状況 (平成24年)”. 2014年1月29日閲覧。
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推薦文献

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参考文献

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関連項目

外部リンク