ケトーシス

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ケトーシス: ketosis)は、糖質および脂質の代謝障害により、体内のケトン体が異常に増量し、臨床症状を示す状態。ケトン症とも呼ばれる。血中のケトン体が増量した状態をケトン血症、尿中のケトン体が増量した状態をケトン尿症、乳中のケトン体が増量した状態をケトン乳症と呼び区別する。臨床症状を伴わないケトン体の増量はケトーシスとはみなされない。

ケトーシスは単一の原因による発生は少なく、その原因は種々存在する。単胃動物ではケトン体は肝臓でのみ合成される。肝臓でのケトン体の合成亢進は下記の場合で発生する。

  1. 大量の脂肪酸が肝臓に流入すると、脂肪酸のβ-酸化による過剰なアセチルCoAからケトン体が合成される。
  2. オキサロ酢酸の不足などによりTCA回路でのアセチルCoAの処理能が低下するとアセチルCoAはケトン体として蓄積される。
  3. NADPHの低下などによりアセチルCoAからの脂肪酸合成が傷害されるとアセチルCoAはケトン体として蓄積される。

ケトーシスは分娩前後の乳牛に発生が多く、その主な原因として、エネルギー要求量の増加による低血糖が考えられる。 症状としては元気消失、乳量の減少などがみられ、ときに神経症状を示す。症状により消化器型ケトーシス神経型ケトーシス乳熱型ケトーシスに分類される。血中のケトン体、遊離脂肪酸の上昇、グルコーストリグリセリド、総コレステロールリン脂質インスリンの低下が認められる。治療にはビタミンB群、インスリン、キシリトールなどを添加したグルコース液の輸液が行われる。肝機能障害がある場合には、メチオニンパントテン酸などが使用される。

参考文献[編集]

  • 日本獣医内科学アカデミー編 『獣医内科学(大動物編)』 文永堂出版、2005年ISBN 4830032006 
  • 獣医学大辞典編集委員会編 『明解獣医学辞典』 チクサン出版、1991年ISBN 4885006104 
  • 鎌田信一; 押田敏雄; 酒井健夫; 局博一、永幡肇編、 『獣医衛生学』 文英堂出版、2005年ISBN 9784830031991 

関連項目[編集]