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トルク

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

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古典力学

運動の第2法則
歴史英語版
固定された回転軸をもつ系に対して、力を作用させた時の物理量の関係。力のモーメント と位置ベクトル と力 との関係(上の式)、および角運動量 と位置ベクトル と運動量 との関係(下の式)。

トルク英語: torque)とは、力学において、ある固定された回転軸を中心にはたらく、回転軸の周りの力のモーメントである。一般的には「ねじりの強さ」として表される。力矩ねじりモーメントとも言う。

概要

トルクは、距離ベクトル積)で表される量(モーメント)である。力の単位はN(ニュートン)だが、トルクの単位はN・m(ニュートンメートル)である。トルクは主に工学の分野、特にエンジン電動機発電機タービンなどの機械機械工学などの分野で用いられることが多い。

てこを使って物体を動かすために必要な力は、てこの支点からの距離に反比例する。このことは、てこに支持された物体を動かすために必要なトルクが一定であることと言い換えられる。

あるトルクは同じ軸のまわりの別の作用点に働くトルクで置き換えることができる。同じ軸を中心とするトルク同士を合成したり、またひとつのトルクを複数のトルクに分解することもできる。トルクを平行で同じ大きさを持ち、反対向きの2つの力に分解した時、その力を特に偶力とよぶ。

定義

モンキーレンチにかかるトルク関係

力学では、トルクNは次のように定義される。

ここで F は物体に加わる力、r は回転の軸からみた力の加わる点までの距離(位置ベクトル)を表す。トルク Nベクトル量であり、N の向きを進行方向とする右ねじ回りに物体を回転させる効果を持つ。F が等しい時、腕の長さrが長いほうが物体を回転させる効果 (N) が大きい。

物体の慣性モーメント I角加速度 α、トルク N の間には、ニュートンの運動方程式とよく似た関係が成り立つ。

回転運動と直線運動

回転運動に関する量には、直線運動で成り立つ法則に対応する類似の法則を見出すことができる。これは法則が似るように回転運動での量を定義したものだからである。トルクは「力」そのものではなく「力のモーメント」であり、慣性モーメントは質量に距離の2乗をかけたものである。

回転運動と並進運動の対応一覧
回転運動 並進運動
力学変数(ベクトル) 角度 位置
一階微分(ベクトル) 角速度 速度
二階微分(ベクトル) 角加速度 加速度
慣性(スカラー) 慣性モーメント 質量
運動量(ベクトル) 角運動量 運動量
力(ベクトル) 力のモーメント
運動方程式
運動エネルギー(スカラー)
仕事(スカラー)
仕事率(スカラー)
ダンパーばねに発生する力を
考慮した運動方程式

関連項目