南海30000系電車

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南海30000系電車
30000系による特急「こうや」 (2017年7月 帝塚山駅 - 岸里玉出駅間)
30000系による特急「こうや
(2017年7月 帝塚山駅 - 岸里玉出駅間)
基本情報
運用者 南海電気鉄道
製造所 東急車輛製造
製造年 1983年
製造数 2編成8両
運用開始 1983年6月26日
投入先 高野線
主要諸元
編成 4両編成(全電動車
軌間 1,067 mm
電気方式 直流1500V架空単線式
最高運転速度 100 km/h
設計最高速度 115 km/h
起動加速度 2.5 km/h/s
(山岳線内 3.5 km/h/s)
減速度(常用) 3.7 km/h/s
車体 普通鋼
台車 緩衝ゴム式ダイレクトマウント空気ばね台車
住友金属工業FS-518
主電動機 直流直巻電動機
三菱電機製MB-3072-B7形
駆動方式 WNドライブ
歯車比 84:17 (4.94)
編成出力 2,320 kW
制御方式 抵抗制御
制御装置 日立製作所製MMC-HTB-20T形
制動装置 発電ブレーキ併用全電気指令式電磁直通空気ブレーキ抑速ブレーキ付)
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南海30000系電車(なんかい30000けいでんしゃ)は、南海電気鉄道1983年昭和58年)に製造した特急形電車である。

概要[編集]

高野線の山岳線区直通特急こうや」に使用していた20000系が製造後20年以上を経過して老朽化したため、同系の代替を目的として、1984年(昭和59年)4月1日から5月20日まで高野山弘法大師御入定1150年御遠忌大法会が開催されるのを前に、東急車輛製造で4両編成2本(8両)が製造された。

20000系は1編成しかなく、検査時には一般車の21000系が代走したほか、冬期には運休していたが、本系列は2編成が製造されたことにより、「こうや」の通年運行が可能となった。

31000系の登場後もテレビCMには必ず登場する「高野線のクイーン」である。

形式・編成[編集]

電動車方式で、先頭車がモハ30001形、中間車がモハ30100形となっている。

編成は以下のとおり。

← 難波
極楽橋 →
30001 30100 30101 30002
30003 30102 30103 30004

構造[編集]

車体[編集]

高野山開創1200周年ラッピング車「赤こうや」
高野山開創1200年ラッピング車「紫こうや」 (30003F)

普通鋼製車体で、山岳線区対応のため車体長は17mとなっている。

前面は「く」の字形に傾斜させた非貫通型とし、前面窓は大形曲面ガラスと小形曲面ガラスの組み合わせとして、前面展望を良くしている。側面は各車両に1か所ずつ折り戸を配置し、側面の客室部分の窓は高さ790mm×幅1,750mmの、製造当時としては国内最大級の大形固定窓となっている。

塗装は高野線特急共通のアイボリーホワイトとワインレッドのツートンカラーで、地色が20000系のクリーム色から変更された。また1999年の更新の際に、両先頭車の前頭部寄りの側面腰板部に「NANKAI」のロゴが追加されている。

1999年の更新工事の際に前面を貫通式に改造する予定があったが、改造後に車体強度が低下することが判明したために見送られた。

2015年3月には高野山開創1200周年を記念して30001Fに「赤こうや」、30003Fに「紫こうや」のラッピングが施され、2016年2月まで運行された[1]

機器[編集]

台車は住友金属工業FS518形である。抵抗制御車両で、出力145kWの三菱電機MB-3072-B7直巻電動機を搭載する。末尾1と3の番号の車両に日立製作所製のMMC-HTB-20T主制御器とPT-4803-A-M形下枠交差式パンタグラフを搭載する。

南海の車両で初めて電気指令式ブレーキを採用した。

冷房装置は三菱電機製CU-191 (10,500kcal/h) が各車両に3基ずつ搭載され、ロスナイを併用する。

製造当初は前面の連結器は車体下部のスカート内に収納される廻り子式密着連結器であったが、1999年の更新で電気連結器付き密着連結器に交換され、常時連結器が露出する外観となった。

車内設備[編集]

更新後の先頭車内装

座席はフリーストップ式回転リクライニングシートで自動回転機構付き。座席脚台は床固定タイプ、背面テーブルと網袋が付く。シートピッチは1,000mmで、先頭車両の形状の変更やトイレ・洗面所のスペース確保の影響で先代の20000系より50mm詰められているが、1編成あたり定員も20000系と比較して4名分増加している。また製造当初は中間車にサービスコーナーがあり、売店営業を行っていた。

1999年の更新で31000系や11000系と同様の室内に改良され、サービスコーナーが撤去されて自動販売機2台を設置したフリースペースとなった。また登場当初にはなかった、車内自動放送もこの更新工事で新設された。(日英2言語で、いずれも女性の声)[要出典] この他 11000系以降の特急車両と同様の電子ホーンも追加装備された。

南海30000系正面.JPG 南海30000系運転台.JPG Nankai30000-cabin(Car No.1).JPG
- 正面
- 運転台
- 車内
いずれも1 (5) 号車。極楽橋駅にて。

運用[編集]

2編成とも1983年(昭和58年)5月19日[2]竣工だが、実際の営業運転開始はその約1か月後の同年6月26日のダイヤ改正からであった[3]

製造以来、高野線の難波 - 極楽橋間を運行する特急「こうや」と、難波 - 橋本間の特急「りんかん」に使用されている。

2008年(平成20年)2月23日に和歌山で開催されたイベントのために、本系列が初めて団体列車として南海本線を走行した。側面幕は特殊表示となっていたが両先頭車の「こうや」の表示は変更されなかった。

車両数が少ないこともあり、2013年現在空港線への入線経験はない。

参考文献[編集]

脚注[編集]

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  1. ^ 特急こうや 高野山開創1200年特別仕様 - 南海電鉄(インターネットアーカイブ
  2. ^ 電気車研究会刊『鉄道ピクトリアル』 (№615) 1995年12月臨時増刊号(特集:南海電気鉄道) 264頁
  3. ^ 電気車研究会刊『鉄道ピクトリアル』 (№615) 1995年12月臨時増刊号(特集:南海電気鉄道) 217頁 また同誌171頁にもそうであることを証明するカラー写真と説明文が掲載されている。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]