南海11000系電車

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南海11000系電車
Nankai 11000 series Semboku-Liner ver.2.jpg
11000系電車「泉北ライナー」2代目ラッピング
基本情報
運用者 南海電気鉄道
製造所 東急車輛製造
製造年 1992年
製造数 1編成4両
運用開始 1992年8月
投入先 高野線難波 - 橋本間)・泉北高速線
主要諸元
編成 4両編成(全電動車
軌間 1,067 mm
電気方式 直流1500V架空単線式
最高運転速度 100 km/h
設計最高速度 115 km/h
編成定員 248人
車体 普通鋼
台車 S形ミンデン式ダイレクトマウント空気ばね台車
住友金属工業製FS-552形
主電動機 直流直巻電動機
主電動機出力 145kW×4
駆動方式 WNドライブ
編成出力 2,320 kW
制御装置 抵抗制御
日立製作所製VMC-HTB-20H形
制動装置 発電ブレーキ併用全電気指令式電磁直通空気ブレーキ
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南海11000系電車(なんかい11000けいでんしゃ)は、1992年平成4年)8月に営業運転を開始した南海電気鉄道特急形車両である。

概要

1992年8月に運行を開始した高野線難波駅 - 橋本駅間(りんかんサンライン)の特急「りんかん」用の車両として4両編成1本が東急車輛製造で製造された。2015年12月のダイヤ改正からは泉北高速鉄道線直通の難波駅 - 和泉中央駅間の特急「泉北ライナー」にも導入されている。

車体

車体は10000系を基本とした20m級の全鋼製車体を採用し、前頭部は平面的な構成であった10000系と異なり、スピード感を強調するデザインの傾斜した形状となっている。貫通扉は非常用であったが、1999年(平成11年)に高野線特急の新型車両31000系が登場すると同時に幌取り付けアダプターを橋本方の先頭車(11201)に設置した。これにより31000系との併結時のみ車内からの通り抜けが可能となった。側面窓は大型複層ガラスの連続窓で、客用扉は折り戸を各車片側1箇所に備えている。連続大型窓は後に登場する10000系中間化改造車、31000系にも反映されている。行先・種別表示器2000系と同型の種別行先が2分割されたものを各車の客用扉寄りに設置している。

主要機器

制御装置は30000系と同等の抵抗制御(日立製 VMC-HTB-20H)、ブレーキ装置は電気指令式台車空気ばね台車を使用。電動機出力は145kWで全電動車編成を組んでいるが、ズームカーではないため橋本以南の高野線山岳区間には入線できない。警笛類は本形式より従来の空気式に加え、電気式の警笛も併設された。これは、本形式以降に製造された特急車両の50000系、31000系、12000系(泉北車を含む)にも装備されている他、先代の30000系も1999年のリニューアルの際に追加装備されている。

車内

車内

座席は2人がけのフリーストップ式回転リクライニングシートとなり、席間のセンターアームレスト(中肘掛)や肘掛け内臓テーブル、足元の跳ね上げ式フットレストを設けている。座席間隔(シートピッチ)は30000系と比較してさらに30mm広げた1,030mmとしている。車内案内表示装置は10000系と同型の3色LED式を採用。自動案内放送はりんかん、泉北ライナーともに搭載されていない。

モハ11301形には車椅子スペース、モハ11101形にはトイレと洗面所を設けている。編成中間にはフリースペース及びサービスコーナーがあり、かつては公衆電話や喫煙ルームが設けられていたが現在は撤去・閉鎖されている。

塗装の変遷

BYR color wheel.svg この節ではを扱っています。閲覧環境によっては、色が適切に表示されていない場合があります。
  • 1992年(平成4年):10000系に準じたメタリックシルバーの車体にオレンジと青の帯の塗装()で竣工。
  • 1995年(平成7年)頃:先頭車側面の「NANKAI」文字を現行の斜体文字のロゴに変更し、社章をシンボルマークに変更。
  • 1999年(平成11年):31000系デビューに合わせ、白地に赤帯の新塗装()に塗り替え。
  • 2016年(平成28年):白地に赤帯と金帯のグラデーションが施された泉北ライナーラッピング()を貼り付け。
  • 2017年(平成29年)
    • 1月:泉北ライナー運用一時撤退に伴い専用ラッピングを剥離し、従来の新塗装()に復元。
    • 8月:泉北ライナー増発による運用復帰とともに、泉北12000系に準じた金色ベースの2代目ラッピング()を貼り付け[1]
  • 2018年(平成30年)
    • 1月:30000系の検査入場によるりんかん運用充当に伴いラッピングを剥離し、従来の新塗装()に復元。
    • 2月:30001編成の営業運転復帰による泉北ライナー運用復帰に伴い、金色ベースの3代目ラッピング()を貼り付け[注 1][2]

以降、毎年1月から2月にかけてラッピングを剥離し「りんかん」の代走を行い、検査終了後はラッピングを貼り付け「泉北ライナー」の運用に復帰している。

形式・編成

電動車方式で、難波方先頭車がモハ11001形、難波方中間車がモハ11301形、橋本方中間車がモハ11101形、橋本方先頭車がモハ11201形となっている。

編成は以下の通り。

 
← 難波
橋本・和泉中央 →
 
  ◆   ◆      
形式 モハ11001
(Mc1)
モハ11301
(M1)
モハ11101
(M2)
モハ11201
(Mc2)
製造年
車両番号 11001 11301 11101 11201 1992年
定員 60人 64人 64人 60人
設備   車椅子スペース
サービスコーナー
トイレ・洗面所

運用

本形式は高野線山岳区間に乗り入れ可能なズームカーではないため、運用は高野線平坦区間の難波 - 橋本間を結ぶ特急「りんかん」と増結列車である特急「こうや・りんかん」(5号車から8号車)の難波 - 橋本間に限られていた。

2015年12月以降、ダイヤ改正で新設された泉北高速鉄道線和泉中央から難波間を結ぶ特急「泉北ライナー」専用車両として運用されるようになった。2017年1月27日からは、泉北高速鉄道が自社発注の特急型車両として12000系(20番台)を導入したことから、本形式は一旦置き換えられ「りんかん」の運用に戻っていた。しかし、同年8月のダイヤ改正で特急泉北ライナーが増発され2編成運用体制となることから、本形式は再び「泉北ライナー」の運用に復帰している。

以降、検査による車両不足が発生することから毎年1月から2月にかけて「りんかん」の代走を行い、検査終了後は「泉北ライナー」の運用に復帰する周期をとっている。11000系が検査の際には、「りんかん」に30000系の予備編成および31000系が、「泉北ライナー」に南海本線12000系が使用される[3]。逆に、30000系または31000系が検査の際にはラッピングを解除し「りんかん」の代走として運用され、「泉北ライナー」には11000系検査時と同様、12000系での代走となる。

南海本線への入線は、営業運転開始前の性能試運転で長期入線していた。

参考文献

脚注

[脚注の使い方]

注釈

  1. ^ 2代目ラッピングと比べ、前面や側面の青帯と泉北ライナーロゴが省略されているなどの変化が見られる。

出典

  1. ^ 南海11000系が“泉北ライナー”カラーに『鉄道ファン』交友社 railf.jp鉄道ニュース 2017年8月30日
  2. ^ 南海11000系が“泉北ライナー”運用に復帰『鉄道ファン』交友社 railf.jp鉄道ニュース 2018年2月26日
  3. ^ 南海電気鉄道. “特急列車のご案内”. http://www.nankai.co.jp/traffic/express.html 2015年11月14日閲覧。 

関連項目

外部リンク