光原百合
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光原 百合 (みつはら ゆり) | |
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誕生 |
1964年5月6日 日本・広島県尾道市 |
死没 |
2022年8月24日(58歳没) 日本・広島県尾道市潮見町 |
職業 | 小説家 |
国籍 | 日本 |
活動期間 | 1989年 - 2022年 |
ジャンル | 推理小説、絵本、詩、翻訳 |
代表作 | 『十八の夏』(2002年) |
主な受賞歴 | 日本推理作家協会賞短編部門(2002年) |
デビュー作 | 詩集『道 - LA STRADA』(1989年) |
ウィキポータル 文学 |
光原 百合(みつはら ゆり、1964年5月6日[1] - 2022年8月24日[2])は、日本の小説家、児童文学作家、翻訳家。本名同じ。尾道市立大学芸術文化学部日本文学科教授[3]。絵本・詩・翻訳も手掛けている。日本推理作家協会会員[1]、本格ミステリ作家クラブ会員。
来歴
[編集]広島県尾道市出身[1]。1982年広島県立尾道東高等学校卒業[3]。1986年大阪大学文学部文学科卒業、1996年同大学院博士後期課程単位取得満期退学[3]。
1980年代から「詩とメルヘン」に投稿を続けて童話や詩集を発表し、1990年代からは吉野桜子名義で推理小説の短編も発表していた。1998年、『時計を忘れて森へいこう』で推理小説界に公式デビューした。以降、寡作ではあるが日常の謎系の推理作品を発表し続け、2002年には短編小説「十八の夏」で第55回日本推理作家協会賞短編部門を受賞した[4]。その頃より演劇にも興味を持ち、『最後の願い』の舞台として小劇団をとりあげている。
尾道短期大学講師、同助教授、尾道大学芸術文化学部講師、尾道市立大学芸術文化学部日本文学科教授[3][5]。英語を教えるほか、専門演習などで創作指導をし、推理小説研究部の顧問として後進を指導した[3]。
作品
[編集]小説
[編集]単行本
[編集]- 時計を忘れて森へいこう(1998年4月 東京創元社 / 2006年6月 創元推理文庫)
- 遠い約束(2001年3月 創元推理文庫)
- 十八の夏(2002年8月 双葉社 / 2004年6月 双葉文庫 / 2016年8月 双葉文庫【新装版】)※日本推理作家協会賞受賞作「十八の夏」を含む。
- 収録作品:十八の夏 / ささやかな奇跡 / 兄貴の純情 / イノセント・デイズ
- 最後の願い(2005年2月 光文社 / 2007年10月 光文社文庫)
- 銀の犬(2006年7月 角川春樹事務所 / 2008年5月 ハルキ文庫)
- 橋を渡るとき(2008年11月 岩崎書店 現代ミステリー短編集)※「紅迷宮」、「時計を忘れて森へ行こう」、「十八の夏」からの選集
- 収録作品:兄貴の純情 / 橋を渡るとき / 時計を忘れて森へいこう 第1話
- イオニアの風(2009年8月 中央公論新社 / 2015年4月 中公文庫)
- 扉守 潮ノ道の旅人(2009年11月 文藝春秋 / 2012年8月 文春文庫)
- 収録作品:帰去来の井戸 / 天の音、地の声 /扉守 / 桜絵師 / 写想家 / 旅の編み人 / ピアニシモより小さな祈り
- やさしい共犯、無欲な泥棒 珠玉短篇集(2023年7月 文春文庫)
- 収録作品:黄昏飛行 / 黄昏飛行 涙の理由 / 不通 / 花散る夜に / やさしい共犯 / 無欲な泥棒──関ミス連始末記 / 花吹雪 / 弥生尽の約束 / 何もできない魔法使い
アンソロジー収録短編
[編集]「」内が光原百合の作品
- 本格推理6 悪意の天使たち(1995年5月 光文社文庫)「やさしい共犯」※吉野桜子名義
- 本格推理9 死角を旅する者たち(1996年12月 光文社文庫)「無欲な泥棒-関ミス連始末記」※吉野桜子名義
- 本格推理12 盤上の散歩者たち(1998年7月 光文社文庫)「消えた指輪」
- 自選ショートミステリー2 ミステリー傑作選・特別編(6)(2001年10月 講談社文庫)「花影」
- 紅迷宮 ミステリーアンソロジー(2002年6月 祥伝社文庫)「橋を渡るとき」
- ザ・ベストミステリーズ 2002 推理小説年鑑(2002年7月 講談社)「十八の夏」
- 【分冊・改題】トリック・ミュージアム ミステリー傑作選(2005年8月 講談社文庫)
- あのころの宝もの ほんのり心が温まる12のショートストーリー(2003年3月 メディアファクトリー)
- 【改題】ありがと。 あのころの宝もの十二話(2004年10月 MF文庫ダ・ヴィンチ)「届いた絵本」
- 翠迷宮 ミステリーアンソロジー(2003年6月 祥伝社文庫)「わが麗しのきみよ……」
- 事件を追いかけろ(2004年12月 光文社 カッパ・ノベルス / 2009年4月 光文社文庫)「花をちぎれないほど…」
- 小説 ルパン三世(2005年2月 フタバノベルス / 2011年6月 双葉文庫)「1-1=1」
- 尾道草紙(2006年2月 尾道大学創作民話の会)「雁木の夢」
- 嘘つき。 やさしい嘘十話(2006年9月 MF文庫ダ・ヴィンチ)「木漏れ陽色の酒」
- 尾道草紙2(2007年3月 尾道大学創作民話の会)「花吹雪」
- 別冊尾道草紙 尾道ベッチャー祭り二百年記念号(2007年10月 尾道大学創作民話の会)「帰省」「帰郷」
- 新・本格推理 特別編 不可能犯罪の饗宴(2009年3月 光文社文庫)「花散る夜に」
- 事件の痕跡(2007年12月 光文社 カッパ・ノベルス / 2012年4月 光文社文庫)「希望の形」
- STORY BOX vol.02 内閣(2009年9月 小学館)「不通」
- STORY BOX vol.07 異境 - vol.08 息子(2010年2月 - 3月 小学館)「相棒」
- スタートライン 始まりをめぐる19の物語(2010年4月 幻冬舎文庫)「帰省」
- ミステリ・オールスターズ(2010年9月 角川書店 / 2012年9月 角川文庫)「かえれないふたり 第二章 失われた記憶」※リレー小説
- エール! 2(2013年4月 実業之日本社文庫)「黄昏飛行」
- かみのらぼ Vol.1(2013年7月 尾道市立大学芸術文化学部)「王様の耳はロバの耳異聞」
- アンソロジー 捨てる(2015年11月 文藝春秋)「戻る人形」「ツバメたち」「バー・スイートメモリーへようこそ」「夢捨て場」
- 尾道草紙11(2016年3月 尾道市立大学創作民話の会)「弥生尽の約束」
- 3時のおやつ ふたたび(2016年2月 ポプラ文庫)※エッセイアンソロジー「砂糖なしで和スイーツ」
- 毒殺協奏曲(2016年6月 原書房 / 2019年1月 PHP文芸文庫)「三人の女の物語」
- アンソロジー 隠す(2017年2月 文藝春秋 / 2019年11月 文春文庫)「アリババと四十の死体」「まだ折れていない剣」
- 惑―まどう― アンソロジー(2017年7月 新潮社 / 2022年2月 実業之日本社文庫)「ヘンゼルと魔女」「赤い椀」「喫茶マヨイガ」
- 推理作家謎友録 日本推理作家協会70周年記念エッセイ(2017年8月 角川文庫)※エッセイアンソロジー「最初の一歩」
- 尾道草紙13(2018年3月 尾道市立大学創作民話の会)「浄土寺の願掛け石」
- 怪を編む ショートショート・アンソロジー(2018年4月 光文社文庫)「夕暮れ色のビー玉」
- 小津安二郎 大全(2019年3月 朝日新聞出版)「昔も今もほろ苦い」※論考
- 平成怪奇小説傑作集〈2〉(2019年9月 創元推理文庫)「帰去来の井戸」
- アンソロジー 初恋(2019年12月 実業之日本社文庫)「黄昏飛行 涙の理由」
- 11の秘密 ラスト・メッセージ(2021年12月 ポプラ社)「黄昏飛行 時の魔法編」
- 絶対名作! 十代のためのベスト・ショート・ミステリー 涙と笑いのミステリー(2022年2月 汐文社)「橋を渡るとき」
- おいしい旅 想い出編(2022年7月 角川文庫)「旅の始まりの天ぷらそば」
絵本
[編集]- やさしいひつじかい(1992年10月 女子パウロ会) - 絵:佐々木洋子
- 風の交響楽(シンフォニー)(1996年3月 女子パウロ会 / 2019年5月 女子パウロ会【改訂】) - 影絵:藤城清治
- 空にかざった おくりもの(1998年5月 女子パウロ会) - 絵:牧野鈴子
- ほしのおくりもの クリスマスどうわ(1999年10月 女子パウロ会) - 絵:牧野鈴子
- 星月夜の夢がたり(2004年5月 文藝春秋 / 2007年10月 文春文庫)- 絵:鯰江光二 ※掌編 (著者の定義ではメルヘン) 32編を本文とする絵本
- 虹のまちの想い出(2011年4月 PHP研究所) - 絵:鯰江光二、演奏:小原孝 ※ウィリアム・ギロックの叙情小曲集24曲ほか1曲(CDつき)を題材とする掌編25編を本文とする絵本
詩集
[編集]- 道 LA STRADA(1989年8月 女子パウロ会) - 絵:黒井健
- 詩集 木洩れ日は いのちのしずく(2008年11月 女子パウロ会)
エッセイ
[編集]その他
[編集]- ポップスで学ぶ英語(2000年8月 溪水社)
翻訳
[編集]- あのほしについていこう(1995年5月 女子パウロ会) - 著:リンダ・パリー、絵:アラン・パリー
- ノアのはこぶね(1996年8月 女子パウロ会) - 著:リンダ・パリー、絵:アラン・パリー
- 祈りの泉 365のことば(1998年7月 女子パウロ会) - 編著:ジーン・ヒントン
監修
[編集]- 尾道草紙(2006年2月 - 尾道大学創作民話の会、尾道市立大学創作民話の会)
編纂
[編集]- おのみち怪談(2018年4月 本分社) - 監修:東雅夫
- おのみち怪談2(2021年4月 本分社) - 監修:東雅夫
映像化作品
[編集]- 十八の夏(2006年7月17日 TBS)
海外への翻訳
[編集]中国大陸(簡体字)
[編集]- 十八之夏(刊行予定、吉林出版集团有限责任公司) - 十八の夏
台灣(正體字)
[編集]- 十八之夏(2006、尖端出版社) - 十八の夏
番組出演
[編集]- 喜助・栗助よもやま噺 キスクリ 2016年4月15日配信回[9]
脚注
[編集]出典
[編集]- ^ a b c “会員名簿 光原百合|日本推理作家協会”. 2023年7月8日閲覧。
- ^ “作家・光原百合氏ご逝去”. 東京創元社. 東京創元社 (2022年8月29日). 2023年7月8日閲覧。
- ^ a b c d e “光原百合 | 尾道市立大学”. 2023年7月8日閲覧。
- ^ “2002年 第55回 日本推理作家協会賞|日本推理作家協会”. 2023年7月8日閲覧。
- ^ “教員総覧 | 尾道市立大学”. 2020年6月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年5月21日閲覧。
- ^ “作家、尾道市立大教授の光原百合さん死去”. 産経新聞 (産経新聞社). (2022年8月29日) 2023年7月8日閲覧。
- ^ “推理作家協会賞 光原百合さん(みつはら・ゆり=尾道市立大教授、作家)”. 中國新聞デジタル. (2022年8月29日) 2023年7月8日閲覧。
- ^ 光原百合「〈エッセイ〉ラフカディオ・ハーンから小泉八雲へ」『尾道文学談話会会報』第6号、尾道市立大学芸術文化学部日本文学科、2016年2月4日、1-6頁、doi:10.18899/bun.06.06、ISSN 2185-2456。
- ^ 喜助・栗助よもやま噺 キスクリ 2016年4月15日配信回[リンク切れ]
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- おさんぽ尾道
- 光原百合 (@mitsuharayuri) - X(旧Twitter)
- 光原百合さんインタビュー - エフエムおのみちWeb - archive.today(2013年6月25日アーカイブ分)