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言部

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

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康熙字典 214 部首
角部 言部 谷部
1 丿 2
3
广
4
5
6
7
8
9
10 11 鹿
12 13 14 15
16 17

言部(げんぶ)は、漢字部首により分類したグループの一つ。康熙字典214部首では149番目に置かれる(7画の3番目、酉集の3番目)。

「言」字は言語で人に何かを伝えるといった言語行動を意味する。他に言語行動を表す字に「語」字があるが、「言」がその人から発言し始めることを表すのに対し、「語」は他人の話に答えることや互いに話し合うことを表す。また「言」字は目的語に聞き手となる人をとることなく、言及する事物だけを目的語にとるのに対し、「語」は聞き手を目的語にとることができる。名詞としては両者とも言語・言葉といった意味をもつ。また日本語の「いう」に当たる字として他に「謂」や「」があるが、これらは人について批評したり、「 - という」といった事物の呼称を表す字であり、その異なる機能として「謂」は「 - にいう」というように間接目的語として聞き手の人物を導くのに使われ、「曰」は話した内容を引用するのに使われる。

その字源については、「」字に記号をつけた指事文字という説や「」(罪人に刑罰として刺青を入れる刀)と「」の会意文字あるいは形声文字といった説がある。ちなみに「言」字の「口」のなかに「一」がある指示文字が「」字である。

偏旁の意符としては言語や言語を使った活動に関することを示す。また形容詞として使われるとき、「誠」や「謹」のように品行道徳に関するものもある。多くは左側の偏の位置に置かれて左右構造を作り、時に下側の脚の位置に置かれて上下構造を作る。

言部はこのような意符を構成要素にもつ漢字を収める。

字体差

筆記体である楷書では「言」の1画目は点とすることが多い。その他、短い横棒や短い縦棒にするものも見られる。

印刷書体(明朝体)において『康熙字典』は篆書石経にもとづき「言」の1画目を短い横画とした。日本では新字体・表外漢字を問わず、康熙字典体に従っている。一方、中国の新字形・台湾の国字標準字体・香港の常用字字形表は1画目を点とする字形を採用し、「亠」系統の字形と統一させている。

康熙字典
日本
韓国
中国
台湾
香港

簡略字体

また中国の簡化字では偏の位置にあるとき、「」のように2画に簡略化される。さんずいと間違えやすいので注意が必要である。

部首の通称

  • 日本:ごんべん
  • 中国:言字旁・言字底
  • 韓国:말씀언부(malsseum eom bu、ことばの言部)・말씀언변(malsseum eom byeon、ことばの言の偏)
  • 英米:Speech radical

部首字

例字

画数 例字
0 言・𧥛𧥜
2 計・訂・訃
3 記・訖・訓・訐・訌・訊・詫・討
4 訛・訝・・訣・訟・設・訥
5 詒・詠・訶・詁・・診・訴・詛・詑・4)・詆・・詈
6 該・詭・詰・詣・誇・詬・・試・詢・詳・詮・詫・誅・誂・誄・
7 誨・誡・(誤・)・誥・誌・誦・誚・誓・説・認・誣・誘
8 課・誼・諏・諄・誰・請・諍・諾・談・調・諌・誹・諚・諒・・誕・諸
9 諳・謂・(謁8)・諧・諤・諫・諱・諠・諺・諢・諮・諡・諜・諦・諷・諞・謀・(諭)
10 謙・謇・・謚・謝・謖・謄・謐・謨・謗・・謠(謡9)
11 (謹10)・謳・謦・謫・謾・謬
12 譏・譎・識・證(証5)・譖・譚・譜
13 (警12)・譫・譟・譬・譯(訳4)
14 譴・(護13)・譽(誉6)・𧭛
15 讀(読7)
16 讎(讐)・
17 讒・讓(譲13)・讖
18 (讙17)
19 讚(讃15)
21 𧮥𧮦

最大画数

𧮩