代謝経路

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代謝経路(metabolic pathway)とは、生化学において細胞の中で起きる連鎖的な化学反応のことである。それぞれの経路で、元となる化学物質が一連の化学反応によって修飾される。酵素はこれらの反応を触媒するが、適切に働くためにしばしばミネラルビタミンやその他の補因子を必要とする。非常に多くの代謝物質が関わるため、代謝経路は非常に複雑なものになる。さらに、多くの独立した経路が1つの細胞内で共存する。このような代謝経路の集合は代謝経路網と呼ばれる。経路は、器官の恒常性を維持するために重要である。異化経路と同化経路はしばしば独立に働き、最終産物として新しい生体分子を作る。

代謝経路では、元の分子が段階的に修飾を受け、別の物質に変化する。最終産物は次の3つのうちいずれかとして使われる。

  • 代謝経路の最終産物としてすぐに消費される。
  • 次の代謝経路を開始する。
  • 細胞に貯蔵される。

異化や同化の中間体と最終産物の濃度も特定の代謝経路の代謝速度に影響を与える。

概要[編集]

それぞれの代謝経路は、中間体を介した一連の化学反応の連鎖から構成されている。1つの化学反応の生成物が続く反応の基質となる。代謝経路はしばしば一方向へ流れると考えられている。全ての化学反応は技術的には可逆であるが、細胞内の環境は熱力学的に一方向に反応が流れるのに適している。例えば、ある経路で特定のアミノ酸の合成が行われるとしても、分解は独立した別の経路で行われる。この「ルール」の例外となる例の1つはグルコースの代謝である。解糖系ではグルコースの分解が行われるが、解糖系のいくつかの反応はグルコースの合成(糖新生)では逆向きに使われる。

  • 解糖系は、最初に発見された代謝経路である。
  1. グルコースが細胞に入ると、ATPによってすぐにリン酸化され、不可逆的にグルコース-6-リン酸となる。
  2. 脂質タンパク質のエネルギー源が不足した時には、解糖系の一部の反応が逆向きに進んでグルコース-6-リン酸を生成し、その後、グリコーゲンデンプンとして貯蔵される。
  • 代謝経路はしばしばフィードバック阻害を受ける。
  • クエン酸回路等、回路の中を流れて循環する代謝経路もある。回路内では、全ての生成物が続く反応の基質となる。
  • 真核生物の異化経路、同化経路はしばしば互いに独立で、細胞小器官等の区画も離れている。必要な酵素や補因子も別である。

細胞呼吸[編集]

いくつかの独立した経路で、栄養素分子の異化によって、ATPやその他のエネルギーとして使われる小分子(例えばGTPNADPHFADH)へのエネルギーの伝達に関与する。

これらの経路は、生きている全ての生物の中で起こっている。

  1. 解糖系
  2. 嫌気呼吸好気呼吸
  3. クエン酸回路
  4. 酸化的リン酸化

この他、ほぼ全ての生物で行われている経路には次のようなものがある。

非生物からエネルギーを合成する方法には次のものがある。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]