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バイラル・マーケティング

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

バイラル・マーケティング: Viral marketing)とは、口コミを利用し、低コストで顧客の獲得を図るマーケティング手法である。情報の広まり方がウイルスの感染に似ることから、「ウイルス性の」という意味の「バイラル」の名を冠している[1]

概要

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バイラル・マーケティングという用語は、この手法でHotmail1997年マイクロソフトに買収された)が急成長したことで用いられるようになった。Hotmailは、電子メールの下に「P.S. Hotmailで無料電子メールを入手しよう」というメッセージが付け加えられており、これによって送信者の意図に関わらず宣伝が行われる仕組みとなっていた[1]

パーミッション・マーケティングの提唱者であるセス・ゴーディンによれば、「バイラルマーケティングはアイディアバイルスの特殊ケースである。バイラルマーケティングは、バイルスを運ぶ媒体そのものが製品である形のアイディアバイルスなのだ。」と定義している。アイディアバイルスとは、バイラルマーケティングを成功させるために必要なブレイクしやすいメッセージを指す。口コミを人為的に発生させようとするものはバズ・マーケティングと呼ばれる[1]

バイラルマーケティングは口コミを利用するため、その広まりを企業が予測できず、効率的な宣伝にならない恐れもある。また、宣伝であることを隠して紹介された場合、消費者をだます行為だと批判されたり[2]、国によっては違法となる。

法規制との関係

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日本では、2023年10月1日から、広告であるにもかかわらず広告であることを隠す表示が、景品表示法上の不当表示として規制対象となった。消費者庁は、規制される表示を「広告であって、一般消費者が広告であることを分からないもの」と説明し、企業がインフルエンサーなどの第三者に依頼・指示する表示や、SNS投稿、レビュー投稿、テレビ・新聞・雑誌などの表示も対象に含めている一方、個人の感想等の広告でないものや広告であることが分かるものは対象外としている[3]。規制対象となるのは商品・サービスを供給する事業者(広告主)であり、企業から広告・宣伝の依頼を受けた第三者は同告示の規制対象とはならない[3]

米国では、連邦取引委員会(FTC)の Endorsement Guides が、推薦者とマーケターの間に、相当数の消費者が予期せず、推薦の評価に影響し得る関係がある場合、その関係を明瞭かつ目立つ形で開示すべきものとしている[4]。FTCの Consumer Reviews and Testimonials Rule は、2024年10月21日に発効し、消費者レビューや推薦文に関する欺瞞的・不公正な行為を対象とし、虚偽または欺瞞的なレビューや推薦文が市場を汚染していると説明している[5]。同規則の案内では、企業が自社の商品・サービスに関する消費者レビューに対価や特典を与える場合、そのレビューは consumer testimonial にも当たり得るとされている[5]

このため、バイラル・マーケティングのうち、事業者が投稿内容や拡散に関与しながら広告主体や利害関係を明示しない形態は、単なる口コミの利用とは別に、ステルスマーケティング、レビュー操作、推薦表示の開示といった規制上の論点を伴う。日本の消費者庁資料はSNS投稿やレビュー投稿を対象例に挙げ、FTC資料はソーシャルメディア上の推薦やレビューを広告・マーケティングの文脈で扱っている[3][4]

脚注

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  1. 1 2 3 バイラル・マーケティング - @IT情報マネジメント用語事典”. ITmedia. 2012年5月2日閲覧。
  2. バイラルマーケティングとは【viral marketing】 - 意味/解説/説明/定義:IT用語辞典”. インセプト (2011年6月11日). 2012年5月2日閲覧。
  3. 1 2 3 令和5年10月1日からステルスマーケティングは景品表示法違反となります。”. 消費者庁. 2026年6月20日閲覧。
  4. 1 2 FTC's Endorsement Guides: What People Are Asking”. Federal Trade Commission. 2026年6月20日閲覧。
  5. 1 2 The Consumer Reviews and Testimonials Rule: Questions and Answers”. Federal Trade Commission. 2026年6月20日閲覧。

関連項目

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