朝日自動車グループ

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東武鉄道グループのバス事業者

朝日自動車グループ(あさひじどうしゃグループ)は、東武グループの傘下にある、朝日自動車をトップするバスタクシー事業者を中心に構成される企業グループである。

概要[編集]

グループ全体の営業エリア(高速バス除く)は、東京都23区北東部)・ 埼玉県(秩父以外)・群馬県(西部以外)・栃木県(南部以外)・千葉県(北西部)・茨城県(南西部)と関東地方の広範囲に渡る。

ただし、このグループはバス・タクシー事業統括上の話であり、資本的に朝日自動車株式会社の子会社として存在しているとは限らず、一般的には各社とも「東武(鉄道)グループ」とのみ案内しており、一部事業者の公式サイトや車両で統一デザインを導入している以外では、特に“朝日自動車グループ”としての連携は強くなかったが、2017年に朝日自動車・川越観光自動車・阪東自動車・茨城急行自動車・国際十王交通の埼玉・千葉周辺で営業している5社の路線バス(一部除く)で使用できる“朝日自動車グループ共通学生フリーパス”を発売開始した [1]

なお、2016年12月現在における東武鉄道グループのタクシー事業者は全て朝日自動車グループに属するが、バス事業者に関しては、他に東京都心部・埼玉南部・中部・千葉西部中心の東武バスグループも存在する(かつては東野交通グループも東武グループだった)。

なお、埼玉県内を軸にバス路線が展開されている、朝日自動車・川越観光自動車・国際十王交通3社はいずれも、東武バスウエストと共に、埼玉県より国民保護法に基づく指定地方公共機関に指定されており、朝日バスグループ(あるいは、旧東武バス)の埼玉県内における規模・影響度の大きさを窺うことができる。

朝日バスグループ[編集]

バス事業者のみを束ねて「朝日バスグループ」と呼称する場合がある。朝日・茨城急行・川越観光の3ホームページ(以前はそれに加え、旧東武ダイヤルバス)の共通ヘッダに「Asahi Bus Group Web」とアルファベット表示で記載しているほか、「東武グループ PASMO総合ご利用ガイドブック[1](21ページ)」など、わずかに表記が見られる。

「Asahi Bus Group Web」のトップページ右側に配置してあるリンクに従えば、現在「朝日バスグループ」に属する事業者は、朝日自動車・川越観光自動車・茨城急行自動車・国際十王交通・関越交通・東北急行バス・日光交通・阪東自動車の8事業者である。

一方で、朝日・川越・茨城・阪東・国際十王、5社共通の学生専用の路線バスフリーパスの名称としてはあくまで「朝日自動車グループ」の名称を使用している。

グループ事業者と営業地域・事業展開[編集]

元グループ事業者[編集]

※ 1990年代以降、それ以前は各グループ事業者の沿革を参照のこと

  • さくら観光自動車 - 1995年、朝日自動車に吸収され消滅。
    • 観光バス
  • 桐生ハイヤーセンター - 2000年3月、桐生朝日自動車に吸収合併され消滅。
    • タクシー
  • 群馬観光タクシー - 群馬県渋川市渋川1847。2000年10月、関越交通に事業譲渡して消滅。
    • タクシー
    • バス(乗合タクシー)
  • キング観光バス - 千葉県船橋市南本町13-6(現・東武ストア船橋南本町店)。2002年2月、阪東自動車に吸収合併され消滅。
    • 観光バス(KING
  • 吾妻観光自動車 - 群馬県吾妻郡中之条町大字伊勢町700-1(現・関越交通吾妻営業所)。2002年10月、関越交通に吸収合併され消滅。
    • 路線バス(AGATSUMAAKK
    • 観光バス(AGATSUMAAKK - 吾妻観光バス
  • 両毛観光バス - 2002年10月、国際ハイヤーに吸収合併され消滅。
    • 観光バス(RYOMOR.K.
  • 十王自動車 - 2004年1月、国際ハイヤーと合併し、国際十王交通を設立。
    • 路線バス(JUOJUO BUS - 十王バス
    • 高速バス(JUO
    • 観光バス(JUO - 十王観光
    • タクシー(十王タクシー
    • 旅行(十王観光
  • 国際ハイヤー - 2004年1月、十王自動車と合併し、国際十王交通を設立(存続会社)。
    • 路線バス(KOKUSAI - 国際バス
    • 観光バス(RYOMOR.K. - 両毛観光バス
    • タクシー(国際ハイヤー
    • 不動産賃貸
  • 足利自修工業 - 栃木県足利市新山町4(現・朝日カーメンテナンス足利工場)。2005年4月、三進自動車工業と合併し、朝日カーメンテナンスを設立。
    • 自動車整備
  • 三進自動車工業 - 埼玉県さいたま市北区日進町1-107(現・朝日カーメンテナンス大宮三進工場)。2005年4月、足利自修工業と合併し、朝日カーメンテナンスを設立(存続会社)。
    • 自動車整備
    • 損害保険代理
    • 空調・電気工事設計施工
    • 家庭用電気器具販売・修理
  • 東武ダイヤルバス - 2008年4月、日光交通に吸収合併され消滅。
    • 路線バス(TDB
    • 観光バス(TDB
  • 陽南タクシー - (後の日光交通宇都宮営業所、現閉鎖)。XXXX年XX月、日光交通に吸収合併され消滅。
    • タクシー
  • 群北タクシー - 群馬県沼田市材木町1181-3(後の関越交通タクシー沼田営業所旧所在地、現閉鎖)。詳細不明。
    • タクシー
  • 前橋タクシー - 群馬県前橋市平和町1-6-2(後の関越交通前橋営業所、現閉鎖)。詳細不明。
    • タクシー
  • 東通乗用自動車 - 埼玉県越谷市大沢3-4-35(現・朝日自動車北越谷営業所)。詳細不明。
    • タクシー
  • 金龍自動車交通 - 東京都足立区

沿革[編集]

東武グループ傘下にあるタクシー事業者が関東各地に多数存在し、統括が取りにくくなっていたことから、最大規模であるタクシー事業者の朝日自動車を統括事業者として、朝日自動車グループを形成、事業者統括・営業地域整理等を行なった。

一方、東武鉄道のバス事業本部では、関東(特に北関東)一帯において、東武バスというブランド名で路線バス網を展開していたが、1970年代以降になると北関東を中心として急速なモータリゼーションの進行や、過疎化などの問題から、東武バスは縮小の道を歩むことになった。当初は茨城、栃木、群馬などにおいて路線廃止が進行したが、その過程において収益力のある路線や、補助金によって赤字がでない路線などが枝線のように残るようになり、これらの路線をグループ会社が肩代わりするようになった。

2000年頃になると埼玉県千葉県でも東武バスの撤退がはじまり、この頃から路線だけではなく営業所を含めて全てを肩代わりという方式が増えてくることになり、中には30台以上も所属する大規模な営業所や出張所が次々と丸ごと移管されていくという過去に例のない大移管が進められていくことになった。

そのような形で移管が進められた結果、会社ごとにバラバラの経営方針になってしまうことや、東武鉄道自身による統括も困難であることから、2003年に東武鉄道は、タクシー事業整理に引き続き、朝日自動車を統括事業者としてグループバス会社をまとめることを決めた。

その後、朝日自動車主導の元でグループ内再編が進んでおり、再編が本格的に始まった1990年代後半以降、23事業者が11事業者に再編された。

また、バス事業者では、採算性の悪くなった貸切・観光バス(参考観光バス#業界)部門を当初、上記の合併再編により整理していたが、状況は悪化し、観光地域をエリアとする事業者(関越交通・日光交通)を除き、存続を諦めて事実上の撤退を順次実施(東北急行バス・川越観光自動車・国際十王交通・阪東自動車・朝日自動車)した。ただし東北急行バスを除き、一般貸切旅客自動車運送事業は廃止せず、運賃無料コミュニティバスの受託・乗合車両での短中距離貸切等を行っている(朝日・国際十王では公式サイト内にそれぞれ「乗合貸切バス」「貸切バス」との案内ページを埼玉県内の営業所のみを対象として開設している。また、川越観光は後に企業送迎用として東武グループ観光デザインの中型観光車両、国際十王は朝日バスグループ乗合共通デザインで自家用・送迎仕様の大型乗合車両と一般カラーのマイクロバスを、それぞれ貸切扱いで導入している)。このようなことから、2016年度には朝日・国際十王・阪東・日光が貸切バス事業者安全性評価認定制度の一ツ星を初めて取得している(なお、関越は既に三ツ星を獲得済み)[2]

2010年代に入ると、タクシー事業の再編が再び始まり、金龍自動車交通、関越交通前橋営業所・後閑営業所、朝日自動車川越営業所 他多数、日光交通宇都宮営業所 他多数、国際十王交通熊谷営業所にてタクシーの営業を廃止した(グループ外企業への事業譲渡、金龍は法人ごと東武グループから売却。また、2000年代に国際十王交通は前橋営業所・大胡営業所なども閉鎖している)。

車両[編集]

路線バス[編集]

デザイン
  • 朝日バス・川越観光バス・国際十王バス熊谷営業所の3ブランドは朝日バスグループの中でも特に朝日バスカラーを1998年の採用当初(国際十王熊谷営は、2001年の旧国際バスとしてのバス事業新規参入時)からオリジナルカラーとして使用している。
  • また、関越交通バス・国際十王バス伊勢崎営業所(旧十王バス)・日光交通ダイヤル営業所(旧東武ダイヤルバス)には、従来共通デザイン車はなく、オリジナルのデザインであったが、2006年頃より順次朝日バスなどからの移籍により、共通デザイン車が増えてきている(ただし、後に日光交通ダイヤル営が阪東バスから、国際十王伊勢崎営が阪東バスと東武バスから車両の譲渡を受け、元のデザインのまま、ブランド・社名だけ書き換えて導入している)。
  • この朝日バスグループ共通デザインは、白地に赤い半円(だ円)とそれに沿うようにカーブを描いた青いラインで構成される。
    赤い半円内には、ブランド名のアルファベット表記を白抜きの斜体で中央より上寄りの位置に切れ間があるデザインで記載(ASAHIK.K.J.KOKUSAITDBNIKKOKAN-ETSU )されている。このブランド名の大きさは事業者によって多少差異がある。また、国際十王では、2002年より共通カラーから一部カスタマイズされ、白色のブランド名の部分が銀色となった車両が2台在籍している(2018年2月まで熊谷営、以降伊勢崎営)。これは、社会実験で反射材を使用したものであったが、あまり効果は見られず、本採用されることはなかった[3]
  • 一方で、茨急バス・阪東バスには、共通デザインは導入されていない。
    茨急バスでは、朝日バスから車両の移籍を受けているが、関越交通・国際十王(伊勢崎)・日光交通ダイヤルバスとは異なり、茨急バスオリジナルデザインに塗装変更してから導入している。
  • また、朝日バスカラーを初期投入している3社では、旧東武バス(東武鉄道バス事業本部)からの移管期には、東武バスの移管車に東武バスデザインそのままで、それぞれのブランド名(朝日バス・川越観光バス・国際バス/国際十王バス)に書き換えただけの車両も走らせていたが、順次共通デザインへの塗り替え・廃車によって存在していなかったが、国際十王伊勢崎営業所にて、東武バスウエストから車両が移籍され、東武バスデザインのまま運用している(ブランド名表記は、朝日グループ共通デザインに準じたアルファベット表記となっている)。
車両サイズ
  • 車両の大きさは、モータリゼーションの影響を強く受けている路線が多い影響で中型車が中心となっており、さらに利用者が少ない路線では小型車も導入されている。
    国際十王(熊谷)では、あえて従来の大型・中型では通れない区間を走る小型車専用の路線(狭隘路線)を新規開設した(2018年9月廃止予定)。
  • なお、川越観光バス・阪東バスでは、団地線を多く抱える事から近年でも新車の大型車が継続投入されているほか、他の各社でも定期的な大規模輸送に対応するため、数台程度大型車(新型購入または川越観光あるいは東武バスからの移籍)も在籍している。
    近年の傾向として、国際十王伊勢崎営では、2015年春に観光バス車両を用いて受託していたスクールバスを一般乗合路線に統合して定期需要が急増した関係で大型車を平時運用のために新車購入している。国際十王熊谷営では営業エリア内にラグビーワールドカップ2019の会場(熊谷スポーツ文化公園ラグビー場)を擁していることから、2017年より希望ナンバー“2019”でワールドカップ特別仕様ナンバープレートの大型車新車を順次投入している。

貸切・観光・高速バス[編集]

デザイン
  • 貸切・観光・高速バスは、関越交通の高速バス車両、東北急行バスの大多数の車両、国際十王交通のマイクロバスを除き、東武グループ共通デザインで統一されている。オレンジを基調とした暖色系のグラデーションと、ホワイトの緩やかな曲線で構成されていて、暖色系の部分にはブランド名(ASAHIKAWAGOE KANKOKokusai JuoTDBKAN-ETSUNIKKOBANDOTOHOKU EXPRESS 朝日バスグループ共通路線バス車両と同じく白抜きの斜体で中央より上寄りの位置に切れ間があるデザイン)の下にTOBU GROUP. と表記され、東武鉄道グループの一員であることをアピールしている。また、高速バス(専属)車両は、さらにその下にEXPRESSと表記されている(東北急行はブランド名にEXPRESSが含まれているため省略)。フロントの入口側ライト上・リア上部中央にもブランド名(一部は略称、ASAHIK.K.J.KJKTDBKAN-ETSUNIKKOBANDOTOHOKU 文字色は車両の仕様の関係で黒枠上に書かれる場合は白、それ以外はオレンジ)が記述されている。
    その他のデザイン車に関しては、それぞれの事業者の記事を参照のこと。
    なお、東北急行バスは、以前、高速バス専門ではなく、貸切バスも行っていたが、その車両は東武グループ共通デザインであった。2016年に高速バス車両に国際十王交通から移管された車両を東武グループ共通デザインのままで投入したのを皮切りに、2017年の新車も東武グループ共通デザインで投入されている。

タクシー[編集]

デザイン
  • 各社、朝日自動車グループ形成前に事業を開始しているため、それぞれ独自のデザインを導入している。ただし、朝日タクシーと桐生朝日タクシーのデザインは類似している。また後述の観光用ワゴンタクシーは、東武グループ共通観光バスデザインである。
車両サイズ
  • 中型車両の採用率が高い。
その他の車両
  • 日光交通や関越交通タクシーは、観光地を営業エリアにしていることから、ワゴンタイプの車両(日光交通はジャンボハイヤーと呼称)も在籍する。
  • また、以前、国際十王タクシー伊勢崎営業所でも、ワゴンタイプの車両を導入しており、こちらは介護タクシーを行なっていた。

PASMOについて[編集]

朝日バス・川越観光バス・国際十王バス(熊谷営業所のみ)・茨急バス(古河営業所を除く)・阪東バスでは、PASMO(及び相互利用でSuicaほか交通系ICカード各種)の利用が可能である。

バス利用特典サービス(バス特)対応、IC定期券等には非対応(2011年10月現在)である。 また、バス共通カード(後述)の流れから、扱い上、東武バス(東武バスセントラル)グループ扱いとなっており、利用履歴は「バス等 東武CE」となる。

他のバス事業者でもそうであるが、導入されていてもコミュニティバス・高速バスなど一部路線は非対応という場合がある。

事業者単位では導入事業者であるものの、国際十王バス伊勢崎営業所・茨急バス古河営業所の2営業所では、未導入(バス共通カード時代も未導入)であり、将来導入されるかどうかについても不明である(国際十王は後述のバス共通カード終了案内告知で「全ての路線バス(一部の路線を除く)においてPASMOを導入」としている)。

2007年12月の朝日バス越谷営業所を皮切りにして順次導入を進め、2009年3月の阪東バスへの導入をもって完了した。

また、2010年7月31日をもって東武・朝日バスグループでの利用が終了した、東京・神奈川・埼玉・千葉県での利用が可能であったバス共通カードを朝日バス・川越観光バス・国際十王バス熊谷営業所・茨急バス(古河営業所を除く)において導入していた。 新設路線(及び埼玉・群馬県境、埼玉・茨城県境を跨ぐ朝日バスの路線・営業所の一部)を除き旧東武バスより継承されたものであり、その経緯から、現在のPASMO同様、東武バス(東武バスセントラル)グループ扱いであり、営業所・車内等で購入できた同カードは「東武鉄道」→「東武バス」表記であった。

そのほか[編集]

  • なお、東武グループ内では、当グループ各社以外にも東武興業株式会社もタクシー事業を行っていた(廃業済)が、この会社の主要な事業はレジャー部門に分類される上、会社規模も朝日自動車より大きい為、当グループには含まれないと考えられる。

関連項目[編集]

参考書籍[編集]

  1. BJエディターズ『BJハンドブック R54 朝日自動車』BJエディターズ、2005年1月1日、ISBN 4-4340-5322-1
  2. BJエディターズ『BJハンドブック R52 東武バス』BJエディターズ、2004年5月1日、ISBN 4-4340-4072-3

脚注[編集]

外部リンク[編集]