10 クローバーフィールド・レーン

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10 クローバーフィールド・レーン
10 Cloverfield Lane
監督 ダン・トラクテンバーグ
脚本 マット・ストゥーケン
ジョシュ・キャンベル
製作 J・J・エイブラムス
リンジー・ウェバー
出演者 メアリー・エリザベス・ウィンステッド
ジョン・グッドマン
ジョン・ギャラガー・Jr
音楽 ベアー・マクリアリー
撮影 ジェフ・カッター
編集 ステファン・グルーブ
製作会社 バッド・ロボット・プロダクションズ
配給 パラマウント映画
日本の旗 東和ピクチャーズ
公開 アメリカ合衆国の旗 2016年3月11日
日本の旗 2016年6月17日
上映時間 103分
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
製作費 1500万ドル[1]
興行収入 1億828万ドル[2]
日本の旗 1億5400万円[3]
前作 クローバーフィールド/HAKAISHA
次作 God Particle (film)
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10 クローバーフィールド・レーン』(テン・クローバーフィールド・レーン、原題:10 Cloverfield Lane)は、2016年アメリカ合衆国で公開されたSFサスペンス映画日本では東和ピクチャーズの配給で、2016年6月17日に公開。

概要[編集]

大ヒット作『クローバーフィールド/HAKAISHA』と同じく“クローバーフィールド”の名を冠するサスペンスSF映画だが、内容に直接的な繋がりはない。ただし制作のJ・J・エイブラムスは「血のつながった映画」[4]と表現している、いわゆる精神的続編である。また、前作で事件の黒幕的存在であった「タグルアト社」が引き続き登場し、同社の仮想企業サイトも前作同様ファンに向けたバイラルメディアとしての役割を担っている。

2016年12月、パラマウントスタジオ及びバッドロボットプロダクツは“クローバーフィールド”の劇場映画シリーズ第3作の発表に際し、『クローバーフィールド/HAKAISHA』に始まる作品群が共通の世界観「クローバーフィールド・ユニバース」を構成するものである旨述べている[5]。また、英字Wikipediaでも“クローバーフィールド”という世界観とそれを構成する作品群を示す「Cloverfield (franchise)」のページが設けられ、“クローバーフィールド”は映画3作品とコミックで構成される「アンソロジー・メディア・フランチャイズ」であるとしている[6][出典無効]

ストーリー[編集]

服飾デザイナー志望のミシェルはある日、婚約者ベンと喧嘩し、部屋を飛び出した。車で国道をひた走り、ルイジアナの森と畑がひろがる一帯にさしかかると、間もなく日が暮れた。給油を経て再び走り始めしばらくした午後6時27分には、カーラジオから南部海岸一帯が原因不明の停電に襲われているとのニュースが流れ、また、携帯電話にベンからしつこくコールが入ってきていた。それに気を取られた時、大きな衝撃と共にミシェルの車は追突され、ガードを越えてのり面下に転落する事故に見舞われる。

目が覚めたミシェルは、自分が右足に大怪我を負い、治療を受けた状態で地下室に繋がれた状態で監禁されていることに驚く。時刻は丸一日たった月曜日の午後6時29分だった[7]。間もなく、監禁されている部屋に腰に銃を下げた初老の太った大男ハワードが入って来る。彼によると、ここはレイクチャールズから65km地点にある自分の農場の地下だという。ミシェルはここから出して欲しいと懇願するが、ハワードは「外は攻撃で、放射能化学兵器かわからないが、何らかの有毒物質で汚染されているから駄目だ」と拒否する。

ハワードの案内でこの地下室は沢山の食料等の物資を蓄えた核戦争に備えたシェルターで、出口はいくつものが付いた2重ドアで勝手に出ることは困難なことが分かった。シェルターの出口の窓から外を見せられると、人の姿は全く見えず、すぐそばの囲いにはハワードの飼っていた2頭の=フランクとミルドレッドの死骸があった。だが、その横には見覚えのある白いトラックの姿が―― 。ミシェルは運転中にその白いトラックに追突されて大事故になったことを思い出す。頭上の地上では大きな音がするので、外で異変が起きている雰囲気が漂って来る。このシェルターにはもう1人エメットと言う若い青年もいた。彼の説明では「2日前にここへ来た」と言い、以前このシェルター作りを手伝ったと言う。

ミシェルはハワードに順応したフリをしながら油断させて地上に出る鍵を盗んだが、すぐにバレてしまい、鍵を持って出口まで必死に駆け上り、二重扉の1つ目を解錠してもう1つの扉を解錠にかかろうとした。そのとき、外から顔の皮膚が爛れた女がドアに張り付いて中に入れて欲しいと必死の形相で懇願して来た。ミシェルの前には「開けてくれ!」と必死の形相の女性がおり、後ろのドアには「開けるな!」と訴えるハワード。外が汚染されているという話は本当かも知れないと思い、ミシェルは開けることを思い留まり、仕方なくシェルターで3人の生活を続けることにする。扉の外にいた女性は間もなく死に、近所に住むレスリーという人物だと聞かされた。

ハワードは、ミシェルの車を誤って横転させてしまったのは自分であったことを告白し謝罪。ハワードはミシェルに自分の娘ミーガンのことなど、互いの身の上話をし始める。3人は徐々にうちとけていったかに見えた。

シェルターの空調機に異常が発生したので、体の細いミシェルが細いダクトを通り抜けて空調機を直すことになった。何とか空調機を直したミシェルは空調室の小窓に「HELP」と血塗られた傷が付いていることを発見する。誰かがシェルター内から外に向けて助けを求めていたのだ。更に、血の付いた女物の耳飾りが落ちているのを見つける。その耳飾りがハワードに見せられた写真の娘ミーガンが付けていたことを思い出してエメットに見せる。だが、エメットはその写真の少女がミーガンではなく、数年前に行方不明になったエメットの友人の少女だという。おまけにその写真が挟み込まれていた本から別のインスタント写真が出てくる。その写真にはこのシェルター内でハワードとミーガンらしき女性が仲良く写っている。しかも、ミーガンが着用していた「パリ・ジュテーム」のTシャツと、ミシェルがハワードから着せられたTシャツは同じものだった。

ミシェルとエメットは協力してシェルターを脱出する為にシェルターの物品を繋ぎ合わせて即席の防護服を隠れながら作り始める。だが、ハワードは異変に気づき、隠していた過塩素酸が入ったプラドラムの蓋を空けて「この中に秩序を乱している奴がいる」と防護服作りに使われていたハサミとガムテープを見せた。エメットはとっさに「ミシェルを服従させる為に武器を作っていた」と嘘を付いて謝罪した。ハワードは一度はその謝罪を受け入れたように見えたがエメットを射殺してしまう。困惑するミシェルに「お前を守る為に撃ったのだ」と言う。

脱出を急ぐあまりミシェルはミスで防護服を製作中であることをハワードに気づかれてしまい、ダクトに逃げ込む。ダクトに入れないハワードは何度も外からナイフを突き立ててくるが、ミシェルは何とか命からがら空調室まで到達。防護服を着込み、液化窒素で錠前を破壊、外に出ることに成功する。

停車中の車を見つけ、中に入るミシェル。だが入る際、うっかり防護服をひっかけ破れ目を作ってしまう。ミシェルは慌てるが、飛んでいる達を見て外が汚染されておらず、安全なことが分かって防護服を脱ぐことにした。夕刻の空をヘリコプターのような音をたててゆったりと飛行する物が見える。だが、次第に近づいてくるにつれ、それはヘリではなく得体の知れない飛行物体だとわかった。更に、その船から降りてきた大きな化け物や毒ガス散布[8]にミシェルは襲われる。なんらかの“敵”からの攻撃というのは本当だったのである。

必死にそれらと戦い、何とか脅威から逃れたミシェルは車に乗り込んでその場を去り、国道まで出る。道端に倒れているポストには、ステッカーを貼った文字で「10 クローバーフィールド」(クローバーフィールド10番地)[9]と記されていた。

カーラジオをつけると、今起きている事の情報が流れてきた。「バトンルージュでは難民キャンプが設営され、安全が保障されている。一方、ヒューストンでは助けを必要とする人のため、戦闘・医療経験者を求めている」とのことだった。ミシェルは迷った末、ヒューストンへの道を選びアクセルを踏む。行く手の空には嵐の予感が立ちこめ、先ほどミシェルが戦ったのと同じ飛行物体が幾つも浮かんでいた

登場人物[編集]

ミシェル
演 - メアリー・エリザベス・ウィンステッド、日本語吹替 - 林真里花
突然地下シェルターに閉じ込められる若い女性。服飾デザイナーを目指しているが夢はまだ叶っていない。ベンという婚約者がいるが、喧嘩してしまっている。愛酒家であることを示唆する描写がある。
ハワード
演 - ジョン・グッドマン、日本語吹替 - 北川勝博
初老の太った大男。威圧的にシェルターを支配する。紳士的な男として尊敬され親しまれたいという欲求が強く、相手から自分を拒絶する態度をとられると激高する。
かつては米海軍に所属し、人工衛星に関わる担当だったという。ルイジアナ州レイクチャールズから65キロ離れた地点に自宅と農場を購入し所有している。ただ、本業は農業ではなく、タグルアト社のグループ会社ボールド・フツラ(Bold Futura)重工の遠隔分析士で、ここでも衛星関連の担当である。2009年秋から勤務しており、2016年秋に彼は入社7周年を迎えるとされている[10]。職務の成果としてハワードは、2016年2月の時点で、顧客政府所有の周回衛星2基の送信不具合を診断する画期的進歩を成し遂げたという。
本作品の予告編にサブリミナル的に挿入された映像には、事件に先立つ2月頃にハワードが社会へ発した警告メッセージ[11]の在処が暗号で仕込まれている。実際のメッセージはバトンルージュからさらに東、ベルグリンロードとミドルロード(437号線)の合流点にほど近い一画に、メモ書きとUSBフラッシュメモリの形で埋蔵されていた[12]
劇中では語られないが、彼のフルネームはハワード・スタンブラー(Howard Stambler)である。
エメット
演 - ジョン・ギャラガー・Jr、日本語吹替 - 福田賢二
シェルターに同居している青年。左腕を大怪我している。スポーツ推薦で名門大学の入学資格を得たものの、学問や教養への劣等感から怖じ気つき、その道から逃げた苦い過去を持つ。
レスリー
演 - スザンヌ・クライヤー、日本語吹替 - 森史絵
ハワードのシェルターに入れて欲しいと扉の外から懇願してきた女性。未確認飛行物体のびらん性毒ガスで肌がただれており、シェルターに入れてもらえぬまま納屋の中で死亡する。近所に住んでおり、エメットと同様、以前からハワードがシェルターを建設していることを知っていた。
ベン
演 - ブラッドリー・クーパー(声のみ)、日本語吹替 - 松川央樹

備考[編集]

  • 劇中食事シーンで、『クローバーフィールド/HAKAISHA』に登場したドリンク「Slusho!」にボトルラベルデザインの似た炭酸飲料「SWAMP POP」が登場するが、これは実在するルイジアナのご当地ドリンクである[13]
  • 『クローバーフィールド/HAKAISHA』は2008年上半期に公開され、劇中の時代設定はリアルタイムの約1年後、ニューヨーク時間2009年5月22日(金)〜23日(土)であった。一方本作は明確な時代、日時の設定がされていないが、登場するiPhoneのGUIがHealthを実装したiOS8以降のそれであり、筐体寸法がiPhone6以降のそれであり、またタグルアト社公式サイトにボールド・フツラ社員であるハワードが2016年2月付けで紹介されていることから、2016年2月以降の、月曜日が「7日」となる月であることがわかる。
  • プリティ・イン・ピンク/恋人たちの街角
劇中、ハワードが観賞していた映画。ヒロインがドレスを自分の手で作り、パーティーに向かうというストーリーである。劇中でミシェルが防護服の製作を思いつくきっかけとなっている。

評価[編集]

Rotten Tomatoesには267件の批評家レヴューがあり、平均値は7.5点、支持率は90%となっている[14]Metacriticには43件の批評家レヴューがあり、平均値は76点となっている[15]

受賞・ノミネート[編集]

参考文献[編集]

  1. ^ Has 10 Cloverfield Lane broken the movie trailer template?” (英語). The Guardian. 2016年4月18日閲覧。
  2. ^ 10 Cloverfield Lane” (英語). Box Office Mojo. 2016年6月20日閲覧。
  3. ^ キネマ旬報 2017年3月下旬号』p.72
  4. ^ 『10 クローバーフィールド・レーン』あらすじ・キャスト【J.J.エイブラムス製作】” (日本語). http://ciatr.jp/.+2016年4月19日閲覧。
  5. ^ 「J・J・エイブラムスが手掛ける映画『God Particle(原題)』、2017年10月に公開延期しタイトルを『Cloverfield Movie(原題)』と改名」『VARIETY JAPAN』2016/12/16 08:00配信 - http://variety.co.jp/archives/14181
  6. ^ https://en.wikipedia.org/wiki/Cloverfield_(franchise)
  7. ^ iPhoneのデジタル表示。ただし、Clockのアナログ表示は時刻が一致していない。
  8. ^ 一過性のガスであり、周囲一帯を汚染するわけではない。防護服で防ぐことも可能。
  9. ^ タイトルやポスターイラストのポストにはある「レーン」(「通り」)が抜けている。理由は定かでない。
  10. ^ タグルアト社公式サイト - http://tagruato.jp/employee_of_the_month_2016_february.php)
  11. ^ https://www.youtube.com/watch?v=pRL1LpJSbdY
  12. ^ https://www.youtube.com/watch?v=moZMn3S1uiE&feature=youtu.be
  13. ^ SWAMP POP公式サイト - http://drinkswamppop.com/
  14. ^ 10 Cloverfield Lane”. Rotten Tomatoes. 2017年2月10日閲覧。
  15. ^ 10 Cloverfield Lane”. Metacritic. 2017年2月10日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]