胃炎

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胃炎
Gastritis helicobacter - intermed mag.jpg
顕微鏡でみた胃炎の組織像。HE染色
分類および外部参照情報
ICD-10 K29.0-K29.7
ICD-9-CM 535.0-535.5
MedlinePlus 001150
eMedicine emerg/820 med/852
MeSH D005756

胃炎(いえん、: gastritis)とは、に起きる炎症のことである。

臨床分類[編集]

臨床的には一般に以下に分類される。

急性胃炎[編集]

胃粘膜の急性炎症で、臨床的には腹痛嘔吐消化管出血などの突発症状を呈し、飲酒、喫煙、薬物(NSAIDsコカイン等)、ストレスなどが原因として上げられる。

慢性胃炎[編集]

慢性胃炎は、胃粘膜の慢性炎症と固有胃腺の萎縮、腺の過形成あるいは腸上皮化生を主要所見とする。固有胃腺の萎縮は幽門前庭部から胃体部へと加齢とともに拡大していく。1983年に発見されたヘリコバクター・ピロリ( Helicobacter pylori )[1]1987年に発見されたヘリコバクター・ハイルマニイ( Helicobacter heilmannii )[2][3]の感染が慢性胃炎の一つの原因として注目されている。ヘリコバクター・ピロリ感染陰性の慢性胃腸炎患者の約半数がヘリコバクター・ハイルマニイに感染しているとの報告がある[3]

変遷[編集]

「胃炎」のメカニズムを、内科学外科学病理学消化器学者達が、解析しいくと共に以下のように分類されていった。

Schindler分類[編集]

1947年に、ドイツルドルフ・シンドラー(Rudolf Schindler)が提唱した分類。

  • 急性胃炎
    • 単純性胃炎‐腐食性胃炎‐出血性胃炎‐化膿性胃炎
  • 慢性胃炎
    • 原発性‐表層性‐萎縮性‐肥厚性(間質性‐増殖性‐腺性)
    • 随伴性‐腫瘍性‐消化性潰瘍‐手術後

木村・竹本分類[編集]

1969年に、東京大学医学部第三内科の竹本忠良(後に東京女子医科大学教授)と、木村健(後に自治医科大学教授)によって提唱された分類。

現在でも実臨床で広く用いられている分類。

Strickland & Mackay 分類[編集]

1973年に、自己抗体を組み入れて提唱された分類。

  • A型胃炎‐B型胃炎

Sydney system[編集]

1990年に、オーストラリアシドニーで開催された「World Congress of Gastroenterology(世界消化器学会議)」で提唱された分類。

内視鏡的と組織学的な評価を融合させた分類。欧米を中心に作成された分類。

Update Sydney system[編集]

1994年に、米国テキサス州ヒューストンでの消化器病理学者の会議で提唱され、1996年に「Sydney system」の改訂版として「 American Journal of Surgical Pathology」へ掲載された分類。

京都分類[編集]

2013年に、日本京都で開催された「第85回日本消化器内視鏡学会総会」で、「木村・竹本分類」を基本として「ヘリコバクター・ピロリ」の感染状態を付加して提唱された分類。

関連[編集]

脚注[編集]

  1. ^ Marshall BJ (1983). “Unidentified curved bacillus on gastric epithelium in active chronic gastritis”. Lancet 1 (8336): 1273–1275. PMID 6134060. 
  2. ^ 津田政広、ヘリコバクター・ハイルマニ感染症検査法の確立 神戸大学医学部神緑会学術誌 26, 65-67, 2010-08
  3. ^ a b ピロリ陰性の胃疾患に関与の可能性 その胃炎、ハイルマニイの仕業かも? 日経メディカルオンライン 記事:2015年8月25日 閲覧:2015年9月10日

外部リンク[編集]