Fライナー

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Fライナー
シンボルマーク
(上)「Fライナー」ロゴマーク (下)「Fライナー」で運用中の東京メトロ10000系 (東武東上線 東松山駅 - 高坂駅間)
(上)「Fライナー」ロゴマーク
(下)「Fライナー」で運用中の東京メトロ10000系
東武東上線 東松山駅 - 高坂駅間)
概要
日本の旗 日本
種類 急行列車(和光市 - 渋谷間)
快速急行列車(飯能 - 小竹向原間、小川町 - 和光市間)
特急列車(渋谷 - 元町・中華街間)
現況 運行中
地域 東京都埼玉県神奈川県
運行開始 2016年3月26日
運営者 東武鉄道西武鉄道東京メトロ東急電鉄横浜高速鉄道
路線
起点 小川町駅森林公園駅飯能駅小手指駅
終点 元町・中華街駅
営業距離 80.9 km (50.3 mi)(飯能 - 元町・中華街間)
101.3 km (62.9 mi)(小川町 - 元町・中華街間)
使用路線 東武鉄道:東上線
西武鉄道:池袋線西武有楽町線
東京メトロ:副都心線
東急電鉄:東横線
横浜高速鉄道:みなとみらい線
車内サービス
座席 全車自由席
技術
車両 #使用車両の項を参照
軌間 1067 mm
電化 直流1,500V
ルート番号 SI(飯能 - 練馬 - 小竹向原間)
TJ(小川町・森林公園 - 和光市間)
F(和光市 - 小竹向原 - 渋谷間)
TY(渋谷 - 横浜間)
MM(横浜 - 元町・中華街間)
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Fライナー(エフライナー、F-liner)は、横浜高速鉄道東急電鉄東京地下鉄(東京メトロ)・東武鉄道または西武鉄道の4社間で直通運転する列車のうち、各路線を日中の最速達種別で運行する列車に設定される列車種別である[1][2]2016年3月26日から案内を開始した。

本愛称は東京地下鉄・東武鉄道・西武鉄道・東京急行電鉄[注 1]・横浜高速鉄道の5社名義で商標登録された(第5885630号)[3]

概要[編集]

「Fライナー」の愛称は以下の2系統の列車に対して付与される。

列車種別は運行会社毎に異なり、境界駅で種別変更される[2]。その愛称は、「特急 スーパーくにびき」などのように種別名の直後に呼称されるのではなく、「Fライナー ○○」のように種別名の直前に呼称される(例:副都心線内 → Fライナー 急行 元町・中華街行き、東横線内 → Fライナー 特急 森林公園行き)。

  1. 西武線系統(飯能駅小手指駅所沢駅 - 元町・中華街駅間)
  2. 東武東上線系統(小川町駅森林公園駅 - 元町・中華街駅間)
    • 東武東上線 - 快速急行
    • 東京メトロ副都心線 - 急行
    • 東急東横線・横浜高速鉄道みなとみらい線 - 特急

ただし、8両編成の列車、和光市駅始終着の列車、みなとみらい線に入らずに横浜駅で折り返す列車、日吉駅から東急新横浜線を経由して相模鉄道に直通する列車など、西武線または東武線 - みなとみらい線を結ぶ列車以外は、これらの種別・停車駅を満たしていても「Fライナー」を名乗らない。

「Fライナー」の愛称は、

  • 速達性をイメージした「Fast
  • 相互直通運転を行う5社「Five
  • 副都心「Fukutoshin

これらの共通となる頭文字「F」に由来し、ロゴマークにも「F」が使用される。

運行時間帯は、副都心線基準で平日A線[注 2]は9:50 - 16:50、平日B線は10:00 - 17:10、土休日A線は8:10 - 19:15、土休日B線は6:50 - 17:30である。

基本的な運行パターンとしては、副都心線・東横線・みなとみらい線内では毎時4本15分間隔で、池袋線系統・東上線系統が交互に運転される。

東武東上線では森林公園駅発着、西武池袋線では小手指駅発着がそれぞれ30分間隔で設定されている。

2022年3月12日ダイヤ改正より、西武線飯能発着は平日はすべて、土休日は一部を除き小手指発着に短縮し、同時間帯では1時間2本とも小手指までの運行となる[注 3][4]

なお、ベルーナドームにて野球の試合やイベントが行われる場合は、小手指駅行きの一部列車が西武線内快速の西武球場前駅行きに変更される。この場合はひばりヶ丘駅から先の停車駅が変わる[注 4]ため、同駅始発の快速急行小手指駅行きに接続するが、いずれの列車も「Fライナー」としての案内はされない。

東武東上線では、地下鉄直通列車では初の優等列車であり、2016年3月25日までの川越市駅発着の列車を森林公園駅発着に変更して運転されている。東武東上線内発着の列車種別はFライナー設定に伴い普通から急行に変更されたため、所要時間が短縮された。2023年3月18日のダイヤ改正では、東上線内の種別が急行から快速急行に変更され、ふじみ野駅志木駅が停車駅から外れた[5]

土休日の朝に1往復のみ運転されている、元町・中華街発の小川町行きとその折り返しが最長運転距離を誇り、その距離は101.3 kmである。

沿革[編集]

  • 2016年平成28年)3月26日 - 愛称の使用開始。
  • 2020年令和2年)3月16日 - 西武有楽町線の新桜台駅が快速急行通過駅となったため、Fライナーも通過するようになる。
  • 2022年(令和4年)3月12日 - 西武線直通のFライナーの日中1時間あたりのパターンが飯能発着1本・小手指発着1本から小手指発着2本に短縮。
  • 2023年(令和5年)3月18日 - Fライナーの東武東上線内の種別が急行から快速急行に変更。志木・ふじみ野の両駅が通過駅となる。

使用車両[編集]

いずれも10両編成。8両編成の車両は代走時およびダイヤ乱れ時を除き使用されない。

現在の使用車両[編集]

過去の使用車両[編集]

停車駅[編集]

凡例
●:停車、∥:経由しない
東武東上線 - 東急東横線みなとみらい線系統
東武東上線小川町駅 - 和光市駅東京メトロ副都心線和光市駅 - 渋谷駅、東急東横線渋谷駅 - 横浜駅・みなとみらい線横浜駅 - 元町・中華街駅[7][8]
西武線 - 東急東横線・みなとみらい線系統
西武池袋線飯能駅 - 練馬駅西武有楽町線練馬駅 - 小竹向原駅・東京メトロ副都心線小竹向原駅 - 渋谷駅・東急東横線渋谷駅 - 横浜駅・みなとみらい線横浜駅 - 元町・中華街駅[9]
会社名 路線名 駅名 西武線
系統
東武東上線
系統
西武鉄道 池袋線 飯能駅
入間市駅
小手指駅
所沢駅
ひばりヶ丘駅
石神井公園駅
練馬駅
西武有楽町線
東武鉄道 東上本線 小川町駅
武蔵嵐山駅
つきのわ駅
森林公園駅
東松山駅
高坂駅
北坂戸駅
坂戸駅
若葉駅
鶴ヶ島駅
霞ヶ関駅
川越市駅
川越駅
朝霞台駅
和光市駅
東京地下鉄 副都心線
小竹向原駅
池袋駅
新宿三丁目駅
明治神宮前駅
渋谷駅
東急電鉄 東横線
中目黒駅
自由が丘駅
武蔵小杉駅
菊名駅
横浜駅
横浜高速鉄道 みなとみらい線
みなとみらい駅
元町・中華街駅
停車駅の変遷
  • 2020年3月13日までは、西武有楽町線の練馬駅 - 小竹向原駅間にある新桜台駅にも停車していた。
  • 2023年3月17日までは、東武東上線内は急行運転だったため、ふじみ野駅志木駅にも停車していた。

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 現在は、東急の100%子会社である東急電鉄に継承されている。
  2. ^ 副都心線は和光市駅が起点、渋谷駅が終点であるため、和光市駅から渋谷駅方面へ向かう列車は「A線」、渋谷駅から小竹向原駅・和光市駅方面に向かう列車は「B線」と称される。
  3. ^ これとは別にごく一部のみ所沢発着が設定されている。なお、所沢発着のFライナーは2019年ダイヤ改正より設定。
  4. ^ 新桜台駅にも追加して停車するので、同駅がFライナー通過駅となった2020年3月15日以降は厳密には小竹向原駅から停車駅が変わる。
  5. ^ 基本的に50番台のみ(0番台は50番台および6000系運用の代走のみ)。

出典[編集]

  1. ^ 新愛称「Fライナー」、メトロ副都心線系統に来春導入」『乗り物ニュース』メディア・ヴァーグ、2015年12月18日。2024年2月12日閲覧。
  2. ^ a b 副都心線で運転する、速達性の高い直通列車の愛称名を『Fライナー』といたします。”. 東京メトロ (2015年12月18日). 2024年2月12日閲覧。
  3. ^ 商標登録第5885630号特許情報プラットフォーム
  4. ^ 2022年3月12日(土) ダイヤ改正を実施します” (PDF). 西武鉄道 (2021年12月17日). 2022年1月16日閲覧。
  5. ^ 2023年3月18日(土)ダイヤ改正を実施します』(PDF)(プレスリリース)東武鉄道、2022年12月16日https://www.tobu.co.jp/cms-pdf/releases/20221216095003CgiPlyiMuAYy0ETMej1V2g.pdf2024年2月12日閲覧 
  6. ^ イカロス出版「西武鉄道 1985-2020」 p.84
  7. ^ 5社直通最速電車Fライナー登場”. 電車の旅 東武沿線情報 (2016年3月). 2020年2月10日閲覧。
  8. ^ 東武東上線 路線図・駅情報”. 東武鉄道 (2019年3月). 2020年2月10日閲覧。
  9. ^ 駅の情報・路線図”. 西武鉄道. 2024年2月12日閲覧。

関連項目[編集]