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* [http://webpages.dcu.ie/~applebyj/ms207/CNSRV1.pdf Continuous Random Variables.] John Appleby, School of Mathematical Sciences, Dublin City University.
* [http://webpages.dcu.ie/~applebyj/ms207/CNSRV1.pdf Continuous Random Variables.] John Appleby, School of Mathematical Sciences, Dublin City University.


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2019年1月2日 (水) 09:16時点における版

連続確率分布(れんぞくかくりつぶんぷ、: continuous probability distribution)は、確率論において、分布関数連続確率分布である。これはその確率分布の確率変数 X において、全ての実数 a について Pr[X = a] = 0 であることと同値である。すなわち、X が値 a を取る確率は、任意の a について 0 である。連続確率分布となるのは確率変数 X が連続型のときに限られる。

離散確率分布では確率 0 の事象は空事象、つまり起こらないことを意味する(例えばサイコロの目が3.5になる確率は 0)が、連続型確率変数ではこれは正しくない。例えば、ある木の葉っぱの幅を測るとして、それが3.5cmとなることもありうるが、その確率は 0 である。何故なら3cmと4cmの間には無限に多数の値があるためであり、個々の値が測定できる確率はゼロだが、ある区間の値となる確率は 0 ではない。パラドックスのように見えるが、X が区間のような無限集合内の何らかの値を取る確率は、個々の確率値を単純に加算することでは求められない(積分法)。形式的には、それぞれの値をとる確率は無限に小さく、これは統計学的には 0 に等しい。

絶対連続性との比較

分布関数が「連続」であるという用語は、「ルベーグ測度に対して絶対連続」という意味で使われることもある。σ-有限である確率空間において、確率分布可測関数ルベーグ積分で表されるための必要十分条件は、分布関数 FX絶対連続であることである(ラドン=ニコディムの定理)。このときのラドン=ニコディム微分を確率密度関数という。確率分布 PX が絶対連続であるとは、ルベーグ測度0部分集合 N をとる確率が 0 である。

ルベーグ測度が 0 の非可算な集合(たとえばカントール集合)も存在するため、分布関数が連続(つまり、任意の実数 a について Pr[X = a] = 0)であっても絶対連続でない例が存在する。

カントール分布は(本来の意味では)連続だが、絶対連続ではない。

実際の応用においては、確率変数は離散的な場合も絶対連続な場合も、それらの混合の場合もある。しかし、カントール分布は離散的でも離散分布と絶対連続分布の重み付き平均でもない。

正規分布連続一様分布ベータ分布ガンマ分布は、絶対連続分布としてよく知られている。正規分布は、中心極限定理があるため、自然界や統計ではよく現れる。多数の小さな独立変数の総和としてモデル化できる変数は総じて、正規分布に近似できる。

外部リンク