Cuphead

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Cuphead
Cuphead promo logo ddwtd.png
ロゴ
ジャンル アクションシューティング
対応機種 Windows 10
Xbox One
macOS
Nintendo Switch
開発元 StudioMDHR
発売元 StudioMDHR
プロデューサー
  • マリヤ・モルデンハウアー
  • ライアン・モルデンハウアー
ディレクター
  • チャド・モルデンハウアー
  • ジャレド・モルデンハウアー
デザイナー ジャレド・モルデンハウアー[1]
シナリオ エヴァン・スコルニク
プログラマー
  • エリック・ビリングスリー
  • ケジア・アダモ
  • トニー・コクラッジ
  • トマス・プリード
音楽 クリストファー・マディガン
美術 チャド・モルデンハウアー[1]
人数 1-2人
メディア ダウンロード
発売日 世界の旗 2017年9月29日
[Mac]2018年10月19日
[Switch]世界の旗 2019年4月18日
対象年齢 CEROA(全年齢対象)
ESRBE10+(10歳以上)
ダウンロード
コンテンツ
The Delicious Last Course[2]
エンジン Unity
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Cuphead』(カップヘッド)は、カナダインディーゲームデベロッパー・StudioMDHRにより開発された2Dアクションシューティングゲーム。ストーリー展開はオリジナルなものであるが、全体的には1930年代を中心とするアメリカン・アニメーションの黄金時代アニメーション映画モチーフとしており、ギャグ絵本などの要素も取り入れられている[3]

本作は2017年9月29日よりMicrosoft Windows 10Xbox One向けにリリースされた[3]。レトロで可愛らしい絵柄の反面、難易度が高いことで人気を博し、初販売から2週間以内の販売数は100万本を上回り[4]、2017年12月までの販売数は既に200万を超えた[5]2018年10月19日にはmacOS版が発売。2019年4月18日にはNintendo Switch版が発売。併せて他機種でも日本語に対応する[6]

概要[編集]

本作はカップ頭の兄弟である2人の少年・カップヘッドマグマンを主人公としており、プレイヤーはカップヘッドたちを操作しゲームを進む(1人プレイの時の主人公はカップヘッドで、2人プレイの時に1P側はカップヘッド、2P側はマグマンを使用することになる)。グラフィックスは1930年代のアニメーション映画をイメージしており、手描き・手塗りの作風、コミカルで激しく動くキャラクターたち、豊かでユーモラスなキャラクターの表情のほかに、黄ばんだフィルムにかかったホコリシミなどの模様、映写機から発した独特なノイズ音、ジャスブルース風などのBGM挿入歌を使用するような工夫も施される[3]

ゲーム全体は「インクウェル島」I~III(Inkwell Isle)及び「インクウェルヘル」(Inkwell Hell)の4つのエリアに分けられ、ステージはマップ上の様々な場所に分布している。ステージはボス戦だけの「ボスステージ」、雑魚キャラとゴールドコインが多数存在する「ラン&ガンステージ」及び聖杯を狙うオバケを撃退して「必殺技」を獲得する「霊廟ステージ」の3種類が存在し、さらにボスステージの中には「地上ステージ」と「飛行機ステージ」の2種類がある。ステージクリアにより橋などの通路が出現しマップ上での移動範囲が広くなり、1エリア内の霊廟ステージ以外の全てのステージをクリアしないと次のエリアに進むことはできない。霊廟ステージ以外をクリアする時に「ゲーム時間」「スキルレベル」などのデータ及びプレイヤーのランキングが表示され、最終ボスのデビルとの対決の前提である「タマシイの契約書」をもらえる(難易度が「シンプル」以外を選択した場合)。マップ上には様々なキャラクターがあり、彼らとの会話などによりヒントやゴールドコインなどを獲得することができる。また、各エリア内に「ポークリンド雑貨店」があり、そこでゴールドコインを使い、様々なアイテムを購入することができる。購入したアイテムを装備することにより、体力値が増えたり、様々な形態の弾を発射することができる。弾を発射する以外に、「パリィ」(Parry)という特殊なスキルがある。ピンク色の物に対してパリィすることや敵を倒すことにより、必殺技ゲージのカードが貯まり、それを使って様々な必殺技を発動することができる。

全体的にボスステージが約75%を占め[7]、その中、敵からの攻撃も密集しているため、難易度が高いゲームと見なされる。ボスたちは体力の下落に伴い、第二・第三の形態へ次々と変身し、攻撃の仕方も変わる。各ステージの難易度について、1周目に各ステージに「シンプル」と「レギュラー」の2種類があり、2周目以降は「エキスパート」を選択することもできる。ただし「シンプル」を選択する場合はステージクリアしても「タマシイの契約書」をもらうことができない。ステージ内でミスするたび、体力値が1つ減少し、残りの体力値は左下と右下にある体力値の欄で「HP. X」の形で反映される。ステージ内に体力を回復させるアイテムが存在しないので、死亡する場合、1人プレイの時はステージの最初からやり直さないといけないが、2人プレイの場合は片方が死亡しても継続となり、一定の時間内なら生存しているプレイヤーにより復活させることもできる。全てのプレイヤーの体力値がなくなると「YOU DIED!」の文字が出現し、直後に敵キャラの一言と各プレイヤーの進捗状況が表示される。また、ライフ設定が存在しないため、同じステージで何度死んでも次のステージの体力値に影響することはない。

本作のキャッチコピーは「Don't Deal with the Devil」(悪魔と取引するな)。エンディングにはデビルとの決戦があるハッピーエンドとデビルとの決戦がないバッドエンドの2種類があり、最終ステージ冒頭のプレイヤーの選択により分かれる。

本作のダウンロードコンテンツ「The Delicious Last Course」が2020年に配信予定[8]

ストーリー[編集]

Don't Deal with the Devil
むかしむかし、インクウェル島という魔法の島に、カップヘッドマグマンという2人の兄弟とケトルじいさんが暮らしていた。ある日、2人はケトルじいさんの忠告を破り、デビルのカジノに入ってしまう。
そこで連勝し、気を良くしているとオーナーであるデビルが現れ、「もし自身との賭けに勝てたらこのカジノの金品は全てくれてやる。ただしお前たちが負けたらタマシイを頂く」と賭けを持ちかけられる。
金に目が眩んだカップヘッドはサイコロを振ってしまい、賭けに負けてしまう。何か別の方法で支払いができないかと命乞いする2人にデビルは、「明日の夜12時までにカジノから逃げ出した債務者全員のタマシイを取り立てろ」と命じた。
デビルにカジノから追い出された2人は大急ぎでケトルじいさんの元へと向かい、自分たちの命を賭けた大冒険へと旅立つ。
The Delicious Last Course
インクウェル島とは別の島に訪れたカップヘッドとマグマンが、新たな仲間であるミス・チャリスと共にシェフ・ソルトベイカーに協力する[2]

登場キャラクター[編集]

主要キャラクター[編集]

カップヘッド(Cuphead)
本作の主人公で、頭部がマグカップの少年。赤い鼻を持ち、頭の赤いストローが曲がっている。長袖の黒いシャツと赤いハーフパンツを着ており、両手に白い手袋をはめている。ボス戦が始まる前にパンツを引き上げるような動作をする。
賭けを持ちかけたデビルの言葉に目が眩んで負けてしまい、マグマンと債務者のタマシイの取り立てに行くことになる。
マグマン(Mugman)
カップヘッドの弟。頭の青いストローが真っすぐであり、青い鼻はカップヘッドより大きい。長袖の黒いシャツと青いハーフパンツを着ており、兄と同様に白い手袋をはめている。2Pプレイの時、2P側はこのキャラクターを使う。ボス戦が始まる前にストローを引っ張って頭の液体を飲むような動作をする。
賭けには乗り気ではなかったが、金に目が眩んだカップヘッドがサイコロを振ってしまい、自身も泣く泣くカップヘッドと債務者のタマシイの取り立てに行くことになる。
ケトルじいさん(Elder Kettle)
体全体がケトルである、杖をついた老人。いつもカップ頭の兄弟を見守っている。
デビルの賭けに負けた兄弟に魔法の水を与え、自身はデビルに対抗する術を捜索するため助力する。
伝説の聖霊チャリス(Legendary Chalice)/ミス・チャリス(Ms. Chalice)
聖杯の姿をした精霊。霊廟ステージのオバケを退治した後にテーブルの上に置かれる聖杯から出現し、カップヘッドたちに新しい必殺技を与える。
「The Delicious Last Course」では、ミス・チャリスとしてカップヘッド兄弟に同行する[2]
ポークリンド(Porkrind)
各エリアにあるポークリンド雑貨店の店主で、黒い眼帯を着用したブタの男性。
シェフ・ソルトベイカー(Chef Saltbaker)
「The Delicious Last Course」に登場する塩入り瓶のシェフ[2]

デビルのカジノ[編集]

デビル(The Devil)
「インクウェルヘル」にあるデビルのカジノのオーナー。2本の角が生える黒い毛むくじゃらの風貌を持つ。カップヘッドたちが自身の持ちかけた賭けに負けた後、彼らに命を助ける代わりに他の債務者たちのタマシイを取り立てろと命じた。
キングダイス(King Dice)
デビルの側近で、「インクウェルヘル」にあるデビルのカジノの支配人。頭はサイコロそのものであり、紫色のタキシードと大きな蝶ネクタイを着用する。各エリアの最後のチェックポイントに出現し、カップヘッドたちの仕事の進み具合をチェックする。9組の手下がいる。
ビンカラトリオ(Tipsy Troop)
マティーニが入ったカクテルグラスウイスキーガラス瓶ラム酒を注いだタンブラーグラスの3体からなるお酒の兵隊。
チップス・ベティガン(Chips Bettigan)
積み上げた11個のカジノチップ。テンガロンハットをかぶっている。
ミスター・スモーキー(Mr. Wheezy)
巨大な葉巻。灰皿から出現する。
ピップ&ドット(Pip and Dot)
ブランコをこぐドミノの夫婦。
ウサダ二世(Hopus Pocus
シルクハットの中から出現する白ウサギマジシャン
フィアーラップ(Phear Lap)
空飛ぶ円盤に乗る競走馬の骸骨。
ピルーエッタ(Pirouletta)
ルーレットバレリーナ。絶えずにバレエを踊る。
マンゴスチン(Mangosteen)
空を飛ぶビリヤードの8番ボール。口と目がある。
ミスター・チャイムズ(Mr. Chimes)
クレーンゲームのクレーンにぶら下がるサルのぬいぐるみ。手にシンバルを持っている。

債務者たち[編集]

インクウェル島Iのボス達
コンサイ一家(The Root Pack)
畑に出現する怒りんぼポテトのモータト、泣き虫オニオンのウィーピー、サイキッカーニンジンのサイコキャロットからなる根菜3人組。
プルプ・ル・グラン(Goopy Le Grande)
水滴の形をしたスライムに似た生き物。跳ね回りながら移動し、ボクシンググローブのような形になって殴りつけてくる。
一定のダメージを与えると薬剤を飲み、巨大化する。さらに一定のダメージを与えると死亡し、墓に潰されるが、その墓が動いて攻撃を仕掛けてくる。
ヒルダ・バーグ(Hilda Berg)
空を飛ぶツェッペリンの魔女。一輪車に乗り、雲を纏う事で星座の元となる存在の姿に変わる。追い込まれると巨大な月に姿を変える。
キャグニー・カーネーション(Cagney Carnation)
2枚の手の形の葉っぱを持つカーネーション。初見は可愛らしい姿だが、戦闘になると体が刺々しく、目つきが悪くなり凶暴になる。
地中に根っこが張っているため移動できないが、マシンガンや二本足になるなど姿がめまぐるしく変わる。
追い込まれると地中の根っこを地上に出し、行動を大きく制限させてくる。
リビー&クロークス(Ribby and Croaks)
カエルボクサーの兄弟。
いつも2匹が一緒で行動し、それぞれ違う攻撃を同時に仕掛け、追い詰めて行くと合体し巨大なスロットマシーンになる。
このキャラクターはチャドがシリー・シンフォニーの『子守歌』からアイデアを得ており、多くのモーションはストリートファイターシリーズに出てくるキャラクターをオマージュしている[要出典]
インクウェル島IIのボス達
レディ・ボンボン(Baroness Von Bon Bon)
生きているお菓子の城「Whippet Creampup(ホイペット・クリームパップ)」の女主人。キャンディケインから発砲したり、何度も再生できる首を投げつけてくる。ゴブストッパーキャンディコーンマフィンガムボールマシン、ワッフルの5人の手下がいる。
道化師ベッピ(Beppi The Clown)
遊園地の中に住むピエロ。甲高い笑い声の持ち主で、様々な遊具に乗ったり変身したりして攻撃する。
大魔神ジーミ(Djimmi The Great)
空を飛ぶアラブ人風のランプの精のような魔人。頭にターバンを巻いている。エジプトの墓に変身したり、カップヘッドを模した巨大な人形を操ったり、巨大化して襲い掛かる。
グリム・マッチスティック(Grim Matchstick)
高い塔に棲むドラゴン。火を噴き出すことができるがその影響で口内を火傷している為、どもりがちな喋り方をする。追い込まれると首が3つに増える。
このキャラクターはチャドが「『ロックマン2 Dr.ワイリーの謎』のメカドラゴンへのオマージュを込めている」とインタビューで語っている[要出典]
オオトリ・ワシノスケ(Wally Warbles)
鳩時計に住むオスの鳥。卵を吐いたり、顔を指に変えて銃弾を3発を放つなど激しい猛攻を仕掛ける。頭脳派な息子が1羽いる。息子を倒されても、重傷を負ってナースの恰好をした鳥に担架で運ばれながらも、戦闘を継続する。
インクウェル島IIIのボス達
ルーモア・ハニーボトムズ(Rumor Honeybottoms)
蜂の巣会社の社長である女王蜂。魔法で攻擊したり、自身に催眠術をかけて戦闘機へ変身することで襲い掛かる。配下にミツバチの警備員と多数の蜂の会社員がいる。
塩ひげ船長(Captain Brineybeard)
大きな船に乗る海賊。口笛でイカサメを呼ぶことができる。
舞台女優サリー(Sally Stageplay)
金髪の舞台女優。日傘を持っている。
ヴェルナー伍長(Werner Werman)
ドイツ訛りの軍事マニアのネズミ空き缶で作られた戦車を操縦する。
カール博士のロボット(Dr. Kahl's Robot)
巨大な鉄鋼製のロボット。カール博士はその頭の中から全身を操縦し、ロボットの体内から様々な武器を放出する。
カラ・マリア(Cala Maria)
海から出現する巨大な人魚。髪はタコである。海に潜って大きな魚を持ち出したり、タツノオトシゴハリセンボンなどを呼び出してくる。戦闘が進むとメドゥーサのような姿になり、石化攻撃をするようになる。
幽列車(Phantom Express)
死者だけを運ぶ列車。最後尾からの順に4体の怪物が棲んでいる。
ブラインド・スペクター
最後尾車両に潜む幽霊。頭の真ん中に穴が空いているのに対し、手のひらに目玉がある。
ティー・ボーン
車掌帽をかぶったがしゃどくろ。頭とその両手が車両の屋根を破って出現する。
ブレイズブラザーズ
ろくろ首のような一対のピストンが車両の屋根を破って出現する。稲妻を吐き出す。
ヘッド・オブ・ザ・トレイン
朧車のように、顔が付いた蒸気機関車。通常はただの機関車として幽列車を牽引しているが、戦闘時は客車を切り離して4本の足を伸ばし、動物のように走って追ってくる。

ステージ構成[編集]

インクウェル島1
野原や森林が広がるエリア。カップヘッドとマグマンが住む家がある。
  • ボタニカル・パニック(Botanic Panic)
  • 悪だくみのぬかるみ(Ruse of an Oose)
  • 危険なツェッペリン(Threatenin Zeppelin)
  • 烈花の如く(Floral Fury)
  • ふっかけ酒場の大乱闘(Clip Joint Calamity)
  • 森の迷宮(Forest Follies)
  • 樹上迷惑(Treetop Trouble)
  • 霊廟I(Mausoleum I.)
インクウェル島2
訪れる者を楽しませる遊園地のエリア。
  • お菓子の国のシェイクダンス(Sugarland Shimmy)
  • お祭り騒ぎ大騒ぎ(Carnival Kerfuffle)
  • 魔のピラミッド(Pyramid Peril)
  • ワクワク火あそび(Fiery Frolic)
  • 鳥獄事件!(Aviary Action)
  • 遊園地フィーバー(Funfair Fever)
  • びっくりハウスでフラフラ(Funhouse Frazzle)
  • 霊廟II(Mausoleum II.)
インクウェル島3
建物が立ち並ぶ都会のエリア。
  • 蜂の巣新聞社(Honeycomb Herald)
  • 撃ち放題盗り放題(Shootin N' Lootin)
  • 劇場の激情(Dramatic Fanatic)
  • チュウ兵隊(Murine Corps)
  • 踊る廃品工場(Junkyard Jive)
  • 潮騒ぎ空騒ぎ(High Seas Hi-Jinx)
  • 怒りのレイルロード(Railroad Wrath)
  • デコボコ山脈(Rugged Ridge)
  • ピア・サッカーナ(Perilous Piers)
  • 霊廟III(Mausoleum III.)
インクウェルヘル
デビルが経営する「デビルのカジノ」があるエリア。
  • 賭けの行方(All Bets are Off)
  1. カジノチップ
  2. 葉巻
  3. ドミノ
  4. トランプ
  5. 競馬
  6. ルーレット
  7. ビリヤード
  8. クレーンゲーム+神経衰弱
  • ワン・ヘル・オブ・ア・タイム(One Hell of a Time)

開発[編集]

本作はカナダ人の兄弟、チャド・モルデンハウアーとジャレッド・モルデンハウアーによるゲームデベロッパー・スタジオMDHRの最初の作品であり[9]、アニメーション効果を製作した時はジェイク・クラークも参加した。2010年ごろから、オークビル及びレジャイナにある兄弟それぞれの家で、Unity上で開発され始めた[10][11][12][13]。本作はフライシャーウォルト・ディズニーのアニメ映画及びアブ・アイワークスグリム・ナットウィックウィラード・ボウスキーという3人のアニメーターの作品からインスパイアを得られた。[9]チャドはフライシャー・スタジオを「自分のアート・スタイルの磁北極」と評価し、特に同スタジオの「破壊的かつ超現実主義的な」要素を模倣したと思われる。[14]

モルデンハウアー兄弟は少年時代に、レジャイナの家でVHSなどで1930年代のカートゥーンを多く見たことがあった。2人はこれに着想を得、2000年に本作に似たようなゲームを開発しようとしたが、必要なツールがないため続けなかった。しかし、2010年にリリースされた『Super Meat Boy英語版』の大成功を受け、2人は再び挑戦し始めた。カップヘッドの原型は1936年の日本のアニメ映画、『オモチャ箱シリーズ第3話 絵本一九三六年』に登場したの頭を持ち、戦車に変身した男に由来すると思われる。モルデンハウアー兄弟によると、彼らはこのキャラクターに奇妙な感じを覚え、「これだ」とこのアニメを熱心に研究した[14]。カップ頭の主役を決めた前に、2人はシルクハットをかぶるカッパ頭、の頭やフォーク頭などを含め、約150種類のキャラクターを作り出し、その中から選ぼうと言われる[14]

本作のアニメーション技法は1930年代のアニメ映画そのものに酷似しており、アニメーションのフレームレートも24fpsとされているが、ゲームプレイのフレームレートは60fpsである[14]。兄弟のうち、チャドは過去にグラフィックデザイナーの仕事をしたことがあるので、彼は手作業でこのゲームのアニメーション水彩画風の背景を描き、そしてAdobe Photoshopで色付けをした[15]。一方、ジャレッドは主に作画以外の部分に取り組むが、チャドとゲームプレイのデザインについて議論することはよくある。また、兄弟はスタジオを立ち上げた後、ルーマニアからゲームクリエーターブルックリンからアニメーターをそれぞれ1人雇った。そして1930年代に開発されることをほうふつさせるために、地元のオンタリオの1人のジャズ・ミュージシャンの曲をアナログ方式録音した[14]

モルデンハウアー兄弟によると、本作はプロットよりもゲームプレイに重点を置かれたため、難しい「レトロゲーム」のコアを有している[9]。『Kill Screen』は本作のクリエーターたちを「アニメーション・裏技当たり判定というシューティングゲームの基本原理に執着している」と評価した[10]。開発プロセスにおいては、開発者たちは足場の端でのゲームプレイがどのように進めることや、プレイヤーがミスをした後の無敵時間の長さなど、多くのゲームプレイ要素に対して改訂を行なった[14]。また、クリエーターたちはステージに3つの難易度設定を可能にし、さらに伝統的な「DID」なプロットを放棄し、カップヘッド自分自身が全てのトラブルを起こすようなストーリー展開にした[9]。本作は将来、ボス戦の数を30以上にする計画があり、現在のギネス世界記録に記載される「1つのシューティングゲーム内にあるボス戦の数」である25を破ろうとしている[16]。なお、限られた人数と資金でゲームの制作ビジュアルデザインを完成させるのはStudioMDHRの最大の課題であったため、モルデンハウアー兄弟は自分たちの家を抵当に入れ、融資をしたこともあった[17][18]

評価・受賞[編集]

映画・ゲームなどのレビューサイトであるMetacriticによると、本作は主にポジティブな評価を受けていることがわかっている[19][20]。また、いくつのメディアからも、本作の難しさがうかがえる[21][22]

評価
集計結果
媒体結果
Metacritic(PC) 89/100[19]
(XONE) 87/100[20]
レビュー結果
媒体結果
Destructoid9.5/10[23]
Electronic Gaming Monthly9.5/10[24]
GameSpot8/10[25]
GamesRadar+5/5stars[26]
Giant Bomb5/5stars[27]
IGN8.8/10[28]
PC Gamer US86/100[29]
Polygon8.5/10[30]
VideoGamer.com8/10[31]
年度 カテゴリ 結果 参考資料
2017 ゴールデンジョイスティックアワード ベストビジュアルデザイン 受賞 [32]
ベストXboxゲーム 受賞
ザ・ゲームズ・アワーズ2017 ベストアートディレクション 受賞 [33][34]
ベストインディーズゲーム 受賞
ベストデビューインデーズゲーム 受賞
IGNベスト・オブ・2017賞 ベストXbox Oneゲーム 受賞 [35][36]
ベストアートディレクション 受賞

出典[編集]

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  1. ^ a b Cuphead Team”. StudioMDHR. 2017年12月24日閲覧。
  2. ^ a b c d 高難易度アクションゲーム『Cuphead』向けのDLCが発表。新プレイアブルキャラクターに“聖杯”の女の子を迎え、新たなボスたちと戦う”. AUTOMATON (2018年6月11日8時15分). 2018年6月12日閲覧。
  3. ^ a b c 『Cuphead』プレイインプレッション カートゥーンアニメーションと絶妙な難易度の高さでプレイヤーの心を惹きつける”. ファミ通.com (2017年10月11日). 2017年12月24日閲覧。
  4. ^ Wales, Matt (2017年10月13日). “Cuphead has sold over 1 million copies in the two weeks since it launched”. Eurogamer. 2017年12月24日閲覧。
  5. ^ Cuphead Goes Double Platinum!”. studiomdhr.com. StudioMDHR. 2017年12月24日閲覧。
  6. ^ 『Cuphead(カップヘッド)』のNintendo Switch版が日本語対応して4月18日に配信決定、同日には他機種版も無料アップデートで日本語化などに対応”. ファミ通.com (2019年3月21日). 2019年3月21日閲覧。
  7. ^ FAQ: Cuphead”. StudioMDHR. 2017年12月26日閲覧。
  8. ^ 『カップヘッド』追加DLC“The Delicious Last Course”は2020年配信”. 電撃オンライン (2019年7月2日11時30分). 2019年7月22日閲覧。
  9. ^ a b c d Suszek, Mike (2014年1月4日). “1930s cartoon-inspired Cuphead targeting late 2014 on PC”. Joystiq. AOL Tech. 2017年12月24日閲覧。
  10. ^ a b Purdom, Clayton (2014年7月3日). “Cuphead is roughly 40% done, but hey, it’s gonna be a trilogy”. Kill Screen. 2014年8月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年12月25日閲覧。
  11. ^ Gilbert, Ben (2014年7月10日). “Cuphead: Bringing 1930s style to 21st century games”. Engadget. AOL Tech. 2017年12月25日閲覧。
  12. ^ Dornbush, Jonathon (2016年10月11日). “1930年代のカートゥーン風プラットフォーマー「Cuphead」が2017年に延期”. IGN. Ziff Davis. 2017年12月26日閲覧。
  13. ^ StudioMDHR”. cupheadgame.com. 2017年12月24日閲覧。
  14. ^ a b c d e f Purdom, Clayton (2014年7月14日). “Where Did Cuphead Come From?”. Kill Screen. 2014年8月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年12月26日閲覧。
  15. ^ Callaham, John (2016年4月13日). “Check out how the Cuphead team brings its animations to life”. Windows Central. Windows Central. 2017年12月26日閲覧。
  16. ^ Pitcher, Jenna (2014年6月9日). “Cuphead is a game. Watch it, view it”. Polygon. Vox Media. 2017年12月26日閲覧。
  17. ^ Fillari, Alessandro (2017年11月11日). “How Cuphead's Devs Gambled On A Dream”. GameSpot. 2017年12月26日閲覧。
  18. ^ Alexandra, Heather (2017年11月3日). “Cuphead Developers Talk Cut Bosses And What's In The Cups”. Kotaku. 2017年12月26日閲覧。
  19. ^ a b Cuphead for PC Reviews”. Metacritic. 2017年12月24日閲覧。
  20. ^ a b Cuphead for Xbox One Reviews”. Metacritic. 2017年12月24日閲覧。
  21. ^ White, Sam (2017年10月9日). “Cuphead review: come for the 1930s visuals, stay for the hard-earned thrills” (英語). The Guardian. Guardian Media Group. 2017年12月24日閲覧。
  22. ^ Webster, Andrew (2017年10月3日). “Cuphead, Ruiner, and the joy of really hard games”. The Verge. Vox Media. 2017年12月24日閲覧。
  23. ^ Makendonski, Brett (2017年9月29日). “Review: Cuphead”. Destructoid. 2017年12月24日閲覧。
  24. ^ Carsillo, Ray (2017年10月4日). “Cuphead review”. Electronic Gaming Monthly. 2017年12月24日閲覧。
  25. ^ Brown, Peter (2017年9月29日). “Cuphead Review”. GameSpot. 2017年12月24日閲覧。
  26. ^ Sullivan, Lucas (2017年9月29日). “Cuphead review: 'Stands tall among the best 2D shooters of all time'”. GamesRadar. 2017年12月24日閲覧。
  27. ^ Pack, Ben (2017年10月12日). “Review: Cuphead”. Giant Bomb. 2017年12月24日閲覧。
  28. ^ Skrebels, Joe (2017年10月2日). “Cuphead review”. IGN. 2017年12月24日閲覧。
  29. ^ Schilling, Chris (2017年10月2日). “Cuphead review”. PC Gamer. 2017年12月24日閲覧。
  30. ^ Plante, Chris (2017年9月29日). “Cuphead review”. Polygon. 2017年12月24日閲覧。
  31. ^ Ahern, Colm (2017年10月2日). “Cuphead review”. VideoGamer.com. 2017年12月24日閲覧。
  32. ^ VideoGamer.com staff (2017年11月17日). “Zelda: Breath of the Wild & Horizon: Zero Dawn among big Golden Joysticks winners”. VideoGamer.com. 2017年12月24日閲覧。
  33. ^ Makuch, Eddie (2017年11月14日). “All The 2017 Game Awards Nominees”. GameSpot. 2017年11月18日閲覧。
  34. ^ Grubb, Jeff (2017年12月8日). “Cuphead wins its biggest prize: the praise of Canadian prime minister Justin Trudeau”. Venture Beat. 2017年12月8日閲覧。
  35. ^ Best of 2017 Awards: Best Xbox One Game”. IGN. 2017年12月24日閲覧。
  36. ^ Best of 2017: Best Art Direction”. IGN. 2017年12月24日閲覧。

外部リンク[編集]