海星中学校・高等学校 (長崎県)

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海星中学校・高等学校
地図北緯32度44分11秒 東経129度52分27秒 / 北緯32.73639度 東経129.87417度 / 32.73639; 129.87417座標: 北緯32度44分11秒 東経129度52分27秒 / 北緯32.73639度 東経129.87417度 / 32.73639; 129.87417
過去の名称 海星学校
海星商業学校
国公私立の別 私立学校
設置者 学校法人海星学園
校訓 神愛 人間愛
設立年月日 1892年(明治25年)
共学・別学 男女共学
中高一貫教育 併設型
課程 全日制課程
単位制・学年制 学年制
設置学科 普通科
学期 3学期制
学校コード C142310000015 ウィキデータを編集(中学校)
D142310000013 ウィキデータを編集(高等学校)
高校コード 42501A
所在地 850-8586
長崎県長崎市東山手町5番3号
外部リンク 公式サイト
ウィキポータル 教育
ウィキプロジェクト 学校
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海星中学校・高等学校(かいせいちゅうがっこう・こうとうがっこう, : Kaisei Junior and Senior High School)は、長崎県長崎市東山手町にある私立中高一貫校である。

フランスカトリックマリア会が運営するミッションスクールである。2022年に創立130周年を迎えた。

概要[編集]

マリア会から派遣されたフランス人宣教師が1892年明治25年)に創立した。マリア会は健全な男子の育成を目標に各国で学校を設立しているカトリックの教育修道会で、海星も初期はフランス人神父が校長を務めたが、1938年昭和13年)以降は日本人が校長を務める。

本校の中央館校舎は、姉妹校暁星学園の卒業生で早稲田大学の建築学科教授であった吉阪隆正が設計した。吉阪はフランスの建築家ル・コルビュジエのもとで勤務経験があり、フランスで技術を学び帰国したのちに初の本格的建造物として設計した。ヨーロッパ風の外観、螺旋階段、広い採光窓や斜面の立地条件を利用して各フロアから屋外へ出られる構造など特徴的な様式が多く、建築学科の教材[1]として用いられたが、老朽化で取り壊して2017年に新校舎を建てた。

創立以来男子校であったが、他のマリア会系学校の8割強が共学で聖書は男女を差別していないことなどを鑑みて、1994年平成6年)から共学の試みを始め、2004年(平成16年)に学校長の主導で本格的に共学を推進し、2006年(平成18年)にステラ・マリスコースを開設して完全に共学となる。ステラは星、マリスは海のラテン語である[1]

沿革[編集]

  • 1892年明治25年)
    • 1月8日 - 日本マリア会の管理で海星学校小学部・中学部を浪之平町(なみのひら)に創立する。
      • フランス人のジャック・バルツ師が初代学校長を務める。
      • 当初の生徒は約50名で、大半が外国人で日本人と共学した。
    • 3月 - 外浦町へ移転した。
    • 5月 - 仮校舎で授業を開始した。
  • 1897年(明治30年)
    • 5月 - 現在地の東山手町に、フランス人修道士セネンツの設計で新校舎を着工した。
    • 9月 - 煉瓦造1部地階、地上2階建ての新校舎が完成した。現在は修道院に転用している。
  • 1903年(明治36年) - 海星商業学校と改称する。
  • 1911年(明治44年) - 海星中学校(旧制)と改称する。
  • 1918年大正7年)
    • 7月 - フランス人修道士ウェルニエの設計で校舎の2期工事に着工する。
    • 11月 - 校舎の2期工事が完成し、現行の1部地階、地上3階、1部屋上階[2]となる。
  • 1948年昭和23年) - 学制改革に伴い、海星中学校・高等学校と改称する。
  • 1989年平成元年) - 老朽化した校舎を解体して旧来のデザインで新築する。
  • 2006年(平成18年) - ステラ・マリスコースを開設して一部共学とする。
  • 2007年(平成19年) - 国公立クラスを共学とする。
  • 2010年(平成22年) - 海星中学校がステラ・プレップコースを開設して一部共学とする。
  • 2012年(平成24年) - 創立120周年を迎える。

著名な出身者[編集]

特記事項[編集]

不祥事[編集]

いじめ自殺隠蔽[編集]

2017年に2年生が自殺した事件で、第三者委員会は「自殺は同級生のいじめが主要因」とする報告書を提出したが、2020年令和2年)11月現在で学校は、日本スポーツ振興センターの死亡見舞金について遺族の損害賠償請求権放棄を条件とする申請を提示[3]し、いじめではなく突然死を死因とすることを提案した。長崎県学事振興課も突然死を追認した[4]。 2021年3月、第三者委員会がまとめた「主因はいじめ」とする調査結果を受け入れない学校側に対し、地元の塾経営者や在校生らが公の場での説明を求める754筆の署名を25日、学校側に郵送した[5]。 2021年7月、NPO法人「子どもの権利オンブズパーソンながさき」は、学校側が「いじめが主因」とする第三者委員会の報告書をいまだに受け入れていないことを問題視した意見書を長崎県に提出した[6]。 2021年11月、男子生徒の両親は、いじめ防止対策の徹底を求める要望書を県と県教委に提出[7]

姉妹校[編集]

かつて姉妹校関係にあった学校[編集]

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. ^ a b 海星学園発行の校友会誌「海星」2005年(平成17年)度版より
  2. ^ 読みは「おっかい」。意味は「屋根裏部屋」。
  3. ^ 長崎高2自殺、いじめ認定に学校異議 第三者委の報告「不服」”. 西日本新聞. 2019年2月26日閲覧。
  4. ^ 海星高が自殺を「突然死」に偽装 長崎県も追認、国指針違反の疑い”. 中日新聞 (2020年11月17日). 2020年11月16日閲覧。
  5. ^ 「いじめ自殺、説明を」認めぬ高校に署名、校長に手紙も”. 2021年3月26日閲覧。
  6. ^ 「海星高の対応は「権利侵害」 生徒自殺で市民団体”. 2021年7月21日閲覧。
  7. ^ 「いじめ対策の徹底を」海星高いじめ自死遺族が県に要望”. 2021年11月27日閲覧。

外部リンク[編集]