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最も近い・遠い天体の一覧

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

最も近い・遠い天体の一覧(もっともちかい・とおいてんたいのいちらん)では、宇宙にある天体の中で、最近・最遠のものを挙げていく。

特に断りの無い限り、地球中心からの距離を基準とする。

最も近い天体

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分類 天体名 見かけの距離 実際の距離 赤方偏移 備考
人間に最も近い天体 地球 0
地球に最も近い天体 36万3304km 近地点距離。
地球に最も近かった天体 2008 TC3[1]
2014 AA
2018 LA[2]
0 いずれも小惑星として発見された後地球に衝突[3]
地球に衝突しなかったものの最も近かった天体 US19720810 57km[4] ただし火球として。地球表面からの距離。
地球に衝突しなかったものの最も近かった小惑星 2011 CQ1[5][6] 5480km 2011年2月4日19時35分(UTC)に地球に最接近。地球表面からの距離。
地球に最も近くなる惑星 金星 3962万km [注釈 1]
地球に最も近くなる地球型惑星 金星 3962万km [注釈 1]
地球に最も近くなる木星型惑星 木星 7億4054万km [注釈 1]
地球に最も近い恒星 太陽 1億4709万km 近日点距離。
地球に最も近い太陽以外の恒星 プロキシマ・ケンタウリ 4.243光年[7][8] 現在の位置。
最も近い太陽系外の天体 プロキシマ・ケンタウリ 4.243光年[7][8] 現在の位置。
太陽系に最も近くなる見込みの恒星 グリーゼ710 0.178+0.043
−0.036
光年
約128万年後。現在は62.1光年の距離にある。
最も近い太陽に似た恒星 ケンタウルス座α星A[9] 4.366光年[10]
太陽系に最も近い巨星 ポルックス 33.78光年
太陽系に最も近い褐色矮星 WISE J104915.57-531906.1[11] 6.52 ± 0.49光年
最も近い太陽系外惑星 プロキシマ・ケンタウリb 4.243光年[12]
最も近い地球型惑星の太陽系外惑星 プロキシマ・ケンタウリb 4.243光年[12]
最も近い木星型惑星の太陽系外惑星 エリダヌス座ε星b 10.489光年 ラランド21185には、3つの木星型惑星が存在する可能性がある。
最も近い生命がいる可能性のある太陽系外惑星 くじら座τ星e 11.905光年[13]
最も近い惑星が複数ある惑星系 くじら座τ星 11.905光年 ラランド21185系には3つの惑星が存在する可能性がある。
太陽系に最も近い白色矮星 シリウスB 8.60光年
太陽系に最も近い中性子星 RX J1856.5-3754[14] 400光年 発見当初は150~200光年と考えられていた。
太陽系に最も近い恒星質量ブラックホール いっかくじゅう座X-1 4,700光年
太陽系に最も近い超新星残骸 ベラ・ジュニア 650 - 700光年 1250年頃超新星爆発を起こしたと推定されている。
太陽系に最も近い球状星団 ω星団 1万5800光年
太陽系に最も近い(太陽系が属する)銀河 銀河系(天の川銀河) 0
最も近い銀河系(天の川銀河)以外の銀河 おおいぬ座矮小銀河 2万5000光年[15]
最も近い銀河系(天の川銀河)以外の大銀河 アンドロメダ銀河 254万光年
銀河系(天の川銀河)に最も近い電波銀河 ケンタウルス座A 1300万光年
銀河系(天の川銀河)に最も近いセイファート銀河 ESO 97-G13 1300万光年
銀河系(天の川銀河)に最も近いスターバースト銀河 M82 1150万光年
最も近いブレーザー マルカリアン421 4億3400万光年 4億4100万光年 0.0308
最も近いクエーサー 3C 273 20億4000万光年 21億9600万光年 0.158339[16]
最も近いガンマ線バースト GRB 980425 1億2200万光年 1億2200万光年 0.0085 1. GRB 101225Aは約1万光年で発生した可能性がある。
2. 3万5000光年先にあるW 49Bガンマ線バーストの残骸である可能性がある。
最も近い銀河群 局所銀河群 0
最も近い局所銀河群以外の銀河群 マフェイ銀河群 930万光年 銀河群に属する最も近い銀河であるマフェイ1の距離。
最も近い銀河団 おとめ座銀河団 5800万光年 0.004
最も近い超銀河団 おとめ座超銀河団 0
最も近いおとめ座超銀河団以外の超銀河団 うみへび座・ケンタウルス座超銀河団 1億7600万光年
最も近い銀河フィラメント ペルセウス座・ペガスス座フィラメント 1億7600万光年

最も遠い天体

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分類 天体名 見かけの距離 実際の距離 赤方偏移 備考
肉眼で見える最も遠い天体 さんかく座銀河 272.5万 ± 34.5万光年 アンドロメダ銀河(254万光年)の方が遠い可能性がある。
かつて肉眼で見えた最も遠い天体 GRB 080319B[17] 76億3300万光年 104億9900万光年 0.937 2008年3月19日に30秒間、肉眼で見える6等級を上回り、5.8等級に達する明るさとなった。
人類が到達した最も遠い天体 40万5495km 遠地点距離。
人類が手にした最も遠い物質の母天体 ヴィルト第2彗星 7億9399万km [注釈 1]スターダストが回収。
人工物が着陸した最も遠い天体 タイタン 18億1421万km [注釈 1]ホイヘンス・プローブ
最も遠い太陽系の惑星 海王星 46億8610万km [注釈 1]
人工物が接近観測した最も遠い天体 冥王星 72億2350万km [注釈 1]ニュー・ホライズンズ
最も遠くなる小惑星 2013 BL76 3561億km
最も遠くなる太陽系内の天体 陳・高彗星 4.9光年 ただし、計算上の話。
最も遠い恒星 MACS J1149+2223 Lensed Star 1[18]
(通称:イカロス)[19]
93億4000万光年 144億光年 1.49 重力レンズで発見された青色超巨星
ガンマ線バーストGRB 090429B の母天体が恒星であると仮定した場合、こちらの方が遠くなる (赤方偏移 9.4、見かけの距離131億7400万光年、実際の距離307億2300万光年)[20]
最も遠い巨星 MACS J1149+2223 Lensed Star 1 [18][19] 93億4000万光年 144億光年 1.49
最も遠い褐色矮星 NGC 4349-127 b 7097光年[21]
最も遠い太陽系外惑星 MOA-2011-BLG-293Lb 2万3300光年[22] 1. ツインクエーサー(138億9000万)で発生した重力レンズ効果は、惑星によるものである可能性がある。
2. アンドロメダ銀河(254万光年)で発生した重力レンズ効果は、惑星によるものである可能性がある。
最も遠い岩石惑星型の太陽系外惑星 OGLE-2005-BLG-390Lb 2万1500光年[23] 質量が5.40MEスーパー・アース
最も遠いガス惑星型の太陽系外惑星 MOA-2011-BLG-293Lb 2万3300光年[22]
最も遠い生命がいる可能性のある太陽系外惑星 ケプラー22b[24] 620光年[25]
最も遠い惑星が複数ある惑星系 OGLE-2006-BLG-109L 4920光年
最も遠い中性子星 GRB 101225A 37億9500万光年 43億7200万光年 0.33 ガンマ線バーストの発生原因の天体としての推定[26]
最も遠いブラックホール ULAS J1342+0928 131億光年 293億6000万光年 7.54 クエーサーの中心部のブラックホールとして。
最も遠い超新星 SN 1000+0216 121億1900万光年 234億9500万光年 3.90[27]
最も遠い銀河 JADES-GS-z13-0 134億8000万光年 333億6000万光年 13.2 分光観測が行われ銀河であることが証明された中で最も遠い天体[28]
最も遠い電波銀河 TN J0924-2201 125億8100万光年 260億3100万光年 5.19[29]
最も遠いブレーザー Q0906+6930 126億5200万光年 264億7900万光年 5.47
最も遠いクエーサー ULAS J1342+0928 131億光年 293億6000万光年 7.54
最も遠いガンマ線バースト GRB 090429B[20] 131億7400万光年 307億3200万光年 9.4
最も遠い原始銀河団[注釈 2] BoRG-58 131億光年 296億光年 ~8
最も遠い銀河団 ClG J1449+0856 105億5400万光年 175億2200万光年 2.07[30]
最も遠い超銀河団 やまねこ座超銀河団 88億3900万光年 130億2400万光年 1.27[31]
最も遠い銀河フィラメント ClG J2143-4423フィラメント 109億6700万光年 188億5200万光年 2.38 原始銀河団ClG J2143-4423を取り囲む銀河フィラメント。
最も遠い天体 CEERS-93316 137億光年 349億光年 16.4[32] 発見当初はz=16.7と報告されていたが、後にz=16.4に修正された。
HD1 [33]

注釈

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  1. ^ a b c d e f g 計算上最も近く・遠くなる距離を計算。
  2. ^ ただし正確な距離決定のための分光観測が行われていない。分光観測が行われているものでは、2012年4月24日に発表した、すばる望遠鏡赤経13h14m04s赤緯+27°29′の方向に発見した原始銀河団のz=6.01である。

出典

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  1. ^ MPEC 2008-T50 : 2008 TC3 Minor Planet Center
  2. ^ 直径2mの小惑星がアフリカ南部に落下 アストロアーツ(2018年6月5日)、2019年4月5日閲覧
  3. ^ 隕石と小惑星の関係を初めて実証”. ナショナル ジオグラフィック. ナショナル ジオグラフィック協会 (2009年3月25日). 2023年11月27日閲覧。
  4. ^ US19720810 (Daylight Earth grazer) GSNA Archived 2004年3月7日, at the Wayback Machine.
  5. ^ [1]
  6. ^ 2011 QC1 JPL
  7. ^ a b "A Family Portrait of the Alpha Centauri System" (Press release). ESO. 15 March 2003.
  8. ^ a b Benedict, G. Fritz et al. (1999). “Interferometric Astrometry of Proxima Centauri and Barnard's Star Using HUBBLE SPACE TELESCOPE Fine Guidance Sensor 3: Detection Limits for Substellar Companions”. The Astronomical Journal 118 (2): 1086–1100. arXiv:astro-ph/9905318. Bibcode1999AJ....118.1086B. doi:10.1086/300975. ISSN 00046256. 
  9. ^ [2]
  10. ^ Visual binary orbits and masses POST HIPPARCOS - NASA/ADS
  11. ^ Discovery of a Binary Brown Dwarf at 2 parsecs from the Sun Penn State Science
  12. ^ a b Anglada-Escudé, Guillem et al. (2016). “A terrestrial planet candidate in a temperate orbit around Proxima Centauri”. Nature 536 (7617): 437–440. doi:10.1038/nature19106. ISSN 0028-0836. 
  13. ^ Tau Ceti's planets nearest around single, Sun-like star BBC
  14. ^ AstroArts
  15. ^ SEDS
  16. ^ NASA
  17. ^ AstroArts
  18. ^ a b Kelly, Patrick L.; Diego, Jose M.; Rodney, Steven; Kaiser, Nick; Broadhurst, Tom; Zitrin, Adi; Treu, Tommaso; Pérez-González, Pablo G. et al. (2018). “Extreme magnification of an individual star at redshift 1.5 by a galaxy-cluster lens”. Nature Astronomy 2 (4): 334–342. doi:10.1038/s41550-018-0430-3. ISSN 2397-3366. 
  19. ^ a b これまでで最も遠方の単独の星の観測”. 東京大学大学院理学系研究科 (2018年4月3日). 2019年3月12日閲覧。
  20. ^ a b 宇宙の最初期、131億光年先で起きたガンマ線バースト”. アストロアーツ (2011年5月31日). 2019年3月12日閲覧。
  21. ^ Extrasolar Planets Encyclopaedia
  22. ^ a b Extrasolar Planets Encyclopaedia
  23. ^ Extrasolar Planets Encyclopaedia
  24. ^ BBC News
  25. ^ Extrasolar Planets Encyclopaedia
  26. ^ NASA's Swift Finds a Gamma-Ray Burst With a Dual Personality NASA
  27. ^ Superluminous supernovae at redshifts of 2.05 and 3.90 nature
  28. ^ B.E.Robertson. “Discovery and properties of the earliest galaxies with confirmed distances”. 2023年3月23日閲覧。
  29. ^ すばる望遠鏡、125 億光年彼方の銀河に炭素を発見 ~ 宇宙における炭素誕生の謎に迫る ~ - すばる望遠鏡
  30. ^ ClG J1449+0856 -- Cluster of Galaxies SIMBAD
  31. ^ NAME LYNX SUPERCLUSTER -- Supercluster of Galaxies SIMBAD
  32. ^ C.T., Donnan (2022). “The evolution of the galaxy UV luminosity function at redshifts z ~ 8-15 from deep JWST and ground-based near-infrared imaging”. Astrophysics of Galaxies. arXiv:2207.12356. https://arxiv.org/abs/2207.12356. 
  33. ^ Staff (2008年). “Finding the constellation which contains given sky coordinates”. DJM.cc. 8 April 2022閲覧。

関連項目

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