銀河群

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動

銀河群[1](ぎんがぐん、Galaxy group[2], group of galaxies[1][3], GrG[4])は、各々がそれぞれ銀河系程度の明るさを持つ、50個程度かそれ以下の銀河が重力的に結びついた集合体である。これよりも銀河の数が多いと銀河団と呼ばれる[5]。また、銀河群や銀河団が集まったものは超銀河団と呼ばれる。

銀河系は、局部銀河群と呼ばれる銀河群の一部である[6]

特徴[編集]

銀河群は、最小の銀河の集まりである。銀河の数は50を超えず、典型的には直径は1-2Mpc、質量は約1013太陽質量である。ここの銀河の分散速度は約150km/sである。しかし、これより大きく重いものも銀河群とされることがある[7]

銀河群は、銀河の最も一般的な構造であり、局所宇宙の銀河の少なくとも50%は銀河群を形成する。銀河群は、非常に大きい楕円銀河と銀河団の中間の質量を持つ[8]。局所宇宙の約半数の銀河群が銀河団ガスから散乱性のX線を放射している。X線を放射する銀河群は、初期のタイプの銀河を含むものである。X線は、銀河群のビリアル半径の10-50%の通常50-500pcの領域から放射される[9]

タイプ[編集]

銀河群には、いくつかのサブタイプがある。

コンパクト銀河群[編集]

コンパクト銀河群は、小さな領域に銀河が近傍に密に集まった小さな銀河群である。通常5個程度の銀河が他の銀河から離れて存在する[10]。初めて発見されたのはステファンの五つ子銀河で、1877年に発見された[11]。ステファンの五つ子銀河自体は、4つの銀河からなる銀河群と、遠方の1つの銀河が含まれる[10]。天文学者ポール・ヒクソンは、1982年にこのような銀河群を集めたカタログを作った(ヒクソン・コンパクト銀河群[12]

目に見える物質の重力は、このように銀河をコンパクトに結び付けるには圧倒的に小さく、暗黒物質の効果を見ることができる。ハッブル時間を超えると、コンパクト銀河群は安定ではなく、銀河の合体等で進化する[10]

化石銀河群[編集]

化石銀河群は、古い銀河群の残骸である。ここでは、明るい銀河が合体して楕円銀河を形成している。このような系は、未だ祖先の銀河群程度の大きさのX線ハロを持っている。また、合体していない矮小銀河を含むことがあるが、より重いものは中央の銀河に凝集している[9][10]

原始銀河群[編集]

原始銀河群は、形成の途上にある銀河群である。原子銀河団の小さな形態である[13]。これらは、暗黒物質ハロに埋め込まれた銀河や原始銀河を含み、単一の暗黒物質ハロを持つ銀河群への融合の途上にある[14]

出典[編集]

[ヘルプ]
  1. ^ a b 『天文学大事典』 地人書館、初版第1版、165頁。ISBN 978-4-8052-0787-1
  2. ^ Bärbel Koribalski. “The NGC 6221/15 Galaxy Group”. 2015年5月3日閲覧。
  3. ^ Hartmut Frommert. “Groups and Clusters of Galaxies with Messier objects”. SEDS. 2015年5月3日閲覧。
  4. ^ Object classification in SIMBAD”. SIMBAD. 2015年5月3日閲覧。
  5. ^ L.S. Sparke; J.S. Gallagher (2007). Galaxies in the Universe: an Introduction (2nd ed.). Cambridge University Press. pp. 278. ISBN 9780521671866. 
  6. ^ Mike Irwin. “The Local Group”. 2009年11月7日閲覧。
  7. ^ UTK Physics Dept. “Groups of Galaxies”. University of Tennessee, Knoville. 2012年9月27日閲覧。
  8. ^ Muñoz, R. P.; Motta, V.; Verdugo, T.; Garrido, F. et al. (2012年12月11日). “Dynamical analysis of strong-lensing galaxy groups at intermediate redshift”. Astronomy & Astrophysics 552: 18. arXiv:1212.2624. Bibcode 2013A&A...552A..80M. doi:10.1051/0004-6361/201118513. A80. 
  9. ^ a b Mulchaey, John S. (2000年9月22日). “X-ray Properties of Groups of Galaxies”. Annual Review of Astronomy and Astrophysics 38: 289–335. arXiv:astro-ph/0009379. Bibcode 2000ARA&A..38..289M. doi:10.1146/annurev.astro.38.1.289. http://ned.ipac.caltech.edu/level5/Sept03/Mulchaey/frames.html. 
  10. ^ a b c d Paul Hickson (1997年). “Compact Groups of Galaxies”. Annual Review of Astronomy and Astrophysics 35: 357–388. arXiv:astro-ph/9710289. Bibcode 1997ARA&A..35..357H. doi:10.1146/annurev.astro.35.1.357. http://ned.ipac.caltech.edu/level5/Sept01/Hickson/Hickson_contents.html. 
  11. ^ M. Stephan. “Nebulæ (new) discovered and observed at the observatory of Marseilles, 1876 and 1877, M. Stephan”. Monthly Notices of the Royal Astronomical Society 37: 334. Bibcode 1877MNRAS..37..334S. 
  12. ^ Hickson, Paul. “Systematic properties of compact groups of galaxies”. Astrophysical Journal, Part 1 255: 382–391. Bibcode 1982ApJ...255..382H. doi:10.1086/159838. 
  13. ^ Yujin Yang (2008). Testing Both Modes of Galaxy Formation: A Closer Look at Galaxy Mergers and Gas Accretion. ProQuest. p. 205. ISBN 9780549692300. 
  14. ^ C. Diener; S. J. Lilly; C. Knobel; G. Zamorani et al. (2012年10月9日). “Proto-groups at 1.8<z<3 in the zCOSMOS-deep sample”. The Astrophysical Journal 765 (2): 11. arXiv:1210.2723. Bibcode 2013ApJ...765..109D. doi:10.1088/0004-637X/765/2/109. 109.