十七試陸上攻撃機

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十七試陸上攻撃機(じゅうななしりくじょうこうげきき)は、川西航空機大日本帝国海軍向けに計画した陸上攻撃機実計番号は「K-100」、川西での社内名称は「KX-1」[1][2]

概要[編集]

海軍航空技術廠(空技廠)が開発した陸上爆撃機「銀河」を上回る性能を持つ機体として、1942年(昭和17年)に開発開始。汎用機となった銀河とは異なり、主任務は雷撃とされていた。しかし、搭載が予定されていた中島護改」エンジンが完成する見込みが薄かったため、基本設計が終了した段階で計画は中止され、海軍から略符号を与えられることもなかった[1]。なお、アメリカの書籍には十七試陸攻の略符号を「G9K1」とするものがあるが、根拠は不明である[2]

機体は銀河に類似する形状を持つ中翼単葉の双発機で[3]、銀河と比較すると主翼がやや大型化しており、「」を18気筒化した「護改」エンジンを搭載したため、エンジンナセルは特大のものを装備することが予定されていた[1]。搭乗員の座席は串型に配置されている[1]

諸元(計画値)[編集]

出典:『日本航空機総集 川西・広廠篇』 159頁。

  • 全長:15.00 m
  • 全幅:21.60 m
  • 全高:6.07 m
  • 主翼面積:64.0 m2
  • 自重:8,550 kg
  • 搭載量:4,950 kg
  • 全備重量:13,500 kg
  • エンジン:中島 護改 空冷複列星型18気筒(離昇2,350 hp) × 2
  • 最大速度:605 km/h(高度7,600 m時)
  • 巡航速度:370 km/h
  • 実用上昇限度:11,200 m
  • 航続距離:5,556 km
  • 武装:
    • 20mm旋回機銃 × 2
    • 800kg魚雷 × 1
  • 乗員:4名

脚注[編集]

  1. ^ a b c d 『日本航空機総集 川西・広廠篇』 158頁。
  2. ^ a b 秋本実『巨人機物語 知られざる日本の空中要塞』光人社、2002年、313頁。ISBN 978-4-7698-2359-9 
  3. ^ 『日本航空機総集 川西・広廠篇』 158・159頁。

参考文献[編集]