球速

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球速(きゅうそく)はの速さを意味する。野球ソフトボールテニスボウリング等の投球に対して使う用語である。

野球[編集]

プロ(男子)の投手が投げるボールの初速は、直球で130 km/hから165 km/h程度である。変化球スライダーシュートが120〜140 km/h程度、カーブチェンジアップは90〜120 km/h程度と遅い(女子の場合は直球で105〜120km/h後半)。

球速は速いほどボールを目で追う事が難しくなり、打者までボールが到達する時間が短くもなるので、正確にバットで捉えることが難しくなる。特に速い球は快速球剛速球と呼ばれるが、厳密な定義は無く、140 km/h後半や150 km/h台の速球がそう呼ばれたりする[1][2]。これらを投げる投手は球の速さを武器とする場合が多い。逆に130 km/h程度の速球は遅いとされ[3]、速い球を投げられない投手はコントロールや変化球を武器に投球することが多い。

記録[編集]

日本プロ野球[編集]

選手名 所属 表示数値 記録日 球場 利き腕 出典
大谷翔平 日本ハム 165 km/h 2016年10月16日 札幌ドーム [4]
ロベルト・コルニエル 広島 2021年6月20日 東京ドーム [5]
チアゴ・ビエイラ 巨人 164 km/h 2020年11月25日 福岡PayPayドーム [6]
ロベルト・スアレス 阪神 163 km/h 2021年6月8日 札幌ドーム [7]
エドウィン・エスコバー DeNA 2021年6月13日 札幌ドーム [8]
マーク・クルーン 巨人 162 km/h 2008年6月1日 福岡 Yahoo! JAPANドーム [9]
アルキメデス・カミネロ 巨人 2018年6月14日 福岡 ヤフオク!ドーム [10]
リード・ギャレット 西武 2020年8月8日 札幌ドーム [11]
藤浪晋太郎 阪神 2020年10月19日 阪神甲子園球場 [12]
由規 ヤクルト 161 km/h 2010年8月26日 明治神宮野球場 [9]
ラファエル・ドリス 阪神 2017年8月29日 阪神甲子園球場 [13]
千賀滉大 ソフトバンク 2019年3月29日 福岡 ヤフオク!ドーム [14]
国吉佑樹 DeNA 2019年4月6日 横浜スタジアム [15]
ルビー・デラロサ 巨人 2019年9月10日 横浜スタジアム [16]
ライデル・マルティネス 中日 2020年10月2日 横浜スタジアム [17]
林昌勇 ヤクルト 160 km/h 2009年5月15日 明治神宮野球場 [9]
スコット・マシソン 巨人 2012年7月5日 横浜スタジアム [9]
平良海馬 西武 2020年7月19日 楽天生命パーク宮城 [18]
杉山一樹 ソフトバンク 2021年5月11日 福岡PayPayドーム [19]
ドリュー・バーヘイゲン 日本ハム 2021年6月13日 札幌ドーム [20]

メジャーリーグ[編集]

アメリカでは古くは第一次世界大戦以前の1912年から散発的に軍事研究所や銃火器メーカーのクロノグラフを用いた砲口初速測定装置や、ハイスピードカメラ等を用いた球速の測定が行われており、1975年以降はレーダーを用いたスピードガンによる計測が一般化した[21]

その様な背景の中、アメリカでは「時速100マイル(160.934km/h)」に達する事が、特に球速が速い投手を示す指標となっており、公式計測で時速100マイルを記録した投手はしばしば「100マイル・クラブ」に仲間入りしたと報じられる[22]

2021年現在、メジャーリーグの公式戦で最も速い球を投げた投手はアロルディス・チャップマンであり、2010年9月24日に時速105.1マイル(169.1km/h)を記録している[23]

レーダーが初めてメジャーリーグの球速測定に用いられたのは1974年8月20日の事であり、ロックウェル・インターナショナルが開発した大掛かりなレーザードップラー・レーダー装置(ドップラー・ライダー)によってノーラン・ライアンの直球が時速100.9マイル(162.383km/h)と記録され、史上初めて時速100マイルを超える球速が公式に認定された。以来、2010年にチャップマンがギネス世界記録を樹立した時点で、51人が「100マイル・クラブ」入りを果たしている[22]

なお、1975年以前の様々な速度試験による記録は、現在のスピードガンやPITCHf/xを用いた測定とは計測基準が異なっていることから、より公平な指標として「50フィート平均値(fifty foot equivalent、FFE)」と呼ばれる数値に置き換えられて1975年以降の記録との比較が行われる。FFE換算値ではボブ・フェラー(1946年、蛍光管クロノグラフ)、ボブ・ターリー(1954年、オシログラフ)、スティーヴ・ダルコウスキー(1958年、光電管クロノグラフ)、ジョー・ブラック英語版(1953年、オシログラフ)、テリー・フォースター英語版(1974年、ドップラー・ライダー)、スティーブ・バーバー英語版(1960年、ハイスピードカメラ)らが、計測時点で現在の測定法での時速100マイルを超えていたと推定されており、この基準においては2014年現在、前述のライアンの1974年8月20日の記録が史上最速(FFE換算で時速108.1マイル=173.97km/h)とされており、他にチャップマンの2010年の公式記録を上回るのは、1946年のフェラーの記録(FFE換算で時速107.6マイル=173.17km/h)であるとされている[24]

ソフトボール[編集]

男子で120 km/h、女子で100 km/h前後が一流選手の一般的な球速である。ボールの大きさや投法の影響で野球ほどの球速は出ない。野球とはマウンドからホームベースまでの距離が異なるため(野球は18.44m、ソフトボールは13.11m)、到達時間で考えると、ソフトボールの114 km/hで野球の160 km/hに相当する。オリンピックに出場した日本の上野由岐子が119 km/hのボールを投げ、野球で言うと167 km/h相当の球だとして話題になった[25]。また、男子では130 km/h以上のボールを投げる選手もいる[26]

テニス[編集]

テニスの大きな大会では、サービスの速度が会場の電光掲示板に表示される[27]

ルゼドルスキーが1999年に239.7km/h[27]を記録しているほか、松岡修造が216km/h[28]を記録している。

その他[編集]

ボウリングで55km/h、ハンドボール100km/h以上、サッカー132km/h、ゴルフ328km/h、バドミントン493km/hという調査がある[29]

脚注[編集]

[脚注の使い方]
  1. ^ 岐阜新聞社. “岐阜大会ベスト4までの軌跡”. 2008年7月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年2月23日閲覧。
  2. ^ 「松坂大輔スタジアム」公開、剛速球体感”. 日刊スポーツ (2008年2月7日). 2010年2月23日閲覧。
  3. ^ 菊地、福留を幻惑 MAX133キロ遅球で2打数無安打”. 中日スポーツ (2007年2月13日). 2016年3月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年2月23日閲覧。
  4. ^ 日本ハム大谷、プロ野球最速165キロ CS最終第5戦”. 朝日新聞 (2016年10月16日). 2016年10月16日閲覧。
  5. ^ 出た!165キロ 広島コルニエルが日本球界最速タイ 大谷に並ぶ”. デイリースポーツ online (2021年6月20日). 2021年6月20日閲覧。
  6. ^ 日本シリーズ第4戦速報(7) 巨人のビエイラが球速164キロをマーク ソ4-1巨”. 産経新聞 (2020年11月25日). 2020年11月25日閲覧。
  7. ^ 阪神・スアレス「みんながいい仕事をした」自己最速163キロで18セーブ”. デイリースポーツ online (2021年6月8日). 2021年6月9日閲覧。
  8. ^ DeNAエスコバー163キロ「光栄です」左腕最速、NPB2位タイ”. 日刊スポーツ (2021年6月13日). 2021年6月13日閲覧。
  9. ^ a b c d 日本球界最速はクルーン162キロ、日本人最速は由規”. スポーツニッポン (2014年6月4日). 2015年3月14日閲覧。
  10. ^ 巨人カミネロが160キロ超え連発 大台超え3球、最速は162キロ”. Full-Count (2018年6月14日). 2018年6月14日閲覧。
  11. ^ 西武ギャレットが来日最速162キロ、場内どよめき”. 日刊スポーツ (2020年8月8日). 2020年8月9日閲覧。
  12. ^ 藤浪が阪神最速162キロ ドリス&スアレス超えた”. 日刊スポーツ (2020年10月19日). 2020年10月19日閲覧。
  13. ^ 阪神ドリスが球団最速161キロ 甲子園どよめく”. 日刊スポーツ (2017年8月29日). 2017年9月24日閲覧。
  14. ^ “鷹・千賀が開幕戦初球から自己最速更新161キロ連発! 剛球ショーに本拠どよめき”. Full-Count (Creative2). (2019年3月29日). https://full-count.jp/2019/03/29/post330891/ 2019年3月29日閲覧。 
  15. ^ “DeNA国吉161キロ 外角低め直球にざわめく”. 日刊スポーツ. (2019年4月6日). https://www.nikkansports.com/baseball/news/201904060000541.html 2019年4月6日閲覧。 
  16. ^ “巨人デラロサ161キロ「持ち味」自己最速を更新”. 日刊スポーツ. (2019年9月10日). https://www.nikkansports.com/baseball/news/201909100001123.html 2019年9月10日閲覧。 
  17. ^ “中日のR.マルティネスが球団記録の161キロを計測 自身の記録を1キロ更新”. サンケイスポーツ. (2020年10月2日). https://www.sanspo.com/baseball/news/20201002/dra20100222300004-n1.html 2021年5月16日閲覧。 
  18. ^ 西武平良最速160キロも…ノーノー途絶え満塁被弾”. 日刊スポーツ (2020年7月19日). 2020年7月19日閲覧。
  19. ^ ソフトバンク杉山160キロ記録も笑顔なし「スピードよりも四球を反省」”. 日刊スポーツ (2021年5月11日). 2021年5月11日閲覧。
  20. ^ 【日本ハム】バーヘイゲン5回9安打4失点で降板「結果が伴わず悔しいです」最速160キロ計測も4戦未勝利”. スポーツ報知 (2021年6月13日). 2021年6月13日閲覧。
  21. ^ The History of the Radar Gun”. efastball.com. 2021年5月16日閲覧。
  22. ^ a b Fastest Pitcher in Baseball”. Baseball Almanac. 2021年5月16日閲覧。
  23. ^ “Yank throws 105.1 mph, is on Cubs' radar”. MLB.com. (2016年7月19日). https://www.mlb.com/news/aroldis-chapman-throws-a-pitch-1051-mph/c-190404910 2019年5月26日閲覧。 
  24. ^ Fastest Pitchers Ever Recorded in the Major Leagues - 2014 post-season UPDATES thru 10/27”. efastball.com. 2021年5月16日閲覧。
  25. ^ 【明解要解】ソフトボール「金」へ カギ握る上野”. 産経ニュース (2008年7月29日). 2010年2月23日閲覧。
  26. ^ 日刊スポーツ (2003年7月30日). “日本女子ソフト 史上初めて男子との練習マッチ実現”. 2003年12月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年2月23日閲覧。
  27. ^ a b 神和住純. “テニスにおけるストリングテンションとサービス速度の考察”. 法政大学学術機関リポジトリ. p. 178. 2016年11月13日閲覧。
  28. ^ 神和住純. “テニスにおけるストリングテンションとサービス速度の考察”. 法政大学学術機関リポジトリ. p. 180. 2016年11月13日閲覧。
  29. ^ 野球は時速159キロ、最速は意外なあの競技! いろんなスポーツの「球速」を調べてみた”. マイナビ (2014年10月12日). 2016年11月13日閲覧。