GRB 080319B

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GRB 080319B
GRB 080319Bの残光写真 (左:X線、右:紫外線と可視光)
GRB 080319Bの残光写真
(左:X線、右:紫外線と可視光)
星座 うしかい座
見かけの等級 (mv) 5.8
分類 ガンマ線バースト
発見
発見日 2008年3月19日6時13分(UTC)
発見者 スウィフト
発見方法 自動検出
位置
元期:J2000.0
赤経 (RA, α)  14h 31m 40.98s
赤緯 (Dec, δ) +36° 18′ 18.8″
赤方偏移 0.937
距離 103億6000万 光年
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GRB 080319Bは、2008年3月19日6時13分(UTC)に、うしかい座の方向で発見されたガンマ線バーストである。

概要[編集]

GRB 080319Bは、現在知られている中で、視等級2022年秋に太陽系を直撃したGRB 221009Aに次いで二番目に明るいガンマ線バーストである[1]。明るさのピークの30秒間は、肉眼で見える6等級を上回り、5.8等級に達する明るさとなった。また、GRB 080319Bまでの見かけの距離は75億1200万光年、空間の膨張を考慮した実際の距離は103億6000万光年もあり、これは肉眼で見えた最も遠い物体である。常時肉眼で見える最も遠い物体はアンドロメダ銀河(254万光年)もしくはさんかく座銀河(238万〜307万光年)であり、それらの数千倍遠い距離にあることになる。

GRB 080319Bの明るさは、視等級で9.0等級以上だった時間も60秒間続いた。また、バーストから3週間経っても、GRB 080319Bの残光が明るすぎて、バースト源の銀河がハッブル宇宙望遠鏡で観測ができなかった。

その他[編集]

GRB 080319Bは「クラークイベント」と名づけることが提案された。この名前は、このガンマ線バーストの発生時刻の数時間後に亡くなったSF作家アーサー・C・クラークにちなんでいる。

脚注[編集]

  1. ^ Orwig, Chris Panella,Jessica (2023年4月5日). “最も明るい「ガンマ線バースト」、これまでの70倍の明るさだった”. BUSINESS INSIDER JAPAN. 2023年6月27日閲覧。

関連項目[編集]

出典[編集]